実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第451回】覆水盆に返らずの巻(沢井美優『天国の恋』レビュー最終回)

1. プリンセスの離婚



ちょっと前のコメント欄で百日紅さんから聞いていたウワサについて、元日に公式発表があった。


あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、皆さんにご報告があります。
昨年、一部報道もありましたが、中西哲生と原史奈は、このたび結婚生活にピリオドを打ちました。
2人で話し合い、お互いの将来を考えた上での結論です。
新しい年を迎え、新たな一歩を踏み出していきたいと思っています。
別々の道を歩むことになりますが、これまで一緒に過ごせたことを感謝していますし、これからも尊敬し合う良い友人であることに変わりはありません。
新年早々、このようなご報告で、本当に申し訳ありません。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
   (『原 史奈オフィシャルブログ ::: fumina's living :::』2014年1月1日


32歳の原さん、相変わらずきれいだし、痴話ゲンカとかスキャンダルのたぐいも特に伝わっていないし、スピード離婚でもないし(2007年にご結婚なので、昨年で満6年)、年末に情報が一部報道に洩れた時の旦那の対応もしっかりしていたし、良い意味でニュースバリューがない。旦那の過去の「華麗な女性遍歴」を取り上げる雑誌が多少あったくらいで、芸能番組的には総じて面白味のないネタであろう。離婚するなら、こういう平穏なかたちが理想だよね。いや私はそもそも離婚しませんよ。「辞める勇気がないです」(安座間美優の格言)。
そんな些細なニュースではあるが、セーラームーンを演じた歴代の女性のなかで、離婚したケースは始めてではないかと思うので(結婚はアニメの三石琴乃さんのほうが早かった)記録としてここに取り上げておく。
原史奈さん、気分転換にまた『GUN CRAZY Episode:4〜用心棒の鎮魂歌〜』(2003年、脚本・監督:室賀厚)みたいな作品に出演されてはいかがでしょう。「上官をぶん殴って辞めちゃった、もと自衛官の風俗嬢」って役が、かっこよかったです。



では本題。えーと『天国の恋』第43話(2013年12月25日放送)。
範子(山下容莉枝)による斎の殺害計画は未遂に終わり、斎の命は救われたが、いわばその身代わりのようなかたちで、斎の実の母親である浅妻婦長(毬谷友子)の命が犠牲になった。もちろん、薦田一家もしっちゃかめっちゃか。社長夫人の専務が、自社の女性社員を殺害しようとたくらんだ。しかも火葬場の焼却炉を利用した。こんな猟奇的な話にマスコミが飛びつかないわけがない。コモタセレモニーは大打撃である。



第44話の前半、浅妻婦長の葬儀あたりでドラマとしてのピークは終わって、あとはエピローグ的な話が続くが、第44話の後半、そして第45話(最終話)をまるまる使っておいて、人物たちが一向に収まるべきところに収まっていない。なによりも、このあと警察に逮捕された範子が、ドラマの中での役割はもう終わりだ、と言わんばかりに、ほとんど画面にも映らなくなっちゃうところがすごい。
そんなふうに正妻は犯罪者となりドラマから退場。残る薦田時夫(神保悟志)と息子の潮(内博貴)、その嫁の梢(沢井美優)そして梢の腹の中の時夫の赤ちゃんたちは、最終的にはどうなっちゃうのでありましょうか。

2. グータラ女の見せ方


梢は目的どおり薦田家をめちゃくちゃにできたので、わりと満ち足りている感じ。……でも本当に目的を達成しているのだろうか。
そもそも、屈託のないお嬢さまだった梢をヒョウ柄のライオン女にしたきっかけは、潮への愛ではなく、斎への嫉妬である。最初のうち、梢は潮とはさほど相思相愛でもなかったのだ。ちょっと復習しましょう。


