実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第585回】実写版エピソード別使用楽曲リスト:Act.13の巻

 


真 琴「私は生きている患者さんを治すために医者になったんです」

 


 間もなく始まる『ヒポクラテスの誓い』。キャラクターの設定(それも北川景子よりむしろ周囲の人物たち)が原作とだいぶイメージが違うみたいで、ちょっと観てみないとどんな作品か分からない。でもまあ『家売るオンナ』は大成功に終わったし、今回はWOWOWドラマなので、視聴率とかそういうのは気にしなくていいやね。新境地の開拓に注目だ。

1. Taxedo Versus

 


 好事家の間では有名な『スペクトルマン』第48話・第49話「ボビーよ、怪獣になるな!! 悲しき天才怪獣ノーマン」(1971年、脚本:山崎春哉/監督:樋口弘美)。



 大脳生理学の権威、東西大学教授、堂本博士(有馬昌彦)がIQ増進技術を開発する。



 生体実験を受けた犬ボビーは、あっというまに人間以上の知能をそなえた天才犬となる。



 次は人間で成果を試したい堂本博士の前に現れたのが、ソバ屋の出前、通称「馬鹿の三吉」(鶴田忍)。知的障害はあるが真面目で心優しく向上心も高い。「博士の手術を受けて利口になりたい」という熱意に、博士は三吉に脳手術を施す。



 結果は大成功で、知恵遅れだった「馬鹿の三吉」はその後、半年もしないうちに大学の医学部を修了、ノーベル賞も時間の問題と言われる天才医学者となった。



 だがそのころから、先に手術を受けた実験犬ボビーの様子に異変が起こる。まず生肉しか食わないようになり、次第に凶暴になる。最後にはとつぜん巨大化して大学病院を破壊する。



 怪獣となって暴れたボビーはスペクトルマンによって倒され、平和は戻った。



天才犬ボビーの墓に花を捧げる、いまや天才医学博士の三吉。その脳裏には、これは知能増進手術の副作用ではないか、自分もいずれボビーのように凶暴な巨大怪獣になってしまうのではないだろうか、という不安がよぎるのだった……。



 まあ後味の良くない話なので、あらすじはこんなところで。日本ではダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束』が何度か舞台になったりドラマになっているけど、これはその第一号だと思う。無許可のパクリだけど(笑)。
 私はどうしてこんな話を始めたんだっけ。そうだ浦井君だよ(わざとらしい)。



 浦井健治デビュー15周年記念、ファーストソロコンサートに行かれたひろみんみんむしさんからメールを頂いて、パンフレットのセットリスト一覧ページとか、小坂明子インタビューの載っているページとかの画像が添付されていた。ふむふむ。セットリストは先日リリースされたアルバム『Wonderland』に取り上げられたミュージカル・ナンバーを中心に、最新の『王家の紋章』とか、あと「仮面ライダークウガ・メドレー」なんてのもある。そういや浦井君はタキシード仮面になる前に、クウガでグロンギの役をやっていたんだよ。



 『仮面ライダークウガ』第48話(脚本:荒川稔久、撮影:いのくままさお、監督:石田秀範、2001年1月14日OA)より、笑顔がまぶしい未確認生命体第0号。このあと笑顔で雄介(オダギリジョー)と戦い、笑顔でクロスカウンターをくらって、真っ白な風吹のなか、血を吐いて倒れる。それにしても若いね。
 で、コンサートでは作詞:浦井健治、作曲:小坂明子の「Color of Dream」は当然のこと、注目の「Tuxedo Versus」も、ミュージカルスター浦井健治の原点として、さらりと歌ってくれたという。それで、ひろみんみんむしさんに見せていただいた小坂明子インタビューには、こんなことが書いてありました。


あの時、浦井クンは19才でした。
ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』タキシード仮面役のオーディション会場でお会いしてから、彼のために書いた「Tuxedo Versus」。レコーディングのやり取りも覚えています。
 長丁場のレコーディングに私が疲れた顔をすると、肩を揉んでくれました。



 そんな浦井クンが今では浦井さんになられたわけですが、デビューアルバムに曲を書かせて頂いて心が弾みました。しかも作詞をして下さると言うことでしっかりタッグを組ませて頂きました。 
 15年たっても変わらない「ピュア」な笑顔。
 作曲をしながら、爽やかなカラリとした風がきっと似合うだろう、と思ってそのイメージで書きました。
 これからもますますそのピュアな声で、素晴らしい舞台で皆さんを魅了して下さい。心から応援しています。


