実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第301回】やるならやらねばの巻:北川景子『LADY』強化期間(1)

1. 5000年の孤独から100年の眠りへ


セーラームーンミュージカル2004年夏の公演『新かぐや島伝説』から、黒木マリナと相沢真紀で「純潔のナルシズム」。題もすごいが歌詞もすごい。「恋は螺旋の森/想い香る微笑のスワンスキン/凛と弾んだ素顔のまま/一途を秘めて歌います」スワンスキンて。鳥肌か。
五千年前、地球を襲った巨大隕石を、かぐや姫(月のプリンセス)は銀水晶の力で食い止めた。だがその巻き添えで、当時の人類の帝国アルトカは津波に沈んでしまった。
そして現代、古代人類の末裔、永く凍結されていたアルトカ最後のプリンセス、ルーフ・メロウ(相沢真紀)は、五千年の恨みを晴らすべく、現世の月のプリンセス、セーラームーン(黒木マリナ)に迫る。しかし再び来襲した彗星コアトルの使者、ダーク・プラズマン(広田勇二)の邪悪な意志を前に、実は月のプリンセスこそ地球のかつての救い主であり、未来への希望でもあることを知る。
自らの命を道連れに、邪悪の力「暗黒水晶」の眠るアルトカ神殿を崩壊させ、ダーク・プラズマンの野望を打ち砕こうとするルーフ・メロウは、五千年のあいだ生命を維持した源、銀水晶のかけらで出来た短剣シルバーソードをセーラームーンに託し、神殿の扉の向こうに去って行く「さよなら、プリンセス・ムーン」。すみませんこれ以上わかりやすい説明はできませんが、ご理解いただけましたか?ともかく私、舞台でここを観たときは泣けて泣けて、一緒に連れていった当時小学生の娘にドン引きされてしまいました。

いま観てもテンション上がるなあ。
さっき書いたように、これは『新かぐや島伝説』であって、オリジナルの『かぐや島伝説』は、在任期間が短かった二代目セーラームーン原史奈の代表作である。ルーフ・メロウは小野妃香里、そしてこのクライマックスには名曲「LINK」が使われていて、評判は高い。私、それに対して反論する気はないんだけど、個人的にこちらの黒木マリナバージョンに思い入れがあるんです。
というのは、過去にも何度か書いたように、私は遅れてきたセラミュファンで、ナマで観劇したほとんどがマリナムーン。もちろん『かぐや島』の場合も、史奈オリジナル版は後からDVDで観ただけなんです。しかもこの2004年『新かぐや島』と翌年の2005年『新かぐや島伝説 改訂版』をもって、セラミュは13年の歴史に幕を降ろした。だけど私は2005年版をどうしても観に行けなくて、結局ナマで鑑賞した最後の作品がこの2004年公演になっちゃった。というモロモロの理由から、私にとっては、新・旧4バージョンある『かぐや島』のなかでも、この2004年版はちょっと特別な存在です。

相沢真紀さんは翌年の改訂版には出演されなかったので、彼女のセラミュ作品はこれ1本きりなのだが、小野妃香里とはまた違う柔らかなタッチのルーフ・メロウはとても印象的で、私にとっては大切なセラミュ女優のひとりだ。その良さは、やはり歌を聴かないとご理解いただけないかな、と考え、珍しく動画を貼ってみた次第です。
で、相沢真紀さんはその後も「相沢まき」の芸名でマルチに活躍中で、元気な様子の一部はご存じ火星発動機さんのところにもアーカイブされておりますが、今年に入って間もない1月13日の彼女のブログに、元モーニング娘。の保田圭さんとのツーショット写真が出ていたんですね。何か舞台の衣裳あわせ的な。
相沢さんは安倍なつみ主演の舞台『白蛇伝 〜White Lovers〜』(2006年/制作・脚本・演出はセラミュの斉樹潤哉)にも出ているから、そっち関係から入ったお仕事かな、なんて思ったんですが、しかしこの衣裳の雰囲気ってなんだか……と思ったら、そのブログにいわく。

主演でミュージカルをやらせてもらうと言った時にタイトルを聞かれると、〈恐縮なんですが…〉と前ふりしてしまう女、相沢まきです。
今日は夏に出演させてもらうミュージカル〈眠れる森の美女〉のポスター、パンフレットの撮影でした〜。

そうなんだ。
昨年11月に安中市文化センターホールで万丈さんにお会いしたときに、もう次の東少ミュージカル『眠れる森の美女』のキャスティングは決まっている、という話だけは教えてもらっていたけど、まさかルーフ・メロウが陽菜の後任とはね。あと保田圭さんは、このコスチュームからして、たぶん白の妖精だろう。
もう沢井さんも松下さんも出ないので、今年の『眠れる森の美女』にはあまり関心がなかったのだが、相沢さんが出るんだったら、ちょっとどうしようかな、などとがぜん迷い始めている私です。でもとにかく、今年は昨年鑑賞できなかった『白雪姫』の再演を優先しますから、そっちへ行ったら余裕はないか。


