実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第373回】DVD第3巻:Act.9の巻(8)


「腐女子にも宝塚ファンにも謝れ!」北川景子の告白に批判殺到


 女優の北川景子は、28日発売の女性ファッション誌「with」7月号(講談社刊)のインタビューにおいて、自らが“腐女子”であることを告白し、ツイッター上では大きな反響を呼んだ。

 記事では、26歳になった今の仕事や恋愛に対する思いを告白。さらに、最近では宝塚観劇に夢中になっており、「普通の男の人が全然カッコよく見えなくなってくる」「私は腐女子への第一歩を見事に踏み出しました(笑)」など、意外な一面を明かす内容となった。

 しかし、北川のこの発言に対し、ツイッターでは「宝塚にハマッてるから腐女子? 腐女子にも宝塚ファンにも謝れよ。腐のちゃんとした意味も知らないのに、流行ってるからって使うな!」「腐女子が何かも知らないで言われるとムカつく」「勝手に親しみやすいように意味変えるのやめろよ」と、批判が殺到する事態に。
   (「livedoorニュース」2012年5月31日付


何でも騒ぎになっちゃうのは有名人の証拠……とはいえ、北川さんもいろいろと大変である。
当の『with』2012年7月号所載北川景子インタビューを読んでいないので、意見を言うのは本当は反則だが、現時点では確かに、宝塚に入れ込んでいることを「腐女子」とは呼ばないだろう(もっとも将来的には「腐女子」=「女のオタク」くらいに意味が広がって、そういう使われ方が出てくるかも知れない)。ただ北川さんが自分を「腐女子」と表現したこと自体については「ほほう」と思った。これ、かなり正確な自己認識ではないだろうか。
先日の『輝く女』で、北川さんは「武士」「武士道」への憧れを語っていたが、そこには、戦国時代や幕末を好む「歴女」のみなさんにも似た「男同士の美意識の世界ってカッコいい」みたいな雰囲気が感じられた。それから、これはだいぶ以前、旧ブログの話になるが、たしか『間宮兄弟』の舞台挨拶のとき、佐々木蔵之介のことを「きれい」「こんなにきれいな男の人が世の中にいるのか」というような表現で紹介していて、その「きれい」にも、私はひっかかったことを憶えている。なにかしら耽美的な「こういう人にボーイズラブして欲しい」的ニュアンスを感じてしまったのである。勘ぐりすぎか。



さらには実写版セーラームーンの座談会で、お気に入りの男性キャストを挙げろと言われて即座に「進悟」ときっぱり答えた北川さんには、どうにもショタなセンスを感じたんだが、みなさんどうですか?



そんなわけで、過去の北川さんの発言のあちこちに、かねてより「腐」疑惑を感じていた私としては、たいそう納得のいく話であった。今回は宝塚にからめて発言したので思わぬ波紋を呼んでいるようだが、この人のリアル腐女子度は決して低くないと思う。

1. 『ハンチョウ』第8話「記憶喪失の女」



とうわけで、いささか強引な持っていき方だが、佐々木蔵之介つながりで、TBSの人気刑事ドラマシリーズ『ハンチョウ 〜警視庁安積班〜』だ。現在放送されている第5シーズンは、ハンチョウこと安積(佐々木)が、これまでの渋谷区神南署から、警視庁本庁に異動になったという設定で、主演の佐々木蔵之介を除くレギュラーメンバーを総入れ替え。しかしなんかこのドラマは北川景子ゆかりの人が多いな。以前の部署は佐々木と同じく『間宮兄弟』の塚地武雅がいたが、今度も『LADY』の小澤征悦に『筆談ホステス』の福士誠治がいる。
いやそれはこの際どうでもいいや。今回はわれらがプリンセス沢井美優の登場である(『ハンチョウ 〜警視庁安積班〜』第8話「はだしの美女…記憶喪失の女」5月28日放送、脚本:岡芳郎/撮影:岡崎真一/演出:吉田秋生)。
ハンチョウ安積(佐々木蔵之介)と結城(比嘉愛未)は、ある日張り込み捜査中、ふらふらとさまよいこんできた記憶喪失の女を保護する。それと前後して、近くで銀行主任の大石(松澤仁晶)が他殺で発見され、現場にはこの記憶喪失の女の指紋が残されていた。調べてみるとこの女は、向井歩美(前田愛)という名のキャバ嬢なんだが、数年前に恋人を謎の自殺でなくしており、その恋人の上司が今回の被害者だというつながりがある。
捜査一係の尾崎(小澤征悦)と小池(福士誠治)は、捜査を続けるうちに、その自殺した門脇という男の弟、門脇修二(鈴木裕樹)のアパートにたどりつく。すると、部屋の前で、反応のないドアをノックする若い女性の姿があった。修二の幼なじみで恋人、奥村加奈子(沢井美優)である。


