春が来た。日本の上半分はまだまだ大変だし、個人的には私も体調の戻り具合がぼちぼちなんだけど(花粉症もあるしさ)でも春だ。このご時世、ニッポンの復興のためには、やはり我々列島の下半身、ヘソから下がムクムクと頑張らなければいかんな。
あ、春といえば、おかげさまで娘が高校に合格しました。制服が白襟のセーラー服なんですよ。そんでスカートの両サイドに白い縦ラインが入っていて、これがなかなか可愛いんです。いや可愛いって、制服の話ですけどね。いや制服だけでなく、私にとっては可愛い娘ですけどね。とにかく、楽しい三年間を過ごして欲しいと思います。近くにお前の弟が生まれたマタニティ病院があるけど、在学中そこのお世話にだけはならないでね。
さあそういうわけで、今週から通常営業だ。DVDレビュー再開、次はAct.8だ。と思ったんだけど、Act.7レビューをまだ完全には終わっていなかったので、今回はエンディングをさーっと見て、BGM一覧表を作ります。
妖魔が倒され、ジェダイトも退散。エナジーを吸い取られてひっくり返っていたレイも、妖魔に憑依されていた高井君も元どおり。
高井「しゃっくり、止まった」
しゃっくりが止まって、デートの続きが出来ると思ったかどうか。邪気のない笑顔なので真意は不明だが、結果的にはデート続行は無理であった。
『LADY』が低視聴率だなんだと言ったって、やはりゴールデンのドラマである。この3ヶ月で「北川景子」のキーワードで、新たにここにたどり着いた人数は少なくない。そういう方から見ると、たぶん実写版当時の北川景子は、まだまだ垢抜けない、という印象だろう。でもリアルタイムで観ていた実感から言って、やはりものすごい美少女だったよ当時から。
だからこのエピソードの高井君に対しても「コノヤロウこんな美少女と楽しくデートなんてしやがったらタダでおかねえぞ」とやっかむ人はかなりいたと思う。でも個人的に高井君は、このAct.7レビューでさんざん脱線したとおり(こことか)『燃えろ!!ロボコン』の栗原家のオサム君なので、私はけっこう応援していたけどね。それに実写版の火野レイにはやはり彼氏が必要である。もちろん私だって、実写版のレイのキャラクターが原作漫画の「カサブランカ・メモリー」に準拠していて、だから簡単に彼氏を作りづらいことはよく知っているよ(そのことは【第249回】に書いた)。でも個人的には、アニメ版の雄一郎みたいな存在が、実写版のレイのそばに居てやってくれれば、と思うんだけどね。考えてみれば雄一郎も、結局レイとどうなったのか、記憶にないなあ。
さて以上はあくまで個人的な感想であって、レイはとことん男に関心がない。関心がないから、うさぎがタキシード仮面にあこがれて、でも元基がタキシード仮面だと思ったのは間違いで、というあれこれすべてが茶番にしか思えない。それで、恋愛を大事にするまことと対立が生じて、次回Act.8への引きとなって、今回はおしまい。仲裁役に回る亜美ちゃんもいないしな。
レイ「え、彼がタキシード仮面だと思ったの」うさぎ「うん。…でも、傷もないし、違うみたい」レイ「まったく、くだらないカン違いでいい迷惑だわ」まこと「くだらないってことはないだろ!」レイ「くだらないわよ」
レイとまことの小競り合いが勃発しているのにも上の空で、うさぎはぼんやりと視線を宙に向ける。と、そんな彼女の気持ちさながらに風船が彼方を漂っていく。
うさぎ(タキシード仮面……いったい、誰なの…)
この風船、以前は「偶然映ったので本編に利用したのじゃないか」と思って、そう書いたりしたこともあったけど、でもこの心象風景の作り方は、前半に出てくる「月を横切るジェット機のカット」と対応しているようにも感じる。月を横切るジェット機のカットが合成であることは【第263回】あたりで検討された通りなので、ここも仕込みの風船かもね。
一方、セーラームーンの正体を知ってちょっと動揺している地場衛。ここで、衛にディゾルブ(オーバーラップ)して、うさぎの正面からのアップが二度流れる。私はすごく好きな演出だけど、キャプチャ画像にすると心霊写真みたいになってしまうのが困りものである。
衛 「あいつが……セーラームーン……」
てことで、さっくりいきました。以上でAct.7終了であります。残りはBGMリストだ。
実写版Act.7使用楽曲リスト
【凡例】
- 「No.」の最初の2桁は話数(Act)、後半3桁は整理番号を示す。たとえば[07001]ならば「Act.07で001番目に流れた曲」という意味です。
- 「シチュエーション」はビデオ見ながら適当につけました。
- 「M番号」は、BGM収録時につけられた録音番号。「イメージ」は、大島ミチルがどのようなシチュエーションをイメージしてその曲を作ったかを示しており、必ずしも、ドラマ内での使われ方と合致するわけではない。なおBGM全曲リストは【第168回】にあります。
- 「DJM1」はアルバム『DJMoon1』(2004年2月18日発売)[CD12]の略(CD略号、収録曲目の詳細はこちら)。なお『DJMoon』シリーズは、しばしば短いBGMを、何曲かまとめて1曲扱いする。そのような場合の混乱を防ぐために、このリストではトラックタイトルの後に(1)(2)(3)をつけておく。たとえば[07007]の曲は<DJM1-23「憧れのタキシード仮面(2)」>である。これは『DJMoon1』のトラック23「憧れのタキシード仮面」の2番目の曲という意味。
