実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第511回】DVD第3巻:Act.12の巻(19)

1. 仮面ライダー3号



 先週末は、息子を連れて映画館に行った。春休みが終わればうちの息子も中学生だ。もう今までみたいに、休日に父親と出かけることを喜ぶ年ごろでもなくなる。ひょっとしてこれが最後かもな、という感じである。
 みなさまお察しであろうが、私としては今回はぜひ『ウルトラマンギンガS』の劇場版が観たかったわけですよ。テレビシリーズ同様、小林雄次と中野貴雄が脚本、坂本浩一監督で、小池里奈と最上もがが出演っていうだけでも嬉しいのに、さらにゲストで逢沢りな(間違えた)小宮有紗が出ている。面白くないわけがないじゃないか。



 でも上映館のスケジュールを見たら、朝一番と夜の回しかやっていなくて、うまいことタイミングが合わない。仕方がないので『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』にした。



 こっちのほうは、いつもの白倉伸一郎プロデュース「MOVIE大戦」クオリティで、多くを求めてはいけない。しかしうちの息子はかなり楽しんだ様子なので、これはこれで良いか。体調不良で一時、芸能界からの引退を表明していた『電王』のユウト(中村優一)が出てきたときは、私も目頭が熱くなった。



 セーラームーン的には、ミュージカル四代目タキシード仮面の天野浩成も『仮面ライダー剣(ブレイド)』のギャレンで出ていた。



 物語の舞台は、我々の世界と似て非なるパラレルワールドだ。我々の世界では、1972年の『仮面ライダー』第99話(最終回)でショッカーの首領が倒されて、本郷猛と一文字隼人の使命は終わって、次回から『仮面ライダーV3』が始まる。でもこの映画の世界では、そこでショッカーの最終兵器「仮面ライダー3号」があらわれて、1号と2号を倒してしまう。だから現在の日本はショッカーの支配下に入っており、みんな思想統制されている。で、こんなのは間違っている、元の正しい世界に戻さなくては、と歴代の仮面ライダーが立ち上がる、という話なんですけどね。



 こういう着想で面白い映画を作ろうと思ったら、最初にしなくちゃいけないのは過去作品の点検だろう。ハインラインから豊田有恒からディックから広瀬正まで、『ドラえもん』から『戦国自衛隊』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から『ターミネーター』から『僕の彼女はサイボーグ』から『JIN ―仁―』まで、それぞれの作品でどういう手が使われているか、片っ端からチェックする。プロットを練るのはそれからだ。
 私が長者番付に載るような大富豪なら、米村正二に一千万の札束を投げ出して「キミ、これ使って一年間、映画見たり小説や漫画を読んだりして、新しいライダー映画のあらすじでも考えなさい」なんて言っちゃうんだが。

2. 富豪の話



 ところで、マンション購入のお金を無利子で融資されたっていうことで話題のアナウンサーがいますね。私はどっちかというと、何か付随的なメリットがあるにせよ、億単位の金をぽんと投げ出して「キミ、これ使って家を買いたまえ。無利子で貸しとくから」なんて言える人のほうに興味がある。
 3月にニューヨークの経済誌『フォーブス』が2015年版の世界長者番付を発表した。普段ならこういうものには関心がないのだが、そういうわけでチェックしてみたわけよ。そしたら「ABCマート」の創業者で元会長の三木正浩氏(59歳)は、約四千億円の資産をお持ちで、世界ランクで第534位のお金持ちである。



世界ランク534位といってもピンと来ないが、日本人だけでいうと10位である。ちなみに日本のトップスリーは、ファースト・リテイリング(ユニクロ)の柳井正氏(資産総額約二兆四千億円)、ソフトバンクの孫正義氏(一兆七千億円)、楽天の三木谷浩史氏(一兆円)である。






