実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第531回】北川景子も小松彩夏もがんばれ!の巻(『探偵の探偵』第7話/『花咲舞が黙っていない』第7話/『鉄神ガンライザーNEO』第2話)

1. 『探偵の探偵』第7話



 まずは『探偵の探偵』。前回5.9%と紹介した第6話の視聴率だが、実は6.5%だったらしい。で、第7話は8.2%まで持ち直しているんだが、問題はメディアの風向きの変化である。
 とにかく今は、ネット全般にフジテレビを叩きたい気分が蔓延している。それで芸能ニュースも、今シーズンのドラマの中では、まずエグザイルの人の『HEAT』に注目していた。するとこれが期待(?)を遙かに上回る(下回る)ポンコツぶりで、初回から6.6%、以降は5%を上回ることもなく、第6話にいたって2.8%と大撃沈。最初は大騒ぎだった。でもここまで徹底してひどいと、もうネタにもならないというか、みんなだんだん飽きてきた。
 一方、これも爆死を期待されていた月9ドラマ『恋仲』は、初回こそ9.8%と苦戦したが、第2回で9.9%、第3回で11.9%、第4回で10.8%、第5回で11.8%と盛り返して、平均視聴率をフタケタに乗せたのである。そのため「月9も大惨事!」というヘッドラインを用意していたマスコミ関係者は、ちょっとスカされる格好になった。で後はないかと見てみれば『探偵の探偵』がひっそり、しかしジリジリと数字を下げているではないか。
 ということなんだと思うけど、しかしこの展開は困ったな。かくなるうえは、もう残り数回を頑張って、8%前後をうろうろしていて欲しい。そうすればマスコミ的にも「川口春奈が準主役でこの程度だからな」みたいな感じで大目に見てくれるのではないか。
 私は北川景子も川口春奈も大好きだけど「二人のどちらかをセメント漬けにして、どちらかを助けるならどっちを選ぶ?」と究極の選択を迫られたら、う〜んごめん。やっぱり北川さんを選んで、川口春奈さんにはセメント漬けになってもらう。
 何の話だと思われるかも知れないが、これは最終回に向けての重要な伏線ですから。



 それはともかく第7話。DV男たちが「野放図」という半グレ集団の組織に大金を払って、DVシェルターに避難した自分たちの妻や恋人を連れ戻してもらう。その取引の様子を盗聴していた玲奈は追いつめられ、鉄パイプで殴られたうえに何かを嗅がされて意識不明になる。




 さらには追跡していたDV男、升瀬(中野裕太)たちが、自分たちの女が戻るまでの手持ちぶさたにと、こともあろうに北川さんに手を出そうとする。





 そこに乱入して、玲奈を助けたのが窪塚刑事(三浦貴大)。




 車に乗って、とりあえず窪塚の家に避難する。ここでオープニングクレジット。一部で「クンツァイトの名前が出ていた」と話題になったが、どれどれ。




 なるほど、役名なしで「窪寺昭」の名が。しかし今回は、けっこうな数の男どもが入り乱れて乱闘する場面がクライマックスだ。果たしてクンツァイトは発見できるであろうか。
 それはともかく、窪塚の家に着くと、両親が寝ないで待っていた。



 当たり前だがウソである。窪塚の母(岡まゆみ)と、亡くなった妻が残していってくれた一人娘の柚希(藤田彩華)だ。着替えや晩ご飯まで用意してくれる。




ここで、いきなり一人娘が玲奈のことを「新しいお母さん?」なんて聞いて、しかも今度の参観日に来てくれ、なんてダダをこねる。原作より。



 柚希がねだるようなまなざしを玲奈に向けてきた。「来て。授業参観」



 窪塚が険しい顔つきになった。「柚希。もう寝ろ」




 しかし柚希は、玲奈の手を握ったまま話さなかった。「約束してくれなきゃ寝ない」



 玲奈はささやいた。「わかった」



 ふいに柚希が顔を輝かせた。「ほんとに? やったぁ」
 面食らったようすの窪塚が、玲奈を見つめてきた。「おい」
 「いいから」と玲奈は答えた。



 あっさりと了承したのは、わたしが約束の重さを気に留めないからにちがいない。玲奈は憂愁とともにそう思った。欺瞞ばかりの探偵業に生きるうち、その場をしのぐひとことに、なんら罪悪感を覚えなくなった。
 柚希は安心したのか、ようやく手を放した。代わりに猫のように丸くなって、玲奈の膝まくらに身をゆだねた。(松岡圭祐『探偵の探偵 II』)


