実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第397回】北川景子『悪夢ちゃん』覚え書き:前編(featuring小松彩夏)の巻


左から沢井美優(呂蒙子明役)、中村静香(孫策伯符役)、池田夏希(関羽雲長役)



舞台『一騎当千』 原作:塩崎雄二/台本・演出・振付:西田大輔
爆発的人気を誇る美少女三国志格闘漫画が満を持しての舞台化!
11月30日(金)〜12月9日(日) 銀座博品館劇場
全席指定 6300円


というわけで、いよいよ来週から始まるわけで、沢井党の結集する様子が目に浮かぶようだ。……私は今回も不参加。東京へは行く予定があるんだけどさぁ。

1. ありがとうございました、yuriさん。


先日、小松彩夏が謎の喪服の美女を演じた『水曜ミステリー9 森村誠一サスペンス 刑事の証明4』(テレビ東京、2012年10月30日放送)ですが、うっかり見すごしたって話を書いたら、本ブログをご愛顧くださっている方から、こっそり動画の所在を教えていただいた。おかげでしっかり視聴することができた。みなさんも何だったら、「水曜ミステリー」とか「刑事の証明」とか「FC2」とかの単語でナニしてみれば、今なら鑑賞できるかもしれない。何を着てもコスプレ化してしまう彩夏マジックが楽しめる。
少し話も紹介しておこう。広瀬和宏(村上弘明)ひきいる警視庁捜査一課3係にイキのいい新人、椎谷雅樹(金子貴俊)がやってきた。でも彼は非番の日、恋人に指輪を買おうと入った宝石店で強盗に出くわし、逮捕を試みて命を落とす。職務中ではなかったんだけど、世論の同情もあって殉職とされ、三階級特進のあつかいとなる。



焼香の席で広瀬は、ひとりの若い女(小松彩夏)に目を留める。




深い悲しみをたたえたその美しい横顔に「ひょっとしてこれがあいつの指輪の相手か」と想像した広瀬(村上弘明)は、後日くわしい事情を聞こうとする。でもなかなか居所がわからない。



けっこうよく描けている似顔絵を使ったりして、ようやくその女、真美の働く花屋に辿りついた広瀬は、真美を近くの公園に連れ出す。


  


広 瀬「お仕事中おじゃまして申し訳ありませんでした」
真 美「……いえ……」


広 瀬「通夜の席でお見かけしてから、ずっとあなたのことが気になっていました」


  


広 瀬「涙を流していた弔問客は沢山いましたが、あなたの悲しみは特別でした」
真 美「つい、お見苦しいところをお目にかけてしまいました」
広 瀬「椎谷とは、どういう?」
真 美「1年ほど前、酔っ払いに絡まれて困っているところを助けていただき、それから付き合うようになって」
広 瀬「椎谷は結婚を考えていたようです。相手はあなただったんですね」


  


真 美「椎谷さんには、つらい選択を迫ってしまいました」
広 瀬「つらい選択?」
真 美「警察官は結婚するとき、相手について調べられるそうですね」
広 瀬「ええ。ご本人だけでなく周囲の方々も。職務上、仕方のないことです」
真 美「実は、あたしの父は時岡基治なんです」
広 瀬「時岡基治……あの広域暴力団、白龍組の」
真 美「はい。白龍会組長があたしの父です。父とは絶縁状態で、もう何年も会っていません。でも私がヤクザの娘であることには違いありません」
広 瀬「すると椎谷はそれを承知で……」
真 美「警察を辞めること、ずっと悩んでいたようでした。亡くなる前の夜……」


       ╳    ╳    ╳


  


椎 谷「真美、俺やっと踏ん切りついたよ。結婚しよう」
真 美「でも、あたしなんかと結婚したら……」
椎 谷「いいんだ。覚悟を決めたんだ。警察を辞める」


  


真 美「後悔しない?」
椎 谷「しないよ」


       ╳    ╳    ╳


  


真 美「あの夜、初めて結ばれました。彼なりのけじめだったんだと思います。仕事の代わりはあっても、君の代わりはいない……そう言ってくれたときは、嬉しかったです。あんなに好きだった警察官という仕事より、あたしを大切に思ってくれたんです。あたしも、椎谷さんのために生涯を捧げる決心をしました。それなのに……」
広 瀬「それなのに、椎谷は警察官として命を絶った」


