実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第114回】大島ミチルのケッヘル出でよ!の巻

1.イントロダクション


停滞しまくっているDVDAct.4レビュー、今回はいったん中断である。事情説明は後回しにして、とりあえず「ボツ企画 あのBGMのタイトルをさがせ」と題された2005年10月23日の『M14の追憶』をお読みください(ここ)。


みなさんお読みになりましたか。そういうわけで、大家さんは早々にBGMの調査を断念されたわけである。その後、この分野を研究する後継者が現れたのかどうか、私は寡聞にして知らない。あったら教えてください。あって欲しい。このままだと私が後継者になってしまう。
そもそものきっかけは何か。前々回の日記で、アクションシーンでもないキャラクターの日常の動作に、なにかとコミカルで大げさな効果音を入れる高丸演出について、ちょっと疑問を述べてみた。その時、本当は効果音と一緒に、伴奏音楽についても書くつもりだったのだ。これはいままでほとんど取り上げたことのないテーマだ。しかし、どういう場面にどういう伴奏を選ぶかということも、監督による立派な演出の一部である。
もちろん監督とは別に、選曲担当のスタッフはいる。実写版の毎回のオープニング(主題歌)の最後の方には「選曲 金成謙二」というクレジットが出る。金成氏の作業は、監督と相談しながら、その演出意図を汲んで、大島ミチルさんによってあらかじめ作曲・録音された音源のなかから、最もふさわしい楽曲を選び出すことのようだ。この人のサポートがなければ、監督もイメージ通りの音楽をなかなかつけられなかったりするわけですね。
だから金成氏は、音を通して実写版の各監督の個性をつかんでいらっしゃる。メモリアルCDボックスのライナーノーツのなかで、それをこんなふうに語られています。

最初の田崎監督はベーシックですね。舞原監督も基本は同じなんですけど、わりと敢えて音楽をつけずに表現しよう、という考え方をお持ちのようで、どちらかと言えば、本来は曲数が少ないタイプなんですよ。少ない場合、こちらは曲が入るタイミングというものに気をつけます。芝居の流れを止めないようにしないといけませんから。高丸監督はコメディが得意なので、逆に曲数的には多くなる。音楽が出て止まって、出て止まって、という繰り返しを好んで使うんですよ。佐藤(健光)監督は昼メロのテイストで、わざとらしいぐらいの音楽のつけ方でもOKなんですね。1度、高丸監督がそういうつけ方をしようとして、恥ずかしがっていらっしゃいましたよ(笑)「どうしよう。でも、これしかないよな?」という感じで(笑)。鈴村(展弘)監督はオーソドックス。でもやっぱり悩んでいましたね。中学生の女の子の気持ちという部分では(笑)。

おもしろいでしょ。この発言を読んで以来、BGMのつけ方を通して、それぞれの監督の個性を考察してみる、という試みを、一度やってみたいと思っていたのである。
ただ田崎監督の場合は、Act.1のアヴァンなんかは軽快なBGMで始まるが、全体的に劇伴の使い方はストイックというか、金成氏の言うようにベーシックである。取り上げるなら、やはりAct.3、Act.4の高丸監督の、時には突拍子もない音楽の使い方が面白いよな、と漠然と思っていた。
特にAct.4の音楽の使い方は、シリーズ前半のなかではちょっと目立っている。仮装パーティー会場ではドヴォルザークの『新世界より』第4楽章が流れているが、ゾイサイトのピアノ以外で、クラシックが使われた例って、ちょっと他に思いつかない。それからうさぎがマーズのピンチを助けにやって来る場面。軽快な『キラリ☆セーラードリーム』が、いきなりBメロから入るが、うさぎは変身しようにもクマの着ぐるみが脱げず、音楽も途中で回転数が落ちて止まってしまう。劇中に主題歌(演奏ではない小枝の歌)が流れるシーンというと、あとはAct.24のラスト「タキシード仮面の正体バレ」くらいしかないんじゃないですか。こんな使い方して良いのか?
私が特に気になるのは、池袋西口公園でうさぎと亜美がレイと出会うシーン。一緒に「幻の青い水晶」を調査しようといううさぎの提案を、レイは「私は仲間に入れないで」と断る。そしてなおも「私たちおんなじ戦士なんだから仲間じゃん」と食い下がるうさぎを「戦士になるのと仲間になるのはぜんぜん別よ」とそっけなくやり過ごして、「私はずっと独りでやってきたし、その方が気が楽なの。じゃあね」と去って行ってしまう。
ここに伴奏を入れるとしたら、孤高を守り続けようとするレイの複雑な内面とか、そういうレイの態度に対するうさぎのとまどいとか、そっと見守る亜美の思慮深さとか、そんなイメージになるはずで、パーッと明るい曲とか、万事快調という感じのメロディは流さないはずだ。でも高丸監督は、まさしくそういう曲を使うのである。ここに流れているのはCD未収録の音源で、『DJMoon1』のトラック34「さて、次回は」の1番目の曲の別バージョン、イメージタイトルで言えば第1回録音のM23Bである。これ、このシーンに使う曲としては、ちょっと違うと思う。


