実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第161回】Special Actの巻(23)


日本でも有数の濃ゆい街(いろいろな意味で)名古屋では、ただいま「世界コスプレサミット2008」開催中である。たとえばこんなドイツ代表のみなさんが、昨日あたり大須をパレードしていたようである。グーテンターグ、ようこそ名古屋へ。

 

さて、先週ヤンサンの話題を書いたばかりなのに、今度は、これまた小松彩夏グラビア活動の重要な拠点である集英社の『プレイボーイ』誌が休刊と新聞に出ていて、「えーっ!」と驚いてよく読んだら、週刊の方ではなく、『月刊PLAYBOY』つまりいわゆる『PLAYBOY日本語版』のことだった。創刊した1975年には90万部を記録したこともあったが、最近は5万5千部程度の売れ行きで、2009年1月号の発売をもって(つまり事実上、今年いっぱいで)終了ということだ。『週刊プレイボーイ』の方は現在の発行部数36万で、とりあえず、急にどうにかなるということもなさそう。やれやれである。『PLAYBOY日本語版』といえば、私も20代のころ、島地勝彦が編集長になったあたりまで、よく買っていたっけな。
にしてもグラビア雑誌はここのところ、なべて売れ行きが悪い。どうしてかというと、インターネットの普及によるところが大きいそうです。みなさんも、どこぞの画像板でStreamKatoさんやみゅ〜んさん等々から「頂き物」ばかりしないで、雑誌も買おうね、ってそれは私のことか。反省します。

1. 矛盾


本題の『Special Act』レビューに戻る。2週も休んでしまいましたね。どこまで行ったんだっけ。
地球を守るイケメンズVSピエロ妖魔の林の中のバトル。あらかた片づいたところで、エンディミオンの前に妖魔(金角)(銀角)あるいは妖魔(ソード)(シールド)が立ちふさがる。『仮面ライダー555』のどこかに紛れ込んでいそうなデザインの奴らですね。大将同士の決戦だ。
二人の妖魔は「この林では存分に戦えん、お前ちょっとツラ貸せや」的な仕草を見せる。いや本当は、たんに「来いや」ぐらいの意思表示かも知れない。ともかく戦いの場は小山ゆうえんちへと移るのであった。
二体の妖魔は二人羽織状態でエンディミオンに迫る。かれらはそれぞれ防御専門と攻撃専門の、二体でひとつの妖魔なのである。エンディミオンが剣をふりかざすと、銀角(シールド)が前に出てこれを正面から受ける。びくともしない。そこですかさず身体を入れ替え、こんどは金角がその攻撃力にものを言わせて、エンディミオンに殴る蹴るの暴行を加えるのだ。で、エンディミオンが反撃に転じようとすると、またくるりと入れ替わって、鉄壁の防御を誇る銀角が太刀を受けるという具合だ。二体の動きはピッタリ息が合っていて、エンディミオンは次第に追い詰められていく。ようやく四天王が駆けつけたとき、強力な回し蹴りをくらって倒れたその頬には、一筋の傷跡が。
ここで四天王が加勢に入ると思いきや、「マスター!」と叫ぶクンツァイトを、エンディミオンは「手を出すな!」と制する。この妖魔は、俺がマスターとしての名誉にかけて倒してみせる。お前らは手を出すな。
が、めまぐるしく入れ替わる二体に幻惑され、気がつけばエンディミオンは、シールドに背後から羽交い締めにされてしまっていた。動きを封じたところで、ソードが正面から力いっぱい突きを見舞おうとする。絶体絶命。が、その瞬間、エンディミオンの脳裏に、こんなエピソードがひらめいたのであった。

楚人有鬻楯與矛者、譽之曰「吾楯之堅、莫能陷也」、又譽其矛曰「吾矛之利、於物無不陷也」。 或曰「以子之矛、陷子之楯何如」。其人弗能應也。
楚の国の人で、楯と矛を売る者がいた。 その(楯を)誉めて「うちの楯はとても硬い、これを貫けるものなど、まずないね」と言い、また矛を誉めて「うちの矛はとても鋭い、これで貫けないものなどないね」と言った。するとある者が「あなたの矛であなたの盾を突いたら、どうなりますか?」と尋ねた。その人は答えることができなかった。(『韓非子』難一篇)

