実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第411回】DVD第3巻:Act.10の巻(14)

ちょっと前に「とんび座り」の話をした。男性には難しいぺたんこな座り方。ここに2例ほど挙げたが、まだ実写版にはありそうな気がして、ちょっと注意していたら、さらに2つ、新しい例が見つかった。既出のぶんも含めて並べておきます。


Act.4のセーラーマーキュリー


Act.10のセーラームーン


Act.22のセーラームーン(マーズも?)


Act.39のセーラームーン


どの例も「セーラームーンの幻の銀水晶のパワーが一時的に解放されて、事態が収拾したあとの放心状態」の表現である点で一致している。まさかこんなポーズに法則性があるとは思ってもいなかった。もっとも、他にもこのパターン以外の用例があるかも知れない。お気づきになった方はぜひご一報を(いるのかそんな人?)。

1. 進悟も新成人


さて、Act.10も大詰め。というか、もう後はエピローグと次回への引きだけだ。さらりと簡潔に終わらせよう。
朝にはママと大ゲンカ。家出して、レイの神社に転がり込んで、紙芝居の絵を塗って、それから倒れたエリカちゃんを守るために変身して戦って、銀水晶のエネルギーで人々を救って、ベリルと初めて対面して、ルナから自分たちの出自の秘密を知らされた。うさぎにとっては色々ありすぎな一日で、もう朝のケンカのことなんか遠い昔のことのように、晩ご飯の時間にはお家に帰ってくる。



うさぎ「ママー」



育 子「やだちょっと危ない」



うさぎ「ただいま」
育 子「はい、お帰り」



進 悟「なんだよ、一晩ももたない」


進悟役の武子直輝は1993年3月28日生まれ。今月末には20歳になる。って、これ前に書いたか。



男性誌のカットモデルなどで露出があるほか、役者としては、えーと、「名古屋クラブ・シーンの歌姫」ことMs.OOJA が昨年秋に出した7枚目のシングル「ギブス」のPVに出演していた。
ただこれ、恋愛ドラマ仕立てのビデオなんだけど、武子君は、どしゃ降りの雨の中でヒロイン役の向山志穂を抱きしめるシーンのロングショットへの出演で、カメラが寄ると首から上が切れている。残念である。



しかしアレですね、オンエアからはや10年経つのに、こういうふうに、レギュラー陣のすみずみまで、ほとんどが芸能界に現役でサバイバルしているって、やはり凄いことだと思う。


Ms.OOJAを挟んで、PV出演の向山志穂さんと武子直輝くん


というわけで、平和な家族を見守りながらも、不安を隠せないルナ。



ル ナ「敵はどんどん私たちに近づいてるわ。プリンセスが無事でいればいいけど……」

2. 「プリンセスへのレクイエム」第2楽章



ルナのセリフにかぶせて、画面ではプリンセス(ということに現時点ではなっている)愛野美奈子を乗せた帰国便が成田に到着。
ロンドンでの新曲レコーディングを終えたビッグアイドルの取材に、たくさんの報道陣が押し寄せてきて、それをかき分けかき分けながら、待たせていた車に乗り込む美奈子とマネージャー、という画を撮りたかったんだろうが、どうしてもそういうふうには見えない。だいたい、成田ロケでそこまで大がかりなことをできるような規模の作品でもない。ロビーはけっこう閑散としているし、きっと、旅行客に迷惑をかけないよう、できるだけ客の出入りが少ない時間帯を選んで、ササッと撮影したんじゃないかな。報道陣の数も、ロケスタッフをそのまま動員した程度のショボイ感じである。さらに加えて、その報道陣にお辞儀をする美奈子の、カラクリ人形のような独特の動きが加わって、なんかこの場面、えもいわれぬ不思議な雰囲気を醸し出している。いろいろ書いたが実はこの場面がけっこう好きなんです。



