実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第641回】沢井と小松のミルフィーユの巻








『ハワイに恋して2』というのはどういう番組かよく把握していないのですが、プリンセスがとても楽しそうにハワイを満喫しておられるので、まあそんなことはどうでもいいか。可愛い。

1. 『オトナ高校』第1話


 さて本日はいろいろあるから急ぐ。小松彩夏と沢井美優をミルフィーユみたいに重ねていくぞ。
 まずは長らく放置していた土曜ナイトドラマ『オトナ高校』第1話(テレビ朝日、2017年10月14日、脚本:橋本裕志/撮影:高野学/演出:瑠東東一郎)。
 主人公の荒川英人(三浦春馬)は大手銀行に勤める30過ぎのエリート社員で、モテモテでも不思議ないはずなのに、プライドの高さがジャマしてか異性経験ゼロ。でも童貞を捨てたくてたまらない。それで強制的に「オトナ高校」に入学させられる。彼みたいな人を「本当のオトナ」にするため、政府が少子化対策の一環として設立した学校である。
 で、実践課題としてねるとんパーティー(なんか古いねえ)が開催される。みごと相手をゲットして童貞にさよならできれば即、卒業である。

 ここで小松彩夏登場。



亜里沙「お疲れですか?」



亜里沙「私、ちょっと辛いことがあって」



亜里沙「失恋したんです。片想いだったんだけど、見かけと違って、女性の出入りが激しくて」



英 人「僕も似たような経験をしたところです」



亜里沙「どんな経験かなぁ」



英 人「いちおう歳上なんで敬語使ってもらっていいですか」



亜里沙「あ、ごめんなさい。でも似たもの同士ですかね、私たち」



亜里沙「同じ銀行員だし」



英 人「ちなみにどこの大学?」



亜里沙「……慶応、です……」



英 人「無くはないですよ」



亜里沙「英人さんは私のこと、どう思います?」




英 人(ああっ!)



英 人(よく見るとなんだよこれ)



英 人(完璧な美人じゃないかぁっ!)



亜里沙「何かお飲み物をお持ちしましょうか」



英 人「ああ、ありがとう」


 内心とは裏腹にスカして上から目線の三浦春馬。このせいで童貞を捨てたくても捨てられないんだよな。そこに入ってきたのが和田島。演じているのは小手伸也。以前、求人情報会社「アイデム」が「地元で働こう」というコンセプトで製作したWeb動画「アイデム演劇プロジェクト」のロミオとジュリエット篇で、沢井美優と共演している。スマートフォンの役だった。




 最近では『仮面ライダーエグゼイド』の後半に登場した天ヶ崎恋(幻夢コーポレーション社長)の怪演が記憶に残っているが、あそこでは沢井さんとの絡みはなかったよな。まあとにかく、今回は超絶モテナイ君の役で、小松彩夏にアタックだ。



和田島「あの、シャンパンをお持ちしました。よかったらどうぞ」
亜里沙「どうも、すいません」



和田島「あ、お、お綺麗ですよね」



和田島「亜里沙さん、実は、第一印象からあなたに決めていたんです」



和田島「あ、これ、あの、最近話題のシャルトッテのプリンって知ってます? ぜひ受け取ってください」



亜里沙「ありがとうございます」


 英人とは正反対に態度はとても優しくて紳士的。そこへライバルたち(飯野泰功、池田絢亮)が乱入だ。三浦春馬が相手じゃちょっとと太刀打ちできないと思っていたけれど、いまのこいつなら割って入っても勝算あり、むしろ自分たちの引き立て役にできる、というさもしい魂胆だ。



男 1「お邪魔してよろしいですか」



男 2「僕も失礼します、よろしければ」



亜里沙「ごめんなさい」



亜里沙「告白タイムではよろしくお願いします」



英 人「で、名前なんだっけ」



亜里沙「名札に」




英 人「山崎亜里沙さん、慶応ね。じゃあまた」



男 1「気遣いも笑顔も素敵ですよね」



男 2「亜里沙さんはパーフェクトな女性ですよね」



和田島「僕もパーフェクトなんですよ」



和田島「マイナス要素のパーフェクトですけど」



和田島「ははははは」



和田島「あっ」


男 1「おっさん、なんだよこの本。」
男 2「痛いなこれ」



男 1「隠れて読めよそんなの」



和田島「いやあ、本を隠しても、この見た目は隠しようがないですから、ははっ」



和田島「い、いいんですよ。これはお互いを知るためのパーティーなんで」



 モテナイおじさんだけど誠実な和田島の態度に、ちょっと心動かされた雰囲気の亜里沙。
 そして告白タイム。ここでなんと英人は、本命の小松彩夏ではなく、その後に自分になびいてきたフツーな感じの安堂知里(奥平フミ)を選ぶ。万が一のリスクを考え、ライバルの多い小松彩夏を避けたというクズっぷり。対してモテナイ君の和田島は正々堂々、小松彩夏めざして一直線。