なんてさらりと書いたが、この曲名をどう表記するかについて、私は数日、さんざん悩み抜いたのである。以下、今回の記事はその話だ。なおデータはほとんどすべて、さっきも金成氏の談話を引用した3枚組メモリアルCDボックス『MOONLIGHT REAL GIRL』のライナーノーツに基づいている。このライナーノーツは、実写版セーラームーンの音楽の世界について、一般の視聴者が手に入れることのできる最も質の高い資料ではないかと思う。とにかく、様々な情報が載っていて、読めば読むほど面白い。なんてことは、みんな知ってるか。というわけで、本文。

2. サウンドトラック概観


大島ミチルによる実写版セーラームーンの劇伴(BGM)は、Act.1オンエアのほぼ1カ月前、2003年9月13日から15日にかけて録音された。依頼を受けたとき、大島ミチルはテレビアニメ『鋼の錬金術師』(2003年10月放送開始)と映画『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年12月公開)の音楽の仕事も抱えていて「50曲以上はできません」と条件をつけたそうだ。実際に作曲されたのは49曲。限界まで頑張ってくださったわけだ。
ただし録音された音源は全64曲。これはどういうことかというと、49曲のうち、15曲には同じ曲に別バージョンがある。たとえば、CD『DJMoon1』をお持ちの方は、トラック23「憧れのタキシード仮面」をお聴きいただきたい。同じメロディの曲が2回繰り返されるが、前半はリズム(ドラム)が入っていて、後半はストリングスだけですね。この後半のバージョンが、前半の音源からリズムのトラックを抜いただけのミックス違いなのか、それとも楽器編成を替えて録り直したテイク違いなのかは、私の耳では分からない。ともかくそういうバージョン違いを含めて全64曲と、そういうことだ。
しかしドラマの進行に伴い、新たなシチュエーションが出てきて、年明けには、主題歌アレンジや、ダークマーキュリーや陽菜のイメージ曲、ヴィーナスやセーラールナのメイクアップのテーマ、そして恋に悩むうさぎの心象を描いた曲の数々が、新たに録音される。さらにプリンセス・ムーン登場から最後の戦いに向けて、また曲の追加があり、結局、大島さんは3回のセッションを行なうことになった。指揮は全部ご自身がとられたという。

第1回録音 2003年9月13日〜15日 全64曲録音
第2回録音 2004年1月15日〜16日 全40曲録音
第3回録音 2004年5月30日     全19曲録音

トータル123曲。そうは言ってもドラマの劇伴なので、1曲あたりの時間はどれも短い。毎回の最後に流れる「提供バック」なんて14秒だし、だいたいの曲が40、50秒から2分弱といったくらいの長さである。
さてご存じの通り、これらの楽曲はCDアルバム『DJMoon』シリーズに収められている。おおむね第1回録音のBGMが『DJMoon1』、第2回が『DJMoon2』、第3回が『DJMoon3』に収録されているが、厳密には多少ずれている。

『DJMoon1』2004年2月18日発売 第1回の録音音源から40曲
『DJMoon2』2004年5月19日発売 第1回録音から1曲、第2回から11曲
『DJMoon3』2004年7月21日発売 第2回録音から4曲、第3回から7曲