 梢 「斎お姉さま」



 斎 「梢ちゃん」



 梢 「帰ってらしたのね」
 斎 「ええ……今日はデート?」
 梢 「まあね。昼間、潮さんと葬儀社で会ったんですって?」
 斎 「ええ、ちょっと、すれ違って」



 梢 「彼ったら斎お姉さまの事ばかり聞くのよ。風情がいいとか、不思議な雰囲気を感じさせるとか、そんなことばかり言っているの」
 斎 「私なんか話のタネにしたって仕方ないのに……長いの?彼と」
 梢 「いいえ、それほどじゃ……お友達のお友達。紹介されてちょっと付き合ってるの」
 斎 「そうなの」



 梢 「斎お姉さま、彼のこと、どう思う?今日会ってどんな感じをお持ちになった?」
 斎 「どんなって、いい人みたいじゃない」



 梢 「でも何か違うのよね」
 斎 「何が?」
 梢 「ちょっと聞いてみたかっただけ。じゃあお休みなさい」
 斎 「お休みなさい」


しかし二人の純愛ぶりを見てから、おかしくなっちゃったのだ。




 梢 「あんな子持ちの出戻り女に、ぜったい負けやしないわ。私の持てる限りの魅力で潮さんの心も身体も、がんじがらめの虜にしてやるわ!蛇に魅入られたカエルみたいに……ネバネバの蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされた昆虫みたいに!」


それでいろいろあって、斎のお情けで結婚できることになったけど、夫婦になっても、潮に指を触れてももらえない。そのことでかえって苦しみ、性格がゆがんじゃったのである。だから梢の復讐は、あくまでも斎と潮に対するものである、そのために、自分の体を犠牲にして、義父の子供を身ごもる荒技にでたのだ。そうすれば潮を苦しめられると思って。
でも実際の効果はあまり高くなかった。梢の妊娠が分かってうろたえたのはむしろ父親の方で、潮は「僕の子じゃないってことだけは、はっきり言っておくからな」と連れないし、父親に対しても「堕そうと思えば堕せるだろ」「母さんにはちょっとむごいことになるよな」と、かなり冷たい態度。さらには、母親の事件を機に、改めて梢に離婚を申し出るのだから、けっこうむちゃくちゃだ。
しかしこのシーン、そんなむちゃくちゃな会話を楽しむよりも、ビジュアルのインパクトが優先される。
妊娠して、薦田家の雌ライオンとしての座に落ち着いた梢は、もはや潮や時夫を誘惑するため美容に気を使う必要もなく、いぎたなくソファやベッドを占領して、いつも何かを食べている。口の周りがポテトチップの油や、お菓子のクリームやチョコレートで汚れてもお構いなしの、まったく見苦しい女になってしまった。
……という設定なんだろうけど、沢井美優といえば、スポーツ少女らしい健康美が持ち味である。大人になってセクシーやアンニュイの引き出しにも厚みが出てきたけど、いつもダラッと欲しいままに過ごす自堕落なキャラクターには、ちょっと遠すぎる。それをどう演じさせるか、演出家だったら悩みどころだろう。
で、このドラマではどうしたかというと「まず型から入る」という方法をとった。とりあえず沢井美優の口もとを油で汚して、ポテトチップの粉なんかつけて、それで「この人はいつもだらしなく食べている人なんですよ」という記号にした。これ、テレビを観ていてすごくビックリした。本当に記号的で、ドラマというよりコント番組の「食いしん坊」みたいなのである。



 梢 「離婚?私と離婚したいってこと?」
 潮 「子供が生まれる前にきちんとしておいた方が……今のままだと戸籍上、僕たちの子供ってことになってしまう」
 梢 「いいじゃないのそれで」
 潮 「よくないよ。母さんだってずいぶん気に病んでたから。この際、きちっとしておいた方が……」
 梢 「そんなこと言ってあなた、私と離婚して、斎お姉さまと結婚したいんでしょ。そうでしょ」
 潮 「いや」



 梢 「お義母さまがいちばん憎んでたのはあの蜘蛛女なのよ。あなたが蜘蛛女に夢中だから、憎悪が高じてこんなことになったんじゃないの。なのに結婚?よくもそんなことが」
 潮 「違うよ。そんなことは考えていやしない。ただ、この家の中をすっきりさせないとどうにもならないだろ」



