実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第953回】20年目のサプライズの巻(心折れた沢井篇):CBC『セーラー戦士 20年目の同窓会』(10)


 ムラタコウジ『高嶺のハナさん』第10巻(日本文芸社)が発売された(『週刊漫画ゴラク』2023年8月〜2024年2月掲載分収録)。原作者がドラマ版の雰囲気も楽しんで取り入れているように思えるのは私の独り合点か。ここには原作漫画と実写ドラマの幸福な出会いがあるように思うが。



 「会社の穀潰しは地方に飛ばす」という人事部長の意向で、青森工場への出向を命じられたミツバチ製菓の弱木だが、高嶺さん以下、仲間の助けもあって企画がコンペを通り、めでたく本社企画部に留まることになった。……と思ったが、なんと弱木自ら青森工場への出向を希望する。



 自分が成長するためには、もっと広い世界を見なければいけない、というあっぱれな理由だ。かくしてハナさんと弱木の遠距離恋愛が始まる。ハナさんは金曜夜になると、気がつけば東北新幹線の最終に乗ってしまっているのだった。




 でも遠距離恋愛は辛い。見かねたイチゴは高嶺さんをジョギングに誘い出す。ということで第169話「変化」。




ハ ナ「ランニングに誘ってくれてありがとうイチゴちゃん…」
イチゴ「別に…なんか高嶺さんがゾンビみたいになってたから…弱木先輩のことでなにかあったのかなーって」



ハ ナ「えっ‼! べ…べべべ別に何もないけど……!?」
イチゴ「隠す必要ないですよ。皆知ってますよ、お二人が付き合っていること」
ハ ナみんな!!?



ハ ナ「見てたの?」
イチゴ「え? はい全員で見てました」
ハ ナ「全員ッ!!?



イチゴ(〰〰〰〰〰〰〰〰ツ‼)
ハ ナ「え!? イチゴちゃん、大丈夫…!?」
イチゴ「すみません。高嶺さんの顔芸見てたら横っ腹痛くなってきて……」
ハ ナ(私そんなに顔芸している……?)


 ハナのリアクションが面白すぎて、イチゴは思わず、弱木が青森で浮気しているんじゃないかとハナをからかう



イチゴ「確かに弱木先輩ってカワイイし優しいし、真っすぐだし、意外と頼りになるところもあるし」
ハ ナ(同意同意同意!!!)
イチゴ「青森の女の子からモテモテになっちゃって、調子に乗ってオラつき始めて、二人の仲はジ・エンドするかもですね」



ハ ナ(考えてなかった…弱木くんに限ってそんなことはないと、考えもしなかったけど確かに……そういう可能性も0ではない!!!)


 今度は絶望のどん底に落ち込むハナをまたまた見かねて、イチゴはとうとう説教する。



イチゴ「全く……高嶺さん見てください……私たちがこうして止まってても…川は流れるし…桜は散って緑になるし……」



イチゴ「人間だって多かれ少なかれ、時間とともに変化していくのは当たり前なんだから……弱木先輩がどうなっても、信じて、いい意味で期待せず」



イチゴ「その時その時で…もし弱木先輩が変わっちゃっても……お互いに擦り合わせて、より良くなるように生きていくのが、付き合うってことじゃないんですか? 知らんけど」



ハ ナ「はぁぁぁぁ……イチゴちゃんってすごいね……」
イチゴ「高嶺さんが恋愛レベルお子様過ぎなんですよ」


 いやイチゴちゃん凄すぎ。ってか、原作のイチゴちゃんまで、ドラマ版の影響で激しく人間的に成長しちゃっているように思うが、どうか。ちなみに第10巻の全体からすれば、この回はほんのサイド・エピソードで、本筋としては、青森工場で弱木の前に「愛染」というキャラが登場、ダイナミックかつ感動的に展開してまことにオモシロイ。実写版第3シーズンがますます見たくなってしまうこと請け合いだ。


高嶺のハナさん 10


 さあて、足掛け4ヶ月もかかってしまった地上波版『セーラー戦士 20年目の同窓会』(2023年12月25日、CBC)レビューもいよいよ大詰め、トークは徐々に締めくくりへと向かってゆく。



