実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第147回】オークション騒動の巻


昨日の『M14の追憶』で、私がなぜかオークションで入札取り消しの処分を受けたことを話題にしてもらった。その事情が分かったので、コメント欄に書き込もうと思って、ちょこちょこ昼休みに書き始めたわけさ。そしたら、それがずーっと長くなって、えらいことになってしまった。
私は職場でいったい何をやっているのか。周囲のみなさんは、明日あたりには提出しなきゃならない書類(しかも英文)を、私が頑張って作成していると思って、「お疲れさまです」とか言って帰っていった。そうだこれから書類を書かなきゃ。えーっ。

 

というわけで、コメント用に書いた文章の前後にさらに書き足しをして、自分のブログに上げることにしました。なぜか先週から、週2回更新が続いているが、これが定例化するわけではないですので。

 

で、『M14の追憶』と重複するけど、とりあえず最初から説明しておくと、つまり先日、実写版Act.1からAct.10までの10冊の撮影台本がYahoo!オークションに出品されたわけです。これら初期のエピソードは、どれもわりとよく話がまとまっていて、台本を確認しなければ分からないような伏線の謎や演出の問題点は、さほど見当らない。つまり研究対象としての興味は薄い。
もちろん、できるなら名作Act.2、Act.5、Act.8といったあたりの台本を手にしてみたいとは思う。それにセーラーマーズ登場篇となるAct.3とAct.4は、まだ試行錯誤中だった高丸監督の演出と、まだ発展途上のその出発点についたばかりだった北川さんの芝居のせいで、おそらく脚本の意図を表現し切れていないんじゃないかと推測される部分が、そこかしこに見受けられる。手を出すならこのどちらかのセットだ。
様子をうかがっていたら、やはり、というか、M14さんがAct.2、Act.5、Act.8に入札されたので、私は後者、Act.3とAct.4に参加することにした。こっちよ!さんが何話に参加されたかは不明。
ただ、前回の日記に書いたとおり、私は週末に体調を崩してしまったもんだから、やたらと眠くなる風邪薬を飲んで、オークション最終日であった一昨日の日曜日も、ずっと夢うつつだったんですね。終了2時間前くらいに、自分でつけたぎりぎりの値段で自動入札して、それからまた寝てしまって、終了するちょっと前に目覚めて、慌てて状況を確認したら、私の入札は取り消されていた。え〜っと思っているうちに締切り時間が来てオークション終了。ガシュン!なんでぇ〜。
で、ひょっとして何か書いてあるかと、Yahooページの、出品者の方の自己紹介欄をのぞいてみたら、書いてあった。

「申し訳ありませんが新規の方の入札はお断りしています。どうしても入札希望でしたらその旨お知らせ頂き住所氏名を公表しませんので質問欄よりご連絡してくだされば入札可能です」

私は以前も実写版台本のオークションに参加したことがあるが、その時も落札できなかったので、まだ実際の取引をした経験はない。実績ゼロ。つまり新規の入札者なのである。だから駄目だ、そういうことだ。この方は過去にトラブルでもあって、新参者の入札を原則禁止にされたのかも知れませんね。ともかく、この注意事項をちゃんと確認して、連絡してお願いしておけば、落札できた可能性は十分にあったのだ。出品者の方に非はなく(当たり前だ)、私の痛恨のミスである。しかし残念だなあ。
というわけでAct.3とAct.4の台本比較は幻に終わった。Act.4が色々と興味深い回であることは、先述の『M14の追憶』にも指摘されているとおりである。もう一度リンクを貼っておく。ここ
またAct.3に関しても興味は尽きない。このブログの【第97回】でも書いたが、「レイちゃん、隠れてて」と言うわりに、隠れるヒマも与えずうさぎがすぐ変身しちゃうのは、明らかにタイミングが早すぎて演出ミスのように思うし、プロペラ妖魔がもともとの台本ではどう描かれているか、という問題もある。それから原作やアニメでは火野レイの家来だった二羽のカラス、フォボスとデイモスは台本で指定されていたのか、とかね。ぜひ確認してみたかった。今度Act.3とAct.4を入手する機会があったら、頑張るぞ。大家さんも「次回は名古屋支部が10万円の指し値を入れてくれることを希望する」なんて励ましてくださっている。10万円かよ。

 

まあしかし、済んじゃった話はしょうがない。M14さんは、結果的にAct.8を落札された。とにかくそのことを喜ぼう。最初に「初期のエピソードは研究対象としての興味は薄い」なんて書いたけど、やはりAct.8にも色々と知りたい問題点はあるのだ。それを以下に、思いつくまま列挙してみる。お忙しい大家さんがスキャンとか比較検証とか、厄介な作業をサクサクと進めて、Act.8の台本比較を一刻も早く公開してくれるよう、プレッシャーをかけるわけだ。では始めます。

 