録音時の収録曲数と比較していただければ分かるように、これら3枚の『DJMoon』に入っている曲数をすべて足しても63曲。しかも『DJMoon2』に1曲だけ入っている第1回録音の曲はセーラームーンの変身テーマであり、これはすでに『DJMoon1』に収録済みである。また『DJMoon3』に入っている第2回録音の曲にも、『DJMoon2』とダブっているものが1曲あるので、厳密には61曲。要するに、これだけでは全BGMの半分にしかならない。
番組終了間際の2004年9月22日には、3枚組メモリアルCDボックス『MOONLIGHT REAL GIRL』がリリースされた。そのDisc.1『Rare Track Collection』には、これら『DJMoon』シリーズに収録されなかった音源が集められている。第1回目の音源から10曲、第2回から21曲、第3回から12曲、全43曲である。
どうも文章に書くとややこしいので、3回のセッションで録音された曲が何曲あって、そのうち何曲をどのCDで聴くことができるか、そしていまだCD化されていない音源がどれだけあるかを、一覧表にしておこう(計算が合うように、『DJMoon1』と重複する『DJMoon2』の1曲と、『DJMoon2』と重複する『DJMoon3』の1曲については割愛している)。

  第1回録音 第2回録音 第3回録音
  総録音曲数  64曲  40曲  19曲
DJMoon1収録曲数  40曲  00曲  00曲
DJMoon2収録曲数  00曲  11曲  00曲
DJMoon3収録曲数  00曲  03曲  07曲
Rare Trak収録曲数  10曲  21曲  12曲
  CD未収録曲数  14曲  05曲  00曲

したがって、第1回目のセッションで録音された64曲のうち14曲、第2回目に収録された40曲のうち5曲の、計19曲はいまだCD化されていない。ただしこれら未収録曲は、いずれも既収録曲のどれかのバージョン違いである。つまり曲そのものは『DJMoon』シリーズと『Rare Track Collection』の4枚ですべて手に入る。
えーと、ここまで、よろしいですか。そろそろ読むのをあきらめた方がいるかも知れない。

3. イバラの道


さてここから話が本格的にややこしくなる。以上の劇伴には、2種類のタイトルがついている。私はそれらを「イメージタイトル」と「CDタイトル」と名づけた。


【イメージタイトル】メモリアルCDボックスのライナーノーツ末尾には、各セッションで録音された劇伴の全リストが掲載されている。例えば第1回録音の初めの方はこんな感じだ。

M1  生活        DJムーン1/トラック2
M2  明るい家庭     DJムーン1/トラック2
M3  セーラー戦士の戦い DJムーン1/トラック32
M3B (同上)      
M4  恋心        DJムーン1/トラック8
M4B (同上)  
M5  遊び        DJムーン1/トラック8    

最初の「M1」「M2」というのは、「ミュージック1」「ミュージック2」という意味で、つまり楽曲の通し番号である。「B」は同一曲のバージョン違い。次に「生活」とか「明るい家庭」とあるのは、曲の「イメージ」である。
改めて言うまでもないが、実写版セーラームーンの劇伴は、脚本があがってから、あるいは全話のプロットが最後まで詰められてから、それを参考にして作曲されたわけではない。だから選曲担当の金成さんは、事前にプロデューサーたちから話の流れを聞いて、さらに原作漫画も読んだりして、このドラマがどんな展開になるか予想する。そして「月野家の場面で使えそうな家庭的な曲」「戦闘シーンにふさわしい曲」「セーラームーンとタキシード仮面のロマンスを盛り上げるような、ロマンティックな曲」などなど、様々なシチュエーションを想定して、大島ミチルさんに作曲を依頼したわけだ。こういう作業を「メニュー発注」と呼ぶらしいが、その時に指定された曲の「イメージ」が、つまり「生活」とか「明るい家庭」とか「セーラ戦士の戦い」なわけですね。私はその「イメージ」を、各曲の「イメージタイトル」と呼んでいるわけです。


【CDタイトル】一方、『DJMoon』シリーズの方には、トラックごとに曲のタイトルがついている。これを「CDタイトル」と呼ぶことにしたい。CDタイトルとイメージタイトルは、似たような題名のものもあれば、そうではないものもある。それだけだったらどちらかに統一すればいいのだが、ご存知の方はご存知のように、ひとつ厄介な問題がある。
先ほど挙げたライナーノーツの、第1回目録音の楽曲リストをもう一度ご覧いただきたい。M1の曲、イメージタイトル「生活」と、M2「明るい家庭」の後ろには、どちらも「DJムーン1/トラック2」と書かれている。
つまりひとつひとつのBGMが、どれも演奏時間が短いので、『DJMoon』では非常にしばしば、2曲ないしは3曲をまとめて「1曲」扱いしているのである。だからM1のイメージタイトル「生活」とM2「明るい家庭」(どちらも1分10秒程度)は、CD『DJMoon1』のトラック表示では、あわせて「うさぎのたのしい一日」という1曲(2分22秒)と見なされている。同様に、M4のイメージタイトル「恋心」とM5の「遊び」も『DJMoon1』では2曲あわせてトラック8「お買い物に大忙し」ということになっている。どちらも50秒程度の曲で、あわせても1分47秒。 


