実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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引っ越しのご挨拶


 だぁ〜っ。ようやくブログの引っ越しが終了したよ。デザインのセンスなどカケラもない私だから、この画面を見て多くの方が「相変わらずだっせえ」とか思われるだろうが、いいんだ。とにかく5戦士がくるくる入れ替わるGIF画像(これはかつて「セーラームーンリング」というグループに参加していたときのバナーの名残りで、私がこのブログを始めた原点みたいなものだ)をトップに残しておくこと、そして5戦士のイメージカラーをデスクトップに折り込んでおくこと、という目的は果たしたので、これでよし、としたい。

 旧「はてなダイアリー」のテキストは、コメント欄ともどもテキストファイルで書き出して、自分の過去ログや「M14の追憶」へのリンクは、ひとまずエディタの検索・置換ですべて新しい「はてなブログ」のコンテンツに行けるよう貼り直しました。その他リンクをざっくり点検しましたが、当然ながら古い記事についてはリンク切れのものも多い。でもそれをいちいち修正するのも難儀ですし、昔の名残りというか、原則的には跡地として残しておきました。画像についてはいろいろ不具合もありましたが、だいたい修復して、過去ログも普通に見られるようにしたつもりでいます。そういったことも含めて、もし過去ログをお読みになってなにかおかしな点がありましたら、コメント欄でぜひご指摘いただければと思います。可能な限り遡って修正いたします。



 というわけで、次週より「Leo16@PGSMな日々」をこの場所にて再開する。2月早々に海外出張とかあるので、いきなり途切れ途切れになるかも知れないがが、今後ともご愛顧よろしく。前回、新年の挨拶でも危惧したように、まだ『指定弁護士』レビューがクライマックス前だというのに、引っ越し作業中に『家売るオンナの逆襲』と『スキャンダル専門弁護士QUEEN』が始まってしまい、いちおう家売るオンナだけ観たけど、面白いので、早くも次回の記事をどうするか悩んでいる。困ったね。
 ちょっとだけ触れておくと、新シリーズには留守堂謙治(松田翔太)という新キャラクターが登場する。彼はフリーの不動産屋で、主人公、三軒屋万智(北川景子)のライバル、ということなんだけれども、ちょっとへんだ。ふつう人気ドラマに続編が作られ、ライバル登場というと、その意図は主人公に新たな試練を与える脅威となり、シリーズのマンネリ化を防ぐことにあるのだが、留守堂はそうじゃなくて、最初から三軒屋万智の引き立て役なのである。



 私が思う『家売るオンナ』の最大の魅力は、顧客の「業」を全面肯定する三軒屋万智の力にある。たとえば第1シーズン第2話に、引きこもりのニート(ビビる大木)が登場する。普通のドラマの展開なら、主人公は彼が引きこもりを克服し、社会復帰できるように力を尽くすだろう。けれども三軒屋万智は彼の生き方を否定しない。むしろ今後も引きこもりながら生活を構築していけるような人生設計を、そのニートに提案する。



 あるいは、スペシャルドラマ『帰ってきた家売るオンナ』では、老後の不安にかられた独居老人(笑福亭鶴瓶)が二世帯住宅を購入し、勘当した娘夫婦を呼び戻して同居しようと考える。しかし娘(江口のり子)は、かつて父に結婚を認めてもらえず、家を追われ苦労したことを今も深く恨んでいて、一緒に暮らすつもりなど毛頭ない。これもふつうのドラマだと、主人公がこの父娘の仲を取り持つために奔走し、最後は涙の和解で終わるところだ。しかし三軒屋万智は最初から、この親子の関係は修復不可能と見切って、老人に中古アパートの購入を進める。アパート管理人となって、住居者と疑似家族的関係を結ぶことで孤独を癒し、かつ収入を得る余生を提案するのである。荒唐無稽でありながら、安易なホームドラマに流れないシビアな認識が魅力だ。



 で、今回登場した松田翔太の留守堂は、そういう三軒屋万智の特徴をきわだたせる役回りなのである。新シーズン第1話では、炎上商法で話題の人気ユーチューバー(加藤諒)が登場する。念願の有名人になったは良いが、ネタの枯渇におびえつつ、どこへ行っても好奇の眼差しに囲まれ、勝手にSNSに目撃情報を書き込まれる日々に疲弊した彼は、セキュリティのしっかりしたプライベートな空間を求めてテーコー不動産にやって来る。



 普通のドラマなら、そんなふうにプライバシーを切り売りするユーチューバーの生き方を疑問視して、もっとまっとうなライフスタイルを提案するのが主人公の役目だ。ところが『家売るオンナの逆襲』では、主人公ではなくライバルがその部分を担当する。留守堂はユーチューバーが幼いころと祖母と暮らしていたのとそっくりな、古くて静かな一軒家を見つけ出す。そして童心に帰って心安らぐ人間らしい生活に戻るよう勧める。涙を流して喜んだユーチューバーは即金でこの一軒家を購入し、ネットから引退する。ここまでが普通のドラマっぽい展開だ。




 しかし数日も経つとユーチューバーはそわそわし始める。ほとぼりがさめてみれば、人々に騒がれる喧騒に満ちた生活が、恋しくて仕方なくなる。そんな彼に三軒屋万智が改めて用意したのは「丸見えハウス」。大通りに面して、公開生放送をするブースみたいな、文字通り外から丸見えの、まったく売れない物件だ。ここに安らぎやプライバシーはみじんもない。でも結局は、他人から注目される生理的快感こそ彼の生きるエネルギー、それが彼の背負っている業なのだ。万智の説得でそんな自分の本性を改めて自覚したユーチューバーは、またまた即金でこの家を購入。



 そういう意味では非凡な設定だ。普通、人気ドラマの続編にライバル登場とくれば、第1話あたりで、正攻法の主人公をアコギなやり方で出し抜き、尊大に振る舞う、というような展開になって、今後の対決と逆転劇に期待をつなぐところだろう。ところがこの『家売るオンナの逆襲』では、むしろ留守堂が良識的なやり方で上手にミッションを達成した後、三軒屋万智が突拍子もない発想でそれを覆す。しかも、足立王子(千葉雄大)よりフェンシングが強いという見せ場はあるものの、足立にも妙に優しく、天然ボケで人情家。普通に優秀なこの留守堂が出てきたことで、むしろ三軒屋万智の非常識と異能ぶりがますますきわだつ仕掛けになっている。



 ゴジラシリーズのライバル怪獣は、ゴジラをピンチに陥れるために登場するけど、キングコングの髑髏島にいる恐竜や巨大生物は、キングコングの無敵さを引き立たせるために登場する。『家売るオンナの逆襲』の松田翔太は後者に近い。もちろん今後のエピソードの流れで、次第にライバルらしく三軒屋万智の前に立ちはだかる存在になってはいくのであろうが、本質的にこのドラマは、ますますキャラクターがきわだち無敵化してゆく三軒屋万智の快進撃を楽しむのが正しい視聴方法だ。そういう方向性をまずしっかり示してくれた第1話であった。



 ま、とにかくそんなこんなで、新ブログでもこれまでとやっていることに違いはありませんので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。では。