 最近の子役ってどうしてこんなに作った芝居ができるの?
 と思っていると、窪塚の母親まで、夜中に突然やって来た玲奈を暖かく迎え入れ「あなたはいい人ね」なんて言い出す。どうしてかというと、息子の死んだ嫁に面影が似ているからみたいだ。





 それを聞いた玲奈は心の中で「彼女はきっと愛されていた、私にその資格はない」とつぶやき、涙ぐみそうになってしまう。このあたり、やはり小説としてはベタだね。むしろドラマ版の演出の方が雰囲気がある。



仁 美「いまさっき寝たところ ……いい人ね、彼女」



窪 塚「ああ」
仁 美「もう出るの?」



仁 美「そう、気をつけてね……いってらっしゃい」



 一方、ドラマで残念だったのは、クライマックスの場面が深夜ではなくなったことだ。
 第3話で高岡早紀に注射を打たれたりしたときは、原作どおり夜中だったけど、今回は昼間。いや早朝か。
 DVシェルターの調査を終えて、玲奈と窪塚がクライマックスの現場に向かったのが、時刻は深夜1時をまわった頃。



 早く「野放図」が人身取引をする現場を押さえなくてはいけない。窪塚の運転する車は完全なスピード違反で爆走し、追ってくるパトカーもぶっちぎって那須へ向かう。



 すると警察はさらにヘリを投入して、スピード違犯車を押さえようとする。こうやって窪塚は、「野放図」がDV被害者の女性たちの身柄がある現場に、警察を誘導した。
 一方、人身取引の現場となる廃車置き場では、とつぜん空から強力なサーチライトの光が近づいてくるので、犯人たちは大パニック。


 廃車置き場でも、群衆が動きをとめていた。サーチライトに狙われずとも、全員が凍りついていた。固唾を呑んだようすで上空を見守る。
 遠くでサイレンの音が湧いている。一台や二台ではない。おびただしい数とおぼしき不協和音の合奏が耳に届く。
 交通警らが専門のパトカーとは、夢にも思わないのだろう。野放図やDV男達は、にわかにあわてだした。一帯はたちまちパニックの様相を呈した。(松岡圭祐『探偵の探偵 II』)


この混乱に乗じて、被害女性たちの身柄を確保しようと現場に乗り込む玲奈と窪塚。


 ヘリが騒動に気づいたらしい。高度を落としぎみにし、廃車置き場の上空を旋回しだした。メインローターの風圧が地面に達し、砂煙が濃度を増していく。サーチライトが走るたび、光と闇の極端な明滅が生じ、視神経を刺激する。混乱にいっそうの拍車がかかった。(松岡圭祐『探偵の探偵 II』)

 
 深夜の暗闇を、爆音とともにサーチライトの光が切り裂き、不意に明るみに引きずり出された悪い奴らが、蜘蛛の子を散らしたように逃げまどう。原作小説がそういう闇と光の効果を狙っていることは確かで、そのためのヘリコプター登場なんだけど、ドラマは明け方で、もう空は白々と明るくなっている。でもヘリの登場とかは原作どおり。





 なんか違うよな。しつこいようだが、原作は深夜だからこそサーチライトが活きてくるのに、サーチライトがなけりゃヘリが登場する意味がほとんど無いような気さえする。う〜ん。いままでドラマ版『探偵の探偵』の脚本・演出については誉めてばかりだったような気がするが、ここはちょっと、しっかり反省会を開いて欲しい。
 ほかにもいろいろあるが、今回はネタが押しているので『探偵の探偵』レビューはこの程度でしめます。最後に、秘密兵器のつくり方がよく分からなかった方のために、原作から引用しておきます。(*良い子のみんなは真似しないでね。)



