実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第342回】やっちゃいました『謎解きはディナーのあとで』第3話レビューの巻



ジャン=ジャック・ベネックス監督『ディーバ』(1981年)より、玉ネギを切るために、キッチンでは水中メガネを装着するゴロディッシュ(リシャール・ボーランジェ)。北川景子はこの映画のファンなんだと思う。



cypさんのおかげで現物を見られた。ありがとうございます。M14さんのツッコミを読みながら鑑賞しています。
さて、今回はAct.8レビューを再開するつもりでいたんだが、ちょっとその前に、と思って書き出した『謎解きはディナーのあとに』第3話レビューが、例によってえんえんと長くなったので、本編は断念した。今回は『LADY』と違って視聴率もそこそこなので、そんなに必死に応援しなくてもよさそうなんだが、せっかくだから今回は、多少なりとも番組を盛り上げと思います。応援になるかな。



1. ちょっと大人を演出しすぎのジャケット写真


とその前に、桃子(清浦夏実)ひさびさのニューシングルの詳細が決定した。初回版は、タイトルにふさわしくジャケットが3Dホログラムなんだそうです。ファーストアルバム『十九色』が2010年2月のリリースだったから、1年半以上のご無沙汰。


清浦夏実「ホログラム」(CDシングル)
flying DOG 2011年11月23日リリース


すでにご案内のとおり、タイトル曲「ホログラム」はNHK教育テレビで日曜夕方に放送中のアニメ「ファイ・ブレイン 〜神のパズル」のエンディングテーマとして流れている。カップリングの「月の裏側」はオリジナルの新曲。どちらも作詞は清浦夏実、作曲・編曲がプログレ・フュージョン・ユニット(?)トルネード竜巻の曽我淳一。
それから、やはりアニメ関係で、12月28日に発売されるアルバム『たまゆら〜hitotose〜 ボーカルアルバム、なので。』にも、ラスト曲「花火」で参加している(作詞・作曲:矢吹香那/歌:清浦夏実)。これはジャケット写真が公開されてから、あらためてご紹介しましょう。
それから年末にはROUND TABLEのクリスマスライブに出演されるとのこと。



「X'mas Time!! Kazoo Night!!」
12月18日(日) 渋谷gee-ge
出演: ROUND TABLE/清浦夏実
開場17:30/ 開演18:00 前売 3800円
(詳しくはこちら)


ということでモモコ情報でした。
女子大生の清浦夏実。現在の仕事は、地元千葉のFM局でのDJが中心である(ベイエフエム日曜深夜0時30分〜5時「NEO STREAM NIGHT」および木曜深夜1時30分〜5時「MOZAIKU NIGHT〜NO.1 MUSIC FACTORY〜」担当)。けっこう人気があるらしいが、我々地方の人間には、そういう雰囲気がよく分からない。ブログを通してしか知ることができないんだよね。
でも4月には大学4年生になるし、来年あたりから、芸能活動も、もう少し手広く始まるんじゃないかと予想している。楽しみですね。

2. ネタバレみたいなそうでないみたいな


さて『謎解きはディナーの後で』第3話だ。
初回と第2回で、だいたいこのドラマを見切ったような気になっていたが、今回のエピソードは、これまでよりぐっと面白くなっていた。前回ちょっとケチをつけたりして、スタッフおよび出演者の皆様にお詫びします。
どこが良かったかというと、第1話、第2話にくらべると、今回は原作へのアレンジがかなり大胆で、しかも上手く練れていたところだ。しかも最後まで見ると、その脚色が結局は、ラストの車中での会話を雰囲気良く盛り上げるためのものであったことが分かる。実際、原作の方はバカすぎる脱力系のオチを狙っているので、エンディングのムードを壊しかねない。考えてみれば、わりと原作に忠実だった第2話が、ラストだけは変更してあったのも、やはり最後の車中の会話を印象深くするための改訂であった。



今回の被害者は、いま政界でも注目株の若手代議士、野崎伸一(水橋研二)。定宿にしているホテルの一室で撲殺されていた。近々さる大物政治家のヤミ献金疑惑を告発するという話もあったので、あるいはそちらの関係から刺客が送り込まれた可能性もある、という、なかなかスケールの大きな出だしである。ちなみに原作の野崎伸一は保険会社「三友生命」 の遊び人の社員だったので、殺害現場も自宅マンションだし、動機もハナから痴情のもつれのたぐいだろうという見当で捜査が始められる。
現場の状況は、頭部を灰皿で殴られて即死という、そう複雑でもないものだが、問題は被害者が裸であったこと。原作では全裸だったのが、テレビではブリーフ一枚と、ここはさすがにスケールダウン(何が?)。しかし死体を検分する麗子のテンションは原作に勝っているかも。





