実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第399回】なかなか『悪夢ちゃん』から自由になれなくての巻


本日いよいよ千秋楽。頑張れプリンセス
 

すみません。今週末もあれこれ用事が詰まっていて、まとまった記事が書けないでいる。予告しておくと来週末も。
通常営業に戻れば書けないこともないんだけどね。通常営業っていうのは、このブログのメインコンテンツ(のつもり)である実写版セーラームーン全話DVDレビューのこと。でも、秋の番組改編期にスペシャルドラマ『みおつくし料理帖』がオンエアされ、続いて『悪夢ちゃん』放送開始ということで、9月からこの方、ただの北川景子ファンサイトみたいになっちゃっている。それはそれで好評みたいだけど。
前にも書いたとおり、土曜日の夜に放送される『悪夢ちゃん』をレビューするには、週末の更新って非常にタイミングが悪い。だからいっそのこと全話完結を待ってレビュー、というか総括をすることにして、再び粛々と実写版のDVDレビューに戻ればいいんじゃないか、とも思う。思うのだがしかし、こんなに面白いドラマが北川さん主演で好評放送中なのだから、リアルタイムの視聴ログをつけないのは、いかにももったいない。だから週末になると、まずは前回の見どころなんかについて簡単に触れてから、と思ったりして、結局あれこれ書き連ねてしまう。そうこうしているうちに土曜の夜も更け、新しいエピソードがオンエアされて、ちゃぶ台をひっくり返したみたいに物語が新展開に入って、青息吐息で書きかけたレビューの半分以上が反古になる。そういう悪夢ちゃんなスパイラルのまっただ中にいるここ2ヶ月でございます。
しかし今回の第9話もまいったね。いやスーパー戦隊のコスプレのみなさんもアレだけど、アレはどちらかというと、「非公認戦隊」アキバレッドとの語呂合わせみたいなかたちで楽しむべき場面だったと思う(和田正人はあのシーンには関係なかったが)。




いちおうセーラー戦士らしきものの所在が分かりやすいようにマーカーしておきました。



美少女の妹が、デブでオタクで引きこもりのお兄ちゃんを疎まず、ちゃんと信頼しているところが、やはり感動であった。脇くんも良い仕事をした。






いやあ、良かった良かった。
一方、彩未先生の周辺にはやはり、火野レイを意識したとしか思えないアイテムが、つぎつぎにばらまかれる。
現在このブログのDVDレビューは、Act.10の半ばで中断している。家出したうさぎが火川神社に転がり込んで、レイといっしょに「かぐや姫」の紙芝居の色塗りをしている場面あたりだ。


 

 


この紙芝居に入れ込んでいるのがエリカちゃんという少女で、エリカちゃんは、死んだママはきっと月にいる、だから自分も月に行きたい、と「かぐや姫」に自分を投影することで母を失った寂しさに耐えている。そしてレイも、同じような少女時代の記憶をもっていた。「夢みたいな、ものだけれど……」だから色塗りに失敗したエリカを優しくフォローしたり、いつもの厳しいレイちゃんらしからぬ保護者ぶりを発揮する。


 

 


でもずっと後のAct.34では、この時点でのレイの記憶がニセモノであったことが判明する。本当はレイは、ママがいなくなったときに「パパ、パパ」と父を呼んでいたのである。でも多忙をきわめる政治家だった父は来てくれなくて、レイを親戚の神社に預けた。


 

 


パパは、不吉な霊感少女の私を疎んじて神社に捨てたのだ。そう思い込んだレイは、パパを求めて泣きじゃくっていた幼女の自分の像を無意識の底に封印し、「ママは死んだんじゃない。絵本のかぐや姫のように月に行ったんだ」と気丈に耐えていた偽物の記憶に置き換えたのである。その封印が解けたのは、ママが埋葬された教会の墓地の前であった。


 

 


実写版セーラームーンの火野レイの物語はそんなふうに展開されるわけなんだけど、これをわれらが『悪夢ちゃん』の彩未先生と比較してみよう。レイの場合は、実の母親の死が記憶の封印につながるわけだが、彩未先生は孤児だ。でも少女時代の彩未先生には、母親みたいに優しくしてくれた友達のママがいて、その人が死んで、友達から激しくなじられる。あまりのショックに、彩未の記憶は飛んでしまう。そのとき「自分には不吉な超常能力がそなわっている」という自覚を、強烈なコンプレックスと一緒に抱いてしまうところや、そのせいで以降の人生を、仮面をかぶって生きてきたところは、二人とも似たようなものである。



特に今回の『悪夢ちゃん』第9話は、冒頭からして彩未先生は「夢」という題で生徒たちに絵を描かせているし、それがきっかけで、ラストではついに悪夢ちゃんの庇護者となる「この子は誰にも渡さない。この子は死んでも私が守ってみせる」。



冗談抜きで、私には彩未先生と悪夢ちゃんが、火野レイとかぐや姫少女のエリカに見えてしまったよ。さらに、悪夢ちゃんの描いた絵が彩未を導いた先にあったのが、教会の墓地だというのだからたまらない。


 