北 川「20年の体感ある?」



安座間「ない」
 泉 「ない」
北 川「ないよね」



小 松「一瞬だったよね」
北 川「速かった。(体感では)10年くらい?」



沢 井「確かに、20年ってさ、人がハタチになるんだよね」
北 川「そうだよ」



小 松「大人になるんだよね子どもが。すごいね」



北 川「でもみんながやめてないから、ね、頑張れる、っていうのはすごい、あるよね」



沢 井「ある。もう常にいてくれることが支えだから」
北 川「存在が」



 泉 「あと、すぐつながれることも」
沢 井「ね」


 「みんながやめてないから頑張れる」と北川景子が言い、「常にいてくれることが支え」と沢井美優が言う。スーパー戦隊なんかでも、ハリケンジャーとか、つき合いの続いている仲の良いチームはあるみたいだけど、まあ多くはないよね。ありがたいことである。
 で、問題は次のパートで、沢井美優が(あの沢井美優が)かつて「現場」で「心が折れた」ことがあるというのだ。



沢 井「ちょっとなんか心折れそうになったときに、違う現場行って心が折れて、泣きながら帰った時に戦士に連絡した」
安座間「へぇ〜」



 泉 「何か憶えているかも」



北 川「最近のやつ?」
 泉 「最近だね」



北 川「去年か」
 泉 「数年前だよね」



沢 井「そう数年前。30越えた大人なんだけど『無理!』と思ってみんなに」
北 川「あったね……結婚前のやつ?」
沢 井「結婚前」



北 川「あ、うん憶えてる憶えてる」
沢 井「みんな〜(泣)みたいな、ってあったけど、みんなすごい、フォローしてくれたり『〜だよ』とか言ってくれて」



沢 井「すごい、元気!って思って」



安座間「よかった!」


 「数年前」ということは、2020年春にコロナ禍でいろんなことが中断してから以降と考えて良いだろう。以降、舞台の仕事はなくて「未解決の女 警視庁文書捜査官」 Season2 第3話(2020年8月20日、テレビ朝日)あたりから、またテレビドラマの仕事が始まる。



 「未解決の女」では最初から花瓶で殴り殺された状態で出てきたが、推理ドラマの死体役は、別に泣くような役でもない。このドラマでも、回想や推理や真相解明の場面でけっこう出番は多かった。

 そうするとその次の日テレのドラマ『35歳の少女』かな。これはちょっと、よく分からないんだ。まず2020年11月14日放送の第6話では、主人公のお母さん(鈴木保奈美)が保険の外交員をやっていて、そのお客さんとして出演しているが沢井だった。



多 恵「お子さんの保険は沢山あって迷いますよね。とりあえず、貯蓄重視型にするか、保証重視型にするか、ですけど……」
 客 「時岡さんなら、どうします? 確か娘さんいらっしゃるんですよね」


 出演者としてクレジットされているのに、この後ろ姿のワンカットしか出ていない。ちょろっとあるセリフで、ファンなら沢井さんだと聞き分けられるが、まあ普通は分からない。



 そして続く第9話(12月5日)と第10話(12月12日)で、 主人公の恋人が小学校の先生で、受け持っている不登校児童の家庭訪問に行くと、そのお母さんが沢井美優なのである。これは第6話の保健のお客さんとは別人である。こういうキャスティングの仕方も、あるのかも知れないが、沢井さんの例ではほかに見たことがない(舞台では『眠れる森の美女』で「料理番の娘」と「お城の侍女」二役があったけどね)。何かしら事情があったようにも思う。



 これ以降、沢井美優が結婚を公表する2022年の10月までのドラマの仕事をざっと見ても、沢井美優の心を折るような何かがあったように思える作品は見当たらない。映画もいくつか出ているけど、その現場がどうであったのか、それは分かりません。とにかく、沢井にもそのくらい辛いときはあった。でも戦士の存在が心の支えだった。ということで、そろそろお時間もやって来た。



 さあ残すはエンディングのみ、というところだが、字数も(私が費やした)お時間もいいところなので、フィナーレを残して今回はこのへんで。次回、間違いなく完結します。