- 「RTC」は3枚組メモリアルCDボックス『MOONLIGHT REAL GIRL』のDisc 1.『Rare Track Collection』[CD15]を指す。これは『DJMoon』シリーズに未収録のBGMを集成したアルバムである。
Act.7 劇伴リスト アバン・タイトル Aパート Bパート Cパート
No. | シチュエーション | M番号・イメージ | CD番号・トラック名 |
07001 | 「独りじゃないよ」 | M17A「いとしのタキシード仮面」 | DJM1-23「憧れのタキシード仮面(1)」 |
07002 | VS納豆@東京ドーム | M33「妖魔の攻撃」 | RTC-6「ズンズン進む悪の行進」 |
07003 | 「追ってはなめっ!」 | M24「セーラーV」 | DJM1-27「セーラーV」 |
07004 | ピアノを弾くゾイサイト | 「幻想即興曲」 | ゾイサイトの演奏 |
07005 | 本日のベリル様 | M30「ダーク・キングダム」 | DJM1-30「クイン・ベリル様」 |
07006 | まだピアノを弾くゾイサイト | 「幻想即興曲」(続き) | ゾイサイトの演奏 |
07007 | 「この人がタキシード仮面?」 | M17B「いとしのタキシード仮面」 | DJM1-23「憧れのタキシード仮面(2)」 |
07008 | クラウンにて | M27「ルナ」 | DJM1-15「おしゃべりルナ(1)」 |
07009 | 月を横切るジェット機 | M42「希望」 | DJM1-34「さて、次回は(3)」 |
07010 | 時々会っちゃうムカツク奴 | M37「驚き」 | DJM1-33「地場衛ことタキシード仮面(1)」 |
07011 | トリプルデート | M2「明るい家庭」 | DJM1-2「うさぎの楽しい一日(2)」 |
07012 | ジェットコースター | M20「セーラーマーキュリー」 | DJM1-9「私はお姫様(2)」 |
07013 | ボートに二人 | M6「夢」 | DJM1-9「私はお姫様(1)」 |
07014 | 鏡の間 | 不明(シンセサイザーの効果音風) | |
07015 | なぜか衛にドキドキ | M42「希望」 | DJM1-34「さて、次回は(3)」 |
07016 | 妖魔出現! | M30「ダーク・キングダム」 | DJM1-30「クイン・ベリル様」 |
07017 | 変身「まさかあいつが!」 | M19「セーラームーン」 | DJM1-16 「不思議な魔法のアイテム(1)」 |
07018 | 高井が納豆妖魔に | M43「絶望」 | DJM1-12「悲劇の主人公(1)」 |
07019 | 妖魔VSセーラー戦士 | M13「セーラームーンのメイクアップ」 | DJM1-18「セーラームーンにメイクアップ」 |
07020 | ジェダイト登場 | M49「危機」 | DJM1-12「悲劇の主人公(3)」 |
07021 | 助けてくれてありがとう | M17「愛しのタキシード仮面」 | DJM1-23「憧れのタキシード仮面(2)」 |
07022 | 「運命は変えられないのね」 | M43「絶望」 | DJM1-34「さて、次回は(3)」 |
07023 | レイとまことの口論 | M21「セーラーマーズ」 | RTC-3「だんだん考えをまとめて行く」 |
07024 | 「あいつがセーラームーン」 | M19「セーラームーン」 | DJM1-16 「不思議な魔法のアイテム(1)」 |
[07008]のクラウンでかかる曲は、いちおう『DJMoon1』のトラック15「おしゃべりルナ」の最初の曲(M27「ルナ」)だと思うが、しめくくりのメロディがCD収録曲とはちょっと違うので、ひょっとすると未CD収録音源のM27B「ルナ(B)」かも知れない。保留としておく。
田崎監督が担当されたAct.1とAct.2のBGMリストは【第166回】をご参照頂きたいが、あのときの延べBGM曲数は、Act.1とAct.2のどちらも各25曲、今回のAct.7が24曲ということで、だいたい田崎竜太が1話にどの程度のBGMを使用するかの目安はできてきたと思う。
パイロット監督なので意図的とは思うが、BGM使用回数は必要最低限に抑えて、こういう場面ではこういう曲を使うべし、という規範を示した、オーソドックスというか教科書的な使い方だ。ちなみに高丸監督はAct.3で37曲、Act.4で46曲のBGMを使用。舞原監督はAct.5とAct.6、いずれも29曲ずつである。舞原監督は後半になればなるほどBGMの使い方がストイックになっていくが、この段階ではまだ、田崎監督に較べればふつうだね。
次回はDVDAct.8レビューのための参考資料として、M14さんからお譲りいただいたAct.8の撮影台本を全文公開させていただこうと考えております。じゃ、そういうことで。
【今週のおまけ】
『武士道シックスティーン』はいい映画だったよ。
【資料画像】参加賞の二人