実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第767回】アイドルは恋愛は禁止でも殺人禁止じゃないわ!の巻(小池里奈『美食探偵 明智五郎』第7話)

公開日変更なので貼り直し。公式サイトより。



劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」について、2020年に公開を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大による国内の事態を受け協議を重ねた結果、公開日を以下の日程とさせていただくこととなりました。
劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公開日
《前編》2021年1月8日(金)
《後編》2月11日(木・祝)


 さて、話かわって鉄神ガンライザー公式ツイッターより、左から松尾英多郎 志田友美 加村真美 小松彩夏 片桐仁 鈴木裕樹。



 ちょっと前のコメント欄で、小松彩夏、加村真美、志田友美と、国宝級の美少女を三人も世に送り出した岩手県は偉大だ、という話をしました。三人とも郷土愛が強いが、特に加村真美は、ローカルヒーロー「ガンライザー」シリーズに皆勤賞のヒロインだそうだ。ところがしかし、ガンライザーなんて、名古屋あたりに住んでいても視聴する機会には恵まれない。



 だから私が加村真美に出会ったのは『咲 −Saki−』の福路美穂子役であった。名門、風越女子学園高校麻雀部の主将で、優しくて、後輩思いで、部員たちから「キャプテン」と慕われている。なかでも2年生のエース、池田華菜はキャプテンが大好きで、キャプテンにあこがれて麻雀部に入ったような子である。





 華菜を演じた武田玲奈は、この『咲 -Saki-』に出る前後に、Amazonプライム・オリジナル連続ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)に、アマゾンの妹役でレギュラー出演して、ハチアマゾンに変身してしまった沢井美優に食われそうになったりした。沢井さんにグロい変身をさせるなんて許せない、責任者出てこい、とも思うが、プロデューサーが白倉伸一郎、脚本が小林靖子だからしょうがないや。







 沢井さん怖いよ〜。そしてこの時の恐怖体験からか、武田玲奈はシーズン2で、アマゾン狩りをするアマゾン駆除部隊の隊員に志願したのであります。
 武田玲奈の初の主演作はその後だ。MBS「ドラマイズム」のオリジナル作品『マジで航海してます』(2017年)。ただし単独主演ではなく、飯豊まりえとダブル主演。翌年にはシーズン2まで作られたのだからそれなりに人気はあったのだろう。



 商船大学で出会った二人の少女がそれぞれ航海士と機関士に成長していく、という、まあ普通の青春ドラマなんだが、主演二人が何かとくっついてじゃれあって、しかも毎回入浴シーンがあるのに釣られて、私は全話もれなく観た(←バカ)。





 その武田玲奈が「堕天使」を演じるのが今回レビューする『美食探偵 明智五郎』の第7話である(2020年6月14日、日本テレビ、脚本:田辺茂範/撮影:小松高志・猿方直人/照明:蒔苗友一郎/演出:菅原伸太郎)。いや意味もなく遠回りをしてすまない。いつものことだが。



 地下アイドルグループ「爆音エンジェルズ」は、ひな(小池里奈)、ココ(武田玲奈)、みわ(水谷果穂)の三人組。




 『美食探偵 明智五郎』は東村アキコの漫画が原作である。東村アキコの漫画は、ここ数年の間に『東京タラレバ娘』(2017年、日本テレビ)『海月姫』(2018年、フジテレビ)『偽装不倫』(2019年、日本テレビ)と立て続けにドラマ化されている。この人の漫画はだいたい、恋愛→結婚→家庭という定食コースを望みはするものの、体質的にそこからドロップアウトしてしまう女子のお話であることが多い。『美食探偵 明智五郎』の場合も、タイトルから連想されるようなミステリ作品ではない。明智五郎(中村倫也)の名を冠してはいるものの、実際の主人公はその名探偵のライバルであり恋人として暗躍する毒婦(古いね)「マグダラのマリア」(小池栄子)である。



 マリアはもと平凡な主婦だった。そんな彼女の魔性を目覚めさせたのは明智である。夫の浮気を疑い、調査を依頼した美食家探偵の明智に手料理をふるまったとき、その味わいに明智は「あなたは本当のあなたを心のどこかにしまい込んでいるのではないですか?これからは本当のあなたをもっと自由に解き放つべきだ」と感想を述べた。このひと言が彼女を変え、普通の生活からドロップアウトさせてしまったのだ。キッチンナイフで自分の夫を手にかけた彼女は、自殺にみせかけて姿をくらまし、それからはあちこちに出没しては、かつての彼女と同様、平凡な生活の崖っぷちに立つ人々を誘惑し、犯罪の世界に巻き込む魔女となった。



 あるときは男に捨てられたリンゴ農家の娘(志田未来)に言い寄り、彼女の手作りリンゴジャムに青酸カリを仕込んで恋人への復讐を手助けし、またある時は、プライド高いフレンチレストランのシェフ(武田真治)にトリックを伝授して、ネットに彼の店の悪評を流したグルメレビュアーの喉にパンを詰まらせ窒息死させる。別の機会には、ストレスをかかえた料理好き専業主婦(仲里依紗)を悪魔の囁きで導いて、母の手料理しか認めないマザコン夫を亡きものにさせ、遺体をぶつ切りにして冷蔵庫に保管し、行方不明を装わせた。こうして己の手を血に染めてしまった者たちは、マリアの奸計によって逮捕を免れ一般社会から姿を消し、マリアの次の計画に手を貸すマリア・ファミリーの一員となってしまうのである。