 日本人上位10人のなかで年齢が50代なのはソフトバンクの孫正義さんと楽天の三木谷さん、そしてABCマートの三木正浩さんのお三方。50代にもいろいろあるなぁ(遠い目)。
 まあそれはともかく、そういう、我々からすれば規格外の大金持ちが、どういう理由か知らないが、自分のところでスポンサーをやっている番組の若いアナウンサーを気に入り、1億7千万円を無利子で融資したという話なのである。一体どういう経緯でそんなお金持ちの人と昵懇になったのか。
 



 三木・元会長と上重の関係は相当に深いという。「今もABCマートの筆頭株主で資産総額4,000億円以上を誇る三木さんのもとには有象無象が群がってくる。その中にはスポーツ選手や芸能人、アナウンサーも多い。上重は元巨人軍の宮本和知から紹介されて懇意になり、上重と交際中のモデルの安座間美優までABCマートのCMに出演。今回発覚した億ションで同棲していました。2人は年内に結婚予定で、実は三木元会長に仲人までお願いしていたそうです」(事情通)
 つまり“夫婦”丸抱えで面倒を見てもらっていたわけだ。
(「疑惑の上重聡アナ 大口スポンサーとは“彼女丸抱え”の深い仲」『日刊ゲンダイ』2015年4月4日


 結局よくわからないが、宮本の紹介かよ。それでみゅうみゅうがCMに起用されたとなると、これはもうズムサタファミリー、丸ごとズブズブの関係である。三木元会長は、離婚して傷心のモッチーにも、お見舞金ぐらい出してくれないかな。五百万円くらいでどうでしょう。あとアズー(岸本梓)は2011年に結婚、2013年に妊娠して産休をとって女の子を産み、翌2014年にズムサタに復帰しましたけど、彼女にもお祝い金を、ぜひ(送っているのかな)。



3. パンケーキの話


 何の話がしたかったのか。そうだそうだ。キッズタレント時代からお金持ちに憧れていたのがこの人。



 将来の夢として「お金持ちになりたい!」と書くダイレクトさも凄いが、この千恵子さん、結婚後も「加圧トレーニング」「お料理教室」など、折々の時流に乗ってこつこつ小銭をかせぐ多角経営で、若きカリスマ主婦の座をめざしている(推定)。で、最近は「88」というパンケーキのチェーン店をはじめた。パンケーキ店というところが、またいかにもトレンディ。「88」と書いて、フランス語風に「ユイットユイット」と読む。おちまさと・千恵子夫妻のラッキーナンバーが「8」で(理由はどこかで聞いたような気もするが憶えていない)お二人が入籍した日も8月8日だからとか、そんな理由だ。



 この「88」なぜか名古屋にやたらと店舗が多くて、私の知っている限りでも名古屋駅前と栄と金山に店がある。と思っていたら、今回、息子と行った映画館でも、ポップコーンとかコーラを売っている店の隣に「88」の看板が。



88(huithuit)へようこそ人気プロデューサーおちまさとさんの妻でモデルの越智千恵子さんが「もし私がパンケーキカフェを開いたら」と空想しながら生まれた人気のレシピ本「越智千恵子のパンケーキCafe」を現実の店舗として再現した「88 huithuit」。


 というだけの話です。不意をつかれたような感じで、久しぶりに千恵子さんの名前を見たので、つい書いちゃいました。
 さあそれでは本編。今回こそはエピソード完結します。

4. 本編終了(マルチエンディング)


 突如あらわれたプリンセス、セーラーヴィーナスを襲おうとした敵を、とっさのチームワークで見事に倒して、ちょっとドヤ顔のセーラー戦士たち。



 が、頼もしげに戦士たちをみつめるヴィーナスの傍らにおぼろげな影が。ゾイサイトだ!




マーキュリー「プリンセス! 危ない!」


 がしかし時すでに遅く、ゾイサイトはすばやくヴィーナスに迫る!