 梢 「じゃあ私にお義父さまと結婚しろって言うの?」
 潮 「それはそっちで話しあえばいい。とにかく離婚して欲しい」



 梢 「冗談じゃないわ、あんな年寄りを私に押しつけて。あとは介護が待っているだけじゃないの。アタシはまっぴらよ。離婚も結婚もしませ〜ん」
 潮 「梢……」


キャプチャだと見えにくいかもしれない。口まわりがテカっているの分かりますか?もう少しなんとかならなかったかな。

3. 土下座でビールかけ


まあ、ここまで引っ張っておいて「この際、きちっとしておいた方が」なんて離婚を切り出す潮もたいがい身勝手なので、怒り出す梢の気持ちは分かる。分からないのは潮の父、時夫の反応である(まただ)。
主婦の範子が警察に連れて行かれて荒れきった薦田家の台所。グータラ女と化した嫁の梢は片づけなどしないので、彼女の食い散らかしたジャンクフードの包み紙がダイニング・テーブルに所狭しとばらまかれている。ダイニングに入ってきた潮は、ため息をついて片づけ始める。その背にするどく声をかける時夫。



時 夫「お前、斎と結婚するんだって?」
 潮 「よせよ。これからは母さんを僕が守っていかなきゃいけない。そのためにも、家の中の問題を片づけておきたいだけだ」



時 夫「家の中の問題だと?すべてはお前が蒔いた種じゃないか。おれと梢さんがこんな関係になったのも、お前が齊と乳くりあって妻をかえりみなかったからじゃないか。お前たちの身勝手な愛がすべてを狂ったほうへ導いたんだよ」
 潮 「だからせめて母さんだけは」



時 夫「当たり前だ。母親を殺人未遂の罪に陥れたのもお前なんだからな。そのおかげで、おれは信用も何もかも失って、葬儀社は閑古鳥、商売はあがったり。お先真っ暗だよ。どうすんだよ。離婚の何の言う前におれに謝れ。手をついて謝れ」
 潮 「父さん……」
時 夫「土下座して謝れ。謝れ。謝れよ!」



 潮 「父さん、許してください」



時 夫「はははははは。こいつ本当に謝りやがった。あははははは」


もともと展開の読めないこのドラマの中でも、とくに海老原邦英(石田純一)と薦田時夫(神保悟志)の言動とリアクションは、いちいちこちらの予想のはるか先(それも斜め先)を行く。ここでも時夫は、自分のことは棚に上げ、息子にすべて責任転嫁して、むりやり謝罪させて、笑い出す。なぜ笑い出すのか。これだけでもすでにわけが分からないのだが、そのうえ、飲んでいた瓶ビールの残りを、土下座した息子の頭からどぼどぼと浴びせてしまうのだから、何が何だか。



なぜ笑う? 笑いながらビールかけって。何のリーグ優勝であろうか。
しかも、このちょっと後に、さらに衝撃の展開が待ち受けている。それから一年後、裁判の結果、範子に殺人未遂の罪で4年の実刑判決が出た。梢は無事、元気な男の子を出産して、また聖夜がやってきた。




出産しちゃった。これで良かったのだろうか……と悩む視聴者(私)を尻目に、画面の向こうはとっても和やか。梢はあいかわらず食っちゃ寝のグータラ生活でだらしなく太っちゃった。という設定なんだろうけど、沢井美優はやっぱり「コントでグータラ主婦を演じている女優」にしか見えない。そんな梢に「あなた、ちょっとミルクもあげてちょうだい」なんてアゴで使われているジャージ姿の時夫。なんか普通のホームドラマ家族に戻っているのだ。



とにかく沢井美優の髪型がすごい。セーラームーンで金髪のウィッグを見事にきめた沢井美優に対して、美術スタッフが「ならこれはどうだ!」とチャレンジしたとしか思えないカツラ。いやカツラじゃなくて地毛によるヘアメイクか。
と、そこへ帰ってくる潮。わりとフツーに入ってくるのだ。



