謎のシンガーソングライター(って言い方も古いね)マハラージャンの新曲『セーラ☆ムン太郎』。フィジーカー(ボディービルダーとは違うジャンルだそうです)のみさ(櫻井美沙季)さんをあしらったジャケット写真がインパクト大です。タイトルに魅かれて聴いてみたけら、めちゃくちゃカッコいいファンクナンバーだったけど、そんなにセーラームーンとは関係なかった。それにしてもマハラージャンって何なんだ。
1. 『恋はDeepに』第3話
さて、ただいま絶好調(当社調べ)の泉里香、今週は絶賛主演中のBSテレ東『高嶺のハナさん』に加え、日テレ水曜ドラマ『恋はDeepに』第3話にも出演した。予備知識もゼロで初めて観たのだが、なんとファンタジーである。
石原さとみは、人類の環境破壊から海の生き物たちの生活を守るために、海洋学者の姿で人間世界にやってきた人魚姫。綾野剛はマリンリゾート開発計画を推進する会社の御曹司。本来は宿敵となるべき海のプリンセスと陸のプリンスが、禁じられた恋に落ちてしまう。始まってひと月余りになる『トロピカル~ジュ!プリキュア』も人魚の物語だが、あれよりもこっちの実写ドラマの方が古典的。泉里香は第3話の冒頭で石原さとみとすれ違う。
最後の方で、石原さとみと綾野剛が「お疲れ様」と別れて間もなく、綾野剛に駆け寄り、その胸に飛び込む美女がやっぱり泉里香。
その直前に、お兄さんの大谷涼平が綾野剛を激しく憎んでいる描写が出てくるから、泉里香はそっちの関係か?まあよく分かんないっす。
2. 『リコカツ』第2話
北川景子の『リコカツ』はもう第3話(2021年4月30日放送)まで行った。瑛太のキャラクターが秀逸である。仕事に一途な自衛官で、堅物すぎて北川さんとライフスタイルが合わない、でも本心では北川さんのことが大好きでしょうがない不器用な男です……っていうことだが、ちゃんと現代的である。
たとえば第2話「離婚の準備は偽装夫婦から」(2021年4月23日、TBS、脚本:泉澤陽子/照明:大金康介/撮影:寺田将人/監督:坪井敏雄/プロデューサー:植田博樹・吉藤芽衣)。
『マリ・クレール』編集部が連載を依頼したいラルフローレン副社長の吉良夫妻からパーティーへの招待状が届く(このドラマってファッション関係の固有名詞がやたらと実名である)。
吉良夫妻は旦那(谷田歩)が副社長で、奥さん(月船さらら)はマーケティング・ディレクターというイケてる夫婦。なので招待客にもパートナー同伴を望んでいる。咲(北川景子)は嫌がる紘一(永山瑛太)のジャケットを新調し、その日は絶対空けておくように釘を刺す。
ところが全く同じ日に、紘一の所属する自衛隊の航空救難団で、恒例のバーベキューパーティーが行われることになってしまった。こちらも家族がいるものは同伴というのがルール。
しかも、事情を話そうとしたところ、隊長の重森(菅原卓磨)から「おお緒原一曹、奥さんにまた会えるの楽しみにしてるぞ」と先に言われてしまった。結局そのまま家に帰り、またまた夫婦ゲンカで離婚の危機。まあリコカツ中ですけど。
で、当日の日曜日、二人はそれぞれの用事に出かけることになる。でもバーベキューの準備で野菜を切りながら、紘一はどこか上の空で、ぼんやり考え事に耽っている。
やっぱり北川景子は可愛いなあとか(そりゃそうだ)あと奥さん(宮崎美子)に逃げられた父親(酒向芳)と口論になったとき、つい「父さんは母さんのために、自分を曲げて我慢したことがあるんですか? 夫婦でいつも妻だけが我慢するなんて、おかしいですよ」と説教してしまったことを思い出したりする。
でも考えてみれば、自分も父と同じように、妻が我慢すればいいと一方的に思っていなかったか? そう気づいた紘一は、隊長に報告してバーベキューから都内のパーティー会場に直行することにする。このへんの潔さが、このドラマの後味の良さなんだけどね。
紘 一「自分は今から行かねばなりません」重 森「何?」
紘 一「妻が大切にしている仕事のために、行かなければならないんです」
重 森「緒原、夫は家庭での司令官だ。妻を導くこともできずに司令官が務まると思ってるのか」
