実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第374回】DVD第3巻:Act.9の巻(9)


「国民の生活を守るため」だったら、なんで再稼働するかなぁ。


泉里香のスターダスト移籍に始まり、安座間美優の「業務委託」(私もよくわからないので『M14の追憶』のこの記事を読んでね)、そして『謎解きはディナーのあとで』映画化決定など、話題に事欠かない一週間だった。とはいえ、今のところ何か具体的に新しい動きがあったわけでもないので、ブログのネタにはできそうもないね。久しぶりにさっさと本題に入りましょう。

1. 皆勤賞の戦士


あからさまに怪しげな宝石鑑定士、青井の狙いは、やはり幻の銀水晶の奪取であった。不意に庭の方から響いた「タキシード仮面だ!」の声に、成田社長が思わず窓際に駆け寄ると、その僅かなスキにテーブルの宝石を手に取る青井。が、亜美は見逃さない。「待ちなさい!怪しいと思っていたけど、やっぱり」



しかし青井は宝石を掌中にすばやく走り去る。ショックのあまりその場にくずおれる成田社長。青井を追う亜美。
 青井が館を出ると、どうして警官に気づかれなかったのか、いつも通り真っ赤で派手な格好のネフライトが待っている。



宝石を渡され、「ご苦労だった」と指をパチンと弾くと、青井はグンニャリその場に倒れ込む。どうやら青井は妖魔が憑依していたりしたのではなくて、ただネフライトに催眠術で操られていただけのようだ。が、しかしそこへ二人の戦士が登場。


  


まこと「ちょっと待った」


  


亜 美「銀水晶を返しなさい!」


  


ネフライト「貴様ら!」


同時変身。


「マーキュリーパワー」
「ジュピターパワー」
「メイクアップ!」


BGMはジュピターの変身テーマ。これは当然だろう。だってジュピターはAct.6の初登場以来、Act.7、Act.8、そしてこのAct.9と出ずっぱりである。これに較べると亜美なんか、ここのところ3話連続で、戦士としては出番なしのサボり状態であった。Act.6では最後にマーキュリーになって出てきただけ。Act.7とAct.8に至っては戦闘の現場にも姿を見せなかった。ついでに言えばレイも、Act.7の遊園地ではカメ仲間の高井くん(に憑依した納豆妖魔)にエナジーを吸われて変身できなかった。



というふうに考えると、登場以来毎回欠かさず戦闘可能な状態で最前線にスタンバっているまことはやはり偉い。ファイターである。しかも、Act.6で単独で妖魔を秒殺した後は、Act.7の遊園地のVS納豆妖魔戦ではセーラームーンと共闘、Act.8ではケンカしていたマーズと息のあったところを見せてセーラームーンのピンチを救い、さらに今回Act.9で、亜美と一緒に変身してネフライトを遊撃と、これで早くもヴィーナス以外の各戦士とのタッグチームをクリアしたことになる。



そういえばヴィーナスにしても、ヴィーナスってマーズと共闘する以外、ほとんど他の戦士と絡まない印象が残るが、Act.45で、変身できなくなった美奈子に代わってM妖魔と自爆するジュピターって、ある意味マーズ以上にヴィーナスと共闘している。やっぱすごいなジュピター。さすがは業務委託である(意味が分からないまま使っている)。



なんてぶつぶつ言っているうちに変身終了だ。あっ、ちなみに各戦士の変身バンクのくわしい検討はここにあるから、興味があったら見ておいてくださいね。


  


マーキュリー「水と知性の戦士、セーラーマーキュリー」


  


ジュピター「雷と勇気の戦士セーラージュピター」
マーキュリー「水星に代わって」
ジュピター「木星に代わって」


  


二 人「お仕置きよ!(お仕置きだ!)」


  


ネフライト「何をわけの分からんことを…はあっ!」


  


二 人「きゃあ!」


変身の決めゼリフに対して「何をわけの分からんことを!」である。視聴者でさえ「こらこらそれを言ってはいかんだろう」と突っ込みたくなるほどKYな発言も、ネフライトのキャラクターの一環か。
と、ここでBパート終了。

2. 吾郎ちゃん!