 直線に入り走行は安定している。玲奈は助手席で作業に移った。百円ライターの上部にある、金属製の上蓋を歯で噛み、強引に取り外す。ノズルからガスが抜けないよう、指でしっかり押さえながら、火力調製つまみをぐいぐいと回していく。噴射ノズルを樹脂製の芯ごと引き抜いた。玲奈は窓を開けた。ライターを車外へ突きだし、逆さにしてブタンガスを半分ほど捨てる。



 窪塚がつぶやいた「檜池を手術用メスで刺した奴も、そうとう知識が豊だったみたいだ」
 「へえ。そう」玲奈は気のない返事をした。注射器に入った灯油を、ライターの容量いっぱいまで注入する。においが車内に充満した、芯とノズルをもとへ戻し、上蓋を嵌めた。外見上、ごくありきたりの百円ライターに戻った。ライターをアイフォーンとともに胸ポケットに収める。(松岡圭祐『探偵の探偵 II』)


 これだってさ、ドラマでは実際に使うのが早朝だから、こんな感じなんだよね。










 でも原作みたいに、暗闇でブォーって炎を吐くからカッコ良いとおもうんだよね。資料映像。



 これは実写版のAct.33から。まあいいや。次いきます。

2. 『花咲舞が黙っていない』第7話/『鉄神ガンライザーNEO』第2話



 で、続いては小松彩夏さまご出演作二作を徹底解剖、と思っていたんだけど、以上の本文を書いて、画像をキャプチャしていたら完全に時間をオーバーしてしまった。もう悠長にレビューをしているヒマがない。小松さんおよびファンのみなさま、すまん。
 『花咲舞が黙っていない』第2シーズンは、ご存知とは思うが、大手銀行「東京第一銀行」を舞台に、一介の窓口係あがりの女の子が旧弊な銀行組織を相手に戦い、支店長とか偉い人の不正をあばいて啖呵を切る、という時代劇みたいなカタルシスが魅力の娯楽作。
 といっても、そういう勧善懲悪のプロットにひとひねり加えたり、キャスティングに小ネタを放り込んだり、なかなか飽きさせない。第1シーズンでは『ごちそうさん』で杏と共演した松浦雅をゲストに連れてきたり、第2シーズン第5話では、上川隆也の別れた前妻が『お水の花道』(1999年)の財前直見だった。
 この第7話の趣向は、なんかよくわからないが音尾琢真と戸次重幸のTEAM NACKS対決である(笑)。音尾琢真は東京第一銀行五反田支店の融資課長で、戸次重幸は何とか融資して欲しくて、彼を接待攻めにする物流会社の社長。




 ところが、音尾琢真は、実は最初から融資する気などさらさらなかったくせに、接待だけはたっぷり受けるという最低男だった。最後に連れていってもらったキャバクラで泥酔したあげく、つい本音を漏らしてしまう。



葛 西「角田課長、融資の件はなにとぞ」



角 田「わかってるでしょ。おたくの業績じゃ、これ以上の融資はできないよ」
葛 西「いや、あの」



角 田「銀行も慈善事業じゃないんでね〜」
ホステス「ね〜え」



 怒り心頭の戸次は、音尾の顔に泥を塗ってやろうと、こっそり店の人気ホステス(小松彩夏)に命じて、店に預けた手荷物から、カバンに入っていた重要書類を盗みださせる。まあその書類は音尾ではなく、部下の成宮寛貴のものだったんだけど、部下の失敗は上司の責任。音尾だって処罰は免れまいという算段だ。



 ただし誤算だったのが、それをやらせた愛人のホステス沙羅(小松彩夏)が、ルックスは男を惑わすセクシー美女のわりに、心はとっても純真だったこと(笑)。



 戸次重幸に囲われる身なので、命令を断れず成宮寛貴のカバンから書類を盗みだすが、心の中は罪の意識でいっぱい。だから成宮が、今度は上川隆也や杏とふたたび「忘れ物探し」にキャバクラにやってきただけで、あからさまに動揺して、途中で席を立ってしまう。ほとんど挙動不審で真相はバレバレ。どうでもいいがこの場面での小松彩夏の胸がすごく大きく見える。