「あなたの矛であなたの盾を突いたら、どうなりますか?」これだ!ソードにシールドを攻撃させればいいではないか。
一瞬のタイミングを見計らって、羽交い締め状態のエンディミオンは身をかわす。ソードの渾身の突きはまともにシールドの胸板に突き刺さる。最強の矛で最強の楯を突くと、矛が楯を貫くのであった。すかさず背後を取ったエンディミオンは、楯を失ったソードを一刀両断に切り捨てる。クンツァイトも思わず「お見事」と讃えるエンディミオンの頭脳プレーだ。って私、いつの間にか、金角・銀角ではなくてソード・シールドという呼び名に変えてしまっていますが。

2. 四天王・戦いのポリシー


Act.5で、ポヨン妖魔のすばやい瞬間移動に苦しんだマーキュリーは、とっさに目を閉じて、気配だけで妖魔の所在を察知する。Act.7のセーラームーンは、冒頭の戦いで、納豆妖魔が代わり身の術をやることを学習し、後半のバトルでは、その知識を応用してジュピターをフォローする。初めの頃は、戦士たちがそんなふうに機転を利かせて戦いに勝利するパターンが、けっこう多かったような気がする。ソードとシールドの相打ちを狙ったこのエンディミオンの作戦は、そういう初期エピソードを連想させる。
でもセーラー戦士の戦いはそのころから常に、「知恵」や「機転」より「友情」や「チームワーク」重視で描かれていた。Act.4のサボテン・ブラザーズ妖魔は何度でもよみがえるが、三体同時に倒せば二度と復活しない。けれどもドラマが描こうとしたのは、そういう敵の弱点に気づいて同時攻撃を思いつく戦士たちの「知恵」や、『セ・ラ・ヴィ』のメロディで同時攻撃のタイミングをはかる「機転」よりも、むしろ、三人の心がひとつになってこそ、サボテンを倒せるのだという「友情」や「チームワーク」であった。それはこの『Special Act』まで一貫していて、なにしろ伝説の聖剣は、みんなの心がひとつにならないと台座から抜けないのである。
一方、エンディミオンと四天王は、そういう「みんなで協力して」というか「こころをひとつに合わせて」セーラープラネットアタック、というような技を持たない。て言うか、テレビシリーズでは、そもそも四天王とマスターは、行動も思いも、最後に死ぬ間際までバラバラだったし、四人が共闘する場面なんてぜんぜんなかった。
まあ、この美形のメンバーでそういうことを描こうとすると、どうしても男同士で「さあみんな、気持をひとつにするのよ!」みたいな、ちょっと濃ゆい空気が漂ってしまいそうだ。そういう、耽美な雰囲気にならずに、こざっぱりと男の友情と連帯を描こうと思ったら、『仮面ライダー電王』のタロス達のようなキャラクター設定がベストかも知れませんね。
ともかく四天王は、セーラー戦士たちのように、互いにかばい合い、協力し合う、というよりは、日ごろから切磋琢磨し、腕を競い合う仲なのである。たとえばセーラー戦士たちは、仲間うち同士での練習試合のようなことはやらないが、エンディミオンとクンツァイトは、前世の回想シーンで剣の稽古をしている。
エンディミオンが四天王から「マスター」として認められ、信頼を得るためには、単独でも腕が立つことを、常にどこかできっちり見せつけておかなければならない。だからこそ加勢に入ろうとしたクンツァイトに対して「手を出すな!」と牽制し、自分の知力と剣の技術のみで二体の妖魔を始末して見せたのであろう。要するに「お互いに信頼し合い、協力し合ってこそ一人一人が強くなれる」というポリシーのセーラー戦士に対して、四天王は「一人一人が単独で強くあるからこそ信頼し、連帯できる」というスタンスだ。
Act.8でまこととレイが初めて激しく対立するシーンは、みなさん憶えているだろう。

