実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第454回】DVD第3巻:Act.11の巻(12)



『抱きしめたい』間もなく公開ですね。
私はこの映画については、まだ何も知らないに等しいのだが、テレビの特番か何かをちらっと観たときに、ヒロインのモデルになった方の生前のビデオが流れていて、嬉しかったり楽しかったりすると、必ず鼻の頭にきゅっとしわを寄せるようにして笑う表情が印象的だなって思ったわけよ。たぶん、ご覧になった方はみんなそう思ったんじゃないかなぁ。そしたら予告編でも北川さんがそこのところをちゃんと表現していたので、これは良い映画じゃないかな、と。
言うまでもないことだが、実話に基づいているからってリアリティが保証されていると思ったら大間違いなわけで、むしろ、「実話に基づく物語」を語るときほど、どこで「真実」を担保しておくか、ということをきちっと決めておかなくてはいけないと思う。だいたいこの話だって(故人と旦那さんには失礼だけど)北川景子と錦戸亮という美男美女が演じてしまった時点で、もう限りなくフィクションに近づいてしまうものね。
北川さんやこの映画を作ったスタッフはそういう意味で、萩田つかささんが笑ったときの特徴的な、でもとてもチャーミングな鼻の頭のしぐさをしっかり模倣することで、「真実の物語」の根っこを確保したんだと思う。



1. 地味は地味だが新境地(ビキニ→スーツ)



さて、まずはフジテレビの金曜プレステージ『西村京太郎サスペンス 十津川捜査班8』(2014年1月24日放送、脚本:田子明弘/照明:花岡正光/撮影:貝谷慎一/演出:鶴巻日出雄)の話題から。
西村京太郎の十津川警部って、実にさまざまな俳優によって演じられていた。わたくし不勉強にして存じませんでした。という話を【第429回】に書いた。
現在でも、高橋英樹(土曜ワイド劇場「西村京太郎トラベルミステリー」テレビ朝日)、渡瀬恒彦(月曜ゴールデン「西村京太郎サスペンス」TBS)、そして高嶋政伸(金曜プレステージ「十津川捜査班」フジテレビ)と、つごう三人の十津川が現役で活躍しているというのだからすごい。



当サイトが以前とりあげたのは高橋英樹の土曜ワイド劇場版で、クラブのホステス役で沢井美優さんが出ていた。今回は高嶋政伸主演バージョンである。高橋英樹や渡瀬恒彦に較べて若い。というのも、この「十津川捜査班」の十津川は、警部ではなくただの刑事、つまりこれは若き日の十津川を描くシリーズなのだ。だからファンは「あの十津川警部って若いころ、こんな人だったんだ」という感じで観るのだろう。でもべつに、ドラマの舞台を1960年代の高度経済成長期に設定しているわけでもないので、私はふつうに、現代を舞台に、若い熱血刑事とそのチームの活躍を描いたサスペンスドラマとして観た。かでなれおんとか山村紅葉とか山口竜央とか、この前の高橋英樹バージョンと共通して出てくる人もチラホラいた。林泰文は、沢井さんが冒頭で殺されたこの間の月曜ゴールデン「捜査指揮官水城さや」に出てたっけ。2時間サスペンスっていろいろ観てると混同して、何がなんだか分からなくなってくる。かでなれおんってお芝居が上手だ。むちゃくちゃナイスバディの人としてしか観ていなかった自分を恥じます。



事件の発端は、奥多摩の雑木林で発見された死体。全身土の中に埋められているのに手首から先は地上に出ていて、隠したいんだか発見されたいんだか分からない状態。しかも、あたりに火がつけられてボヤ騒動が起こり、駆けつけた警官が火を消したとき、地面から突き出た黒焦げの手首を発見したというんだから、これはもう、誰かが隠すために埋めた死体を、別の誰かが、早く見つかるように手首だけ掘り起こして放火した、ぐらいの説明しかないでしょう。



後半、高島政伸が容疑者の多岐川裕美に、犯行がおこなわれた時の所在を尋ねると、劇場にいたという。開演前にロビーで演劇好きの旧友と会い、2時間後、芝居が跳ねてロビーに出たところで、もう一度会って感想を言いあったとのことだが、ミステリものとしては、上演中にこっそり外へ出たことがミエミエなアリバイ工作である。せめてそのアリバイ崩しに、たとえば当日の舞台でハプニングがあったのに容疑者は知らなかったとか、その日に限って役者が名ぜりふのひとつを飛ばしてしまったのに、容疑者がそれをしっかり「聴いていた」と証言しちゃったとか、そういうひっかけくらい作っておいて欲しいんだけど、何もなし。十津川刑事もいきなり「あなた本当は劇場に居なかったでしょう」だもん。
というように今回のドラマ、謎解きの面白さはあんまりないので、今回も、詳しいお話の紹介はしませんけど、いいよね。



