実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第302回】これは何の同窓会だ?の巻:沢井美優&松本博之in『警視庁心理捜査官 明日香』

1. 「世界初の1620万画素」にミサオを立てる女

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CPSは基本的にMac仕様なんだが、香月だけが頑固にVAIO。どうしてか、M14さんのこの記事を読んだ人ならすぐ答えられるよね。何しろいま、彼女は、世界初の1620万画素を誇るソニー・エリクソンのサイバー・ショットケータイのCMキャラクターをつとめているのである。ドラマをやっている間は「基本自局にしかチャンネルを合わせない」彼女のことである。ドラマとはいえ、iPhoneの会社のパソコンなんか使えるわけがない。ソニーですよソニー。こういうのを「有言実行」という。北川景子は義侠心の人である。

   

 

2. パクリとかゆうなよ 原作あるんだから


金曜ドラマ『LADY 〜最後の犯罪プロファイル』と同じTBSが、さる2月28日に月曜ゴールデンで『警視庁心理捜査官 明日香』を放送した。
現在このブログは北川さんのドラマのラストスパートに併せて支援態勢に入っているので、このドラマについては、その話に入る前のマクラ程度にしておこうと、最初は思ったのである。でも、コメント欄に寄せられたみなさまの声(だいたいStreamKatoさんと万丈さんくらいだけど)とか読んでいて、やはりプリンセスはプリンセスでちゃんと扱わないと失礼だという気がしてきた。というわけで今回は突如としてミニ沢井美優特集だ。北川さんの特集はあさって木曜日に更新します。なんか自分で自分の首を絞めているような春のはじめです。
で、この『警視庁心理捜査官 明日香』というドラマなんだが、前回のコメント欄にも書いたように、もうあらすじを読んだ段階で、「これ『LADY』と一緒じゃん。なんで同じ時期に、同じ局でやるかなあ」と思うくらいよく似たプロットであった。


猟奇的な連続殺人
若くて強気で、しょっちゅう眉間にしわを寄せている女性プロファイラー
厳しいけれども良き指導者でもある先輩プロファイラー(過去にわけあり)
現場経験も少ない若造の机上の論理など認めない現実主義の刑事

その他、犯人の犯行動機が、幼少期に親から受けた心的外傷に遠因をもつところとか、後半になると、ヒロインの活躍っぷりが「それプロファイリングとかじゃなくて、ただの名探偵だよね」になってしまうところとか、途中で上層部から圧力がかかって、捜査が頓挫しそうになるのだが、そこでプロファイラーと現場主義の刑事たちが一致団結してかってに事件を解決してしまうところとか、もうどこもかしこも一緒。だいたいこういう基本設定で話を作ろうと思ったら、似たり寄ったりになるだろうな、ということはあるにせよ。
しかしでは、だからと言って『LADY』と『警視庁心理捜査官 明日香』の見分けがつかないか、といえば(あたりまえだが)ぜんぜん違う。『明日香』にはMacbookを持っている人なんてひとりもいないし。同じ東京都内で同じような事件の捜査をしているわりに、会議室の広さとか設備が、かなり違っているように見える。

どう考えても捜査予算が同額ではないね。
しかし何よりも大きな違いは、役者たちの演技の質。この『警視庁心理捜査官 明日香』は泉ピン子主演のドラマである。泉ピン子主演というのは、北川景子主演というのとは根本的に違う話であって、周囲の登場人物は全員、ピン子さんの芝居のタッチに合わせた演技を要求される。
ピン子芝居とは、喜怒哀楽がハッキリしていて、しかも抑制の効いた演技であり、つまり紋切り型である。これはテレビが娯楽の王様で、一家団欒の中心であった時代の発想だ。テレビの芝居は、老若男女が家族で談笑したり、飯を食ったりしながら観ても分かりやすく、許容できる演技でなければならない。それはひとつの正論である。そういう方法論を昭和・平成と磨き続けたからこそ、ピン子は今の地位を築けた。
そして現在、日本のドラマは、良くも悪くもピン子的世界観からは少々ずれたものになってきたが、それでもなお泉ピン子主演ドラマの世界では、出演者全員がピン子演技を要求される。そうでないとピン子が主演女優としてドラマ世界に君臨できないから。
だから田畑智子も佐藤B作もベンガルも橋爪淳も六平直政も、みんな自分の芝居をもっているはずなのに、ここではみんなピン子芝居に徹している。つまりこれ『LADY』のピン子芝居バージョンなのだ。

3. 囚われのプリンセス


余談でございました。我々の目的はプリンセスであった。でもプリンセスがなかなか出てこないのに、冒頭からネフライト(松本博之)が出ている。若手の警察の捜査員として、佐藤B作にわりとくっついていて、検死の場面とか、最初に容疑者としてあげられた小島よしおを尋問する場面とか、けっこう出番も多いしセリフもあったぞ。