え? おまえ、ついさっき父親に土下座して、ビールかけされてたじゃん。もう忘れちゃったんか?というこちら側の声を無視して、画面のなかでは一年が過ぎ、すっかりほとぼりも冷めた親子は和気あいあい。
もともと「ずりさがったメガネ」をトレードマークにしていた時夫だが、それがエスカレートしすぎて、ここではとうとう口の下までメガネが降りているところも観賞ポイントだ。



 梢 「なかなか体型がもとに戻らないのよね」
 潮 「そんなに食べてちゃ無理だろ」
 梢 「ふん」



 潮 「梢……親父と結婚してやってくれないか?」



 梢 「本気で言っているの?」
 潮 「その方が自然だからって母さんも言ってた」



時 夫「いや、おれにはそんなこと言ってなかったぞ」
 梢 「あら、あなたも面会に行ったの?」
時 夫「知らん顔はできんじゃないか……おれが行ったら範子の奴、泣いて喜んでた。おれのしたことはみんな許すって」



 潮 「いまは平穏な気持ちになっているんだ。母さんのことは心配しなくていいよ。僕がしっかり守っていくから」
時 夫「孝行息子だな」



 潮 「親不孝ばかりしてきたからね」
時 夫「おれは当分、子供の面倒でも見るしかないな」



父と息子、気持ちが通じあって、とても、薦田家を一家もろとも生き地獄に引きずり込んでやる、という梢の目的がかなったようにはみえないのだが、梢自身もだいぶ薦田家になじんでしまっていて、結局なにがやりたかったのか自分でも分からなくなっている、という感じか。でも現実って意外とこんなものかもな、などと考え出している時点で私はすでに負けているのだろう。
でも私も、セリフを書き留めるために何度も観直しているうちにそんなこと考えたのであって、最初に見た時は、もう沢井美優の髪型にただただ驚いていた。観月ありさに替わって実写版サザエさんの座を狙っているのだろうか。

4. そして今は(What Now My Love)


あとはヒロインの動向。この人も最後までブレまくりだった。なにしろ、危うく火葬にされそうだったところを潮に助けられ、病院で目覚めたときの第一声。潮に「愛していないからこそ梢ちゃんと結婚して」みたいな、わけの分からんことまで言って、禁欲的な崇高愛を誓い合った人がこれである。好意的に見れば、生死の境をさまよった後だけに、人生観が変わったということなんだろうか。


 斎 「ねえ潮、あなたと二人で旅行に行きたいわ。潮、死に損なったから言うんじゃないけど、会いたいのも我慢して禁欲的に生きるなんて、もういいんじゃないかしら」


この時点では、どうも心中旅行をにおわせるような言いっぷりだが、結局は旅行へもどこへも行かない。斎を殺そうとたくらんだのがほかならぬ潮の母親だと判明して、潮もその責任を感じ、母の量刑をなるべく軽いものにできるよう、弁護士と頻繁に連絡をとりあって努力している。そんな矢先に斎は、今度こそきちんと別れようと切り出すのである。ひどいなあ。本当に彼を愛しているなら、こういうたいへんな時こそ支えてやるべきじゃないのか。結局この人、自分が面倒ごとに巻き込まれるのがいやなだけなのかも知れない。かつて娘の未亜に「お母さんと二人だけで暮らしたい」と言われたときも、私たちの関係は純粋愛だからアンタ結婚なさいとか屁理屈をいって、潮に梢をおしつけたのだ。
それが今度は、あのとき純粋愛とか至高の愛だとか言っていたのは、やはり私たちの思い上がりで間違いだったから、今度こそきっぱり別れよう、というのである。なんかちょっと潮がかわいそうだ。



 斎 「思い上がっていたみたい私たち。私たちの愛を特別なものと思いすぎて……」
 潮 「あの時、僕たちはすでに一歩踏み外していたんだ」



 斎 「私たちの愛の罪なの。もう許されないの。私たちは終わったの。おしまいなの」
 潮 「ええ」
 斎 「お別れをしましょう」



 潮 「愛の罪か」
 斎 「潮……」
 潮 「おしまいなのか」
 斎 「あなただってこれからお母さんのこともあるし」


ほーらやっぱりお母さんのことに関わりたくないから関係を絶とうとしているんだよ。もっとも、若い潮は泣きながら執拗に食いさがる。



 潮 「でも本当に愛することをやめることなんてできるのだろうか。愛してはいけないと自分に強く言い聞かせても心の中ではあなたのことを想ってしまう」
 斎 「許されないの。それは」