さあ困りましたね。CDが、Mナンバー順に曲を収めているという保証はない。だから『DJMoon1』の2曲目の前半の曲と後半の曲の、どちらが「生活」で、どちらが「明るい家庭」なのかは分からない。聴いてみても、どっちのメロディーが「生活」っぽくて、どっちが「明るい家庭」的なのか、そんなのわかりっこない。8曲目の「お買い物に大忙し」も同様。どれも実写版のファンにはお馴染みの曲なのだが。
だからAct.1でうさぎがジュエリーショー会場に潜入するためにオトナっぽいドレスにチェンジするとき、あるいは、Act.3で、うさぎと亜美が万寿閣に潜入しようとして「巫女さんに、チェーンジ」するとき流れる「テレティアSで変身」のテーマ音楽は何であるかと説明しようと思ったら、

『DJMoon1』トラック2「うさぎのたのしい一日」の後半の曲(イメージタイトルM1「生活」M2「明るい家庭」のどっちか)

と書くしかないわけですね。CDの曲名で呼ぼうとする限り、「前半の曲」とか「後半の曲」とか、あるいは「真ん中の曲」とか、そういうまどろっこしい言い方はまぬがれない。1曲1曲にタイトルをつけるなら、発注時のイメージ指定(イメージタイトル)を使う方がリーズナブルなのだが、メモリアルCDボックスのライナーノーツの記載だけでは、どっちがどっちだか分からないのだ。
ただし、場合によっては、それを特定できる。ひとつは「イメージ」がかなりはっきりしているケース。目下レビューをだらだら続けているAct.4で言うと、仮装パーティー会場へ赤影のレイが入ってくるところ。M14さんがコメント欄で「マスクがちょっと曲がっている」と指摘されたシーンだ。レイの登場に合わせてちょっとだけ流れる曲は『DJMoon1』トラック33「地場衛ことタキシード仮面」を構成する2曲のうち、前半に入っている30秒弱の曲。
リストを調べると、トラック33はM26「タキシード仮面のアクション」とM37「驚き」であることが分かる。で「タキシード仮面のアクション」は、どう考えても、タキシード仮面がさっそうと現れるときのあの曲だろう。それはトラック33の後半に入っている。つまり赤影のレイのBGMは、もう一方のM37「驚き」と見なして、たぶん間違いない。あの、私の言ってること、ご理解いただけてますか?
もうひとつの手がかりは、CD化されていない、バージョン違いの音源だ。Act.1のラスト、セーラームーンが「なんか、ワクワクなのか、不安なのかよく分かんないけど、胸がどきどきしてる」と笑顔で胸を抱く印象的なシーン。このバックに流れているのは、『DJMoon1』のトラック34「さて、次回は」の最初の曲だ。CDタイトル通り、エンディングに使われることが多い曲である。
『DJMoon1』のトラック34は、3つの短い曲の詰め合わせからなる。そしてライナーノーツの録音リストを見ると、イメージタイトルではM23「セーラーヴィーナス」とM40「明日」とM42「希望」の3曲がこれにあたる。ではどれか。曲の印象や、番組での使われ方からすると「明日」か「希望」のどちらかだろうと思っていたんだが、違っていた。
Act.3のラスト、セーラーマーズが「やっと分かった、私に力があった理由。不吉な力なんかじゃなかった」と言う、これまた感動的な場面、あそこでも同じ曲が流れているんですが、Act.1のラストではリズム隊(ドラム)が入っていたのに、Act.3のラストの方はストリングスだけだ。つまり別バージョンである。そこでM23「セーラーヴィーナス」、M40「明日」、M42「希望」の3曲のうち、バージョンBがあるのはどの曲か調べてみると、M23「セーラーヴィーナス」であった。この曲にはM23Bという、CD化されていない別バージョンがある。この曲がそもそもヴィーナスをイメージして作曲されたらしいというのも驚きだが、ともかく、イメージタイトルの特定ができた。発表します。まずAct.1のラストに流れる曲は、