 杏たちは小松彩夏に疑惑の目をむけるが、なにしろキャバクラの「沙羅」という源氏名しか知らないので、それ以上調べようがない。手詰まり状態の東京第一銀行五反田支店の面々。
 ところが翌日が給料日なんだけど、小松彩夏はわざわざわかりやすいメガネの変装で、主人公たちが思案に暮れている五反田支店のATMに給料をおろしに来る。




 その顧客データを参照して、主人公たちは、小松彩夏が戸次重幸の会社から月200万円の振り込みを受けている事実を確認する。みなさん、小松彩夏クラスの美女は月200万で愛人にすることができます。日割りで言うと1日6万6千円。ここから考えるとコマ風呂の入浴料はいくらか。よく分かんないや。



 本来だったら、内心の動揺などみじんも面に出さず、親しい人にもしれっとウソをつけるくらいでないと、夜の世界で頂点には立てない(たぶん)。でも『ネオン蝶』の小松彩夏は、ウソのつけない正直者という、水商売ではありえないキャラを勝利の方程式に変えた、伝説のホステスだ。
 落ち込んでいるときは客の話も耳に入らず、動揺すれば水割りのグラスをひっくり返す、そういう、夜の常識を覆すスタイルがなぜか客の人気を呼び、ついに銀座ナンバーワンの座を得た。ここでもその特性を存分に活かして、もう怪しい格好でひたすら「ウソをつくのはイヤ」オーラを全身から発散させて、事件を解決に導く。



 そんなわけで、小松彩夏の属性が非常によく活かされた、すばらしいエピソードだったね。前回のコメント欄で東海受信所さんが書かれていたけれど、スタッフのどなたかが私のブログ読んでくれていたんだろうか(笑)。しかも視聴率が今期最高の15.6%。このブログは視聴率なんざクソ食らえというスタンスであるが、こういう時には節操もなく喜ぶ。小松彩夏が人気ドラマ『花咲舞が黙っていない』の人気を頂点に導いた!やったぞ!



 んで、もう一つの作品が、岩手のローカル番組『鉄神ガンライザーNEO2』の第2話。まさか第2話までYoutube配信されるなんて、予想もせずノーチェックだったが、ひろみんみんむしさんの久々のメールのおかげで視聴できました。ありがとう。今度、名古屋名物「鬼まんじゅう」送ります。いつになるか分からないけど。
 でも、もう日曜日も夜になっちゃったので、いろいろ思いをつづることができない。とにかく嬉しかったのは、ゴールデンの高視聴率番組でも、ローカルの特撮番組でも、小松彩夏が小松彩夏だったことだ。『花咲舞が黙ってない』の小松彩夏が、これまでこまっちゃんがドラマで様々なホステスやキャバ嬢役を演じてきた積み重ねの上に成り立っていて、物語的にもキーポイントとなっていることはすでに述べた。そしてこの『鉄神ガンライザーNEO2』もそうなのだ。
 まず、病弱ですぐ倒れるキャラ。これは前回で紹介した。それで今回にいたるまで昏々と眠っている。




 そして目がさめると、ふらりと外出し、河のほとりで宮沢賢治の「星めぐりの歌」を口ずさむ。う〜んやっぱり小松彩夏には出演作品で歌ってもらいたい。




 ま、その他言いたいことは色々あるが、もはや日曜日を通り過ぎて日付は月曜日になってしまった。とりあえず、小松彩夏久々の変身シーンをご覧いただいて、今回は終了。



 
【おまけ】
 『探偵の探偵』でDV夫たちの一人として登場する黄色いボーリング・シャツの男(こっちから見て右)。これがクンツァイトかな。




 こいつだったら、ラストで北川さんに派手にぶっとばされるが。