 潮 「だったら僕たち、何のために愛を高めあってきたのか?」
 斎 「愛の罪……罪深い愛ほど真実の愛。私だってそう思いたいけど……でも……」


結局、斎に説得されて諦める潮田が、「でも僕たちにはこれがあるんだ」と、例の不思議な能力をもったペンダントを握りしめる。
でもペンダントはもう効果がなくなっていた。互いが互いにどうしても逢いたくなり、その気持ちを抑えきれずにペンダントを握って鏡をのぞき込んでも、以前のような逢瀬はできなくなってしまっていた。



こうして斎は母の喪に服し、潮は、ムショ入りした母を見舞う贖罪の日々を過ごしたのでありました。
……で終わると思ったら、そうでもないのだ。ラスト、もともと製薬会社勤務だった潮は「フランスのサンロベール研究所の傍系会社」とかいうヨーロッパの会社に転職が決まった。斎とも別れちゃったし、心機一転、海外で一から出直す覚悟をきめたのだ。って、おい。斜陽のコモタセレモニー社長の父親と、まがりなりにも妻だった梢と、そして殺人未遂の罪まで犯した母への償いはどうなるんだ。さっき「母さんのことは心配しなくていいよ。僕がしっかり守っていくから」って言ってたよな。なのに結局、ぜんぶ放り出して海外に逃避かよ。という突っ込みに答えるものは誰もいない。



ラストシーン。ワインバーでおなじみのアラフォー仲間が、冬の花火に歓声をあげる横浜ベイ。朔子(川上麻衣子)も楽しげだ。範子の殺人計画(未遂)の教唆罪に問われたって文句は言えないくせに。こいつもまったくなあ。
そしてちょっと離れた所にあるベンチには、海外へ行く前に「別れの花火」に二人で見入る斎と潮。なんだ別れたとか言って、普通に逢ってるじゃん。



 斎 「冬の花火って寂しいわ」
 潮 「まるで僕たちみたいだね。ぱっと華やかに愛に輝いて、そして消えていく」
 斎 「そう。私たちはもう死んだと同じなんですもの」



 潮 「でも死んでも生きてる。どんなに離れ離れになっても、花火のように生き返ることができる」
 斎 「花火のように」
 潮 「そう。その一瞬の輝きを求めて、僕はまた生き返る」



 斎 「愛は一瞬の輝き。その一瞬が美しければ」
 潮 「それを求めて生きていくんだ」
 斎 「ええ」


以上のセリフを聞く限り、この二人、ぜったいこれっきりってことはないよね。またなんかやらかしそうな予感を残しつつ、劇終。ふつうだったら「二人の愛はまだ燃え尽きていない」という嬉しいエンディングなんだろうけど、これだけ身勝手な至高愛に振り回された後では、ちょっと「えーっ!」というか、ホラー映画の最後に墓場からにゅっと手が出てきてエンドマーク、みたいな終わり方でした。



というわけで、私も花火みたいに燃え尽きた。以上で当サイトにおける『天国の恋』レビューはおしまい。わかりにくい紹介だったと思いますが、おつき合いいただきありがとうございました。次週からはセーラームーンの話に戻りたい。



おまけ】最後にアンコール。プリンセスの珍しいロリータファッション。



おまけその2】第44話。梢が夜食で食べているカップラーメンの銘柄なんだけど、一部、沢井美優の手に隠れているけど「cupらーめん HITCHI COCK」と読める。



なぜヒッチコック? アルフレッド・ヒッチコック監督へのオマージュか?でも、つながりがまったく分からない。中島丈博の旧作に出てきたアイテムとか、そういう内輪ネタなのか?何かご存知の方がいらっしゃったらご教示たのみます。