英 人(負けられない戦いだ)




英 人(絶対に負けられない戦いだ)



英 人「安堂知里さん!」
知 里「えっ?私?」



川 本「うそ。山崎亜里沙さんじゃないの?」
翔 馬「せっかくの美女ゲットのチャンスに……」
権 田「まさかのアンパイ狙い」
持 田「クズっていうか、クソだなあいつ」
益 美「ホント、ないわ」



英 人「気さくな君ともっと話がしたいです。お願いします!」



知 里「ごめんなさい」



英 人(えっ…なんで?)



知 里「私となら付き合えると思った?」



和田島「山崎亜里沙さん!」



男たち「ちょっと待った!」



和田島「あなたに出会えた事は運命です」



和田島「断られても何度でも何度でも、一生死ぬまであなた一人にアタックし続けます」



和田島「あなたが好きなんです、お願いします!」



男たち「お願いします!」




和田島「えっ?」



亜里沙「よろしくお願いします」



和田島「ありがとうございます!」




英 人(なんなんだよこれは…)



さくら「それがあなたの実力よ。だって一緒にいてもイラッとくるだけで、ちっとも楽しくないんだもん」


 という、小松彩夏が我々に夢を与えてくれるという物語でありました。

2. 『BORDER 贖罪』


 はい次、『BORDER 贖罪』(テレビ朝日、2017年10月29日、脚本:金城一紀/撮影:宮本亘/監督:常廣丈太)。
 金城一紀原案の『BORDER』というドラマは2013年に放送されていた。今回のは実に4年ぶりとなる続編スペシャルで、なにか意味があるのかどうか、それは分からない。



 主人公の石川安吾刑事(小栗旬)は、ある事件で頭を撃たれて以来、死人と会話できるようになった。




 今も摘出されず頭の中に残っている銃弾が、人間の脳の使われていない部分を覚醒させたみたいだ。




 乗っている自動車が信号待ちをしていると、明らかに他の人とは違う雰囲気の女性(中村ゆりか)が横断歩道に佇んでいる。




 この女性が死者である。同乗の刑事たちには見えなくて石川だけに見える。



 誰かに殺されて、無念の想いをかかえたまま、死体はこのあたりにある。石川はそういう人々を見て、会話することができるのだ。



 死者は刑事である石川に、自分を殺した犯人を捕まえてくれと訴える。彼女を殺したのは原口という男(満島真之介)で、特に動機もなしに若い女性を次々に誘惑しては殺す快楽殺人犯である。いつもなら殺人後すぐ、犠牲者を郊外のアジトに運び、処分してしまうのだが、今回は自動車が故障してしまったので、スーツケースに詰めた死体の運搬方法について考案中である。



原 口「一日でいいから、車を貸してくれないかな」



原 口「そうか、わかった。また連絡するよ」




原 口「レンタカーを借りてくるから、もうちょっと待っててね」






原 口「あとでちゃんと処理してあげるからね」



 なにしろ被害者からダイレクトに伝えられる情報なので正確無比、容疑者の現住所は難なく明らかになる。



 石川はさっそく原口の住むマンションの駐車場に張り込み、原口がレンタカーを借りて帰宅したところをつかまえて、「夕べお宅の部屋から女性の悲鳴が聞こえたという通報があった」と揺さぶりをかけてみる。




 見た目は平然と知らぬ存ぜぬを決め込んだ原口だが、当然、死体運搬には慎重にならざるを得ない。  



原 口「あいつ、どこかで見張ってるんだろうなぁ」



原 口「もうちょっとだけ待っててね」



原 口「あいつにバレないようにここから運び出す手を考えなきゃ」



原 口「それまで、君にはどこかに隠れておいて貰わないといけないな」



原 口「万が一警察に踏み込まれたら困っちゃうからね」



 翌日、原口が外出したのを見計らった石川は、原口のマンションに忍び込む。捜査令状もとっていない違法な侵入だが、『BORDER』というドラマの題名どおり、一線を踏み越える違法捜査など、石川にとっては半ば慣れっこになっている。



