実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第925回】ウエディングドレスとサイコホラーの巻(沢井美優『憑きそい』)


 安座間美優。いままでモデルとしてウェディングドレス姿を披露してきたが、リアルなやつを見せてはくれないだろうか。



 まあ何にせよ、良かったよ。ほかの戦士のときは「おめでとう」だったけど、みゅうみゅうだけは「良かった」だよ。M14さんのとこでも、そんなふうに言われていた。



 そうゆうことで、安座間美優さん御結婚おめでとうございます。何だか私までお父さんになったような気分だよ。安座間さんのお父さんごめんなさい。




 さて今週も週末はドタバタなんだが、パソコンに保存しておいた10分ほどの動画をさらっと視聴しました。前々回のコメント欄で教えていただいた(というより沢井さん自身がSNSで告知していたそうだが)『憑きそい』というオムニバス怪談ドラマの第8話、エピソードタイトルもそのまま「憑きそい」。地上波では関東のみで放送されていて、第1話と最新話はTverで、全話はFODで視聴できるそうです(2023年9月6日放送、原作:山森めぐみ/脚本:川原杏奈/照明:織田誠/撮影:清川耕史/監督:曽根隼人/プロデュース:下川猛/制作:フジテレビ)。



 原作は「トラウマ系心霊漫画」である(山森めぐみ『憑きそい』扶桑社、2022年)。ホラー漫画といえば私なんか、楳図かずおとか日野日出志とか、人物の顔の陰影から背景まで、びっしりペンの入った密度の濃い画を思い浮かべる。それがまた恐怖感を煽るものなんだが、時代は変わった。この原作は下絵っぽいラフな感じで、SNSの投稿マンガみたい。と思ったら、もともとインスタに投稿されて評判になり、単行本化されたということだ。原作の山森めぐみ先生はイラストレーター兼占い師で霊感が強く、身の回りで直接間接に見聞した不思議な出来事を漫画化した実話ものなんだって。



 主役というか狂言回しとなる「山川めぐみ」を演じているのはユマニテの山田真歩。第8話からいきなり観たので、ドラマ版でも主婦という設定かどうかは分からないが、もちろん霊感は強くて占い師もやっていて、会社にも務めているようだ。
 今回のエピソードはその勤め先の同僚、聡子(沢井美優)に頼まれて彼女の運勢を見てあげるところから始まる。



めぐみ「大きな転機が訪れるのは今年よりも来年のようで、ただ、恋愛運、良いです」



聡 子「本当?」



めぐみ「その顔は、どなたか良い人います?」
聡 子「ちょっと、見てもらっていい?」



めぐみ「彼氏さんいたんですね」



聡 子「彼氏ってわけじゃないんだけど、仲川さんとは婚活サイトで出会ってなんだか……」



めぐみ「ふうん」



聡 子「ちょっと最近、連絡なくてさ」


 でも、聡子と中川さんの関係からして、そもそも変なのだ。この「彼氏さん」こと中川(原田新平)がちょっとヤバい感じの人だ。



 婚活アプリで知り合ったばかりなのに、突然「これ記念にプレゼント」と聡子にワインボトルを渡す、そのチャラさというか何というか。



 聡子が当然「嬉しい。で、記念って?」と尋ねると「会うの5回目だから」って答える。そういうことを言う奴ってどうかな、とお父さんなら考える。



 で、この変な男の中川が「あのさ、この後さ……」と聡子をベッドに誘いかけると、そこに背後霊のように現れるのが、聡子の親友の可奈子(中島亜梨沙)。



 「初めまして、この子の親友です。このへんで飲んでいるって言うから」と二人の間に割って入る。



 あげくの果て、店を出ると勝手にタクシーを止めて、「聡子、乗って。この子、飲みすぎるとやらかしちゃうから」と、聡子だけ乗せて帰して、自分は中川さんと残るのだ。



 それでも「可奈子にはいろいろ教えてもらったから」と、指示されたとおり、素直にタクシーに乗り込んで帰宅してしまう聡子も、相当に変である。



 残った可奈子は中川さんと愉しそうに語り合う。もうぜんぜんおかしい。



 この時点で完全に寝取られたと考えて良いだろう。聡子の話を聞きながら、めぐみがスマホの写真を見ていると、その可奈子の姿が。



 二人のあいだに割って入って写り込む加奈子の画像を見たとたん、霊感の強いめぐみは異様な気配を感じる。



 とそのとき、この展開を予想したかのように、当の可奈子が聡子の背後からすっと姿を現わすのである。



可奈子「さぁ~とこ!」
聡 子「可奈子、遅かったね」
可奈子「うちのペットがぜんぜん言うこときかなくてさ」



可奈子「私もこの子の占い聞きたいんですけど、良いですか?」



めぐみ「……」



聡 子「大丈夫。親友だから」



 翌日。職場の昼休み。めぐみは聡子に、もう可奈子との付き合いを止めるよう忠告するが、おとなしい聡子は意外と頑固である。



めぐみ「絶対、あの人が怪しいですって」
聡 子「ええ? しないしない」
めぐみ「だって、三人で会うようになってから、中川さんと連絡取れないようになったんですよね」



