実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第162回】Special Actの巻(24)

1.「セーラームーンがデビュー作で本当に良かったと思う」(北川景子)


先日、通勤電車で、『週刊現代』8月16日号の吊り広告「蛯原友里『Cancam』降板決定 これからどうする?」という見出しが目にとまった。正式発表はされていないが「契約が切れるのは今年の10月いっぱいで、エビちゃんの姿を同誌で見られるのは同月発売の12月号で最後になります」なんだって。以下ネットで拾った同誌の記事。

なぜ同誌を去ることになったのか。内情を知るスタイリストが声を潜めて打ち明ける。「ひとつは年齢の問題。『CanCam』の読者層は20代前半ですが、エビちゃんはこの秋には29歳になってしまう。読者とのギャップが大きくなってしまったんです。エビちゃん自身も『年齢的にもうキツイ』とこぼしていましたよ。もうひとつの理由は、彼女の人気に翳りが見え始めたこと。ここ数ヶ月というもの、『CanCam』は全盛期に比べて30万部近くも売り上げが落ちており、今年の7月号は浴衣のエビちゃんという、同誌にとっては“鉄板”の表紙で望んだにもかかわらず、実売部数はライバル誌の『ViVi』に約3万部の差をつけられて負けてしまった。これに慌てた編集部は紙面の刷新を考えているんです」

あのさあ「実売部数はライバル誌の『ViVi』に約3万部の差をつけられて負けてしまった」なんてちゃっかり書いて、この『週刊現代』ってその『ViVi』と同じ講談社ではないか。「エビちゃん年内で卒業」自体はあり得ない話でもないだろうが、それにかこつけて他社(小学館)のライバル誌のイメージダウンを狙うのはいかがなものかと思うぞ。昨年の「エビちゃん『CanCam』の表紙から外された!賞味期限切れの大ピンチ!?」(2007年8月18日・25日号)もそうだ。
さて安座間さんも、今後モデルとしての地位が向上すればするほど、こういったかたちで、心ない記事を書かれるようになってしまうのではないか。今のうちにその傾向と対策を立てなければならない。それにしても、北川さんがどれほど週刊誌に書かれても大して気にならない、つまり「こんなもんじゃダイヤモンドは傷つかないよ」と思うのに、安座間さんだと想像しただけで心配になりますね。
なんてところから話を始めて、今回の記事のマクラにするつもりだったんだが、なんだかもう、どうでもいいや。そうだよねみなさんも。もう何もかも、どうでもいいや。すべてがぶっ飛んじゃった。

小松さんの誕生パーティーに戦士5人が集結した。これだけなら恒例の行事であるが、今回は写真つきなのだ。正式にモデル活動を再開した泉里香のバックアップという意味もあるのだろうか。正直なところ、いつかはこんな日が来て欲しいとは思いながら、内心では半信半疑であった。いまも狐につままれたような気分である。もと戦士のみなさんのブログから写真をとってきて貼り付けるということは、これまでしたこともないし今後も滅多にしないと思うが、まあ今回は特別だ。彼女たちのブログもいつまた閉鎖されたり、過去ログが消されたりするか分からないので、ここに残しておきます。
それと重なって、河辺千恵子さん入籍のニュースも飛び込んだ。河辺さんはまだ21歳。相手のおちまさとさんが42歳。なんか、娘が「会ってもらいたい人がいるの」と言って連れてきた人が、自分と同年配だったという感じではある。でもまあ、河辺さんがこよなく憧れる安室奈美恵さんだって20歳で結婚しているし、これまでお二人が雑誌の記事などにあれこれ書かれてきた経緯を思うと、正式に配偶者となってよかったと思う。昨年の原史奈さんと同様、できちゃった婚ではないところにも好感が持てます。おめでとうございます。

ただ、おちまさとさんのブログには「タレントでモデルで加圧トレーナーの河辺千恵子さんと今日入籍しました」とある。「加圧トレーナー」か。それもいいが、これを機会に、妻を「歌手」として再デビューさせてやってくれんか、おちまさと。よろしく頼む。
と、ビッグなニュースがあったので、ちょっと前置きが長くなってしまったが、本題に入ります。