 今回、マリアとそのファミリーが目をつけたのは地下アイドルグループ「爆音エンジェルズ」のココ(武田玲奈)。アイドルとしての成功を夢見ているが、現実はバイトの金をライブやインディーズCD制作に注ぎ込む日々。そんなある日、バイト先のカラオケボックスで、いつもライブに来てくれるファンの田畑(森永悠希)とばったり出会い、つい声をかけてしまう。







 失敗ですよね。地下アイドルの悲劇というか、いつもお世話になっているファンの方だからって、声をかけてしまったのかな。でもそれはやっちゃいけないことだった。この瞬間から、明智が言うように、田畑にとってココは「手の届かないステージ上の天使という偶像から、ただの天使みたいな女の子に」なった。そしてココに対する、田畑のストーカー行為が始まる。





 そしてこういうことは、歯止めがきかないんですね。とうとうオタクの田畑は、ココの家の周囲に出没するようになる。










 これはもう犯罪である。なんとかしなければ、ということで、メンバーのなかでしっかり者のひな(小池里奈)は、ライブハウスでココを待っている彼に、思い切って直接注意する。








ひ な「入り待ち禁止なんですけど」





田 畑「おれココにゃんに話あるんだよ。ココにゃんさあ、ずっとアパート帰ってないし、バイトにも来ていないんだよね」



田 畑「あ、おれとの関係マネージャーに咎められたとか、それ系?」



ひ な「……お前のせいだろ……」



田 畑「?」





ひ な「私たち、有名じゃないし売れてもないけど、アイドルとしてプライドもってやってるんで、ファンとかとそういうこととか、絶対にありえないっていうか……アイドルと恋愛したかったら、よそ行ってください」



田 畑「おい!」








 こういう場面を観ると、やっぱり小池里奈って、ライブシーンも含め、ちゃんと地下アイドルを演じられて、なおかつ、こういう場面でグループ代表としてお芝居もきちんとできるし、キャスティングされやすいのだろう。そういえば『セーラーゾンビ』(2014年、テレビ東京)もそうだった。


『セーラーゾンビ』第3話より、左から大和田南那、高橋朱里、前田聖来、飯田祐真、小池里奈。


 AKB48のドラマとはいえ、主演は研究生から昇格したばかりでドラマ初出演だった大和田南那、それだけでは心もとないので、髙橋朱里と川栄李奈を補強してトリプル主演という形をとったけど、この二人だって当時は、女優としてはまだ駆け出しみたいなものだった。そこで最初はクラスメートなどに芝居の達者な若手を投入して、でもその子たちは途中でどんどんゾンビに食われて、最後はAKBメンバーだけが生き残る、という趣向だった。なかでも小池里奈は前半の芝居を引っ張っていたと思う。第3話でゾンビに食われてゾンビ化して、血清を打たれて一時は人間に戻ったが、相島一之のせいで再びゾンビの餌食となり、第5話までの出演で終わった。



 話を戻します。ひなが階段から転落したと聞いた爆音エンジェルスは病院へかけつける。




み わ「なんなのアイツ。なんで私たちがこんな思いしなきゃいけないの。プロデューサーが来る大事なライブだったのに」



コ コ「ごめん、私のせいで」



ひ な「ちがうの、私が下手打ったの。ここまで頭おかしい奴だなんて思わなかったし」



明 智「これは立派な殺人未遂事件だ。すぐに警察に届けた方がいい」



ひ な「だめ。警察には言わないで。わたし親にバレたら大分に連れ戻されちゃう」



コ コ「私たち約束したんです。絶対に三人で武道館に立とうって」



コ コ「この夢のために、いろんな楽しいことあきらめて、バイトいくつもかけ持ちして」



コ コ「ひなちゃんなんか、爆エンのためにもう何十万も借金してるし」



コ コ「みわはメジャーなグループの誘い断って爆エンに賭けてくれたし」



コ コ「こであきらめるわけにはいかないの」


 「絶対に三人で武道館に立とう」というくだりは、原作ではもう少し後に出てくるんだけど、とにかく、これ以上オタクの田畑に邪魔されたくはないし、警察沙汰もいやだ。という状況へもっけの幸いと近づくのがマグダラのマリア。





 その晩、ココの携帯にメッセージが入り、廊下に出てみると、マリアから堕天使ココへの毒キノコのプレゼントが置いてある。











 ココはこのキノコを入れて手作り弁当を作り、オタクの田畑と待ち合わせる。こうして爆音エンジェルスの堕天使担当が、ほんものの堕天使になってしまう。













 とうとう食べてしまった。でもこのことが発覚しても、「爆音エンジェルズ」の三人の絆は硬い。正直言って、ここまでくると、ギャグなんだか何なんだかよくわかんないや。






 ここはドラマ第7話には出てこなかった場面だが、アイドルは恋愛禁止だけど殺人禁止ではないって名言だな(そうかあ?)。
 というお話であるが、小池里奈の出番はほぼ終わったし、私もだいぶ疲れたので、今回はこのくらいで。マンガとドラマを同期してレビューするのってあんがい手間がかかるんだよ。