まこと「助け合って強くなるんだよ!!」
レ イ「一人一人が強くなるべきよ!!」

セーラー戦士的には、まことの意見が正しい。レイの考え方は、間違いと言うよりむしろ四天王的なのだ。レイはこれを前世で四天王から学んだのかも知れない。

3. 黒木ミオが本音を吐く


まあしかし、個人主義よりも信頼と協力こそが真の力を生む、というのは子供番組の普遍的テーマだ。だからマスターが個人技で勝利を収めて、これだけで話が片づくわけにはいかない。ジェダイトは「やったー」と喜び、「もう終わりか、手応えのない」などと余裕こいているネフライトの膝カックンをしてじゃれ合っているが、まだもう一人、でっかい敵が残っている。

クンツァイト「油断するな、まだ戦いは終わっていない」
ゾイサイト「来る!」

いきなりボンボンとナパームが投入されて、一気にぶっとぶ四天王とエンディミオン。そういえばこの男達は、うさぎとくらべて火薬経験が非常に浅いのだ。セーラー戦士の登場を盛り上げるためとは言え、このやられっぷりは情けないぞ。
あたりに炎が拡がり、その向こうから、チャッピイを小脇に抱えて黒木ミオが登場。BGMはこの『Special Act』だけのミオのテーマ曲である。
「衛君、残念だけどここまでだよ」指をパチンと鳴らすと、その姿はみるみる巨大な怪物に変身する。これは妖魔なのであろうか。全体的には何だかよく分からない異形の生命体だが、花というか植物をモチーフとしていることは一目瞭然である。顔にあたる花弁の部分と、背中に二本、翼のように生えている葉が金属質で、腕の部分にもメタリックな、バルタン星人のようなハサミがあって、ここからナパーム弾を発射する。それから下半身に、ドクドク鼓動する心臓部のようなものがあって、それを取り囲むようにこからみついているツタが、全身を支える足であり手であり、鞭のようにしなやかに伸びてエンディミオンを捕まえる触手でもある。いや「触手」って言葉は、無駄にアクセスが増えるし、あまり使いたくないのだが、だからといって伏せ字にするのも癪な気がして。
Act.1の渡辺典子に取り憑くドゴラとか、Act.2のハニワの従者の犬とか、最初の頃はCGの妖魔もいたが、あとはめっきり出なくなってしまったし、ルナやアルテミスのCGシーンも激減した。ひさしぶりのCG製の怪物で、しかもでっかくて強い。エンディミオンは触手に絡めとられるが、ゾイサイトの必死の剣でなんとか脱出。しかしそこまでだ「バイバイ衛くん……シャア!」巨大なハサミがエンディミオンに襲いかかる。しかしこの化け物、ちょっと甘ったれたようなミオの声に合わせて、花弁の部分がくねくね開いたり閉じたりするのが、妙にインビである。
がそのとき「待ちなさい!」。もちろんうさぎだ。実写版全編を通じて最後の「待ちなさい」。

うさぎ「衛から離れて」
ミ オ「うさぎちゃん、変身も出来ないのにひとりでどうするつもり」
マスター「うさぎ、逃げろ!」
ミ オ「うさぎちゃん、あなただけ幸せになんかさせないんだから」