【作品データ】『天国の恋』2013年10月28日〜2013年12月27日、東海テレビ・フジテレビ系、毎週月〜金 13:30-14:00放送/全45話(各5話×全9週)/制作著作:ビデオフォーカス/制作:東海テレビ
<スタッフ>企画:横田誠(東海テレビ)/プロデュース:大久保直実(ビデオフォーカス)、堀ノ内俊也(ビデオフォーカス)、服部宣之(東海テレビ)/原作・脚本:中島丈博/音楽:森英治/選曲:谷川義春/音楽制作:S.E.N.S. Company/主題歌:塩ノ谷早耶香「一輪花」(キングレコード)/エンディングテーマ:中山優馬「愛までがナイフ」(ジャニーズ・エンタテイメント)/挿入歌:中村彰一「天国に行きたい(I hope to go to HEAVEN)」/演出:皆川智之(第1週・第2週・第5週・第9週)、藤木靖之(第3週・第6週・第8週)、最知由暁斗(第4週・第7週)/演出補:鴨田明美/撮影:出口朝彦/テクニカルディレクター(TD):末廣健治/ビデオエンジニア(VE):小杉文人/編集:村山勇二/音響効果:神取涼子/EED:岩谷洋平/MA:河野弘貴/TMCスタジオ担当:山川宏/照明:荒川光代/音声:井村優佑/デザイン:金子幸雄/大道具:手塚常光/操作:内田総子/建具:岸久雄/造園:渡辺篤/美術デスク:森川一雄/美術進行:斉藤智昭/持道具:岩花学/衣裳:天野多恵/メイク:小川幸美/メイク(石田純一担当):せきさゆり/装飾:高桑道明/タイトルバック演出:石田純一/タイトルバックCG:オムニバス・ジャパン/タイトルバック演出補: 宝来忠昭/広報:田中資恵(東海テレビ)、山本章子(東海テレビ)/技術協力:ヴァンシャープ/照明協力:サンライズアート/美術協力:KHKアート/装飾:ケイプランニング/医療指導:マエカ/エンバーミング監修:ヒューマンケア株式会社/音響効果:スポット/スタジオ:東京メディアシティ広報:田中資恵、山本章子(東海テレビ)/メイキング:皆藤一/WEB:平岡敏治(東海テレビ)/WEBライター:田中あおい/編成:吉田明弘(東海テレビ)/制作デスク:八木美香(東海テレビ)/スケジュール:八木茂
<キャスト>埴生斎:床嶋佳子/高校時代の斎:小宮有紗/薦田潮・国友聡(高校時代の先生):内博貴/薦田時夫:神保悟志/薦田範子:山下容莉枝/志田元春:高田翔(ジャニーズJr)/埴生郷治:ダンカン/埴生幹子:丘みつ子/埴生美亜(斎の娘):大出菜々子/海老原邦英:石田純一/海老原多鶴子:山口いづみ/海老原朔子:川上麻衣子/少女期の朔子:秋月三佳/海老原梢:沢井美優/幼女時代の梢:梅崎富羽/海老原瑞彦:松田賢二/少年時代の瑞彦:南羽翔平/海老原日菜子:小野真弓/海老原 太一(朔子と前夫との息子。最終回でカーディガンを石田純一風にまとう):岡亮/玉木 澄子(海老原家の家政婦):平田まり/長沢昌利(斎の養父):石原良純/長沢伊代(斎の養母):大河内奈々子(友情出演)/浅妻 徳美(斎の実母):毬谷友子/大原鞆音(徳美と昵懇の占い師):岡まゆみ/長沢友也(斎の弟):亜蓮/美波フォーブス(ワインバー「TITAN」のママ): 中原果南/高校時代の美波:優希/タイタン・フォーブス(美波の夫):スコット・マイケル/森口(ワインバーTITANのバーテンダー): 安藤龍/江上 彩子(アラフォー仲間のジュエリーデザイナー):北原佐和子/宮畑弥生(アラフォー仲間の官能小説作家):小原正子(クワバタオハラ)/西尾宙太(コモタセレモニー職員):浅見小四郎/葛城(コモタセレモニー職員):心愛/志田ちゃんの叔母:青木和代/志田ちゃんの音楽仲間:中村彰一/範子に雇われたチンピラ:お宮の松、内田讓