  


加奈子「修二……修二?」


  


小 池「ちょっと待った。すみません。そこ門脇修二さんの部屋ですよね」
加奈子「はい、そうですけど」
小 池「警視庁特捜一係の者ですが、君は……彼女?」


  


加奈子「修二、どうかしたんですか?三日前から携帯が伝わらなくて……」


  




╳    ╳    ╳




  


加奈子「修二とは幼なじみなんです。彼が生まれてすぐ、ご両親が離婚して、彼と康平さんは、お父さんに引き取られました」


  


加奈子「私たちが高校に上がるとき、そのお父さんが、仕事で運転していたトラックの事故で死んでしまったんです」


  


加奈子「修二が北海道の大学に受かったときの写真です。康平さん、自分のことのように喜んでいました。だけど、二年前あんなことに……」


  


小 池「向井歩美さんて方、知っていますか?」
加奈子「はい……康平さんのお葬式のときにお会いしました。その後は、修二の話のなかに何度か」


  


尾 崎「修二さん、お兄さんの自殺に関してなにか疑問を感じていませんでしたか?」
小 池「亡くなった大石さんのことで、何か言ってなかったかな?」


  


加奈子「……修二が……殺したんですか?……」


捜査官二人を相手に、怯えて視線が泳いでいる感じとか、最後の「修二が殺したんですか?」で、恋人が人殺しをしたかも知れない不安に、刑事さんたちを直視できず、目を伏せておそるおそる訊ねるところとか、相変わらず芝居が細かいねこの人は。
今回はこのワンシーンだけ。沢井さんは暗めの表情と明るい笑顔のコントラストが鮮やかなので、後半に笑顔の場面を入れて視聴者にアピールしてほしかったところだが、まあ仕方がない。けっこうまとまった台詞もあったことだし、良しとしよう。

2. コスプレ包囲網


それではDVDレビューに戻りましょう。前回はAパート終了まで。まことが警察官、うさぎが出入りの植木職人、亜美がレイの弟子の巫女さんに扮して、成田社長(森冨士夫)が所有しているという「幻の銀水晶」(らしき宝石)をきっちり包囲して待機。



そこへ例の怪しい「幻の銀水晶」専門家の鑑定士、青井(木村靖司)が登場。成田と亜美のいる部屋にノックの音がする。Bパートの始まりでございます。


  


成 田「どうぞ」
秘 書「失礼します、青井先生がお見えになりました」
成 田「先生、お待ちしてました。さあどうぞ」
青 井「遅くなりました」


  


成 田「こちらは、霊能力先生のお弟子さんで、幻の銀水晶を守っていただいています」


  
  



青 井「なるほど。で、水晶の方は?」
成 田「はい、ここにしっかりと」


  
  


亜 美(きれーい)
青 井「ほう。では拝見」


怪しい青井の様子を観察していた亜美は、うっかり視線が合ってしまい、眼鏡のツルをきゅっきゅっとあげて適当にごまかす。





演出の指示もあるんだろうが、ともかく楽しんでいる。戦士の使命に忠実な本来の亜美だったら、幻の銀水晶らしき石が目の前にあるということで、お遊びどころではないのだが、浜千咲はもうすでに、完全に役を自分のものにしてしまっているので、亜美が楽しんでいるんだか、中の人が楽しんでいるんだか判然としない。

3. ルナトナル


一方、外ではうさぎが「見えない。どうなんだろう。本物なのかな」とやきもき。そこへ、不用意に警官の群の中に出ていきそうなタキシード姿を認めて大慌て。(あっ、ウソ!タキシード仮面。見つかっちゃうよ)さあどうする?