聡 子「……私、高校の時さ」
めぐみ「うん」
聡 子「けっこう変わった子で、ちょっとハブられたりしちゃったんだよ。可奈子が助けてくれたんだよね」



めぐみ「う~ん」



聡 子「可奈子はめぐみさんと話したいって。会いたくないよね」



めぐみ「……いや、会いたいです」



 聡子は高校生のころ以来、可奈子に依存し、何でも言うことに従う心理状態が続いている。そして加奈子はたぶん、聡子を言いなりにして、自分の支配欲のようなものを満たしている。その呪縛から聡子を解放してやりたいと思っためぐみは、あえて可奈子に会って、聡子のマインド・コントロールを解く手だてを見つけようとするのだが……。
 可奈子の自宅の居間はカーテンが閉ざされ、キャンドルがあちこちに乱立していた。



可奈子「座ってて」
聡 子「うん」
可奈子「ねえ聡子、めぐみさんもワイン飲めるの」



めぐみ「あ、私お酒は今日は大丈夫です」



可奈子「もったいない」



可奈子「私も占いにすごい興味があって」



可奈子「昔はまっていたっていうか、四柱推命とか手相とか、星占いとか……」



可奈子「……あと観相学とか。人間の顔ってすごい面白いんですよ……」


 心理学、催眠術、サブリミナル効果、薬物療法、マインド・コントロール、宗教、呪術といったタイトルの本が並ぶ書架の片隅に、スクラップブックやファイルの類いが並んでいて、背中に「中川」「島崎」「大倉」などと書き込んである。



 めぐみは見えないようにそのファイルを勝手に取り出す。聡子が小声で「止めなよ」というのも聞かず、中をあらためる。




 そこには、ヤバい男の中川の行動を(おそらく可奈子本人が)秘かに追ったストーカー記録と、中川がかつて別名で盗撮や痴漢などの性犯罪で逮捕されていた男と同一人物であることを示唆する新聞記事の切り抜きなどがスクラップされていた。




 聡子を精神的な支配下におくために、聡子が付き合い始めた中川の情報を探り、弱みを握って中川を聡子から奪おうとしている。そもそも可奈子がなぜそんなことをするのかは分からないが、とにかく異常である。……ということを納得させようと努力するめぐみ。



テーブルの下から秘かにファイルを聡子に渡し、可奈子の異常行動の証拠を突きつける。



 それでも半信半疑というか曖昧な表情な聡子でファイルを返してくる聡子。その時、2階で「ゴン、ゴン」と何かを打ち付けるような音が漏れてくる。



 あの物音は一体なんだ。(そういえば初めて会ったとき、加奈子さん「うちのペットがぜんぜん言うこときかなくて」とか言っていたけど、ペットって……。)めぐみは一瞬ひるむが、正体を突き止めようと意を決する。



可奈子「ごめんなさいね。もうちょっとで出来るから」
めぐみ「あ……すみません、あのお手洗いお借りしていいですか」



可奈子「どうぞ。玄関の奥」
めぐみ「はい」


 ひっそり2階に上がっためぐみは、音の聞こえるドアを開けてみる。



 中は断熱材か防音目的か、壁にアルミシートが張り巡らされている。そしてめぐみがそこで見たものは……。



というところで今回はお終い。短編ホラーだから、これだけでもちょっと内容を紹介しすぎたかなと思うくらいだ。繰り返すが、この続きはFODで視聴可能。TVerの無料配信は終わったが、そのうち別のかたちで視聴できるかもしれない。



 このエピソードに関しては、最後にお化けが出たり人が死んだり血しぶきが飛んだりとかはないので、そういうのが苦手な人でも大丈夫。



 なんとなく分かったような分かんないようなオチであるが、そういう曖昧さが許されるから、日本はホラー映画分野で頭角をあらわせたのであろう。



聡 子「しかたないよ教育なら」



 今週も短くなると思っていたけど、なんだけっこう記事が書けたな。じゃ今回はこのへんで。




 次回はまたちゃんと更新できるだろうか。また欠席でもお許しください。お仕置きだったらこの人たちから受けるので。