実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第260回】DVD第2巻:Act. 7の巻(その5)

1. カラオケマイク付き天体望遠鏡


前回のコメント欄をご覧の方ならご承知であろう。『天文ガイド』2010年7月号の表紙に確認された泉里香。カシオペアさんならではの大発見である。
こういうとき、名古屋支部であることを誇りに思うよ。

2. 『サザエさん』コンプリートDVDボックスは、計算したら2メートルぐらいの長さになる


さて『月の恋人』も、もう第5話。当ブログは(相変わらず観てはいないが)このドラマのテーマを「かぶりもの」と見定めてきたが、正しくは「おでこ」かも知れないね。いずれにせよ注目すべきは北川景子の頭部ってことか。

木村拓哉さんは、『SMAP×SMAP』で『探偵物語』のパロディみたいなことをやっていたし、『ギフト』(1997年)なんていう松田優作リスペクトなドラマもあった(第1話では『探偵物語』にも出ていた倍賞美津子を相手に、レンタルビデオ店で「『最も危険な遊戯』は?」「’78年、村川透監督、主演、松田優作」なんてやりとりがあった)。

だから優作の息子の松田翔太、そして『ギフト』にも出演していた篠原涼子を起用すると聞いたときに、今回のドラマのキャスティングはこの二人が「へそ」かな、と思った。本当は『ギフト』みたいな恋愛的要素を排した内容を期待していたのだけれど、そうではないみたいですね。木村さんのドラマは恋愛がない方が良いんじゃないかと、個人的には思うんですが。
ご存じの方も多いと思うが、『ギフト』は、番組終了後に、現実に起きたある殺人事件で、犯人の少年が「ドラマの影響でバタフライナイフを買った」とか言ったせいで、お蔵入りになってしまった。……と、以前そういうことを書いたら、黒猫亭さんから「正しくは封印作品」とご訂正いただいた。そうですね。完成して一度は世に出ているのだから「お蔵入り」とは呼ばない。「封印作品」である。

もっとも「封印作品」の厳密な定義はよく分からない。たとえば『モップガール』はどうか。私はいちおう、これも封印作品であると考える。しかし「確かにビデオソフト化はされていないが、再放送されたことはあるし、今後もされる可能性もあるから封印作品ではない」という見方もあるだろう。
もっとこまかく言えば、第8話だけは、覚醒剤取締法違反の加勢大周がメインゲストで出ているので封印、それ以外は未封印とか。北川景子が「メイドカフェぴなふぉあ」の制服を着て「お帰りなさいませ、ご主人様」という第4話はOKで、園児服のコスプレでリコーダーを吹く第8話はNGってことですね。
さて唐突ですが『サザエさん』だ。世に封印作品は数多くあれど、国内、いや世界的に見ても、最大規模の封印作品と言えばテレビアニメ版『サザエさん』ではあるまいか。なにしろ、これまで一度も、一話たりとも正式にビデオソフト化されたことがなく、今後もその可能性はきわめて低い。一時期は再放送されていたが、それも今は無い(例外的に、2008年に「40周年記念SP」として初期作品が再放送された)。つまり、あれほどの超メジャー番組でありながら、オンエアされる端から、全エピソードが「幻の作品」と化していくのである。アニメ『サザエさん』を観るとき、私はいつも「一期一会」という言葉をかみしめている。
なぜビデオ化されないか、その理由は公的には明らかにされていないと思うが、おそらく原作者がアニメ版を気に入っていなかった、ということに尽きるのであろう。いくら原作者といえど、もはや国民的アニメである、さすがに放送中止まで強要することはできなかったが、ビデオには決してしないように、という遺言があって、原作者のご遺族が故人の意向を守り続けている、といったところでしょうね。

もっとも、最近は、おそらく1回限りの放送だからこそ実現できたような冒険がちらほら見られるのも事実だ。ネットでは以前、波平が「全自動タマゴ割機」なるものを買ってくる「父さん発明の母」(作品No.5875/2007年5月27日放送/脚本:雪室俊一/演出:森田浩光/原画:見陰智史)という話が話題になったけど、個人的には、今年放送された「父さんマンガの星」(作品No. 6284/2010年2月9日放送/脚本:雪室俊一/演出:森田浩光/原画:蓮井里香)が相当おかしかった。波平がワカメの少女マンガを読んで…という他愛のない話だが、ビジュアルがかなりヤバかったです。
なぜ波平がらみのエピソードに問題作が集中するのかは謎だが、いずれにせよああいうのは、本来ならどこかでストップがかかったはずなのに、スタッフにも「まあ将来的にビデオ化される予定もないからいいか」という心のスキがあって、うっかり生み出された作品だと思う。