というように、今回、彩未先生と実写版のレイのシンクロ率はかなり上がったと思う。残る両者の決定的な違いは、彩未先生に「父親」の影がないこと。
精神分析的には、父親に対する(強い愛情の裏返しの)憎悪をいだいているレイの方が、分かりやすいっていえば分かりやすい性格だよね。彩未先生も、同僚の男性教師に対する態度は冷たいし、レイに負けず劣らずの男嫌いという気がする。そういう意味で潜在的にファザコンと考えれば、第4話であっさりと一夜を過ごした唯一の「男」、つまり夢王子=志岐貴(GACKT)がそのポジションなんだろうが、どうでしょう。最終回には彩未先生の父親に出て来てほしいなぁ。それが升毅だったらもう私は死んじゃう。


今日はこれまで。でも愛想がないので、おまけがふたつ。


おまけその1
NHK の『恋するハエ女』(全6話)もいよいよ第5話まで来た。泉里香は「奇数話レギュラー」とでも呼ぶべき特殊な出演の仕方で、第1話、第3話、第5話に出演している(ただし第2話の回想シーンでもわずかに登場)。最終回は第6話で偶数回なのでたぶん出演はないと思う。M14さんもそうおっしゃって「結局、総出演時間は5分にも満たなかったが泉里香の演技力、悪女を演じたときの破壊力は十分に伝わった」と総括された(ここ)。評価については同意するが、総出演時間を足せば5分は越えるんじゃないか、と思った私は、トータルどれだけ出演時間があったのかを、あらためて独自計測したのである。あくまで私のビデオ再生ソフトのカウンターによる数字だが。

第1話
 
里香の「おまたせー」という声が、開始後16分25秒。
ヒロインとすれ違って階段を降りるのが17分25秒。
したがって出演時間は1分ポッキリ。

第2話
 
開始8分39秒、終了8分45秒、正味6秒の回想シーン

第3話
 
「きょう和食がいいって言ったじゃん」が17分53秒。
いたたまれないヒロインが店を飛び出すのが20分57秒。
出演時間は3分4秒。

第5話
 
里香の「別れたい」が、2分21秒の時点。
指輪を返された彼氏が倒れて3分3秒。
出演時間は42秒。


というわけで、全部をあわせると総出演時間4分52秒。たぶんきっちり測って言ったわけでもないんだろうが、それでも「結局、総出演時間は5分にも満たなかった」と、ざっくり言い当ててしまう大家さんは偉いね。さすが理系の人だ。



おまけその2
今シーズンのドラマ視聴率十傑(1クールものに限る)。


1話2話3話4話5話6話7話8話9話10話平均
ドクターX18.6%17.6%17.4%17.1%17.7%18.6%20.1%


18.17%
PRICELESS 16.9%18.8%15.2%18.4%15.7%18.1%17.2%


17.16%
悪夢ちゃん13.6%10.7%12.9%10.4%12.8%11.5%11.5%11.5%

11.92%
結婚しない13.0%13.6%10.3%10.9%12.2%11.3%10.9%10.6%12.7%
11.76%
MONSTERS13.8%13.4%11.2%11.5%11.0%10.3%8.3%


11.63%
匿名探偵11.7%9.9%11.5%10.4%10.6%12.0%7.8%10.1%

10.50%
TOKYOエアポート14.0%9.4%9.3%9.6%8.3%8.1%9.7%12.1%

10.18%
遅咲きのヒマワリ13.5%9.9%8.0%8.9%9.3%8.6%7.8%


9.58%
大奥 11.6%10.6%7.9%7.6%8.9%9.0%7.1%7.0%

8.81%
ゴーイングマイホーム13.0%8.9%8.4%7.7%6.5%5.9%5.9%5.6%

8.46%


というわけで、ついに20%台を叩き出した今シーズンの台風の目『ドクターX』と、何だかんだと木村拓哉の強さをみせつけている『PRICELESS』の二強に続いて、悪夢ちゃんは三番手に躍り出た。すばらしい。とはいっても『結婚しない』『MONSTERS』とはトントンで、実質的な差はない。
先週ついにひとケタ台に落ちてしまった『MONSTERS』は、1話けずって次週が最終回となった。表向きには、12月16日(日曜日)が衆院選の投開票日にともなう特番となるため、話数を減らさざるをえなくなった、ということなんだが、これ事実上の撤退だよな。香取君も「ハットリ君」とか「座頭市」とか「こち亀」とか、そしてこの『MONSTERS』のインパクトのある刑事役とか、なにかひとつ自分のハマリ役となる特異なキャラクターを欲しがっているように見えるのだが、イマイチうまくいかない。頑張ってください。
それはともかく、そういうわけで『MONSTERS』も、最終回の数字を上げるべく、何らかの手を打ってくるだろう。『結婚しない』のほうも、最近、天海祐希と菅野美穂がバラエティーに姿を見せていて、その番宣が功を奏したか、ぐぐっと視聴率が跳ね上がっている。最後まで予断を許さない展開だが、でもまあ『悪夢ちゃん』はこれだけ中身が面白いから、もう数字はどうでもいいや。


じゃあ今日はこれで。