(1)Act.8は、愛野美奈子のイメージキャラクター「ナコナコ」のなりきり仮装コンテストが行なわれることになった、という話題から始まる。特別審査員として、美奈子その人が会場にやって来るのである。大ファンのうさぎはもちろん参加して、ナマ美奈子に会って、優勝グッズをゲットしたい。期日はあさって。でも馬鹿なうさぎは、あさって提出しなくちゃいけない宿題をやったノートを間違って捨ててしまった(笑)。助けを求めてクラウンに飛び込んできたうさぎに、まことは、じゃあみんなで宿題を手伝ってやろう、と提案するが、レイは反対して、うさぎに説教する「うさぎ、自分の失敗は自分で取り返さなきゃ。すぐ人に頼るのは良くないわよ」。
このセリフ、ビシッときつーく叱りつける「おっかないレイちゃん」の感じで演じても、少なくともこの時点のレイなら、まったく異和感はない。というか、よく似合っている。しかし北川さんはそれを、「厳しいけれど優しいお姉さんのレイ」が、うさぎのためを思えばこそ、しっかり言い聞かせる、というニュアンスで演じているのだ。これは、たぶん田崎監督がつけた演出だと思うが、ひょっとすると台本にそういう指定があったのかも知れない。
ついでに言うと、この時のレイの説教に、うさぎがどうリアクションしたのかにも興味があるのだが、田崎監督は、このレイの説教から、「助け合って強くなるんだよ」「ひとりひとりが強くなるべきよ」とレイとまことがガンを飛ばし合うまで、カメラをうさぎの目線に近いポジションに置いて、当のうさぎの表情を見せないようにしている。どっちみち、宿題のノートを捨てたうさぎが大馬鹿なんだから、これ以上主人公の馬鹿さ加減を見せつけるよりは、二人の対立に焦点を絞っておこうという演出プランだと思う。でもレイちゃんに説教されたその時のうさぎの表情は気になるなあ。

 

(2)たしかDVDの特典映像には、ナコナココンテストの練習に熱中しているなるちゃんたちを見ながら、へこんでいるうさぎと亜美が教室のベランダで会話する、という未使用シーンがあったと思う。うさぎちゃんは可哀想だけど、なるちゃんと離れて二人きりでいられるのが、亜美にとってはちょっぴり嬉しい。
逆に本編の後半では、ようやく宿題を自力で終えたうさぎが、廊下でなるちゃんたちと「くぴっ」をやっていて、それをまことと亜美が見ているシーンがある。大阪さんはいつも友だちの輪の中で笑っていて、まぶしくて近寄れなくて、うさぎちゃんもまた、そこに戻っていっちゃった。私も本当は、戦士として秘密を分かち合うのではなくて、あんなふうに教室で、笑顔のうさぎちゃんと学校生活を共にできる「大阪さん」みたいになりたい。そんな羨望が入り交じって、ふと淋しげな亜美の表情が、Act.14以降の展開につながる。こういう場面を見ていると、浜千咲って天才じゃないかと思うが、えーと問題はそこではなかった。なるだ。
なるはうさぎの親友だ。Act.1では、ぞうきん持参でうさぎの居残り掃除につき合っている。なのに今回は、宿題で困っているうさぎを放ったらかしで、カナミやモモコたちとナコナココンテストの準備で盛り上がっている。もちろん、物語としては、レイとまことがうさぎのためにナコナココンテストに出る、という結末に持って行かなきゃならないので、なるに出しゃばってもらっては困るわけだ。それはそうだが、しかし台本には、なるはうさぎの宿題のことを知らなかったとかなんとか、そういうフォローは入っていないのだろうか。

 

(3)レイとまことを仲直りさせようと、うさぎはまことに、火川神社に絵馬を持って行って欲しいと頼む。仕方なく承知したまことは、境内で黒服の男たちに囲まれて車に乗るレイを目撃して、誘拐と間違えて後を追う。どうやって追ったのか。タクシーを拾って、降りるときには領収書を取ったのか。『最も危険な遊戯』の松田優作みたいに、走って走って車に追いついたのか。あるいは、Act.21で、クンツァイトに連れ去られた亜美を見つけ出したときみたいに、風にざわめく木々の梢が、彼女に行くべき道をささやいたのか。

 

(4)これはみんな思っているだろうけど、ルームサービスの女の人の行方。レイが閉じこめられているホテルの部屋にまことが駆けつけ、ルームサービスの人と入れ替わりで脱出する。「行くよー」「行けー」。衣装はテレティアで何とかなる。ワゴンの細工にも目をつぶろう。でもルームサービスの人はどうなっちゃったんでしょうか。

 

(5)オープニングやCDの宣伝ポスターなどでの出演を除けば、この回が、愛野美奈子が愛野美奈子その人としてドラマの中に登場する最初のエピソードだ。アヴァン・タイトルでセーラーVの扱いが大きいのは「いよいよ今回、マスクを取った美奈子が出ますよ。顔出しですよ」というアオリだと思う。で、Cパートまで引っ張って、車の窓がスルスルと降りて、美奈子登場。このあたり、台本に何か特別なことは書いてないかなあ。

 

(6)最後のジェダイトとのバトル、そしてマーズとジュピターが参戦してのダブルバウトも、台本と細かく比較すればいろいろありそうだ。ところで、マーズはこれまで、Act.3で初変身したときも、Act.5でマーキュリーを助けに入ったときも、火球を放つときには「妖魔退散!」と言っている。一方、Act.3でまだ巫女のときと、Act.4でサボテン妖魔を攻撃するとき、つまり火球ではなくてお札を放つときは「悪霊退散!」である。このAct.8では、なんだか火炎放射みたいな技で、かけ声は「妖魔」ではなく「悪霊退散」という変則パターンである。相手がジェダイトだからか。ジェダイトは妖魔でなくて悪霊なのか?まあいずれにしても芸が細かい。

 

(7)戦いが終わって眠っちゃったセーラームーンに、ジュピターが「がんばったよ、うさぎ」と言いながら、白い手袋の手で横顔をそっとなでる。この「横顔をなでる」が大好きなんだけど、そういう仕草まで台本に出ているのかなあ。

 

(8)ナコナココンテストのレイに対する客の反応は拍手なのかブーイングなのか。

 

(9)ただの参加賞に終わったまことの「だな」はちゃんと台本にあるのか。

 

さしあたって思いつくのはこのくらいか。しかしM14さんが、おそらくまだ現物も手にしておられない段階で、こんなに書いてもいいのか。いいや。あ〜あこれから仕事しなくちゃ。