いかん、しょっぱなから話が北川さんにつながらないじゃないか。数週間前から「いつブログに書こうか」と思ってたネタだったものだから、長くなってしまった。えーと、それで黒木マリナ時代、歴代タキシード仮面のしんがりを努めたのがこの男である。

ちょっとイメージが違うとかいう声もあったように記憶しているが、私はけっこう似合っているし、芝居も良かったと思う。でかいので後ろの席からもよく見えたし。
さてここで城田君の話から、映画『ヒートアイランド』(2007年、片山修)経由でなめらかに北川景子さんの話題につながる予定だったのであるが、もういいや。いつもながら、すまんすまん。

 

2. 危機(Close to the Edge)


『LADY』第7話は関東地方で8.3%であった。先週の7.5%よりはちょっと上がったけど、これで平均視聴率は加重平均で10%ギリギリ。
加重平均というのは(詳しく知りませんが)回数で割るのではなくて、オンエア時間で割った平均値のことで、ふつう視聴率はこうやって計算するそうです。そうか。だからみんな初回スペシャルとか最終回スペシャルとかやるんだ。やっとカラクリがわかったよ。
だって1時間番組でも、たとえば初回と最終回が90分とか2時間だと、初回と最終回って多くの人が視聴しますから、その分、ちょっとだけ数字が上乗せされる。『LADY』の場合も、第1話が2時間スペシャルで、そのぶん脚本は水ましだったような気はしますが、初回という話題性もあって13.8%を獲りました。この場合、大事なのは中身じゃなくて視聴率だったんですね
この、今のところの最高視聴率である13.8%の第1話を、通常の2話分の長さだから2話とカウントすることによって、現在なんとかギリで平均視聴率10%を死守している。これがつまり「加重平均」だ。もしも第1話もただの1話分として単純平均を出したら、すでにひとケタ台に転落です。誰だ今「せこい」とか言った奴。あとで職員室に来るように。
それだけではない。私は当初、「でもこの曜日は他局も、金曜ロードショーとか金曜プレステージとか、特別番組を9時から突っ込んでくるので、10時始まりの我らが『LADY』はどうしても不利だよ、仕方ないよ」という言い訳を用意していたのだが、実はそれも通じなさそうな情勢である。
ちょっとこれをご覧いただきたい。これは先週2月18日、『LADY』第7話が放送された日のTBSの夜の視聴率の推移である。

時間 番組タイトル 視聴率
19:00-19:56 がっちりアカデミー!! 9.3%
19:56-20:54 ぴったんこカン・カン 16.3%
21:00-21:54 中居正広の金曜日のスマたちへ 14.2%
22:00-22:54 LADY〜最後の犯罪プロファイル〜 8.3%
23:00-23:30 A-Studio 9.7%

金曜夜のTBSの番組のなかでも最下位である。『ぴったんこカン・カン』が16%、『金曜日のスマたちへ』が14%だったのに、『LADY』になったとたんに、およそ半分の視聴者がチャンネルを変えて8%、しかも、『LADY』が終わって鶴瓶の『A-Studio』が始まったら、わずかながら数字が上がって10%弱って、これ完全に避けられているわけじゃない。谷間じゃない。足ひっぱってんじゃない。
最初は、なーに視聴率でこけたって、若いうちはそのくらいの挫折が必要だよ、くらいに構えていた私であったが、こうなってくると、やはり気が気ではないものですね。とうとう前回の最後に「『Lady』視聴率強化期間」なんてスローガンを掲げてしまった。
でも考えてみたら、普段のペースで毎週土曜(もしくは日曜)に一度の更新をしていたのでは、とても効果は期待できないじゃないか。多少なりとも『Lady』視聴率アップのために何かしたければ、やはり水曜か木曜あたりの更新が望ましい。でも、こんなくだらないブログでも、新しい記事を作成するにはそれなりの手間ヒマがかかる。木曜に更新しようと思ったら、ウイークデイのど真ん中に、睡眠不足を削ってふんばらねばならないわけか……それはちょっと……。
なんてモダモダしていた私はふと、このブログを始めた頃のことを思い出したのであった。あの頃は、水曜日の午前2時とか3時とか、そんなとんでもない時間に再放送されていた実写版を、DVDを持っているのにナマで視聴して、それから二日後ぐらいまでにはレビューをアップする、というはなれわざを繰り返していたではないか。あのころの情熱はどこに行った。

いつから私はブログより仕事を優先するような小さい人間になったんだ。

そうだ。そういうわけで今週からしばらく、頑張ります。

これから『LADY』が最終回を迎えるまでの数回、このブログは北川さん主演ドラマの話題作り→視聴率アップに少しでも貢献したく、通常の週末更新ではなく、毎週木曜日夜の更新を目標とします。

Act.7レビューはまた後で。


……でも特に何かネタがあるわけではないので、とりあえず今回は、ウチでとっている『中日新聞』の切り抜きの番組紹介覧を見ながら、これまでのお話を振り返ってみたい。なんか威勢の良いことをいったわりには、いきなりしょぼくてごめん。こんなんで本当に貢献できるのか?