しかしこの時のヒョコヒョコお辞儀に較べたら、最近の小松彩夏は、ほんとうに芝居がうまくなった。成長するというのは素晴らしいことだ。


芝居は上手くなったが薄倖路線は維持の(茶髪の)小松さん


付き添いのマネージャーを演じている俳優は長友克己。Act.8に続いての出演だ。役どころもセリフもほとんど一緒。


Act.8の長友克己「どうかした?美奈子ちゃん」


Act.10の長友克己「美奈子ちゃん、どうかした?」


この長友克己さん、Act.8でも今回でも、なぜかタイトルクレジットに名前が出てこない。エストア国王女のオレナ・シュペレヴァや、テレビレポーターの岩城美香の名前はクレジットされても、長友克己は出てこない。なぜなんだ?(ついでに言えば、岩城美香さんの名がAct.9にもクレジットされているけど、これに疑問があることについては、ここで述べた。)
ともかく、長友マネージャーの出演は今回まで。次回Act.11から、美奈子には事務所の社長のスガオちゃん(池田成志)がじきじきにくっつくことになる。前にも書いたけど、社長は今週限りでこのマネージャーを解雇したんだと思う。なにしろAct.8では、「ナコナコなりきりコンテスト」の特別審査員をドタキャンすると言い出した美奈子を説得できず、主催者側に大いに迷惑をかけたし、今回は今回で、空港に着いたとたん、大事な稼ぎ頭を人身事故から守りきれず、病院送りにしてしまった。そんな不祥事の連続に、社長からマネージャー失格の烙印を押されてしまったのだろう。それもこれもみんなゾイサイトが悪い。ちょっと可哀想だ。
一方そのゾイサイトは、虎の子の妖魔を、わずかな間にセーラームーンに倒されてしまって凹んでいるかと思いきや、すべては想定の範囲内だった。プリンセス(ということになっている)愛野美奈子の帰国のタイミングを見はからって、じっと黙していたゾイサイトは、くわっと目を開く。



ゾイサイト「クライマックスはこれからだ!」



怖いよ遠藤yst(と書いてヨシトと読む)。
ということで、再びピアノを弾き始めるゾイサイト。なんと「プリンセスへのレクイエム」という曲にはまだ続きがあったのだ。妖魔によるプリンセス無差別攻撃は、前段というか、セーラー戦士の注意を惹きつけるための陽動作戦に過ぎず、ある意味、本当の「レクイエム」ここからだった!美奈子が国内にいないことなど、ゾイサイトはお見通しだったのである(でも美奈子が本当のプリンセスではないことまでは、お見通しではなかった)。
ゾイサイトのピアノの旋律は、近くを走っていたトラック運転手の脳波をコントロールし、車に乗ろうとしてた美奈子におそいかかる。



そしてこの「プリンセスへのレクイエム」という曲、どうも本来の台本では、次回Act.11冒頭まで引っ張る予定だったようだ。DVD第3巻の特典映像に、Act.11の未使用シーンとして、ゾイサイトが「プリンセスのレクイエム」を弾き終える場面が入っている。どんな感じか、久々に動画を貼ったのでご覧ください。っていうか、お聴きください。



つながりを考えると、おそらくAct.11のアバンは、台本では(1)うさぎのナレーションによる前回のあらすじ→(2)トラックに襲われる美奈子のアップ→(3)「プリンセスのレクイエム」を弾き終えてドヤ顔のゾイサイト→(4)主題歌、となっていて、それに合わせてこのシーンも撮ってあったのだが、最終的にはカットされたのだろう。今回Act.10は鈴村監督、次回Act.11は高丸監督なんだけど、こういう場合、この場面はどっちの監督が撮ったと考えればいいのだろうね。やっぱり高丸監督かな。
まあそれは次回の話だ。トラックに急襲されて美貌をこわばらせる愛野美奈子のアップに重ねてエンドマーク。



というわけでAct.10レビューは今回で終了。次回は恒例の使用サントラ楽曲リストです。