ついにミオが本性を現す。ダーク・キングダム再生も世界征服も本当の目的ではない。すべては、ただうさぎの幸せを邪魔したいがためなのだ。
もともと黒木ミオは、ベリルの「影」だった。だから、ベリルが愛するエンディミオンの心を独り占めするプリンセスに、激しく嫉妬していたのだ。でもベリル自身のエンディミオンを愛する気持ちには、偽りはなかった。だから、自ら命じて、衛の体内に「命を吸い取られる石」を埋め込ませてからも、深く悩んでいたのである。
それに対して黒木ミオは、プリンセスに対する嫉妬の念だけが、純粋培養されたような存在だ。だからプリンセスを苦しめるためなら手段を選ばない、エンディミオンの命も惜しくないと考えている。これはテレビシリーズの頃からそうだった。そして、ここでも、エンディミオンの命を奪うことに、まったくためらいはないのだが、それにしても、変身も出来ないくせに、まるで怖れないかのように、平然と自分に立ち向かっているうさぎが、もう癪で癪でしょうがない。一気に虫けらのようにひねり潰しちゃうんだから。
が、うさぎをつかもうと伸ばしたハサミは、つぎの瞬間、ばっさり根本から切り落とされる。思わず後退するミオ。
そこにいるのは、伝説の聖剣を構える美奈子、亜美、そしてまこと。まことはまだ頬が泥で汚れている。舞原監督もいいかげんしつこい。いや、偉い。みんな間に合った。いよいよ最終決戦だ。

4. 最後の変身


うさぎを護衛するように、正面に美奈子、こちらから向かって右が亜美、左がまことという配置で、みんなはキリリとミオをにらみつけている。こうして見ていると、美奈子だけはリアルに「あれから4年後」と言っても通用しそうな気がする。本当は4年間の間に、また胸が大きくなったみたいではあるのだが、小松さんの美貌はこの時点で完成されていて、基本的な仕様に変化はないと思います。一方、亜美とまことは、現実はこんなもんじゃないですね。
それにしても、この正月に『Special Act』レビューを始めた時点では(正月からやってるんですよコレ)まさか今年、浜千咲の現在を知ることができるようになるとは思ってもみなかった。本当にありがたいことである。それはともかく、「浜千咲」から「梨華」、そして「泉里果」を経て新たに「泉里香」となった彼女は、実写版の戦士のみなさまのなかで最年少だったこともあって(ルナ除く)身長もだいぶ伸びたみたいだし、やはり変化が著しい。今後この『Special Act』を鑑賞するにあたっては、「梨華」が亜美を演じているシーンを、現実の「泉里香」に脳内変換するのも一興であろう。そうだ、【第151回】で詳しく検証した亜美の免許証の写真も、リアルな2008年の泉里香バージョンに張り替えてみようっと。

てなわけで今月の泉里香さん、8月23日発売の『RAY』10月号に登場だそうである。
安座間美優そして安座間美優さん。足が長い、スタイルがよくてプロポーションもすばらしい、などの基本属性は変わらないし、特に『Special Act』の彼女の着こなしは、ラフなりにテレビのレギュラーシリーズよりもオシャレなのではあるが、まあしかし、人気モデルになった現在の洗練のされ具合と比較すれば雲泥の差というか、違うよねえ。現時点での安座間美優をこのシーンに当てはめると、ほっぺたを泥で汚すのは恐れ多いという気持になってしまいます。ところでこの画像は何かというと、D.Sさんのところから勝手に持ってきたんだけど、実は私には意味がよく分かりません。くわしくはこの記事とか読んでください。
安座間さんは、以前いっしょに神戸でイベントをやったメリージェーンさんと、サンヨーの携帯電話のCMが決まったみたいですね。『M14の追憶』に書いてあった。情報源はStreamKatoさん。
StreamKatoさんは、安座間美優関係の情報をM14さんのところに落っことして、私のところには、以前から『JOHNEN 定の愛』とか、杉本彩様関係の情報を落っことしていってくださる。ある意味たしかな人選とも言えるが、今回は「ハリウッドキス」だって。
それからうさぎちゃん。現在の沢井さんは、ある時にはうさぎちゃんのままに見えたり、ものすごく大人っぽく見えたり、なんか印象がくるくる変わって、今は過渡期なのかなあという気がします。しつこく言うがsakuraさんの言うとおり前髪はあった方がいいと思うので『レスキューフォース』はその意味でちょっと、私的には減点でした。でもとにかく観られりゃいいという気持も、もちろんある。


今回は「セーラー戦士、ついに最後の変身」まで行くつもりだったんだが、なんかちびちび酒を飲みながら書いていたら、明け方にさしかかり話が脱線し始めたので、この辺でストップしておきます。でわまた来週。