2. 美奈子の花道


さてこちら『Special Act』も、もうすぐ結婚式で大団円だ。河辺さんは21歳だが、こちらのうさぎちゃんは高校を卒業たばかりで、つまり18歳で地場衛と結婚するのである。
レビューはどこまで行ったかな。黒木ミオは植物の化け物に変身して、巨大なハサミでうさぎに襲いかかる。だが伝説の聖剣が一閃し、ハサミはばっさり切り落とされる。聖剣をかまえ、うさぎの前に立つのは美奈子だ。両脇には亜美とまこともいる。が、レイは月9ドラマに映画と多忙のため欠場だ。
この聖剣は、原作では打倒ダーク・キングダムの最終兵器として登場した。使い手はやはりヴィーナスで、ヴィーナスはこれでクイン・ベリルを一刀両断に倒した。しかしメタリアを倒すことはかなわず、運命の悲劇で、セーラームーンはこの剣で、ダーク化したエンディミオンを貫かなければならなくなる。
で、今回も、巨大化した黒木ミオを倒すためにこの剣が用いられるのか、と思ったら、そうではななかった。ミオのハサミを切り捨てた美奈子が「みんな、今日だけの変身よ」と聖剣を高く振りかざすと、聖剣は光とともに散って、それぞれの戦士の変身アイテムにかたちを変えるのだ。なあんだ。それだけですか。武器としては使わないのね。
さて、うさぎがペンダントに手をあて「行くよ」と言うと、みんなはうなずき、そろって変身する。ここからは、ぼーっと観ていると、あっという間に結着がついてしまうので、瞬きする間も惜しんで、最後の変身と最後の戦いを見守らなくてはいけない。まずは変身シーンだ。
そもそも戦士の変身バンクをフルで流すとどのくらい時間がかかるのか。これについては『M14の追憶』の計測結果があるので(ここ)そのまま写させていただきます。

セーラームーン     29秒
セーラーマーズ     29秒
セーラーマーキュリー  26秒
セーラージュピター   27秒
セーラーヴィーナス   32秒
セーラールナ      32秒

この記事のテーマは「セーラーヴィーナスの変身時間は本当に長いのか?」というものであった。モデル歩きとか新体操の毛染めとか、手の込んだ演出があるので、ヴィーナスの変身はすごく長いような気がするが、正味の秒数でいうと、わずか数秒の差ということだ。ただし、昨年(2007年)の小松彩夏誕生日イベント「小松彩夏学校」のバスのなかで出た筆記試験では、ヴィーナスの変身所要時間の正解は「38秒」だったという。これは「ヴィーナス・パワー」のかけ声がかかる時点からのタイムだ。一方、上のM14さんの計測は、変身アイテムが光ってからの正味の変身時間です。しかし小松彩夏ファンのみなさんって、筆記試験とか運動会とか、毎年たいへんですね。
で、この『Special Act』の変身だ。私のノートパソコンのビューワーで言うと、『Special Act』全編のランタイムは1時間25秒、うさぎが三人に「行くよ」と言って「ムーン・プリズムパワー」と叫ぶのが48分18秒時点だ。

うさぎ「ムーン・プリズムパワー」
亜 美「マーキュリー・パワー」
まこと「ジュピター・パワー」
美奈子「ミーナス・パワー」
一 同「メイク・アップ!」

と全員が並んでポーズを取るまでの所要時間が10秒で、この時点で48分28秒。続く4人の変身バンクにはトータル1分弱が与えられているが、その内訳は次の通りである。

48分28秒〜48分42秒:セーラームーン変身(約14秒)
48分42秒〜48分54秒:セーラーマーキュリー変身(約12秒)
48分55秒〜49分06秒:セーラージュピター変身(約11秒)
49分06秒〜49分26秒:セーラーヴィーナス変身(約20秒)

ね、ここでははっきりと、ヴィーナスの変身に、最も時間が割かれている。亜美やまことの2倍近くであり、主役のうさぎと較べても5秒以上の差がある。何度か述べてきたが、こういう点からも、この『Special Act』が、Final Actの前に死んでしまった美奈子に、できるだけ花を持たせるよう配慮して作られた作品であることが分かると思う。

3. 対決時間は正味20秒


というわけで、最後の名乗りだ。

セーラームーン「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラームーン」
マーキュリー「水と知性の戦士、セーラーマーキュリー」
ジュピター「雷と勇気の戦士、セーラージュピター」
ヴィーナス「愛と美の戦士、セーラーミーナス」
 一 同「月にかわって、おしおきよ(だ)」

ポーズを決めたところで、地球をバックにした新撮の合成カット、さらに角度を変えてのズームが3カット繰り返されて、名乗りをあげるだけで正味28秒。かっこよく決めた戦士たちに「むかつく〜」といらつくミオに向かって、戦闘開始である。
セーラームーンはいつものムーンスティックだが、ほかの三人は特別な武器を持っている。Final Actで、プリンセス・ムーンの暴走を止めようとした戦士たちが「私に力を」と言ったとき、セーラースタータンバリンが変形した、あれだ。あのときはマーズがヴィーナスの分も含めて二本の短剣を持っていたが、今回はその代わりにヴィーナスが同じ二本の短剣を武器にする。ジュピターが大振りのヤリ、マーキュリーも、華奢な腕には少々不釣り合いな大型のダンビラ、という、いずれもFinal Act仕様である。
が、まあしかし、せっかくの武器も、あまり有効には活用されない。これで黒木ミオモンスターに斬りかかることもなく、ただ、ミオが口(花弁)から飛ばしてくる吹き矢のような毒針のような攻撃をはねのけるためだけに用いられる。そもそも戦闘シーンが短くて、武器なんか使っているヒマはないのだ。短いもなにも、実質的に戦っているシーンって、本当に少ないのだ。戦闘開始から、黒木ミオがドロドロに溶けるまでが1分強、というかだいたい70秒。これだけでも短いのに、その内訳はこうだ。