3. ダーク・キングダムの間取り図は難しい


すみません。ちょっと疲れているせいか、話がどんどん横すべりしている。軌道修正しなくては。

かつて『磯野家の謎』(1992年)という本がベストセラーになったけど、あれのなかで、サザエさんの家の間取りが考察されていたはずだ。マンガ版をテキストにする限り、様々な矛盾が生じて、トイレが3つか4つある不思議な家屋になってしまうが、アニメ版ベースなら、わりとしっかりした図面を引ける。そういう結論だったと思う。
それはまあそうだろう。『サザエさん』にしても、あるいは『ドラえもん』にしても、連載当初からきっちり家の間取りとかを考えていたとは思えないから、連載初期と後期を較べれば、あちこちに矛盾が出てくるに違いない。でもアニメの場合は美術設定というものがあるだろうしね。実際、サザエさんの「40周年記念SP」(2008年11月15日放送)のオープニングでは、磯野家の図面が公開されていた。木造平屋建てで、30坪はあろうかと思われる立派なお家だ。
さて実写ドラマの場合、こういう設定はどこまで詰められているんだろう。って、ようやく本題に入ってきたよ。

実写版セーラームーンの場合、最もきちんとしているのはクラウンの戦士たちの秘密の部屋だ。これは図面が引けるくらいしっかり設計されているのではないか。

月野家に関しては、ダイニングとうさぎの部屋、それにお風呂(Act.42)くらいは画面に映っていると思うが、間取りはちょっと。ただ、たとえばAct.5のパジャマパーティーのシーンで、最初に出る月野家全景のカット(部屋の灯り)から察するに、玄関の真上の部屋がうさぎの部屋であることは間違いない。
他にも亜美とまことのマンション、レイの神社とかもある。美奈子の家はAct.15とAct.31の2回しか出てこなかったと思う。
が、それはそれとして、えーと私はそもそも今回のブログで、ダーク・キングダムの間取りを考えようと思ったんだよ。そのためのマクラとしてサザエさんの家の間取りの話をちょこっとしようと思っただけなんだが、いったいどうなってしまったのか。もうとにかく、本編に行こう。

  ダーク・キングダムの「ピアノの間」で「幻想即興曲」を弾くゾイサイト。
  
  一方「謁見の間」で、ベリルの前にかしずくネフライトとジェダイト。
ベリル「セーラーV?」
ネフライト「はい、プリンセスかも知れぬと、ゾイサイトが」
  
ベリル「あの憎い小娘。もしそうであったなら、ただちに命を絶てとゾイサイトに伝えよ」
ネフライト「はぁ……奴にそんな大役をまかせるのは、少し面白くありません」
ベリル「何?」
ネフライト「勝手に動きすぎます。そのうえ、ベリル様へのご報告に、私を伝言役に使うとは」
ベリル「こらえよ。奴は好きにさせておいた方が良い。お前はこれまでどおり、幻の銀水晶を探せ」
  身を乗り出すジェダイト。しかしベリルに無視される。
  
  「謁見の間」から外に出て洞窟内を歩くジェダイト。ネフライトが後ろから声を掛ける。
ネフライト「ジェダイト、もうベリル様に言葉もかけていただけないな。お前にはうんざりだとおっしゃっていたぞ。ふふ…」
ジェダイト「ネフライトぉ……。必ず人間どものエナジーをベリル様に捧げてみせる。お前は黙って幻の銀水晶を探していろ!」
  
  「ピアノの間」でショパンを弾き続けるゾイサイト。
ゾイサイト「(セーラーV……お前に近づいていく)」

「ピアノの間」「謁見の間」とかは、もちろん私の勝手な命名である。このうち、Act.7で特筆すべきは、初めて登場する「ピアノの間」で、ご覧のように、天井は洞窟状になっていて、その岩肌が壁の一部まで浸食しているような、なんだか奇妙な表現になっている。

