実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第528回】壮絶!北川景子『探偵の探偵』第5話の巻



 M14さんが、『探偵の探偵』の原作者は誰かと合作したらいい、と書いていて、なるほどと思った。今でもベストセラーなのだから余計なお世話かもしれないが、全体をもっと読みやすい、なんというか、ちゃんとした小説の文体で書き直す相棒を見つければ、さらに多くの読者を獲得できると思う。




 話の運び方とかについては、うまいなあ、と思ったりもするのだ。たとえばドラマ版の前回、玲奈(北川景子)は変態ストーカーに拉致された女の子を助けるが、その際、現場にあった探偵の報告ファイルを持ち出す。




 玲奈はそのファイルに見覚えがあった。ただちに愛知県豊橋市の警察署に向かい、四年前、妹を殺した犯人の部屋から押収された探偵ファイルを確認させてもらう。書式や文体、さまざまな点で両者はよく一致している。間違いない。妹の咲良の行動を調査してストーカーに情報提供し、妹を死に至らしめた悪徳探偵の尻尾をついにつかんだ!




 そこへ、当時捜査を担当してくれた谷淵刑事がやってきて、一人の女性を紹介する。以下、いつもどおり原作小説からの引用です。



 女性警察官が愛想よく頭をさげた。「はじめまして。紗崎玲奈さん。生活安全課の園山です」
 「はい……。なにか?」



 園山はパンフを差しだしてきた。「わたしたち、人にいえない相談であっても、いつでも受け付ける用意がありますのよ。所轄は違いますけれど、お住まいの住所から離れた施設のほうがむしろ有効ですし、よろしければご紹介して差しあげられます」




 パンフの表紙を見て、玲奈は眉をひそめざるを得なかった。“DVシェルターのご案内”とある。



 ああ。ぼんやりと理由に思いあたった。わたしの顔はいま、バンドエイドとあざだらけだった。職業を明かしていない以上、家庭内暴力を疑われてもおかしくない。


 夫からの家庭内暴力に苦しむ若妻と勘違いされてしまった玲奈だが、これを導入部として、物語は第2話のテーマであるDVシェルター(DV被害の女性たちをかくまう特殊な施設)へとスムースに移行する。



 こういう話の運びには、私なんか素直に「うまいもんだなぁ」と感心します。 
 というわけで『探偵の探偵』第5話は想定の範囲内の7.4%。とはいえ、これで平均視聴率がきっちり9%になってしまった。琴葉(川口春奈)が復帰しちゃったもんな。まあ上戸彩とか堀北真希とか「低視聴率女王」は未来の大物に冠される称号なので、気にすることはない。



 その琴葉(川口春奈)の復帰に加え、今回は、琴葉の姉の彩音(中村ゆり)と旦那の哲哉(柏原収史)たちが出てきて、玲奈(北川景子)にリンチを加える。可愛い妹に大怪我を負わせた償い、という趣向である。



 そしてその模様を撮ったビデオファイルを、琴葉は見てしまう。姉はデータをパソコンから削除したのだが、琴葉は探偵事務所で覚えた方法でファイルを復元した。




 動画の内容が(1)「リビングで土下座」(2)「シャワーで水責め」(3)「連続ビンタ」であることは、このブログの前回ラストで紹介したとおりだ。その時には私、テレビドラマでこの三つともきっちりやるとは思っていなかったが、(3)(2)(1)の順にちゃんとやっているので驚いた。




(3)ビンタ




(2)シャワーで水責め




(1)土下座



 探偵ものとしてのアクションとはまた性質の違う、陰湿な場面で、私もこういうのは好きではない。結果として視聴率7.4%は仕方ない。
 とはいえ、前回も述べたように、このドラマは1970年代の東映のエログロバイオレンス映画の路線を密かに受け継ぐ作品でもある。そしてこの手の作品に「女性に対する女性のリンチ」の場面は避けて通れない。梶芽衣子は『女囚さそり』でリンチや拷問を体験しているし、『聖獣学園』の多岐川裕美はシスターからいろいろ折檻された。




 東映系の大女優は、みんなこの道を通っている。北川景子は『Dear Friends』で坊主になったり胸を見せたり『死刑台のエレベーター』でゲロを吐いたり『水に棲む花』は騎乗位だったかな(笑)まあ色々やってきたわけだが、リンチはまだだったと思う。これでひととおりの通過儀礼は経たわけで、梶芽衣子や多岐川裕美に続く道は保証された。おめでとう。



 さて、本日から長期の休暇をとって、独居老人になってしまった父親のところに、息子を連れて帰省する。これから移動なので、あまり多く書けません。お話が進んでおりませんが、時間いっぱいということで、本日これまで。すまん。