いやそんな比較はどうでもいいのであった。要するに今回の謎は「どうして被害者は裸で殺されていたのか」、つまり「犯人が被害者の着ているものを脱がせた狙いは何か」ということだ。
そして、この謎を解くヒントとして、殺害前の午前10時半に、身長160cmぐらいの人物が殺人現場に入るのを見たという証言と、事件直後に身長180cmほどの人物が部屋から出て行くのを観たという証言とが示される。それ以外に人の出入りは確認されていない。




 被害者しかいない部屋に、身長160cmほどの人物が入り、しばらくして身長180cmほどの人物が出ていった。その間に被害者は殺害され、何らかの理由で頭のてっぺんから足のつま先まで身ぐるみ剥がされた。以上のシチュエーションで考えられる事件の真相を推理せよ。ただしワゴン車などの出入りはない。



というクイズが出されて、あなたが真っ先に考えつくであろう一番クッダラナイ答えが、たぶん、このエピソードに関しては正解である。いや私もこういう、いわゆる「バカミス」っぽいものも嫌いではない。バカバカしすぎて誰も使わないようなネタでムリヤリ推理小説をでっちあげてしまうわけだが、いちおうミステリの体裁を整えているところが、ある種の力業である。



何度も言うように、『ケータイ刑事』のような30分番組ならば、このまま使える原作だと思うが、さすがに1時間ドラマではちょっと。ということで脚本の黒岩勉もがんばった。そのがんばり方が、いわば「バカにはバカをもって制する」という方向性だったのが、今回のエピソードの勝因ではなかろうか。特に、みなさんもコメント欄で話題にしているクイーンQ。今回の事件では、参考人の身長が犯人逮捕の重要な決め手になる。そこで活躍するのが特撮ヒーロー「ロイヤル戦士クイーンQ」なのでありました。

3. アンシャンレジームトリコロール


聞き込み捜査中の麗子と、いつものように、その影となって現場に寄り添う影山。最初の訪問先はテレビ局。被害者の携帯の通話履歴によれば、最後に話をしたのが、ここの人気女子アナ、澤田絵里(松本莉緒)だった。どうやら恋人らしい。収録の合間に、セットの片隅で話を聞く風祭と麗子。そしてその様子を離れて激写する影山。


  


麗 子「なに写真撮ってんのよ」


  


影 山「旦那様から、お嬢様の働く姿を写真で送って欲しいという依頼がございましたので」


  


麗 子「珍しくちゃんと仕事してるじゃない」
影 山「おかげさまでこのような作品が」


  


麗 子「これ……私いないよね」


  


影 山「ええ。まさかこのような場所でクイーンQの等身大パネルに出会えるとは」
麗 子「クイーンQ?」


  


影 山「英国王室をモチーフとした特撮ヒーローでございます」


  


影 山「身長はヒーロー史上最も低い159cm。必殺技はフィッシュ&キック。その優雅な戦いぶりから、マニアの間では伝説として……」


  


麗 子「私を撮りなさい私を!」


このクイーンQ、北川景子がセーラームーン出身であることにひっかけて誰かが考えついたのであろうが、でも見た目はセーラームーンよりも、それに先立つ「不思議少女」もの、美少女仮面ポワトリンなんかに近い気がする。いや、セレブでロイヤルという点からいうと、ポワトリンの続編にあたるパンシャーヌが、イメージ的に最も近いと思うのだが、どうか。だって、クイーンQが英国王室をモチーフにしているのに対して、パンシャーヌはフランスで、変身の言葉も「アンシャンレジームトリコロール」だし、クイーンQの必殺技が優雅なフィッシュ&キックなら、パンシャーヌだってシロガネーゼアタックにファーストクラスビームと、セレブなのである。