正確な狙いはよく分からないが、これで一応、この「ピアノの間」も、岩窟のような「謁見の間」も、まったく違うように見えるけど連続する空間である、と視聴者に訴えたいのだろう。結局、ヒマがなくなってしまったのか、以降のエピソードではいちいちこんな合成映像は無くなってしまうが、こういう細部にもそれなりに気配りを欠かさないあたり、さすが田崎竜太である。
で、私は「そうか、そういえばこのピアノの部屋も、エンディミオンの肖像画があった、ミオと衛のあの部屋も、やっぱりダーク・キングダムの一部なんだよな」と思い、「だいたいダーク・キングダムにはどれだけのエリアがあるんだよ」と思ったのである。が、しかし、よく出てくるダーク・キングダムの全景って、ものすごく広大である。ベリルと四天王がチマチマやっているあんな場所は、おそらく、そのごくわずかな一角に過ぎないのであろう。空間的な位置関係も、よく分からない点が多い。ただ唯一、全景が映るときに必ず見える、中央の城のような建物のてっぺんの紫色の光、これはクイン・メタリアの放つエネルギーの力なのだろう。従ってこの下に「メタリアの間」があることになる。
 「メタリアの間」への道は、Act.19に開かれた。どうも「謁見の間」の奥にあったみたいだ。

というわけでAct.19以降は、「謁見の間」にかわって、この「メタリアの間」においてベリルと四天王たちの緊張関係が高まっていく。Act.36でベリルに誘致された地場衛も、Act.38で、この「メタリアの間」でエンディミオンの姿に変わり、クンツァイトと一騎打ちをしたほか、何かとこの場に出入りしている。
その衛が、ダーク・キングダム滞在中に黒木ミオと(たぶん)同棲していたのが「エンディミオンの間」である。ていうか「エンディミオンの部屋」。ここは三間続きではないかなと思う。最初に出てくるのが、Act.37の食堂らしき間である。暖炉がある。ここで衛は、黒木ミオとダーク・キングダム名産の鶏の脚を食う。これを見ていると私は、初めて名古屋に来たとき、世界に名だたる(と自称する)手羽先の店で歓迎会を開いてもらったことを思い出すのだが、どうでもいいですね。
そして真ん中が寝室。黒木ミオがよくゴロゴロしている天蓋付きのベッドがあり、壁にはエンディミオンの肖像画がかけられている。Act.44ではゾイサイト、Act.46では火野レイが、この部屋まで衛を訪問している。
手前はタイル敷きの窓際の部屋で、Act.42ではここでジェダイトが、衛の体内に「命を吸い取られる石」を埋め込む。ゾイサイトや火野レイの出入りの様子を見ると、この窓際の部屋に出入り口があるようだ。というわけで、ちょっとしたホテルのスイートルーム並みの内装である。

まあともかくこのように、ドラマで見る限り、ダーク・キングダムの建物は「洞窟」と「洋間」の二つで成り立っているらしい。極端な二者択一であるが、それらの部屋をつなぐ廊下というか回廊はどういう仕様であるかというと、四天王たちが洞窟のなかで言い争いをしている場面は非常に多いので、やはり洞窟が主なのだろう。ただしAct.30では、古い洋館の階段のような場所で、クンツァイトとジェダイトが言い争いをしていると、登り階段の上から、「クンツァイト、参れ」とベリルの呼ぶ声が聞こえてくる。階段をのぼってしばらく行くと、洋館風の廊下から洞窟になって、それからメタリアの間につながっていくのであろうか。
そのほか、Act.28でクンツァイトが、チェス盤を前に、ダーク・マーキュリーの呪いが解けた亜美とうさぎを追い詰めていたぶっている部屋は、あれはやはりクンツァイトのプライベートな個室ではないかとか、もう少し検討して、多少なりともダーク・キングダムの全体像に迫りたいのだが、いつもどおりイントロダクションでもたついて、気がつけばもう日曜の朝だ。休日なので私だって少しは寝たい。
というわけで「ダーク・キングダムの間取りを明らかにする」という当初の大それた計画からはほど遠い内容になってしまったが、できれば次回にもう少し続きをやります、ということで、いささか中途半端ではありますが今回はこれまで。ではまた。



【今週のおまけ/小松彩夏『眠れる夜の(以下略)』公演記念】
愛野美奈子のプライベート・ルームを見られる貴重な回といえばAct.15とAct.31だが、この2話、部屋のレイアウトはわりと統一されているくせに、ベッドだけは違っているのがよくわからないよね。



【さらにおまけ】
「M14の追憶」2010年6月15日の記事を読み、「はやぶさ」の偉業に感動して。