 でも原口はちょっとしたトリックを使い、同じマンションにいて、しばらく留守で部屋を空けている別の住人の部屋にケースを隠していた。これにはやや手こずった石川だが、やがて持ち前の観察力と推理力で、ついにスーツケースのありかを探り当てる。




 石川と一緒に、自分の死体が収められたケースを見下ろす女。



 動かぬ証拠とはいえ、違法な捜査であり、しかも発見場所は犯人とはまったく無関係な住人のフラットである。このまま告発しても、ずるがしこい原口を逮捕するまでには至らないだろう。そこで石川は一計を案じる。



 一方、原口は予定を変更して、次の獲物に予定していた女(沢井美優)をレストランに呼び出す。彼女に遺体の運搬係をさせるのだ。



原 口「資金繰りのメドが立ったから、君から借りたお金、来週には返せそうだよ」



 女 「そうですか。よかったですね」



原 口「長いあいだ借りたままで悪かったね」



原 口「お金返してきれいな身体になったら、君にプロポーズするよ」



原 口「……あ、そういえば君に頼みたいことがあったんだ」


 運び屋をさせられた後は、もちろん次の犠牲者になるのだろう。沢井美優ほどの人が、プロポーズという甘い言葉に目がくらむなんて。
 ともかく、今回の沢井さんのセリフは上の一行だけ。でも芝居はもうちょっと続くのでお付き合いください。



 翌朝、命じられたとおり原口のマンションへ赴く沢井さん。










 笑顔で託されたスーツケースだが、なんだかやたらと重いので不安そう。「資金繰りのメドが立った」なんていう前日の言葉から、なにかヤバイ取引の物件でも入っているのかな、と心配しているのかも知れない。クスリとか銃とか。まあ死体とは思わないだろう。
 そうやってスーツケースを運び出させておいてから、原口は車を出す。駐車場を出ようとするところで、予想どおり石川刑事が待ち構えていている。




 捜査協力を要請されて、しぶしぶトランクを空けてみせるが、もちろん中身は空だ。「ご協力ありがとうございました」の声を背に、自動車を発進させる原口。





原 口「……ばーか」


 そして、たぶんアジトのひとつにしているアパートへ。そこが女との待ち合わせ場所だ。




 沢井美優の出番はここで終わり。次の場面では、満島真之介が一人でスーツケースをトランクに放り込んでいる。



 それで気になるのだが、沢井さんは無事だったのだろうか。運び屋の役目は終わったし、万が一の口封じのために、このアパートで早くも冷たくなっていないか。
 でもまあ、前に殺した遺体をまだ処分していないうちに、次の殺人に手を染めるってないよね。無事だよね。無事だと思いたい。


 
 あたりが暗くなる頃、満島真之介の車は、いつも死体を処分するのに使っている郊外の一軒家へ。





 地下室の作業机には、何やら死体処理のための道具が並んでいて気持ちが悪い。



 ここでスーツケースを空けて、久しぶりに殺した女とご対面。



 ところが、中には女の死体の他に、見覚えのない電子機器が入っている。








 石川が仕込んでおいたGPS発信器である。すると玄関から訪問チャイムの音が。




警 官「夜分すみません。ちょっと確認したいことがありまして」
原 口「何でしょうか?」



警 官「実は今インターネットで、このようなサイトがたいへん話題になっておりまして」



警 官「これを見た方々から通報が相次いでまして」




警 官「悪質なイタズラだとは思うんですが、警察としては対応せざるを得ない状況になっています」




警 官「家の中を確認させていただいても、よろしいですよね」



 逃げ道なしで原口は投了。ドラマはまだ続くが、レビューはこのくらいにしておく。でも犯人は、これが初めてではなく、すでに若い女性たちを誘い込んで、次々と殺しているらしい。レビューしながら「ちょっとまずいな」と後ろめたくなるくらい、ある意味タイムリーな物語であった。このドラマ、当初は10月22日の放送が予定されていたらしいのが、衆議院選挙の都合で一週遅れ、10月29日オンエアとなった。その2日後、10月31日に座間の九遺体事件が発覚しているのである。あと数日のずれで、しばらくお蔵入り、なんてことになりかねなかった。
 じゃあ次。こんどはWOWOWか。