一方、自らタキシード仮面の格好でオトリになって、本物を逃がしてあげた(気になっている)うさぎ。成田邸の周囲を駆け回る警官たちをやり過ごして、やれやれ。


  


うさぎ「はあ、よかった……もう大丈夫」


  


偽仮面「あの…」


  
  
  


うさぎ「えーっ」


うさぎはものすごくビックリしているんだが、どうしてだろう。この時点ではタキシード仮面の素顔を知らないはずなので、「本物じゃない!」という驚きではあるまい。だとすると、タキシード仮面だったら簡単にはマスクを外すはずはないのに、あっさり外してしまったので狼狽したのかなぁ。しかしいずれにせよ、会話は何度か交わしているので、相手がしゃべり出した時点で、いつものタキシード仮面の声とは違うことに気づくはずである。
それはともかく、弓削智久である。ここでは、何だかスケベな雰囲気のニセ者に見えるが、背も高いしシャープで格好いい。もちろん、白倉伸一郎とか小林靖子とか田崎竜太とか鈴村展弘とか松村文雄が関わっていた前年の『仮面ライダー龍騎』(2002年)からの友情出演だ。そしてその後も『sh15uya(シブヤフィフティーン)』や『仮面ライダーカブト』といった東映特撮に呼ばれてるところから見ると、現場受けの良い人なのではないかと思う。
『sh15uya(シブヤフィフティーン)』については、これまで何度も触れたけど、現在その続編(?)『非公認戦隊アキバレンジャー』が、いよいよクライマックスに向かって暴走中なので改めて紹介しておきたい。せっかくだから今をときめく新垣結衣と弓削智久のツーショット。



田崎竜太も、新垣結衣や北川景子のデビュー作を手がけた監督というと、すごくトレンディ(死語)な感じがするね。
北川景子と弓削智久の共演も多い。


『LADY 〜最後の犯罪プロファイル〜』第7話(2011年/脚本:渡辺雄介/撮影:小松 忠信、矢崎 勝人、/監督:平野俊)より、三発の銃弾で撃ち抜かれた弓削智久。


検死する北川景子。


『謎解きはディナーのあとで』第7話(2011年/脚本:黒岩勉/撮影:栗栖直樹、後藤継一郎/監督:石川淳一)より、被害者の元カレで無職の弓削智久


『パラダイス・キス』(2011年東映、脚本:坂東賢治/撮影:安田光/監督:新城毅彦)より、カメラマンの弓削智久


それから、小松彩夏と同じ映画にも出ていた。といっても、オムニバス映画の第1話のメインキャストが弓削智久、第2話が小松彩夏で、それぞれ別の話なので、共演でも何でもないです。


『恋文日和』第1話「あたしをしらないキミへ」(2004年、シネカノン/脚本・監督:大森美香/撮影:福本淳)より。弓削智久と村川絵梨。
第2話「雪に咲く花」(脚本:佐藤善木/監督:須賀大観)はヒロインの小松彩夏が美しくてたまらないです。



3. ここは原作を採る


すっすまん脱線だ。えーと弓削くんだったな。今回はもうほとんど変質者。うさぎが女性だと気づくと、なぜか手袋をめくって、乙女のお肌の感触を確かめるのである。どういう意味があるかは分からない。


  


偽仮面「あんた、なんで俺を?……ていうかお前、女か?」


  
  


偽仮面「…女じゃん!」


  


うさぎ「きゃー!」


思わず叫んで突き飛ばすうさぎ。そのせいで、せっかくやり過ごした警官に感づかれてしまった。捕縛される弓削くん。警官の一人がうさぎにも気づく。「おい、もう一人いるぞ!」



というわけで再び追跡劇。ところが今度は、すぐさま袋小路に入り込んでしまって、逃げ道を失ううさぎ。「うそー」



そこへどこからともなく、「セーラームーン、変身しろ」というタキシード仮面の声。
「あっそうか! ムーンクリスタルパワー……」



この展開はやっぱり、ちょっとなあ。私は原作のこの部分がたいへん好きだ。うさぎの目の前に現われるのは本物のタキシード仮面で、自分が「幻の銀水晶」のことを世間に公表したせいで、想定外の大混乱になってしまったことを直接おわびしに来たのである。この実写版の方ではそれほどではないが、原作では、宝石鑑定家(実はゾイサイト)がテレビのワイドショーに出演し、視聴者に向かって催眠術をかけるものだから、テレビを見ていた人々は一斉に昏睡状態になって、街は大パニックなんです。



やっぱりこっちの方が良いよなぁ。
まあ予算の都合上、麻布中が混乱するという、あまり大がかりなパニックシーンはできなかったんだろうけど。でも原作のその部分は、実写版の次回Act.10に活かされる。すべての人が倒れるのではなくて、「プリンセス」とか「お姫様」というキーワードに関わりのある人だけが「プリンセスへのレクイエム」を聞いて昏倒する、という話にスケールダウンされるけれど。
で、次はマーキュリー&ジュピターのVSネフライト戦だけど、今回はここまで。