東京女子流は2026年3月にラスト・ライブを行なう。小・中学生でデビューして、10代20代をアイドルとして生きることに捧げた彼女たちは、最年長メンバーが30代に入る直前での解散を決めた。そして活動終了が決まっているのに、ベスト盤とかではなく、最後にフルアルバムを出した。なかなか珍しいのではないか。アルバムタイトルはグループ名そのまま『東京女子流』、内容は前回の傑作『ノクターナル』(2022年)の路線をさらに発展させた名盤である。
最後の曲「キセキ」は、解散前のラストナンバーということで、ちょっとキャンディーズの「微笑がえし」みたいな趣向が入っている。私は泣けてしまいました。すばらしい。彼女たちはこのアルバムで「東京女子流」という作品を完成させたのだ。
そういや今年もTIFが開催されましたね。参加されるみなさんは体調管理にお気をつけて、楽しんで下さい。
東京・お台場青海周辺エリアで3日間にわたって開催中のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」。本日8月1日の初日公演にて「15周年特別企画 タイムマシーン~TIF Classic~」と題した企画ステージが行われた。
この企画のトリを飾ったのは、2026年3月31日の東京・Zepp DiverCity(TOKYO)公演をもって2010年から続く活動に幕を下ろす東京女子流。
東京女子流のメンバーが晴れやかな笑顔で歌う横で、NegiccoのNao☆はいきなり感極まって号泣。その後ろでアイドリング!!!の橘ゆりかも涙を流すという、同じ時代を駆け抜けたアイドルたちの絆が目に見える、エモーショナルな光景が広がった。
(「音楽ナタリー」2025年8月1日)
ナオ、マジ泣きしてるし、ゆりが寄り添っている。なんか美しいよなぁ。はい、それでは『あなたを奪ったその日から』第5話レビューの続きです(2025年5月19日放送、脚本:池田奈津子/撮影:渡部薫梨/照明:磯辺大和/演出:ホンマ利幸/企画:水野綾子/プロデュース:三方祐人/制作:カンテレ・共同テレビ)。
タイナスに入社し、スイッチバックの「お客さま相談室」に配属された紘海(北川景子)。相談室のメンバーは、現場から叩き上げの超ベテラン、三浦室長(大浦龍宇一)、そしてこちらも店長経験のある村杉さん(田山由起)、それに研修中の鳥谷くん(内藤秀一郎)。この島谷くんは若いのに仮面ライダー経験もあるし、『パリピ孔明』ではスーパーアーティスト前園ケイジ(関口メンディー)のマネージャーも務めていた苦労人である。で、紘海が仕事に慣れるまでの教育係は村杉さんだ。
紘 海「SNS?」
村 杉「そう、電話やメールだけじゃなくて、SNS上で発信されたコメントをモニタリングするのも仕事なんです」
村 杉「SNSって本音が覗ける場所だから」
紘 海「お客さま相談室って、こんなこともするんですね」
村 杉「とは言え基本はこれ。昔ながらの店頭の声」
村 杉「丁寧に仕分けしてください。常務も全部目を通したいそうなので」紘 海「常務が? 読むんですかこれを」村 杉「そうですけど?」
紘 海「常務にはどなたが報告されているんですか?」
村 杉「え?」
紘 海「いや、せっかくなので、私が報告したいな、と」
村 杉「申し訳ないですけど、常務に報告するのは私の仕事なんで」
紘 海「……すみません……」
鳥 谷「村杉さん、いつもあんな感じで常務にべったりなんで」
村 杉「昨日の、店頭に届いたお客さまの声です」
旭 「ありがとうございます」
村杉さんが、未経験なのに「常務のご指名」で「お客さま相談室」に配属されたらしい紘海のことを妙に気にしていたのは、そういうことだったのである。まあ玉の輿を狙っているというよりは、バツイチで現在シングルのイケオジにフォーリンラブくらいのところだろうが、何にせよ紘海のような超絶美人が、それも常務じきじきのご指名で配属されて来たのだから、そりゃ、やきもきもする。
一方、紘海はもちろん、そのへんの機微は眼中にない。どうにかして、娘の命を奪った結城デリ事件の真相が知りたい。それだけである。
なにか手がかりはないかと思っていたら、さっそく気になる情報が飛び込んできた。
紘 海「あの……村杉さん、こんなのがあったんですけど」村 杉「え?」
(ユウキアサヒ 幼児殺し)
紘 海「どうしますか?」
村 杉「碑文谷店でしょ」
鳥 谷「月に一、二回、碑文谷店に投函されるんです。結城常務への誹謗中傷」
紘 海「常務には報告されているんですか?」村 杉「するわけないでしょう」
村 杉「どうせ大昔の事故のことで絡みたいだけの、ただのいたずらだから」
そしてアフターファイブ(死語)。今夜は紘海の歓迎会である。会場は八幡山駅徒歩3分のところにある「居酒屋やぐら」。
