実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第509回】DVD第3巻:Act.12の巻(17)



 モモコことシンガー清浦夏実の新たな拠点、TWEEDEESのファースト・アルバムが良いとか(ただ私は年寄りなので「渋谷系」と「ポスト渋谷系」の違いが分からない)、セーラームーンとはあんまり関係ないけど、Negiccoが名古屋で(初の?)ワンマンライブを行ったとか(どうしても行きたかったんだけど、名古屋に居なくてどうしても行けなかった)ポップミュージック関係で語りたいことはいろいろあるが、時間もないのでサクサク本題に進みます。


1. ついにヴィーナス登場


 なわ跳びのくだりは終わって、結局、戦士たちは台本どおり(当たり前だ)妖魔の放つ「蜘蛛の糸」に絡めとられてしまう。姿を現したネフライトが迫る。さあヴィーナスが登場するぞ。わくわく。



ネフライト「プリンセスはどこに隠れた?」



セーラームーン「知らない!」



ネフライト「言え! プリンセスはどこだ!」



セーラーVの声「ここにいるわ!」







 と、ここでコマーシャル。ここまではまあ、別に解説しなきゃならないような謎はないよね。いよいよ最終Cパートである。いやーようやくここまで来ました。次。

 

2. 三日月カッターエトセトラ


 前半で社長に扮した妖魔に囚われそうになったとき、美奈子は三日月カッターで、自分を縛りつけた蜘蛛の糸を逃れた。Act.1の冒頭で、ヴィーナスがタキシード仮面に対して使っていた武器である。





 これ公式名称はたぶん「三日月カッター」というんですが、いったいどこで出てきたかなと思って、メモリアルブックとか、ざっとチェックしたんだけど、見落としたのか分からなかった。台本には「三日月型カッター」とある。
 もともとの漫画『コードネームはセーラーV』では、美奈子は変身アイテムであるコンパクトを「クレッセント・ブーメラン!」と叫んで投げつけている。



 これの実写版バージョンが「三日月カッター」ということになるが、原作のようにコンパクトが変形したものではないようだ。Act.ZEROで、初めて変身した美奈子にアルテミスは 「武器を使え!ポケットにある」と言っているから、普段はスカートのポケットのなかにしまってある(推定)。





 新作アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』第8話「美奈子 SAILOR V」は、作画レベルは相変わらずだが、わりと原作に準じた展開で、もちろんクレッセント・ブーメランを投げていた(という話だ。実はまだ観てない)。




 話を戻す。Cパート入ります。
 「ここにいるわ!」の声と共に、三日月カッターが飛んできて、 セーラームーンを束縛していた蜘蛛の糸を断ち切る。いったいどこから? あたりを見回す戦士たちとネフライト。












 思わず「セーラーV!」と叫ぶセーラームーン。それに対して台本では「ちょっと笑うセーラーV」というト書きがある。にっこり微笑んでみせればいいということか。でも敵味方が対峙して緊迫している戦闘シーンの真っ最中である。いずれにせよ「ちょっと笑う」なんて、演技としては簡単なんだか難しいんだかわからない。それでは、実際セーラーVがどんなふうに「ちょっと笑う」のか確認してみましょう。



 なるほどね。評価は皆様に任せます。

3. 曖昧な驚愕


 ちょっと笑ったセーラーVは「これ以上隠しているのは無理なようね」という言葉とともに、一気にジャンプして戦士とネフライトたちのもとに舞い降りる(ここはなぜか「たー」のセリフがないですね)。





 セーラームーンたちの方を向いてポーズ!かと思いきや、マスク(メガネか)を投げ捨てる。するとセーラーVからセーラーヴィナスへとさらなる変身!




 おでこの三日月から黄金の光があふれて、セーラーVの全身を包む。この三日月はプリンセスの証だ。『水戸黄門』の印篭みたいなものである。




 余談になるが、武内直子先生の漫画『コードネームはセーラーV』によると、この変身時に美奈子はものすごく解放されて力がみなぎっちゃうんだそうである。



 個人的には、この「ムラムラしてくるわ!」というセリフを小松彩夏に言わせたかったわけであるが、ともかくこうして、戦士やネフライトたちによって見守られる中、まばゆい光とともにセーラーヴィーナスが誕生する。








 わざわざ前髪をヘンな感じに分けて三日月を強調している。さっきも書いたとおり、この三日月は、ヴィーナスがプリンセスだという証明になるので、このあと彼女が影武者を演じ続ける間はずっと残る。Act.25でセーラームーンがプリンセスの姿を見せるとき、ようやくお役御免になります。








 Act.12に戻ると、ずーっとセーラーVだったのが、初めてヴィーナスとしてのお目見えとなるもんだから、カメラは腰のチェーン、額の三日月、そして頭上のティアラという順で、ヴィーナスのアイテムをアップで映す。このとき、プリンセスのティアラがきらりーんと光る。これは台本に「王冠の水晶が光る」というト書きがある通りだ。そしてそれに続いてネフライトの「それが幻の銀水晶か」というセリフが導かれる。つまり、この王冠の水晶が幻の銀水晶なのだ。額の三日月もよく光っているから「どっちが銀水晶だよ」と思ってしまうが、三日月ではありません。






ネフライト「ようやく現れたな。それが幻の銀水晶か!」


 個人的にこのAct.12は、始めて放送で見た時、いろいろと迷ってしまった回である。今は大学生になってしまったうちの娘は、当時小学校の1年生で、一緒に実写版を観ながら、私にいろいろ問いかけてきたものである。
 「今度のセーラームーンはヴィーナスがプリンセスなの?」という質問に対しては「そうかな。どうだろうね」と余裕で答えられたが、「銀水晶はどっち? 三日月なの? 王冠なの?」という疑問には、私もどっちかわからなくて「う〜ん」と唸らざるを得なかった。さらには「セーラームーンたちはセーラーVが美奈子ちゃんだって分かったの?」と訊かれて、これには困ったね。
 Act.2の亜美とAct.6のまことは、始めてセーラームーンの姿を見たとき、それがうさぎだと分かった。このことから類推すれば、セーラーVの仮面を外した瞬間、戦士たちは「あっ愛野美奈子!」とか気づいてもいいと思うのだ。特にうさぎは、ついさっきまで美奈子と一緒にいたはずなんだしね。
 でもヴィーナスを見つめる三人の顔は非常に曖昧である。ようやくプリンセスに会えたという喜びも、仮面を外したヴィーナスは、あの愛野美奈子だったという驚きもくみ取れなくて、ただ当惑しているという感じ。



ル ナ「プリンセス……!」



 


まあ結局、本当のプリンセスではなかったわけだから、「えっプリンセス? でも意外とそんな感じがしない」なんてとまどっていてもおかしくないが、それにしてもこの表情、どうでしょうか。台本では、ルナが「プリンセス」と言った後のト書きが「驚愕で見詰めるセーラームーン達」となっていますが、そういう驚愕はあまり読み取れない。
 う〜ん。ということで今回はここまで。……ラストシーンまで辿り着けなかった……。