前に見たように、放課後の掃除の時間、うさぎがなるに、タキシード仮面への想いに揺れる気持ちを語っている最中、テレティアSを鳴らして邪魔だてをしたのがルナだった。ルナはワイプで少女たちの恋バナ画面に割って入り、うさぎを呼び出した。



その意趣返しに、今度はなるが押し切るというか、ワイプでルナを画面から閉め出す感じ。今回はじめての登板となった鈴村監督は、わりとワイプを多用しています。興味のある向きは【第359回】をご参照ください。


  


ル ナ「敵ってこと、忘れちゃダメよ」


  


な る「好きになったらガンガン行かなきゃ」


  


うさぎ(う〜〜)


  


な る「後悔しちゃうよ!」


「ルナ」⇄「なる」。この二人(一人と一匹)の名前が、お互いをひっくり返した関係であることは一目瞭然だが、ではそれはどういう意味をもつのか。この点に関する制作者サイドからのきちんとした説明って、原作、アニメ、ミュージカルのいずれにも出てきていないんじゃないかと思う。一部で「原作は当初、なるを破滅の使者セーラーサターンにする計画だった」というウワサが流れたこともあるが、本当なんだろうか。ともかく、現行の各種セーラームーンのなかで、その名のとおり「なる」と「ルナ」が真っ向から対立するのは、実写版のこのシーンだけだと思う。おそらく小林靖子先生は、機会があればどこかでこのネタを使おうと前から思っていて、「ここだ!」という感じだったのではないだろうか。


4. 全「待ちなさい」リスト補遺



というわけで、タキシード仮面(らしき人影)を助ける決意をするうさぎ。一方、画面は再び邸内に戻る。「どうでしょう」と問いかける成田社長に、鑑定士の青井は「確かに、幻の銀水晶の特徴が見られます」ときっぱり。「やっぱり!」と喜ぶ社長。
その時、庭で警備中の警官たちから「タキシード仮面だ!」の声が。


  


うさぎ「私はここだー。つかまえてみたまえ。はははははは」


  


まこと「うさぎ?」


と、外ではアホなことやっているんだが、そんなこととは知らず、驚いて窓に近寄る亜美と社長。するとそのスキに、鑑定士の青井はテーブルに置かれた銀水晶を掌中に。



しかし、さすが亜美ちゃん。相手にしっぽを出させるためにワザとスキを作ったのである。


  


亜 美「待ちなさい!」


  


亜 美「怪しいと思っていたけど、やっぱり!」


  


ああっ!こんなところに「待ちなさい!」が。
もう5年も前の話になるが、実写版セーラームーンで、どの戦士がどのエピソードで何回「待ちなさい!」のセリフを言うか、リストを作成したことがある(【第124回】参照)。
Act.1(うさぎの初変身)からAct.46(美奈子、最後の変身)まで、全話を通して30回近く出てくる「待ちなさい!」だが、最も多く叫んだのは当然ながらうさぎ(10回)、逆に一番少ないのは亜美で、それはAct.14、大好きなうさぎちゃんを奪っていったクンツァイトを追いかけて洞窟へやってきたときだった。
と思っていたのだが、こんなところに亜美の「待ちなさい!」があったとは。まだすぐに変身もしないし、相手も妖魔ではないし(青井はネフライトに操られているだけの普通の人間らしい)完全にスルーしていたよ。謹んでお詫びして訂正いたします。


それにしても、成田社長邸に来てからの亜美は、巫女のコスプレや「待ちなさい!」の大見得を明らかに楽しんでいる。「亜美はふだんは真面目だけど、こういうときは楽しんでも良い」というキャラクター作りのサジ加減といい、楽しんでいるときの表情の小悪魔ぶりといい、このAct.9は、浜千咲の天才がいよいよ本格的に発揮された回と見なすことも可能である。これは今回、新たな発見であった。
『M14の追憶』によれば、このたびはスターダストに移籍したっていうし、まだまだ色々な展開がありそうである。毎度同じことばかり言っているが、おそるべし魔性のペット系。



というわけでまた次回。