3. 石つぶて


 最後は連続ドラマW『石つぶて 〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち〜』の第1話(WOWOW、2017年11 月5日、脚本:戸田山雅司/撮影:蔦井孝洋/監督:若松節朗)。
 さっきの『BORDER』もそうだけど、だいたい刑事ドラマで「警視庁」っていえば「捜査一課」で、出てくる事件は殺人や強盗だ。でもこのドラマは汚職とか収賄とか「重要知能犯」が専門の「捜査二課」の刑事が主人公である。警視庁捜査二課史上最大の事件といわれる「外務省機密費流用事件」に立ち向かった刑事たちの奮闘を描いたノンフィクションが原作だが、ドラマでは(当然ながら)登場人物の名前はすべて実在の人物とは違うものに変えてあって、フィクションの体裁になっている。



 主人公の鬼刑事を演じるのは、ますます三國連太郎に風貌が似てきた佐藤浩市、そのターゲットとなる松尾克俊は「真瀬和則」という役名になっていて、これを北村一輝が演じている。外務省に「外国訪問支援室」を設けて室長となり、6年近くにわたって総理大臣が外遊するときの金をすべて差配し、10億円を超える内閣官房報償費を引き出し、そのほとんどを着服して、愛人や競馬馬の購入に費やしていたノンキャリア職員。スゴイですね。最近は善人の役も多くなった北村一輝だが(笑)豪快に巨悪を演じきって欲しいところだ。



 その松尾克俊いや「真壁」の悪事が露見するきっかけとなったのが九州・沖縄サミットだった。過去に東京で開かれたサミットの予算が10億円台だったのに対して、2000年の九州・沖縄サミットには800億を超える予算が付いた。これを自由にしたいわけだが、そのためには上司の秋村(羽場裕一)が邪魔だ。そこで松尾、じゃなくて真瀬は、秋村を東京担当のトップとして隔離し、そして九州・沖縄の現場は自分が仕切るという人事案を考え、これを事務次官に認めてもらうよう、総務局総務課長の鈴原(田中健)に根回しを行なう。そのために用意された、お持ち帰り用のおみやげが小松彩夏であった。



鈴 原「ほんとに君がそんなことをして、角が立たないのかい?」



真 瀬「そのための根回しだとご理解いただければ……」
鈴 原「まあ、検討してみますか」



真 瀬「ぜひ、よろしくお願いします」





ホステス「失礼します」
鈴 原「あれあれあれ」



ホステス「こちらよろしいでしょうか」
鈴 原「ああ、どうぞどうぞ、さあさあさあさあ」



真 瀬「大変申し訳ございません。私まだ仕事が残っておりまして、今日はこのへんで失礼させていただきます」



鈴 原「あそう。帰っちゃうの」



真 瀬「あとはお二人でごゆっくり。失礼します」



鈴 原「ご出身はどちらですか?」



真 瀬「お会計をお願いします」


 この後、こまっちゃんがすごくサービスしたのか、田中健はその人事案を上に通してくれて、北村一輝は事実上、サミットの準備事務局次長として、業者の入札をすべて仕切るポジションを得た。
 そしてその晩、北村一輝は小松彩夏の労をベッドの上でねぎらうのであった。










 小松彩夏と北村一輝の共演は『バンビ〜ノ!』以来かな。こまっちゃんも三十路を迎えて、あえぎ声とか表情とか、ようやくこういうシーンの艶が出てきたように思う。ただ露出の少なさはあいかわらずである。



久しぶりに北村一輝さんとの共演でしたが、空き時間は筋トレの話で盛り上がりました!!笑


 とブログに書いてあったが、こういうシーンを撮影している合間にも、筋トレの話とかで盛り上がれるんですね。
 二人がアンアンしている宿舎の外では、鬼刑事の佐藤浩市が、いつかお前を逮捕してやる、という形相でにらみつけていて、これで第1話は終わり。




 実際の松尾克俊は愛人が沢山いたし、ドラマでも次から次へと女が出てくるみたいだから、こまっちゃんは残念ながら今回限りの出演かな。次回予告を観ていると、北村一輝はこんどは風呂の中で服を着たまま泡まみれになっている。



 相手の女性がイマイチ判別できない。これが小松彩夏だったら、と思うけど、違う人みたいだな。残念である。
 ところでこのドラマの原作となる清武英利『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』(2017年7月、講談社)は、まだこの夏に刊行されたばかりである。それが佐藤浩市・江口洋介・北村一輝・萩原聖人以下けっこうそうそうたる顔ぶれでドラマ化されてオンエアされるっていうんだから、すごく回転が早いよね。雑誌連載でもしていて、そのころからドラマ化の企画が動いていたのであろうか。
 ということで今回はこれまで。ちょっと濡れ場とかあったので、最後は爽やかに沢井と里香のバースデー記念戦士の会だ。んじゃ。