3. スクラップ・ブックで振り返るEpisode. 1(13.8%)

 

香月翔子(北川景子)が所属する警視庁犯罪行動分析室(CPS)は、捜査1課の刑事たちを悩ませる難事件の捜査に協力することになった。夫婦が殺害され、一人息子が行方不明になっているという事件で、同じような事件が最近、連続して起こっていた。主任プロファイラー・結城(木村多江)の指示により、翔子は先輩の寺田(要潤)と共に事件現場に向かう。

黄色は新番組のしるし。注目の番組欄にも一応取り上げられているが、ご覧の通り写真のスペースはモノマネにとられてしまった。それでも関東地区では13.8%を達成。こっちの視聴率も知りたいんだけど、『中日新聞』で金曜日に公表される、名古屋地区の視聴率ランキング上位には決して出てこないので(涙)知りようがない。
第1話の見所については、ちょっとだけ【第294回】の後半にも書いたが、これはセーラームーンファン向けだな。普通にドラマとして観た場合は、やはりDAIGOに尽きるだろう。そしてそのDAIGOに伝家の宝刀とも言える泣きの説得演技で迫った北川景子。ここがやはりクライマックスでしょうね。

StreamKatoさんは、「紙を食う北川さん」も挙げておられる。紙を食いながらも眉間にしわを寄せています。

 

4. スクラップ・ブックで振り返るEpisode. 2(9.3%)

 

翔子(北川景子)が、ある事件のプロファイリングを勝手にしたことが原因で、犯罪行動分析室(CPS)に不協和音が生じる。そんな折、柘植(ユースケサンタマリア)から、ストーカー被害を受けていた2人の女性が相次いで殺害された事件の捜査に協力してほしいとの要請が入る。

番組冒頭で北川さんは、杉並で頻発している露出狂事件について、生活安全課の署員にアドバイスしている。露出狂といえば単独犯と考えるのが普通だが、プロファイリングの結果出てきた犯人像は二人組というもの。感心した顔の署員に「さすが美人プロファイラーさん」と誉められ、口では「そういう言い方は、ちょっと」と困惑顔。のふりして、エレベーターで「美人プロファイラー、……美人過ぎるプロファイラー」とか言いながらにやけるシーンが、ちょっと可愛かった。

ところで、このドラマには「プロファイリング監修」として、関西国際大学人間科学部、人間心理学科犯罪科学専攻の桐生正幸教授の名前がクレジットされているが、この桐生先生の語る「地域防犯に応用される犯罪者プロファイリング」というインタビューをネットで読んでいたら(ここ)、ちょっとこの第2話冒頭場面を連想した。

私は山形県警科学捜査研究所に在籍していた際、過去の放火事件をもとに「放火」の犯人像について分類・分析しました。その結果、連続放火では、前歴を持つ無職の男性が不満の発散のために火を付けるといった犯人像が想定されるが、同一場所への連続放火の場合は、「女性」や「恨み」による犯行も想定すべきと導き出したことで、ある事件の早期解決につながりました。その事件の犯人は女性だったのですが、それまで「連続放火」の捜査現場では、男性を中心に容疑者の洗い出しが行なわれていたのです。

私は思うんだが、こういう、それこそ「生活安全課」が扱うような事件から始まるプロットの方が面白くないか?つまり、しょっぱなから派手な猟奇的殺人を持ってこずに、放火魔事件をプロファイリングしてみたら犯人は女性の可能性が高かった、とか、露出狂なのに二人組の仕業と推定される、とか、一見平凡そうな事件から意外なプロファイリング結果が出る。これが発端。それで捜査してみたら、どんどん奇怪な真相が明らかになる、みたいな。私はそういう方が観たいなあ。私だけか。


そういえば、これはプロファイリングとは違うのだろうけど、ユースケ・サンタマリアも、昔はCPSと変わらないようなことを言っていたのを私は知っているぞ。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)で、捜査本部に電話をかけてきた殺人犯とファースト・コンタクトを交わした後の、交渉人 真下正義(ユースケ・サンタマリア)のセリフ。

真下「彼は仕事をしていません。声にストレスがかかっていなかった。ここ数ヶ月は、時間やクライアントに縛られてない生活をしています」

そ、そうなのか。昨今のこのご時世で、仕事が無くなった人って「自由になった〜」と声にストレスがかからなくなるのか?う〜ん。でもこれを目の当たりにした水野美紀は「すごい!」というのである。
ご存じのように、この『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』では、小松彩夏が吸血鬼騒動の被害者役でちょこっと出演している。

というわけで、続く『LADY』第3話も吸血鬼殺人だ。

と思ったが、そろそろタイムアップだ。こんなんで良いのかなあと思いつつ、オンエア前日には更新すると言っちゃった手前、更新します。次回はもう少し、真面目にやりたい(推定)。



今週のおまけ】ズムサタとの比較用画像