実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第949回】復活!乃木坂セラミュを楽しむために:『かぐや姫の恋人』の巻


 実はセラミュの歴史をまとめるのが面倒になってきたんで「そうだ、こういうときこそAIに代行を頼もう」と思ってChatGPTんところへ行ってみた。


Q:セーラームーンミュージカルの歴史を教えてください。

A:セーラームーンミュージカル(セラミュ)は、1993年から日本で始まった舞台作品シリーズで、美少女戦士セーラームーンのキャラクターを基にしたミュージカルです。以下に、セーラームーンミュージカルの主な歴史を概観します。
 セラミュの始まり(1993年 - 1998年): 最初のセラミュは、1993年夏に「美少女戦士セーラームーン 真夏の夜の夢」が上演されました。……


 え?「美少女戦士セーラームーン 真夏の夜の夢」って、何それ?
 この後に続く解説も、1998年の原史奈時代から後を「新セラミュ」と呼んでみたり(確かに以前はそういう区分もあったけど、いまそんな話をしたら混乱するでしょ)、脚本・演出が斉樹潤哉になってからはオリジナル・ストーリー一辺倒になったとか(でも『暗黒のブラック・レディ』や『無限学園ミストレス・ラビリンス』なんかが制作されていたよね)とか、事実誤認が多い。



 さすがのAIも、セーラームーンの解説に関してはまだまったく使えないレベルであることが判明した。しかたない、後半も自分でまとめます。前回はレストランショーの「3. -SHINING MOON TOKYO-」までだったね。

4. 『かぐや姫の恋人』(2021年)


 20周年記念イベントだったネルケ版第1期セラミュは2013年の『La Reconquista』に始まり、2017年の『Le Mouvement Final』に終る。その翌年2018年早々、3つのシンボルマークと共に、セーラームーン25周年を記念する三大ステージコンテンツの計画が発表された。



 右の紫のマークは人気アイドルとコラボした「乃木坂46版セーラームーン」、中央の黄色は海外マーケットを意識してダンスショー的要素を強めた「The Super Live」、そして最後のひとつ、右のピンクが「New Musical」である。



 最初は2018年に乃木坂ミュージカルがあり、スーパーライブの公演があった。ここまでは前回で述べた通りである。そして次の2019年に、満を持して「New Musical」、つまり本命となる新セラミュ登場という予定だった。



 ところが翌2019年の5月、その新セラミュの演目が『かぐや姫の恋人』であることが発表されたのだが、そこで同時に、公演が一年延期され、2020年8月に決まったことも告知されたのである。そして二カ月後には、キャストを入れ替えての乃木坂ミュージカルの再演が発表される。



 つまりこれって、演目が『かぐや姫の恋人』に決まるまでにちょっとバタバタがあって、その結果、舞台の準備が遅れて、公演が一年繰り延べられたこともあり、急きょ乃木坂ミュージカルを再演することに決めた、というふうにも解釈できるのだが、どうか。



 『かぐや姫の恋人』は、1994年の劇場映画『美少女戦士セーラームーンS』の原作である。その前年の『劇場版セーラームーンR』はアニメ版セーラームーンの評価を決定づけた作品となったが、これはいわば幾原邦彦のセーラームーンで、原作者にとっては「原作とは違うセーラームーン」だった。(もちろんそれはアニメ版を否定するという意味ではない。)そのことで抱えていたあれこれの思いのなかで、武内直子は新作劇場版の原作を自分で書き下ろして、原作者として可能な限り制作にかかわった。原作漫画単行本の末尾で武内直子は次のように述懐しているが、ここには、ひらがなカタカタ多めの文章を通じて、先日起こったある痛ましい出来事にも通じる「漫画が映像化されるにあたって原作者が受ける精神的ストレス」というシリアスな問題が綴られている。




