実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第227回】DVD第2巻:Act. 6の巻(その15)

1. 祭りの始まり



D.Sさんのブログで記事になったので、多くの方々が周知のこととは思うが、今度アニメ版セーラームーンのDVDがコンパクトなボックスに入って、廉価版で再発売される。それを記念して12月にアニメ版の声優が再集結するイベントがあるという。
廉価版って言ってもボックスである。定価は上下巻とも各12,000円だし、続く『R』『S』『SS』『スターズ』も揃えようと思ったら、けっこうな覚悟が必要だ。なけなしの財布をそっちのためにハタいていたら、実写版のブルーレイボックスが発売されることになった、なんて事態も、まったく考えられないわけではない。いろいろと悩ましい。
ともかく、アニメ版の周辺は最近にぎやかである。この9月からCSのアニメ専門チャンネル「アニマックス」で再放送が始まったときも、「セーラームーンが帰ってくる!」などという宣伝文句を打って三石琴乃を引っ張りだしたりして、どうもただの再放送にしては派手だなあと思っていたら、2011年がセーラームーン20周年で、それに向けて一連のイベントが企画されているという。CS再放送もDVDボックスのリイシューも、そして12月のイベントも、その流れの一環なんですと。
20周年か。武内直子先生の連載第1回が掲載されたのは『なかよし』1992年2月号だし、アニメ版の放送開始は1992年3月であるから、セーラームー元年は1992年、したがって「20周年」は2012年とするのがよりふさわしいと、個人的には思う。でもまあ、漫画雑誌の「2月号」は、前年の12月末には書店に並ぶ。だから、セーラームーンの連載第1回が『なかよし』読者の目に触れたのは、たしかに1991年の年末のことであった。それに、愛野美奈子だけはその半年前の1991年夏に、読み切り短編「コードネームはセーラーV」で『るんるん』にデビューしている。だから2011年が「20周年」でも、まあいいか。
と、ごちゃごちゃ書いてみたわけだが、しかしどっちみち今はまだ2009年だ。この段階から、すでにこれだけ騒いでいる理由がよくわからない。東映およびバンダイは何を考えているのか。
ひょっとするとこれって、たとえばまずアニメで盛り上がっておいて、それからセラミュ、実写版と、2年がかりで順次にリバイバルキャンペーンをしかけていく、という遠大なプロジェクトなのかな。それならそれで大歓迎だ。そして2011年には、アニメ版の声優とセラミュのキャストと実写版のキャストが一堂にそろい踏みする。もちろん北川景子は大人の事情で欠席だろうが。もしそういうことならば、この冬の仮面ライダー劇場版を皮切りに、向こう2年ぐらいは沢井美優をコンスタントに使い続けてくださるよう、東映には強く要望しておきたい。
しかし、D.Sさんのブログもけっこう熱いが、この人の盛り上がりぶりも尋常ではない。まったく、日本一のセーラームーンファンだよ。武道館ライブ成功おめでとう。
本題です。

2. キャッチボールの思い出



帰宅したら、マンションの郵便受けに「木野まこと様」と書かれた封筒が入っている。あのバスケ少年「タケルさん」からの手紙である。切手も貼っていなければ、住所も何も書いていない。結局この手紙は、冒頭でまこと恥をかかされた例の三人組のイタズラなんだが、しかしけっこう気持ち悪い連中ですね。簡単にやっつけられたことを根に持ち、こっそり後をつけてまことの名前と住所を突き止め、陰湿な復讐を企てたのである。
そうとは知らないまことは、まだ荷解きも済んでいない部屋で、ひとり物思いにふける。そんなまことを、窓の外からのぞき込んでいるのは、ルナだ。ルナは、おそらく第四の戦士に間違いないまことの様子を見に来たのだが、何かしら考え込んでいるようなまことの様子に「?」という感じである。

部屋の明かりが落としてあるので、夜中っぽく感じるが、ルナがのぞいている下に見える時計によれば、まだ午後7時半を回った程度だ。もしデートの誘いに応じるんだったら、今から明日のために、お菓子でも焼く時間くらいはあるってことですね。
注目すべきは、その時計の脇にグローブとボールが置いてあるところだ。まだ大部分の荷物が、段ボールに入れたまま積まれているのに、このグローブとボールだけ、特別な感じで置いてある。これってひょっとして、前の学校で失恋した先輩との思い出の品なのではないだろうか。
先輩は野球部のエースだったのだが、何かの拍子に肩か肘を痛めて、しばらく治療に専念する。まことは料理とかお菓子とかを作って先輩の元にかいがいしく通ったり、持ち前の運動神経で、治療を終えた先輩の、リハビリのためのキャッチボールの相手をする。それで先輩は無事に全快して、甲子出場の実績もある強豪高校に、みごとスポーツ推薦で合格する。だけど、そのお祝いに駆けつけたまことは、先輩のクラスメートの女子を紹介されちゃうのだ。「彼女と、お互い高校進学が決まったら付き合おう、って約束していたんだ。お前のおかげだよ」「おめでとうございます。先輩、そのグローブ、記念に貰っていいですか」なんてね。