雑木林での死体検分が終わり、警視庁に戻った捜査一課十津川班。さっそく資料を集めて捜査開始だ、と思ったら、若手の二人、西本明刑事(小泉孝太郎)と江端沙織刑事(小松彩夏)だけが、平塚管理官(山村紅葉)に呼び止められる。




平 塚「戻ってきたばかりで悪いんだけど、西本君と江畑さん、二人は別の事件に回ってくれる?」
江 端「はい」



西 本(即答する江端をさえぎり)「どうしてですか?」



西 本「なんでもすぐ『はい』って言っちゃだめだよ……どうしてですか?」



平 塚「どうしてって、人手が足りないから」


向こう気の強い西本だが、班長の十津川(高島政伸)やベテラン亀井(古谷一行)は「仕事だ」「文句を言っている暇があったらさっさと事件を解決してこい」とにべもない。しぶしぶ捜査を命じられた現場に向かう。しかし小松彩夏、なんか地味なスーツで地味に刑事やってるぞ。



西 本「一週間前、ここで転落事故があった」



江 端「転落したのはフリージャーナリストの三島忠雄、五十歳、ここに靴と鞄が置かれていました」
西 本「遺書は?」
江 端「見つかっていません」



西 本「状況的には自殺だけど……ってことか。フリージャーナリストって?」



江 端「いわゆるブラックジャーナリストです。実際に企業のスキャンダルをネタに恐喝して逮捕されています」


このブラックジャーナリストが追っていた最近の案件というのが、電気メーカー大手タケトミ電機のスキャンダル。自衛隊関係のようだが、特殊な技術を要する電子製品を防衛省に納入するにあたり、かなりの過大請求をしていた疑惑があり、そこに防衛省に強い保守党の現役代議士も絡んでいるというのだからけっこうなスキャンダルだ。
一方、多摩川の雑木林で発見された例の死体が、なんと、そのタケトミ電機の社員であることが判明してくる。ということは、この二つの事件は背後で繋がっている?だとしたら接点は?



小泉孝太郎と小松彩夏は、遺品の手帖から、転落死したジャーナリスト三島(西沢仁太)が、雑木林に埋められていたタケトミ社員の早川(小山田将)と接触していた事実をつきとめる。場所は「CATS」というキャバクラだ。
さあキャバクラだ。キャバクラといえば小松彩夏の専門分野である。そういえば、この間の高橋英樹の十津川警部のときも、錦糸町のスナックのママが怪しいというので、若手の女刑事(伴杏里)が新人ホステスに扮して潜入調査をしたんだ。おかげで、おしゃべりホステス役の沢井美優の出番が増えた。てことは、さあさあ、ここは一番、江端刑事(小松彩夏)がキャバ嬢に扮して事件の鍵を握る情報を収集するんだっ!ていうか、そのための小松彩夏のキャスティングだったんだ……って、あれ?



西 本「早川という男なんですが」



店 員「タケトミ電機の早川さんでしたら常連さんでしたよ」


スーツだ。スーツのまま小泉孝太郎と普通に聞き込みしているじゃん。どうなってんの。こういう場面でコスプレを見せて視聴者の目を楽しませるゲストとして、今回は特別に十津川刑事の捜査班に配属されたんじゃないの?じゃあ何のために?ひょっとして、ちゃんとしたレギュラーメンバーとして呼ばれたわけ?それならそれで嬉しい話だが。
調べてみると、こういうことだ。もともとこのシリーズは「十津川刑事の肖像」というタイトルで、2009年5月に第1作目が放送され、2012年8月までに6作品が製作された。2作目からの6作目までの捜査班のメンバーは、平塚捜査班長(山村紅葉)、十津川刑事(高島政伸)、亀井刑事(古谷一行)、小川刑事(八十田勇一)、山崎刑事(山口竜央)、高梨刑事(高橋真弓)で固定している。が、昨年2013年の6月に放送された第7作目でおおきな異動があった。まずこのエピソードから十津川が捜査班長に昇格して、番組のタイトルが「十津川捜査班」になった。そしてこれまで班長だった山村紅葉が「管理官」に昇進してチームから外れたために、新たに西本刑事(小泉孝太郎)が捜査班に加わったのである。
さらに今回、リニューアル第2弾の8作目では、ながらくチームに花を添える存在だった高梨静代刑事(高橋真弓)が降板している。そして、ちょうどそれと入れ替わるように、新しい若い女刑事として江端沙織刑事(小松彩夏)が登場、前作からレギュラー入りした西本刑事のパートナーを務めているのである。
つまりですね、今回の小松彩夏の出演は、決して一回ぽっきりのものではなくて、今後もレギュラーメンバーとして捜査班に残る可能性も含んだものなのではないでしょうか。そのとおりになるかどうかは、たぶん現場のスタッフやキャストの評価次第なんじゃないか、と思うんですが、どうでしょうか。山村紅葉や古谷一行さんが、小松さんを気に入ってくれていればいいのだが。それで回を重ねるうちに、毎回コンビを組まされる小泉孝太郎と恋仲になっちゃって、ゴールインってのもありだ。