紘 一「自分もずっとそう思っていました。でも、それは違うのではないかと」
紘 一「夫もまた、妻を支え、妻のために変わることも必要なのではないかと」
紘 一「失礼します!」
╳ ╳ ╳
朋 美「咲さん、結婚したんですってね、おめでとう」吉 良「旦那さんは?」咲 「申し訳ありません。今日、夫は都合が悪くて」
吉 良「そう……」咲 「私たち夫婦は、お互いに自立していて、相手に無理強いすることなく、適度な距離感を保つ。そういうスタイルなんです」
吉 良「なるほど。自分の足で立つことは素晴らしい。適度な距離感を保ち続ける、新しい夫婦の形として魅力的な提案だね」
咲 「ありがとうございます」
吉 良「でも、だったら結婚してる意味って、何なのかな?」
咲 「えっ?」
吉 良「咲さん、君の考えはすごくかっこいいと思う。けど少し寂しい気もするな」
吉 良「だったら、わざわざ結婚しなくてもいいのかなって」
紘 一「ああ!」
紘 一「遅れて、申し訳ありません!」
紘 一「咲の夫、緒原紘一です」
朋 美「あなたが咲さんの……」
紘 一「はい、夫です」吉 良「そのスーツ、よく似合ってるよ」
紘 一「あ……妻が選んでくれたものです」
紘 一「あの、彼女は……妻は誰よりも努力して編集者になったんです」
紘 一「彼女の仕事にかける思いを自分は尊敬しています」
紘 一「彼女なら、貴方たちの望む仕事をしてくれると思います」
吉 良「彼女の大事な時には駆けつける。そういう熱い心も持ってる、素敵なパートナーだね」
紘 一「ありがとうございます」
咲 「あの!」
咲 「私、ここで失礼させていただきます」
大 崎「何言ってんの咲ちゃん。せっかくいい感じなのに……」
咲 「夫の大事な用があるんです」
咲 「夫が駆けつけてくれたように、私も夫のために、できることをしたいんです」
咲 「行こう」
大 崎「ちょっと!」
咲 「失礼します」紘 一「失礼します」
╳ ╳ ╳
狩 場「結局、戻ってきませんでしたね、緒原一曹」
早乙女「(小声で)し〜っ、片付けるぞ」
早乙女「あれ 緒原一曹?」
狩 場「奥さん!」
咲 「遅れて申し訳ありません。緒原紘一の妻です」
咲 「片付けは私たち夫婦にやらせてください」
╳ ╳ ╳
紘 一「隊長、先ほどは生意気を言い申し訳ありませんでした」
重 森「緒原一曹、忘れるな、お前の言ったこと。それが夫婦というものだ」
紘 一「ありがとうございます」
紘一だけじゃなくて、隊長も理解があって、なかなかカッコいいんだよね。
でも後輩の一ノ瀬三尉は複雑。「入隊してからず~っと緒原一曹のこと好きだったのに、救助したあの女が美人だったばかりに取られた」と(たぶん)思っている。
演じているのは田辺桃子。かつてスターダストプロモーション所属の小学生アイドルグループ「みにちあ☆ベアーズ」に所属していた。最近ものすごく活躍している。コロナによるスケジュールの乱れとかいろいろあるんだろうけど、今シーズンは『リカ ~リバース~』(2021年3月~4月)『ゆるキャン△2』(2021年4月~)『ガールガンレディ』(2021年4月~)そして『リコカツ』(2021年4月~)といったドラマにレギュラー出演しているうえ、夏には角川から映画『犬部!』が公開、あとリクルート『SUUMO』のCMもこの春からと、ちょっと異常なほどの出演ぶりである。
その田辺桃子の一ノ瀬三尉が、ちょっとしたジェラシーから咲にいじわるをしてしまう。「奥さん、あっちの方にクーラーボックス忘れちゃったみたいなんです。すみませんが一緒に取りに行ってもらえませんか」と声を掛け、紘一から引き離し、森の中へ連れ出したのだ。
咲が途中で足を痛めると、一ノ瀬三尉は、後で迎えに来るから、と言い残して、そのまま咲を置き去りにキャンプ場に戻って、何も無かったかのように後片づけを続ける。軽いいたずらのつもりだったのだろうが、彼女と違って日ごろ何の訓練も受けていない咲は、自力で戻るどころか、森の奥に進んで迷ってしまい、あたりは暗くなる。当然、妻の不在を知った紘一は全力で救いに行くわけですね。
紘 一「咲ちゃん!」