『美少女戦麗舞(びしょうじょせれぶ)パンシャーヌ 奥様はスーパーヒロイン!』は2007年4月から6月にかけて、毎週火曜日の夕方5時30分から、全13話がテレビ東京で放送された。さっきも書いたように、『美少女仮面ポワトリン』(1990年)の続編、もしくはリメイクみたいな内容で、高校時代に美少女仮面として活躍した主人公が、10年の歳月を経て、就職も結婚も出産も経てからスーパーヒロインに復帰するという話だ。脚本に浦沢義雄と大和屋暁を起用した意欲作であったが、最高視聴率2.7%、最低視聴率0.8%という数字が良いんだか悪いんだが、「人妻変身ヒーローもの」というジャンルが後にも先にもこれ一本なのでよく分からない。
私がなんでこの番組を録画してまで観ていたかというと、結局こういうのが大好きだということもあるが、やはりメイン監督がこの人である以上、義務感で観ていた部分も当然ある。



で、改めて言うまでもないが、北川景子が実写版セーラームーンに初登場したAct.3は高丸雅隆監督で(ほんとうはAct.2の最後にちょこっと出ているのだが)実写版セーラームーンの最終作になったAct.ZEROも高丸雅隆監督である。というわけで実写版セーラームーンのオールアップに際して、北川景子さんはこのように義理がたいコメントを残しておられる。



という、北川さんと高丸監督の関係を踏まえたうえで、スタッフは今回のエピソードに、パンシャーヌに似た「クイーンQ」を出してきたのである、などとは、さすがの私も真剣に考えているわけではないが。


4. 涙の裏には悪の影

続いて訪れた相手は、国会議員の娘、黛香苗。関係を尋ねてみると被害者の婚約者であるといい、先ほど恋人を自称していた女子アナの存在は知らなそうなそぶり。このあたりで被害者の女性関係の乱脈ぶりが徐々に明らかにされる。
この代議士の娘を演じているのは黒川芽以である。初回からケータイ刑事みたいなドラマだとかみんなが言うもんだから(言ってないか)とうとう本物のケータイ刑事が出てきてしまった。



黒川芽以もおっきくなった。ケータイ刑事のころは、こんなんだった。



もっと昔はこんなんだった。



安座間美優だって、こんなんだったのに。



こんなんなっちゃって。



いや何の話をしていたのかな。そうです、その黒川芽以演ずる代議士の娘に事情聴取をしている間、庭師に扮した影山はあいかわらずお嬢様の写真を撮っていたのです。


  


麗 子「こんどはばっちり撮ってくれたのね」
影 山「いえ、それが、どうしてもお嬢様とクイーンQのツーショットを撮りたかったんでございますが、タイミングが悪くて……」


  


麗 子「パネル持ち出しているの?」


  


影 山「美術の方にお聴きしましたら、『それ持って行っていいよ』って言っていただきましたもので」
麗 子「屋敷まで連れてくる!」


というふうに、執事の影山が、身長159cmのクイーンQとお嬢様のツーショット写真を撮ることにこだわったのがケガの功名となり、等身大パネルとの比較で、関係者の身長が分かってくる、というのが、今回のドラマオリジナルの趣向である。アホな原作に輪をかけてアホな脚色だが、これがけっこう面白かったわけ。
さて被害者はもう一人、別な女にもカマをかけていた。女子アナ、代議士の娘に続く第三の女は、自分の選挙活動を支援してくれた、政治活動に感心をもつ女子大生の斉藤アヤ。これは山崎真実が演じている。松本莉緒、黒川芽以、山崎真美って、なんか濃いですね。



山崎真美といえば名古屋支部的には『轟轟戦隊ボウケンジャー』(2006年)に出てきた敵の忍者の末裔「風のシズカ」だ。ボウケンジャーの第3話で初登場したときには、火野レイを思わせる巫女姿で、神社でアクションを披露してくれた。身長は170cmくらい。


5 エピローグ



さあ、というわけで、生前はだいぶ女癖が悪かったらしい国会議員、野崎伸一(水橋研二)を殺害した犯人は誰だ。160cmくらいの女子アナ、澤田絵里(松本莉緒)あるいは代議士の娘、黛香苗(黒川芽以)か、それとも170cmくらいの女子大生、斉藤アヤ(山崎真実)か。なぜ被害者を裸にしたのか、そして犯行の動機は?……というところだが、曲がりなりにもこれはミステリなので、ここから先のあらすじ紹介は控えておく(そのわりにほとんどネタバレな内容ではあったが)。だいいち、文章も書きすぎたし画像も使いすぎたよ。
というわけで、一気にエピローグへ。この最後の車の中での対話シーンも、第1話、第2話、第3話と、回を追うごとにカメラワークとかが凝っているように思う。


    


麗 子「結局また、あなたの推理どおりだったのね」


  