 「……実は、’93映画〝セーラームーンR〟をおまかせにしてしまったコトが、ナオコ、けっこうずっとストレスになってまして……。ギョーカイでは、〝映画はまったくのオリジナルで〟というのがジョーシキらしい。しかしナオコは、自分の作品なのにそれはちょっとさみしいな、って思っちゃったの。そのジョーシキに正面から体当たりしたこの掟破りのおしごと、多方面の方々にホントにごめいわくをかけてしまいました。ミナサマその節はほんとーにごめんなさい(とくに体あたりしてくれたタントーおさぶ ほんとにありがとね♡すべてあなたのおかげです♡)
 今ではね、ちょっぴり反省してるの。TV版にもいえるコトだけど、やっぱり同時進行ですすんでいくというのは、だれもがスケジュール的にキツくなってしまうし。
 原作者がクビをつっこんだおかげで(?)いつものアニメのセーラームーンの世界をちょっぴり混乱させちゃったかなー なんて(こう思っちゃうトコロもナオコはとてもさみしいんだけど)……」
 (講談社コミックスなかよし『美少女戦士セーラームーン 11 かぐや姫の恋人』1995年より抜粋)


 実写版が放送されていたころのインターネットの掲示板にも、実写版をめちゃくちゃに否定して、さらに勢い余って原作者さえ誹謗するアニメ原理主義者が実はけっこういた。アニメがヒットしたおかげでセーラームーンがビッグタイトルになって、原作者もその恩恵に預かってるのだから、ごちゃごちゃ自己主張するな、という論調である。そういう暴論のなかを武内直子がサバイバルできた理由は、主として(1)「本人の意志の強さ」(2)「信頼できる担当編集者(おさぶ=小佐野文雄)の存在」(3)「SNSの不在」という三点にある、というのが私の理解である。
 そして以下は例によって、根拠のない私の妄想に過ぎないが、原作者にとってそういう思い入れのある作品の舞台化、ということを考えれば、30周年記念プロジェクトの目玉としての新ミュージカル『かぐや姫の恋人』に、武内先生が相当深く関わっていて当然、と思うのだ。いや、そもそもこの作品が30周年の題材に選ばれたこと自体、原作者の強い意向がはたらいた結果かも知れない。それできちんと脚本を監修したいとか、そういうあれこれの準備があって、本来なら2019年に実現する舞台化のプロジェクトが先送りになり(代わりに好評だった乃木坂版の再演が行われ)さらにコロナでもう公演が延び延びになったのではなかろうか、というのが私の推測である。



 すみません。話が脇道に逸れた。ともかく、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン かぐや姫の恋人』は、『レヴュースタァライト』などなど数多くの人気舞台を手がける三浦香の脚本・演出、東映特撮でおなじみ坂部剛の音楽で、2021年9月3日から12日まで天王洲 銀河劇場で計16回上演された。


セーラームーン/月野うさぎ: 田中梨瑚


セーラーマーキュリー/水野亜美: 前川歌音


セーラーマーズ/火野レイ: 小林れい


セーラージュピター/木野まこと: 松村キサラ


セーラーヴィーナス/愛野美奈子: 牧野真鈴


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セーラーウラヌス/天王はるか: 寺田真珠


セーラーネプチューン/海王みちる: 木下綾菜


セーラープルート/冥王せつな: 南 千紗登


セーラーサターン/土萠ほたる: 井手柚花


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<セーラーちびムーン/ちびうさ> 小林百合香(Wキャスト)


<セーラーちびムーン/ちびうさ> 鎌田英怜奈(Wキャスト)


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<ルナ> 櫻井佑音


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<タキシード仮面/地場 衛> 蒼羽りく


 さて、令和セラミュ(最初の乃木坂は平成最後だけど)をサクッと総括しておこうと書き始めたこのブログ、前後編にするつもりが、また時間がなくなってしまった。本日はこれで失礼します。次回なんとか終わりにしたい。今回は地味な記事になってしまったので(いつもか)、にぎやかしに「こんな人もセラミュに出ていましたよ」的な意味で、多部美華子さんや城田優さんの画像をちょこっと出したが、まあみなさん御存知ですよね。最後にやっぱり、アンザ時代の『SuperS 夢戦士・愛・永遠に』(1995年夏/1996年春に改訂版)でフィッシュ・アイを演じている木村多江さんを出しておこうか。美形ですね。



 話は変わるが、最近、TVerが北川景子づいていて、今も『ブザー・ビート 〜崖っぷちのヒーロー〜』(2009年、フジテレビ)や『探偵の探偵』(2015年、フジテレビ)といった旧作が視聴可能になっている。ちょっと前まで『LADY 〜最後の犯罪プロファイル〜』(2011年、TBS)を全話やっていて、私も北川さんがDAIGOと共演した第1話を久々に視聴してしまった。木村多江さんは北川さんの上司でした。では。


無茶をする北川景子をひっぱたく木村多江