 と、そこへ割って入ってきたのがタキシード仮面。




 前回、Act.11で接触して、前世の記憶がフラッシュバックしたこともあって、振り上げた手を下ろすゾイサイト。



 その隙を見逃さなかったヴィーナスは、タキシード仮面の後ろからビームを放つ。



 アニメ版のクレッセント・ビームにあたる技だが、台本では「指先から走る激しい光がゾイサイトを包む」とだけあり、技の名は書かれていない。講談社の「セーラームーンひみつじてん」には「ヴィーナス・ビーム」とある。



ゾイサイト「うあぁ!」



タキシード仮面「!」





ゾイサイト「……マスター、エンディミオン……」



タキシード仮面「エンディミオン……?」


╳    ╳    ╳




╳    ╳    ╳




╳    ╳    ╳



 (ト書き)ピアノに突っ伏しているゾイサイト。
  その体が輝き、水晶に変わる。
  鍵盤の上に落ちた水晶が一つだけ音を鳴らす。



 ということで、ゾイサイトは水晶になって鍵盤に落ちる。ドラマから一時退場。おつかれさまでした。
 そしてラストシーン。ゾイサイトの消滅を見届けて振り向くヴィーナス。タキシード仮面はそのまま棒立ち。そこへアルテミスが姿をあらわす。






ル ナ「プリンセス……。やっと姿を見せてくれたのね……」




セーラームーン「プリンセス……」







 ト書きには「タキシード仮面もヴィーナスを見る」とあるが、タキシード仮面はヴィーナスと背を向けあったまま立ち尽くす。ちょうど幕切れとなる場面だし、こういう舞台的な演出も悪くないよね。だからそれはいいんだけど、問題はここで台本が終わっていないということだ。台本ではこの後もやり取りが続く。
 台本のエンディングを見てみよう。

タキシード仮面「あれが……プリンセス……」



ル ナ「プリンセス、これからは私達が守ります。どうか私達と一緒に――」



アルテミス「それはダメだ」
ル ナ「アルテミス」
アルテミス「久しぶりだな、ルナ」
ル ナ「……」



ヴィーナス「みんな、私にはプリンセスとしてどうしてもやらなきゃいけない事があるの。私は大丈夫だから、みんなは敵から地球を守って。いいわね」
ル ナ「プリンセス……」
  ヴィーナスが一瞬セーラームーンを見るが、すぐにアルテミスと共に踵を返す。
セーラームーン「あれが、私達のプリンセス……」
  セーラームーン達が見送って――



つづく


 ていう感じ。つまりAct.3と同じパターン。Act.3のラストでは、自分がセーラーマーズであることを知った火野レイが、うさぎと亜美に「悪いけどカラオケ嫌いだし、私、あなたたちの仲間になったつもりはないんだけど」と捨てセリフで去っていく。





 今回の台本のラストシーンは、これと良く似ていて、ヴィーナスも「私はやることがあるから、あんたたちと一緒には行動できない」と去っていく。つまりマーズとヴィーナスは似た者同士で、だからこそ二人は後々、互いに意地を張りあうライバル関係になるのだ、なんてところまでひそかに暗示しているエンディングだ。それをバッサリ切ってしまうんだからなぁ。

 もちろんこの最後のヴィーナスのセリフは、次回Act.13の回想シーンでほとんど全部リピートされる。あるいは監督はAct.13台本を見て「この部分は次回の回想シーンで流すからいいや」と判断したのかも知れない。しかしAct.13は高丸監督ではなく舞原監督なのだ。もし舞原監督がこの場面を「前回のラストに出てきているからいいや」と、ばっさりカットしてしまったとしたらどうなるか。せっかく出てきたヴィーナスが、次回からも結局、仲間の戦士に合流することもなく単独行動を続ける。どういうことかと、良い子のお友だちは混乱するよね。
 というわけで、一年がかりでズルズルやってきたAct.12レビューだが、最後の最後まで高丸演出の謎に振り回される結果となってしまった。が、まあそういうことで、これでAct.12終了。次回は恒例のBGMリストです。