これは実在の店であり、ほかのドラマでも、まあまあロケ地として使われているらしい。放送中、店内には思いっきりな張り紙がしてあったようだ。まだあるのかな。
「ほぼ全話出演」というのは誇張ではない。第1話、2015年、結城デリの事故から1年経って、自粛中の結城(大森南朋)に後輩の望月(筒井道隆)が再就職を進めるのもここ「居酒屋やぐら」。
第4話、失踪した萌子の情報収集を頼まれた望月が、10年間の調査の結果を報告して、もう萌子のことを諦めるよう進言するのもここ「居酒屋やぐら」。要するにここは望月と結城にとって昔からなじみの店らしい。
そしてこの第5話では、紘海の歓迎会。ついでに次回、第6話。望月が文波社『週刊さざなみ』の記者東砂羽(仁村紗和)を連れて入るところを、村杉さんに目撃されて誤解されちゃうのもここ「居酒屋やぐら」。
まあ、先々の話は置いておくが、要するにこの「居酒屋やぐら」は、結城常務と望月の、行きつけのお店なのだ。
私は最初、結城常務はそもそも、誘いづらくてこの歓迎会に呼ばれなかったのかな、と思った。でも、だったら会場にここが選ばれるはずもないし、たぶん都合がつかなくて参加できなかったんだろう。
三 浦「それでは中越さん。我が『お客さま相談室』へようこそ」
三 浦「乾杯」一 同「乾杯」
紘 海「よろしくお願いします」村 杉「よろしくお願いします」
紘 海「お願いします」
楽しい時間はどんどん過ぎて、2時間ほどは過ぎたか。村杉さんはだいぶアルコールが廻っている。紘海は探りを入れる。
紘 海「お客さま相談室って、結城常務が作ったんですか?」三 浦「本社にもあるんだけど、スイッチバック立ち上げの時、常務が肝入りで新設したんだ」村 杉「まぁお客さまの声を異状に気にする方だから」三 浦「うん」
紘 海「そういえば常務って、あの結城デリの社長だったんですよね」
鳥 谷「ああ、そうみたいっすね」
紘 海「みなさん、どう思われているんですか?」村 杉「どうって?」紘 海「いや、あんな事件を起した人が常務って」鳥 谷「まあ、異和感持っている人も多いんじゃないですか?」三 浦「現場にいる人は特にそうみたいだな」村 杉「私は別に気にしていないですけどね」
紘 海「……噂で聞いたんですけど、常務って、もと結城デリの子飼いの社員、根こそぎ連れてきたんですよね」鳥 谷「あ、でも全員じゃないみたいです」紘 海「え?」
鳥 谷「結城デリから転職するはずだった人のうち、一人だけ切られたって聞きました」紘 海「切られた?」
三 浦「そうなんだよ。結城常務に見捨てられて入社できなかった人が一人いたとか」
村 杉「実力ないなら仕方ないですよね」
鳥 谷「だとしてもその人、常務のこと恨んでますよね」三 浦「まあ、そりゃね、そうだよね」鳥 谷「ですよね、絶対恨むな」
村 杉「待って!もももしかして、その、常務に切られたって人が、あいつだったりして、あの誹謗中傷野郎」
三 浦「おい、飲みすぎじゃないか」村 杉「探し出して文句言ってやる『逆恨みすんな』って」
鳥 谷「ちょっ村杉さん、そのスイッチ入るなら僕帰ります」村 杉「何、文句あんの?」
いやだから、結城常務の行きつけのお店で、そんな話題でクダを巻くなって……。
というわけで翌日、飲みすぎの村杉さんはダウンである。有給だって(笑)。いろいろ大変だね。
紘 海「お早うございます」三 浦「お早う」鳥 谷「中越さん、ちょっといいですか?」
紘 海「はい」
鳥 谷「中越さんが仕分けしたお客さまのデータって、これですか?」紘 海「え……はい、そうですけど、どうかしました?」
三 浦「村杉さん有給なんだよね。たぶん飲み過ぎ。今日中に常務に報告しないといけないから」
紘 海「あの……」三 浦「ん?」
紘 海「よろしければ」
ということで、村杉さんが飲み過ぎたおかげで、思わぬチャンスがやってきて、紘海は常務の部屋に向かう。ここでの紘海の目的はひとつ。
例の誹謗中傷を、村杉さんは結城に伝えていなかったというから、それを不意打ち的に報告して、結城がどういう反応を示すか伺うことである。
紘 海(ノック)結 城「どうぞ」
紘 海「失礼します」
紘 海「先週のお客さまの声をお持ちしました」結 城「ごくろうさん」
さあどうなる、というところだが、えぇとですね、実は私も、村杉さんほどではありませんが、昨日、半日仕事をして、帰ろうと思ったら、飲みに誘われたんですね。まあ私も立場的には、結城常務ぐらいのポジションではなかろうかと思うんですけど、若い人たちから気軽に誘ってもらえて、土曜日とはいえ昼間からビールで乾杯→日本酒→ハイボールという流れですっかりできあがり、いい齢して夜遅く「締めのラーメン」なんてものまで付き合ってしまった。楽しかったが、さすがに今日は胃も身体もズシンと重くてブログの更新も遅れてしまいました。ということで、今日はここまで。また来週。