咲 「紘一さん……」
紘 一「バカヤロウ!」
紘 一「二度と俺のそばから離れんな!」
紘 一「乗れ」
咲 「えっ?」
紘 一「早く!」
咲 「どうして いつも守ってくれるの?」
咲 「私たち、離婚するのに」
紘 一「だが、まだ君の夫だ」
第1話と同じ「まだ君の夫だ」で決めるので、少し笑っちゃったよ。ひょっとして毎回ラストに咲のピンチ、紘一が助けて「まだ君の夫だ」ってパターンで行くのかと思ったら、第3話はひっくりかえしてきた。
咲 「だって 私、まだあなたの妻だから」
面白いけど、このままじゃリコカツどころか、完全にヨリ戻ってんじゃん、というところで新展開。二人の新居に、咲の母親の美土里(三石琴乃)転がり込んできた。ダンナ(佐野史郎)の浮気現場もスマホで撮影したし、専門の弁護士にも相談を始めるなど、離婚に向けて準備万端である。
でも美土里を訪ねてきた弁護士を見てびっくり。それは咲にとっては元カレであり、紘一にとっては通っているジムでのトレーニング仲間である貴也(高橋光臣)であった。
で続く、という感じ。ここで元カレとの関係が複雑化して話を引っ張るんだろうね。
ドラマ以外の小ネタとしては、琴乃さん自身もSNSでお伝えしているらしいが、本棚に並べられた美土里さんのエッセイ本が、背表紙の一番上のローマ字を左から読むと「TSU KI NI KA WA TTE O SHI O KI」(月に代わっておしおき)になっていたり、携帯の着信音がエヴァンゲリオンだったり、三石さん絡みの小ネタも楽しい。そのうちセーラーマーズ関係もなんかやってくれないものか。
3. 『高嶺のハナさん』第2話&第3話
今回はこのくらいにしておきたいんだが、泉里香の『高嶺のハナさん』にもちょっと触れておきたい。もうこれは絶好調すぎて、どこから手をつけていいのかわからない。
『M14の追憶』が、原作を読まずにこのドラマの構成を「サザエさんと同じ3話形式」って見抜いて、台本やロケハンに手間がかかるんじゃないかって書いているんだけど、実はムラタコウジの原作漫画がだいたい1話につき6~8ページくらいの連作短編で、それを3話つなげるとドラマ1回ぶんの内容になる、というのが真相である。
もちろん、ところどころアレンジが加えてあって、その結果わけがわからなくなっている場面もあるので、解説しておく。
第2話。休日仕事を終え、チャラ田こと更田(猪塚健太)の誘いで、華(泉里香)と弱木(小越勇輝)と、三人で昼飲みに行くことになる。しかし言いだしっぺのチャラ田は、女から誘いがかかって途中で抜けてしまう。二人きりになった華と弱木は、ドキドキしてわけが分からなくなり、とりあえず近くにあったラーメン屋に飛び込む。出てきたチャーシュー麺は独特の形状をした大盛りで、二人はなぜか、そのチャーシューメンに願をかけて食べ始める。
どういうことかというと、原作では、この日はクリスマスという設定なのだ。クリスマスの夜なのに二人でラーメン屋というところがポイントで、出されたチャーシュー麺はクリスマスツリー盛り。まあどっちにしても、七夕じゃないんだからツリーに願をかけるのもどうかと思うが。
もうひとつ、第3話から、弱木が会社のお花見の幹事になる話も挙げておく。こちらはクリスマスと違い、原作どおりドラマ化しても季節感はぴったりだったんだが、いかんせん現状ではさすがにお花見ネタはまずい、ということだろうね。ドラマ版では、退職する上司の送別会を任された弱木が、スポーツ好きの上司のために、体育館を借りきって送別会を行う、というかなりむりやりなアレンジが施されている。
宴会が終わり、酔いつぶれた弱木が目覚めるのを待って二人で歩き出すと、ちょうどいい感じに夜桜見物となる。ここはほぼ原作どおり。
一方、残念な原作改変は第2話ラスト。家のなかでは弱木きゅんのため思いっきり可愛い衣裳にヘアスタイルを試す華。ここが原作漫画ではすごいことになっている。
これはセーラームーンのポーズを含め、ぜひ泉里香にやってもらいたかったけどな。てなところで、本当はほかにもいろいろネタが満載なんだが、また別の機会に。