とうぜん我々としては、ネフライトとプリンセスの共演を観たかったわけだが、残念ながら同じ画面に収まる機会はなかった。
さて今回のプリンセスはちょっとしたお嬢様女子大生。私はファッションに疎いので説明ができず済まないが、なかなかセレブっぽくてファッショナブルであった。
沢井さんも一時メディア露出が減って、ちょっと芸能人オーラが薄まったかなと思っていたけれど、そんなの杞憂であった。颯爽として、なかなかのものでしたよ。

でも裏では女子大生売春組織を切り盛りしたりしていたので、参考人としてピン子とB作に尋問されちゃう。なかなかふてぶてしい表情もみせます。

そして最後にはサイコな犯人に捕らえられてサルグツワだ。

StreamKatoさんは前回のコメント欄に、このシーンを「おとしもの」に匹敵する、とか、そういうフラチなことを書いていた。「おとしもの」というのは、『ほんとうにあった怖い話 第六夜 たたり』(2006年/脚本:大森智仁/撮影:松永浩一/監督:須田敬介、小島隆史)というオムニバスビデオの第3話「おとしもの」(出演:沢井美優/青井麻里/川端明恵)のことですね。そのなかで、夜中に沢井さんが金縛りにあって喘いでいるシーンがあるんですが、それがちょっと色っぽいわけです。私はそんな不純な気持ちで観たことないですけどね。

話を戻して、犯人はマザコンの人で(こんなのばっかり)あろうことかプリンセスは頭からローションを……いや違った、灯油をかけられて、あわや人間バーベキュー。

でも田畑智子が飛び込んできて犯人逮捕。そしてピン子に助けて貰います。

 

4. ピンコの気持ち(推定)


泉ピン子は苦労を重ねて今の地位を築いてきたので、年をとったからといって主役を降りて脇役プロパーに転向することのできない人だ。でも苦労人だけに、主演女優としての自分のステータスが、橋田壽賀子とかNHKの朝ドラとかのバックアップなしには成り立ち難いことも自覚している。それで数年前に仲間由紀恵と組んで『ジョシデカ』というのをやってみた。実質的には仲間由紀恵を主演に立てて、ダブル主演みたいな名目で自分のステイタスも維持する、という方法だったけれど、イマイチうまくいかなかった。でもそれは方法論が間違っていたのではなくて、仲間由紀恵と組んだところに問題があった。
……と、以上は例によってすべて私の妄想だが、たぶん泉ピン子はそう考えて、今度は田畑智子を相方にもってきたのであろう。そして周囲をすべて、ピン子の世界を壊さない、ピン子芝居のできる芸達者で固めてみた。それがこの作品である。
で、たぶん沢井美優は『おふくろ先生の夕張日記』と今回の作品で、ピン子のメガネにかなったのではなかろうか(推定)。だって沢井美優は芸達者で、しかもちゃんと相手を立てることができる。橋田ドラマにだって使える逸材だ。私としては、沢井さんが橋田ファミリーに入ると、今後は橋田ドラマも義務として観なければなならず、ちょっとそれは辛いものがあるが。
ともかく、今後の流れ次第では、将来的にピン子主演作品の相方(今回の田畑智子のポジション)に、沢井美優が抜擢されることもあり得るのではないかと思うのだ。私はそれが言いたかったがために、人生で初めてこんなに泉ピン子のことを考えてしまったよ。


最後に。この『警視庁心理捜査官 明日香』に関わった実写版セーラームーン関係者は、プリンセスとネフライトだけではないよ。

私はぼーっとエンドクレジットを観ていて、ふとどこかで覚えのある名前が出てきてはっとしたのである。おおっ、これは。

Act.7からカメラマンとしてセーラームーンを支えてきた上赤さん、そしてAct.1から撮影助手をつとめつつ、上赤さんに鍛えられてAct.19で撮影監督としてデビューした川口さんじゃないですか。沢井さん、松本さんと旧交を温められましたでしょうか。
StreamKatoさんは、ドラマの張り込みのシーンでお月様が映されたシーンを挙げて、実写版へのリスペクトかもしれないと書かれていたが、この二人のカメラマンが、沢井さんや松本くんと久しぶりに仕事をして、懐かしくなって、なんて考えると、あながち空想とは言えないように思う。


というわけで、このドラマには、私の気づいただけで四人もの関係者が絡んでおりました。それに加えて、合間のCMには同じ局ということでこういうのも流れた。

というわけで次回『LADY』最終ターンに向けての強化特集の記事は木曜日にアップします。