  


真 美「ええ。私と結婚を誓い、警察を辞めるとまで約束しながら、強盗に出会って、警察官に戻ってしまったんです」


どうです。セリフは多いし、重要な役でしょう。ヤクザの大親分の娘だけど、父親とは絶縁して花屋で働いている、一世一代の恋をしたらそれが警官だったという薄倖の美女。これまで小松彩夏につきものだった「水商売」「高飛車」などの要素は見あたらないという意味では、まったくの新境地でありながら、それでいて誰もが「ぴったりだ」と思うハマリ役。しかも、「あの夜、初めて結ばれました」なんてセリフをわざと言わせたり(わざとしか思えない)、カメラが妙に小松彩夏の胸を強調したり、小松さんにつきものの「エロ」という要素もちゃんとフォローしている親切設計。おじさんとしては、下手なビキニよりこういう方がどきどきしちゃう。



なんか久々に小松さんに力がはいってしまったね。閑話休題。

2. 北川さんのヘアの話(勘違いしないでね)


放送開始前は「北川景子が腹黒教師に挑戦」という惹句で我々を惹きつけておいて、いざフタを開けてみたら、腹黒教師なんて単純な話じゃなくて、何とも妙な展開の風変わりな話だった『悪夢ちゃん』。一話完結型の謎解きミステリが流行しているように、近年の国産テレビドラマは、毎回のパターンがほぼ決まっているものが多い。この作品も広義には「悪夢(予知夢)の意味を読み解いて、起ころうとしている事件を未然に防ぐ」という謎解きもののフォーマットなので、普通だったら2話か3話で「謎解き夢探偵コンビ」としての悪夢ちゃん(木村真那月)と彩未先生(北川景子)の立ち位置がはっきりしそうなものである。であるが、そこがまったく流動的で、物語の展開とともにどんどん変化している。といって、パターン化された謎解きドラマと同様のウェルメイドな面白さは損なわれていない。



とにかく、抜群に面白いけど変な番組である。
私は、M14さんが北川景子について言った「美人で変人、変美人」というフレーズがとても気に入っているんだけど、そういう意味で「すごく美人だけど、とにかく変」な北川景子と、『悪夢ちゃん』というドラマの「すごく面白いけど、とにかく変」というフェイズは、実にほどよくマッチしていて、それが作品の最大の魅力を形づくっているように見える。今回はそういう「『悪夢ちゃん』の変なところ」を、思いつくままに取り上げて、『悪夢ちゃん』全編から感じられる奇妙な味わいは一体何なのか、(私の個人的な)時間の許す限り考察してみたい。


スーパー戦隊シリーズの主人公たちは大抵、変身前も毎回同じユニフォームを着ている。アパレル関係の商品展開の都合もあるんだろうが、私服よりもそのほうが、イメージの統一性を保てて小さいお友だちに分かりやすい、という意味もあるのだろう。
実写版セーラームーンの場合、変身していない時は私服だったが、イメージの一貫性は保たれていた。たとえば、うさぎの場合は「デイジーラバーズ」や「メゾピアノ」といった、ちょっと子供っぽい感じのブランドでコーディネイトするなど、戦士それぞれのキャラクターやイメージカラーを考え、工夫していたからである。後に同じ小林靖子が脚本を手がけた『侍戦隊シンケンジャー』のメンバーが、普段は制服ではなく私服だったのも、セーラームーンの応用みたいなものだろうと、私は勝手に思っている。



もちろんゴールデンのドラマの場合は、そこまで極端ではない。特に主演女優の毎回のファッションは、視聴者を惹きつけるためにも、むしろ毎回バラエティに富んでいた方が良いとも言える。でもそれなりの一貫性は、やはり大人ドラマにだって必要だ。たとえば『LADY』の北川景子と言えば、みんな彼女が捜査時に着ていたあの赤いコートを思い出すはずだ。放送当時、『LADY』の北川さんのPコートはどこのメーカーか、という投稿が「Yahoo知恵袋」か何かに載っていたことを憶えている。



やはり大人向けのドラマだって、ある程度のルックスの統一は重要だ。
そういう意味でいうと、彩未先生ちょっと変わりすぎ。いや着ているものはパンツルックが多めでイメージ的にも一貫性があると思う。公務中の教師にしては垢抜けすぎているのは主演女優なんだから仕方がない。しかし髪型がこうも変わるというのは、どういうことなのか。