そういうわけで、毎回の主題歌のオープニング映像でまことが笑顔でキャッチボールをしているのは、その、まことの楽しかった思い出の場面で、画面のこちら側にいるのは、実は片思いの先輩なのではないかと思う。安座間美優と付き合いたい人は、あの主題歌のシーンにあわせて、キャッチボールごっこをすると、恋人気分になれるし、Wiiスポーツみたいで、きっと楽しいと思うぞ。

馬鹿もほどほどにいたしまして、さてまことが読んでいる手紙の文面は右の通りである。
いつも彼らがバスケをしていた場所が「港公園」であることや、シーバンスがドラマのなかでは「駅前の噴水広場」と呼ばれていることなど、研究資料としては貴重だ。でも男からのラブレターというか、デートの誘いとしてはめちゃくちゃ怪しい内容で、こんな手紙に釣られてノコノコ出て行く女の子なんて、そうはいないと思う。それでもまことは、結局は行ってしまう。
ここのところの演出意図は、どうなのかな。(1)この時点でまことは妖魔の術に半分かかっていたので、常識的な判断力が麻痺していた。(2)別に妖魔の術にかかっていなくても、こういう問題になると、まことは自分が分からなくなって、あり得ないリアクションをしてしまう。
このAct.6のお話の中だけで考えれば、(1)の方が正解っぽい。この回の最後の方でマーズが「最初に分からなかったのは、妖魔の術に半分かかかっていたせいね。でも、もう男に惑わされるのも終わりよ」と言っているからね。
もっともこのセリフは、まことが戦士であることを一発で正確に見抜けなかったマーズの負け惜しみ、という可能性もあると私は思っている。その場合は(2)の解釈だ。この時まことは、妖魔の術とは関係なく、前の学校の先輩に似ていたタケルに、ただ単にポーッなっちゃっただけである。そしてこのAct.6で、まことは、恋が絡むと自分がどんだけ愚か者になってしまうかを、身に染みて思い知り、しかもレイの「もう男に惑わされるのも終わりよ」というセリフを聞いて、そうだ、そういう愚かさを乗り越えるためにこそ、自分はセーラー戦士になったんだ、と強く自覚する。そういうふうに考えれば、Act.31以降の展開で、まことが古幡元喜の思いを不自然なくらい意固地に拒絶した理由も分かりやすい。
そういうわけで、どっちで考えてもいいと私は思う。

3. おいしいレシピ



しばらく物思いに沈んでいたまことだが、「柄じゃないって」と自嘲的につぶやきながら、台所に立つ。

  • 「昭和SHOWA 北海道小麦粉」950g(昭和産業)
  • 「明治おいしい牛乳」500ml(明治乳業)
  • バニラエッセンス(共立食品?)
  • 板チョコ(銘柄不明)
  • バター(銘柄不明)
  • 卵3個

バニラエッセンスは共立食品っぽいが、ちょっと違うかもな。まあいいや。その他、ボールと泡立て器、ゴムへら、麺棒、粉ふるい、型抜き、なんてあたりがならんでいて、これはたぶんクッキーでしょうね。前の学校の先輩が好きだったチョコレート入りクッキーなんっって、卵を割ってカチャカチャかき混ぜる音がしている。それもいいけど、まずはバターをよく練ったら、なんて思っていると画面は暗転。ここまでが2003年11月7日(金)の出来事である。


そして明くる日11月8日(土)の早朝、港公園のバスケットボールコートには、妖魔が乗り移ったタケルのもとに、すっかり術にかかった追っかけ少女たちがふらふらと集まってくるのであった。

ちょっと怖い。




さて、悪いけど明日、家族には仕事と偽って岡山まで鬼退治に行くので、突然ですが今日はこのくらいで。

それから来週の今ごろは、本物の仕事で海外にいるので、一回お休みをいただく予定です。


じゃ。


5年後のレイとパパ。再び嵐の予感。


5年後のうさぎとパパ。いつでもパパ。