『DJMoon1』のトラック34「さて、次回は」の3曲のなかの最初の曲(イメージタイトルではM23「セーラーヴィーナス」)

である。したがって、Act.3、マーズの「やっと分かった、私に力があった理由」のBGMを正しく記すと

『DJMoon1』のトラック34「さて、次回は」の3曲のなかの最初の曲の別バージョン(イメージタイトルではM23B「セーラーヴィーナス」)[未CD化音源]

と、こうなります。ここでようやく話が冒頭に戻る。このイメージタイトルM23Bすなわち「セーラーヴィーナス」の別バージョンが、Act.4の池袋西口公園で、レイが「私は仲間に入れないで」と言ったとき、バックに流れる曲なのである。


あの、みなさん、まだ読んでくれていますか?

4. Act.1音楽リスト


ともかくそういうわけで、BGM整理作業の基本方針だけは、だいたいつかめた。別につかむつもりもなかったのだが。
まずメモリアルCDボックスのライナーノーツに記載された「劇伴リスト」に基づいて、その逆引きインデックスをつくる。つまり『DJMoon』シリーズのトラック名(CDタイトル)から、M番号とイメージ(イメージタイトル)を検索できるようにするのだ。これはそれほど手間のかかる仕事ではないだろう。メモリアルCDボックスの『Rare Track Collection』について言えば、1曲1曲にCDタイトルがついているので、この段階で、全43曲それぞれについて、CDタイトルとイメージタイトルの対応リストができる。
それから、実写版のビデオを観ながら、BGMが流れるたびに、それが4枚のCDの、どこに収められているかを確認していく。そしてCDタイトルと、そこから推定されるイメージタイトルをリストアップしていくのだ。この作業によって、『DJMoon』シリーズで1トラックとしてまとめられた曲の、それぞれのイメージタイトルが多少なりとも判明していくであろうし、また監督別の楽曲使用頻度など、今後のテーマに向けて基礎資料づくりができる。
でもまあ、大変だよ。具体例として今回、Act.1の音楽リストを、だいたい以下の方針で作成してみた。


(1)前半の2桁がエピソード番号(Act.1なら「01」)後半3桁が、そのエピソードのなかでの音楽の登場順番号(最初の曲なら「001」)である。つまり[01001)とあったら、それは「Act.1の最初に出て来た曲」を意味する。
(2)音源としてCDタイトルおよびイメージタイトルを併記する。
(3)大島ミチルのサウンドトラックのみならず、うさぎのラジカセから流れる美奈子の歌、ジュエリーショーで流れるテクノ系BGMなど、とりあえず「実写版に流れる音楽」はぜんぶ拾っていく。今後どういう観点からデータが必要になるか分からないからである。
(4)同じエピソード中に同一の曲が繰り返し使用されている場合も拾う。とにかく全音楽のリストを作成する。

【試験版】実写版セーラームーン エピソード別 使用楽曲リスト


Act.1
<アヴァン・タイトル>
[01001]タキシード仮面とセーラーVの対決
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック27「セーラーV」
 (イメージタイトル)M24「セーラーV」


<Aパート>
[01002]うさぎの部屋、ラジカセから流れる音楽
 (タイトル)「C’est la vie 〜私のなかの恋する部分」

[01003]空からルナが降ってきて遅刻した
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック15「おしゃべりルナ」2曲目
 (イメージタイトル)M27「ルナ」もしくはM28「アルテミス」
 【備考】DJ1トラック15はM27「ルナ」とM28「アルテミス」の2曲。どっちがどっちなんだ。たぶん「ルナ」で間違いないと思うが、ひょっとして「アルテミス」だったりして。

[01004]クラウン
 (タイトル)「C’est la vie 〜私のなかの恋する部分」(カラオケ・バージョン)

[01005]ジュエリー会場はリハーサル中
 (タイトル)不明:なんかトランス系の曲

[01006]地場衛との出会い
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック33「地場衛ことタキシード仮面」1曲目
 (イメージタイトル)M37「驚き」