(1)デジタル合成の巨大なミオの化け物と戦う戦士たちのロングショット(約7秒)
(2)ミオが花弁から飛ばしてくる針をはねのける戦士たち(約12秒)
(3)セーラープラネットアタックのフォーメーション(約25秒)
(4)セーラープラネットアタックを受けて溶解するミオ(約25秒)

要するに70秒のうち、後半50秒は、セーラームーンの「みんな!」という呼びかけに応じて戦士が集結し、背中合わせに立って手のひらをくるりんと回す準備運動をして「セーラー・プラネット・アターック!」……という展開に費やされているのです。だからちゃんと戦っていると言えるのは前半20秒程度。加えて、そのうちCGのミオの怪物と戦っているロングショット、およびミオの目線でセーラー戦士を見下ろすショットの戦士たちは、明らかにスタントであるから、結局、沢井美優と梨華と安座間美優と小松彩夏がセーラー戦士として戦うシーンは、4人合わせて正味10秒強というところだ。
テレビシリーズ後半では、戦闘シーンも極力、本人たちが頑張って、体当たりで演じていた。そういう頑張りを知っているだけに、我々にとって、これは確かに物足りない。とはいえ、何度も何度もビデオを再生していると、まあこんなもんでいいんじゃないかという気もしてくる。このお話のテーマはあくまでうさぎと衛の結婚で、だから最後の結婚式を丁寧に描くために、ラストバトルをこの程度に抑えておくんだったら、それはそれでいいじゃないか、なんてね。
ところで、このスタントによる戦闘シーンを観ていて、なぜか思い出したのが、うちの娘が熱心に観ていた『ごくせん』である。『ごくせん』のクライマックスでは、たいていヤンクミ(仲間由紀恵)が大暴れするのだけれど、戦いを始める前に、なぜか必ず儀式のように、それまでくくっていた髪を解く。
そうすると仲間由紀恵のきれいなロングヘアーがふわっと広がる、というビジュアル的な効果は分かるのだが、でも戦うときにわざわざ髪の毛を下ろしては邪魔だろう。どうしてそんなことをするのか、にぶい私は、最初は意味が分からなかった。
でもバトルのシーンを観ていて「なあんだ」と思った。悪い奴をばったばったと倒すヤンクミの姿は、大抵やや逆光気味のロングで撮られている。それが髪を振り乱しているので、顔が見えにくい。つまり、髪をくくったままだと仲間由紀恵でないことが簡単に分かってしまうので、戦闘前には必ず髪を下ろさせているんだね。しかしそれでもアップ以外のカットでは、戦っているのが仲間由紀恵本人ではないことはけっこうバレバレである。
そういうのに較べると、セーラー戦士たちは便利だ。金髪とか青とか、インパクトのあるカツラとインパクトのあるコスチュームでひらひら戦っているので、多少体型が違っていて「違う人じゃん」と思っても、「いやいやそれは錯覚だ」と脳内補完しやすいような気がする。違いますかね。

4. さて次回は


セーラープラネットアタック(マーズ抜き)一発で、悲鳴とともにドロドロに溶けていくミオ。後にはぽつんと、チャッピーのぬいぐるみが夕陽を浴びて取り残される。風船に吸い取られていた人々のエナジーは解放され、「ピエロの王国」の新生ダーク・キングダムは消滅する。そして戦士たちはもとの姿に戻る。
気がつけばあたりは夕暮れから真っ暗な夜になっている。突然夜が来るのは、実写版のお約束である。それぞれの変身アイテムは、輝きながら消え去っていく。

うさぎ「これでよかったんだよね」

静かに頷く美奈子。このセリフをつぶやくうさぎの心境は、正直なところよくは分からない。自分たちはもう、二度と再びセーラー戦士に変身することはないだろう。そのラストチャンスを、ここで使ってしまって「これでよかったんだよね」と、戦士だった自分への別れを惜しみながら噛みしめてるのか。あるいは、かつて何度もミオを信じて、友達になろうと努力したけれども、どうしても無理で、今回はとうとう、自分の力でミオを滅ぼしてしまった。こういうケリのつけかたで「これでよかったんだよね」と、ミオへの哀悼の意を込めていっているのであろうか。なにしろうさぎは、底抜けに善意の人だからね。
でもまあ、そんな憂いも束の間のことで、さあ、いよいよ衛との結婚だ。でも現時点では結婚式の予定は無期延期である。どうする?
で、まことが出てくるんだけど、すいません今日はこれまで。
しかしいよいよ、このレビューも次回で最終回を迎えそうだ。一時期は、このまま永遠に終わらないんじゃないか、とさえ思ったが、継続は力なり。次回『Special Act』』レビュー最終回でございます。