いい感じだと思いませんか。でも原作だと、西本刑事はハネムーンで奥さんを殺されることになっちゃってるみたいなんで、そうするとちょっとアレか。
ともかく、過去の製作ペースをみると、今年の後半にもう一本シリーズが製作される可能性は高いので、ことの推移を見守りたいと思う。がんばれ小松彩夏。このまま2014年を突っ走れ!


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以上、小松さんのドラマ紹介で、もう力つきてきたな。まあでも、先週再開したばかりなので、Act.11のDVDレビューもちょっとだけ続けておきます。


2. 中途半端ですがちょっと進む


前回は、意志を奪われゾイサイトに操られたマーキュリーとマーズが、うさぎとまことを襲い、さらに変身した二人に追い討ちをかける、というところまでだった。技の名前を言わず、だまって攻撃をしかけてくる、というパターンですね。



この第1クール終わりごろまでのアクションシーンは、円運動を基本パターンとしている、ということを前回述べた。だから、マーズとマーキュリーは背中合わせで、180度反対方向に向かって攻撃を放ったのだが、セーラームーンとジュピターは、おおきく円弧を描く動きでそれを避けて、鉢合わせになってしまう。て言葉で表現するより、画像を見ていただいた方が手っ取り早く位置関係を理解していただけそうですね。ちなみに、前回のコメント欄で「北川さんの動きは何か変だと思った」というご意見があったが、このあたりのマーズのポージングをご覧いただけばその意味が理解されよう。



セーラームーン「亜美ちゃん達とは戦えないよ」



なかなか手が出せず、困惑するばかりのセーラームーンとジュピターに、イッちゃった表情のマーズとマーキュリーがじりじりと迫る。と、そこへいよいよ黒幕の登場だ。



ちなみにゾイサイト役の遠藤嘉人さん、俳優業を引退されてからは、横浜で個人営業の事務所を立ち上げ、ウェブ・コンテンツとかそういう関係のデザインの仕事をこなす一方、インディーズのメタルバンドLAST REUNIONでボーカルをやっていた。バンドの方は、ネットで公開した音源が海外できっかけでヨーロッパでもCDデビューしたり、、TVドラマ『救命病棟24時 season3』の劇中曲に起用されたり、とマイペースな活動をしていた。でもメンバーそれぞれの本業が忙しくなってきりして、結局バンドは2012年秋のライブをもって活動休止。その後はよく知らないんですけど、渡米して現在はLAでデザイナーとしてのお仕事を続けながら、音楽活動もぼちぼち再開中のようだ。そういえばこの人アメリカ育ちだったんですよね。たしか州のピアノ・コンテストで賞をもらったりしていたんだったな。
それはともかくゾイサイト登場。Act.7の遊園地でジェダイト、Act.9の成田物産邸宅でネフライトがセーラー戦士たちの前にお目見えしたが、ダーク・キングダム四天王、第三の男いよいよ見参である。



ジュピター「お前、何のためにこんな……」



ゾイサイト「お前達の心をあけ渡してもらう」


ゾイサイトの背後に立つマーキュリーとマーズ。そしてゾイサイトが手をかざすと、ジュピターまでもがたちどころに意志を奪われて寝返り、セーラームーンと対峙する。



セーラームーン「……まこちゃん?」



ゾイサイト「プリンセスであるセーラーVの命を、お前達が奪うというのも面白いと思わないか」



セーラームーン「そんな……」



ル ナ「気づいてたんだわ。セーラーVがプリンセスかも知れないって」





セーラームーン「……まこちゃん?」


ふと気がつけばジュピターが背後に回ってセーラームーンを羽交い締め。そして前からはゾイサイトの魔手が迫る。危うしセーラームーン!



が、しかしその時、いつものアイツがさっそうと登場。セーラームーンに触れようとしていた腕をつかみ、力任せにねじ上げる。



ゾイサイト「お前は!?」


ついにマスターと、最も忠実なしもべが邂逅した!
さあ話はこれからなんだが、えーと、今日はここまで。すみません。