と思って画像を準備したんだが、う〜ん、改めて見てみると、髪の分け目の場所は同じだし、それほど変化はないかも(笑)。第3話までは柔らかなウエーブがかかっていたのが、第4話以降はストレートになるが、これは彩未先生の「変身前」と「変身後」というちゃんとした理由もあるし、「ヘアクリップ付き」「耳出し」「デコ出し」くらいのバージョン違いだったら『謎解きはディナーのあとで』でもあったような気がする。意味もなくころころヘアスタイルが変わったような印象を持っていたのは、私の勝手な思い込みか。すみませんでした。
ただ、我々ファンにとっては、このドラマに出演するにあたって北川景子がバッサリ髪を切った、という時点でかなりの大事件だったのである。それがわずか3話で髪型を変えて、しかもその後も細かいバージョン違いが出されるので「今度の北川さんはだいぶヘアスタイルが変わるなあ」というふうに感じた。そういうことかなぁ(気弱)。


3. 「らしくない」ところが「らしい」先生


何度も書いたとおり、私は「教師もの」ってあんまり観ていないので、以下は多く資料によって書く。なので間違っていたらご指摘いただきたいが、教師が主役の学園ドラマって、男性教師ものより女性教師ものの方が、作品のカラーに幅があって面白い。男性教師ものは、中村雅俊や武田鉄矢の昔から、関西テレビで二度もドラマ化された『GTO』(1998年・2012年)、安座間美優がレギュラー出演していた『ガチバカ!』(2006年、これについてはこちらをご覧ください)、そして北川景子の月9進出作『太陽と海の教室』(2008年)にいたるまで、基本はあんまり変わらない熱血教師路線である。まあ『ドラゴン桜』(2005年)がちょっとだけ異色だったくらいではないか。



それに較べると女性の教師ものは色とりどりだ。仲間由紀恵の当たり作『ごくせん』(2002年・2005年・2008年)や小松彩夏様がキャバ嬢役でご出演の『美咲ナンバーワン!!』(2011年)のような熱血教師ものはもちろん、そういうのとは正反対のタイプの教師を描く、大ヒットした天海祐希の『女王の教室』(2005年)、そして同じ遊川和彦が脚本を手がけ、今度は深田恭子を教師役に迎えて、思春期の愛や性をテーマにすえた『学校じゃ教えられない!』(2008年)、発達障害児童の描写の問題で原作者と決裂してしまった吉瀬美智子初主演作品『ハガネの女』(2010年)、学園版ハングマン『黒の女教師』(2012年)とバラエティに富んでいる。このような豊かな土壌があってこそ、彩未先生のような異色教師が登場する余地もあったのだろう。



すっすまない。このあと、いよいよ『悪夢ちゃん』のレビューになるんだけど、どうも分量が長すぎるのでこのへんで「前編」として、次週「後編」とさせてください。
結果的には今回は北川さんより小松さんの扱いの方が大きくなってしまった。実は小松さんに関してはもうひとつ『匿名探偵』第6話もあるんだが、これはすでにM14さんがレビューを書かれているのでいいかな(ここ)。まあ名古屋支部からもちょっとだけギャラリーに出品しておこう。



まるで薄倖の美少女を描いたあぶな絵みたいな魅力は26歳になっても健在。まいったね。
それから小松彩夏初主演映画のニュースも飛び込んできた。ゾンビ役だって。
私は、小松彩夏の初主演はオムニバス映画『恋文日和』の第2話「雪に咲く花」だと思っているので、あまり「初主演」とか言いたくはないけど、これに関しても、M14さんの「チチを出せ」という提言(ここ)は、ボケに見えてけっこうマジだ。というか客観的に正しいし、主観的にも観てみたい。やはりM14さんの小松彩夏に関する洞察は鋭いと思う。しかし「沢井美優2013年ブレイク説」を唱えた張本人のわりに、沢井美優の最近の仕事についてほとんど無視しているのはどうかとも思う。




すみません、ともかく尻切れトンボなんですが、とりあえず今回は『悪夢ちゃん』レビューの前編「小松彩夏編」ってことで(なんだよそれ)。