[01007]展示された宝石を見つめる地場衛
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック24「ウワー妖魔だー」1曲目
 (イメージタイトル)M38「これから」
 【備考】DJ1トラック24の3曲は、楽曲からのイメージから判断すると、順にM38「これから」、M31「四天王の行動」、M39「危機」だと思う。たぶん。

[01008]なるママ、ドゴラ妖魔に襲われる
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック24「ウワー妖魔だー」3曲目
 (イメージタイトル)M39「危機」
 【備考】上の備考欄を参照。

[01009]深夜、うさぎに語りかけるルナ
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック15「おしゃべりルナ」2曲目
 (イメージタイトル)M27「ルナ」
 【備考】01003を参照。

[01010]変身アイテムを置いてうさぎの部屋を出て行くルナ
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック16 「不思議な魔法のアイテム」1曲目
 (イメージタイトル)M19「セーラームーン」


<Bパート>
[01011]なる、ママへの疑惑がふくらむ
 (CDタイトル)『Rare Track Collection 』トラック10「抜き足差し足忍び足、ソロリソロリ」
 (イメージタイトル)M46「潜入」

[01012]「違う、ママじゃない」「ママよ」「いやあっ!」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック12 「悲劇の主人公」1曲目
 (イメージタイトル)M41「不安」?
 【備考】トラック12 はM41「不安」、M43「絶望」、M49「危機」の3曲。どれが不安でどれが絶望でどれが危機なんだか。

[01013]ジェダイト登場、倒れるなる
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック30「クイン・ベリル様」1曲目
 (イメージタイトル)M30「ダーク・キングダム」

[01014]「うさぎちゃん、一緒になるちゃんを助けましょう!」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック16 「不思議な魔法のアイテム」1曲目
 (イメージタイトル)M19「セーラームーン」

[01015]変身携帯テレティアS
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック2「うさぎのたのしい一日」2曲目
 (イメージタイトル)M1「生活」もしくはM2「明るい家庭」
 【備考】本文にも書いたが、これはどちらかさっぱり分からない。ここではイントロにちょっと違う感じの短いメロディと鐘の音がかぶさるが?

[01016]ジュエリーショーは大成功、しかし…
 (タイトル)不明(トランス系の曲、ショーの最後に、ちょっとだけ)

[01017]なるママ、妖魔の本性をあらわす
 (CDタイトル)『Rare Track Collection 』トラック5「お化けだゾー」
 (イメージタイトル)M32「妖魔の出現」
 【備考】M32B「妖魔の出現」別バージョンかも知れない

[01018]なるママからドゴラ妖魔出現
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック24「ウワー妖魔だー」3曲目
 (イメージタイトル)M39「危機」?
 【備考】01007、01008を参照。

[01019]「ムーンプリズムパワー・メイクアップ!」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック18「セーラームーンにメイクアップ」
 (イメージタイトル)M13「セーラームーンのメイクアップ」


<Cパート>
[01020]セーラームーン登場「なんかこれって、すごくない?」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック16 「不思議な魔法のアイテム」1曲目
 (イメージタイトル)M19「セーラームーン」

[01021]ドゴラ妖魔せまる「セーラームーン、来るわよ!」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック24「ウワー妖魔だー」3曲目
 (イメージタイトル)M39「危機」?
 【備考】01007、01008、01018を参照。よく使われるな。

[01022]セーラームーンVS妖魔
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック32「セーラー戦士の戦い」1曲目
 (イメージタイトル)M3「セーラー戦士の戦い」

[01023]タキシード仮面登場
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック23「憧れのタキシード仮面」2曲目
 (イメージタイトル)M17「いとしのタキシード仮面」

[01024]クイン・ベリル「誰だ?我が行く手を邪魔する者は」
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック29「ダーク・キングダム」
 (イメージタイトル)M35「力」

[01025]エンディング
 (CDタイトル)『DJMoon1』トラック34「さて、次回は」1曲目
 (イメージタイトル)M23「セーラーヴィーナス」

こんな感じだ。こういうリストを全エピソードにわたって作成する。それが終わったら、今度は各曲ごとにデータをまとめる。たとえば「DJMoon1のトラック2の1番目の曲」は、どのエピソードのどのシーンで使用されているかがすべて一覧できるようなインデックスを作るわけです。
そこまでやれば、各曲の使用頻度とか、監督別の音楽の好みなんかが簡単に検索できて、これはものすごく使える資料になると思う。


で、誰か続きをやってくれないか?