影 山「お嬢様には、なにか悩みやコンプレックスはおありですか」
麗 子「え?」
影 山「人は誰しも、なんらかの劣等感を心に秘めているものでございます。多くの人が、それを隠して必死に生きているということをお忘れなきよう」


  


麗 子「でも私、そういう頑張ってる人、嫌いじゃないけど」


  


影 山「わたくしも、でございます」


  
  
  
  


  


いやあ、なんかサラッと紹介してセーラームーンの話に進むつもりでいたのに、たいへんなボリュームになっちゃったよ。ま、今回は大家さんがレビューを書かれなかった(観そびれた)ということもあるので、そのフォローのつもりもあって特別ですから。
この際だ、次回予告もいっちゃえ。



昔「No.1のホステスになれ」と私を励ましてくれた手塚里美ママ



でも私はホステスではなくお嬢さん刑事になってしまったの



そんなママと私の、運命の悲しい再会が……


というわけで、次回第4話も刮目して待て!!





作品データ】『謎解きはディナーのあとで』第3話「二股にはお気をつけください」2011年11月1日(火)21:00-21:54放送/制作著作:フジテレビ、共同テレビジョン
スタッフ>プロデュース:永井麗子/原作:東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」(小学館)/脚本:黒岩勉/撮影:栗栖直樹、後藤継一郎/演出:石川淳一/音楽:菅野祐悟/主題歌:嵐「迷宮ラブソング」/オープニングテーマ:倖田來未「Love Me Back」/【制作】プロデューサー補:鈴木里佳子/企画編成:成河広明、佐藤未郷/企画統括:瀧山麻土香/企画協力:立松嗣章/スケジュール:谷口和彦/【演出】演出補:村谷嘉則/制作担当:加藤誠、増子美和/制作主任:飯盛雄仁/記録:稲田麻由子/【音楽・音響】音楽プロデュース:志田博英/選曲・効果:亀森素子/【撮影技術】技術プロデュース:市村雅彦/撮影:栗栖直樹、後藤継一郎/照明:田頭祐介/映像:服部正邦/音声:島田隆雄/VTR:吉田崇/編集:河村信二/ライン編集:勝又秀行/MA:藤井啓介【美術】美術プロデュース:杉川廣明/デザイン:きくちまさと/美術進行:村上勇人/大道具製作:内海靖之/大道具操作:小野将志/装飾:錦織洋史/持道具:武藤浩一/スタイリスト:野村昌司/衣装:細谷恵子/ヘアメイク:増田佳代/アクリル装飾:中村哲治/建具:三田村賢/電飾:寺田豊/植木装飾:津山洋/生花装飾:牧島美恵/フードコーディネーター:住川啓子/クイーンQ造形:千葉洋行/【そのほか】広報:為永佐知男(フジテレビ)/広告宣伝:平井隆(フジテレビ)/ホームページ:丸谷利一:スチール:チャールズ村上/CG:朝倉怜、中村明博/オープニングタイトル:上田大樹/カースタント:タカハシレーシング/劇用車:エルエーカンパニー、広島自動車/車両:ショウビズクリエイション、ファン、コマツサポートサービス/撮影協力:フォレスト・イン昭和館、WOWOW、西池袋ロサボウル、首都大学東京、雑司ヶ谷寛、旧岩崎邸庭園/音楽協力:フジパシフィック音楽出版/警察監修:杢尾尭/執事監修:日本バトラー&コンシェルジュ株式会社
キャスト>影山(宝生家の執事):櫻井翔/宝生麗子(宝生財閥令嬢にして刑事):北川景子 /風祭京一郎(風祭モータースの御曹司にして警部):椎名桔平 /並木誠一(刑事):野間口徹/ 山繁悟(鑑識):中村靖日/ 宗森あずみ(婦警): 岡本杏理/ 江尻由香(婦警):田中こなつ/澤田絵里(東都テレビ・女子アナ):松本莉緒/  斉藤アヤ(女子大生):山崎真実/黛香苗(代議士の娘):黒川芽以/野崎伸一(被害者、国会議員):水橋研二/宮下弘明(野崎の第一秘書):奥田達士/小林忠彦(ホテルのボーイ):温水洋一/杉原聡(ボディガード):高杉亘/クイーンQ:丸田聡美/ザ・たっち/川端健嗣(フジテレビアナウンサー)/葉山昴/白樺真澄/岩田栄慶/伊東心愛/Jenny M/Riccard B/響大祐/Storm Rider/ミライ・アクターズ・プロモーション