 うんそうですよね。
 それから、これはファンの方から寄せられた質問みたいなんですけれど、タキシード仮面への愛着ぶりが改めて伺われる。


Q:浦井くんが今まで演じられた中で、一番自分に誓いなと感じる役、もしくは近いと周りから言われた役はなんですか?またもう一度挑戦してみたい役はありますか?
A:近いのは劇団☆新幹感線でやらせていただいたシャルル。『アルジャーノンに花束を』のチャーリイ・ゴードンもよく近いと言われています。今また挑戦してみたい役は、タキシード仮面! 今ならエンディミオンも演じてみたいですね。


 そうかエンディミオンはやっていなかったのか。大和悠河のタキシード仮面ももちろん捨てがたいが、スターになった浦井健治の地場衛も観てみたい。観てみたいぞネルケプランニング。



 あともうひとつ、一昨年(2014年)上演された『デスノート The Musical』が、来年再演される(2017年9月)。「夜神月:浦井健治と柿澤勇人のダブルキャスト」「L:小池徹平」「弥海砂:唯月ふうか」「レム:濱田めぐみ」といったあたりは初演と同じ配役で、七代目ジュピターの栗山絵美(身長177cm)も前作に続いて登板らしい。栗山さんは浦井君の『王家の紋章』にも出ていたな。



 あと色々新キャストもあって、初演では前島亜美が演じていた主人公の妹、夜神粧裕を、ネルケ版セラミュのセーラーサターンで鮮烈な印象を残した高橋果鈴(ex.Prizmmy)が演じるという。なんか観に行きたくなっちゃうではないか。



 『デスノート The Musical』の 初演は名古屋の愛知県芸術劇場が大千秋楽だったんだけど、私はスルーした。今度は頑張って行っちゃおうか、と思いかけたら、今回は富山と大阪で名古屋公演は無しかぁ……。




 ……すみません。そろそろ本題に行こう。ひろみんみんむしさん、それからコメント欄の百日紅さん、いろいろ情報ありがとね。

2. Act.13のしめくくり


 Act.13のレビューも最終回。いよいよクンツァイトがセーラームーンに名乗りを上げて、以下次回、というところでしたね。

 


クンツァイト「お前がセーラームーンか」


セーラームーン「……誰?」


クンツァイト「ダーク・キングダム四天王の一人、クンツァイト」

 


 この「ダーク・キングダム四天王の一人」という名乗りは、たぶんAct.7ラストのジェダイトの名乗り「クイン・ベリル様配下、四天王の一人」というセリフと対をなすように書かれたものだと思う。要するにクンツァイトはベリルの犬ではないってことですね。

 


ジェダイト「触るな!」




ジュピター「……妖魔?」



ジュピター「……じゃない」


ジェダイト「クイン・ベリル様配下、四天王の一人、ジェダイト」


ル ナ「クイン・ベリル?」

 


  ジェダイト、いきなりジュピターに妖魔と間違われているし(笑)。
 ちなみに、前回Act.12のゾイサイトは名乗りをあげなかった。セーラー戦士たちには無関心というか、思いはマスターひとすじ。

 



ゾイサイト「うあぁ!」



ゾイサイト「……マスター、エンディミオン……」

 


 ついでに言うと、ネフライトは馬鹿だからそういうことは考えていない。あっ、私はネフライトが馬鹿だって言っているだけで、演じている松本君が馬鹿だと思っているわけじゃないからね。



 しかし『仮面ライダーOOO(オーズ)』のガメルを観ていると、小林靖子先生はひょっとして松本君のことを馬鹿で純真とか思っているのかな、という疑惑もちらっと浮かぶ。いや冗談です。
 で、Act.4で初めて戦士たちの前に姿をさらしたネフライトだが、戦士たちが妖魔と戦っている隙に幻の銀水晶(本物ではなかったが)を掠め取ってご満悦。自己紹介などに興味はない。

 


ネフライト「これさえ手に入ればベリル様に顔が立つ」


セーラームーン「ダメ!返しなさい」

 


 Act.9でも戦士たちから銀水晶(本物ではなかったが)を奪って逃げる。そして戦士たちが名乗りをあげても無視。

 




マーキュリー「水と知性の戦士セーラーマーキュリー」
ジュピター「雷と勇気の戦士セーラージュピター」


マーキュリー「水星に代わって」


ジュピター「木星に代わって」


マーキュリー「おしおきよ!」
ジュピター「おしおきだ!」


ネフライト「何をわけのわからんことを」

 


 シャレが通じねえなあ。ていうか、いくらなんでもセーラー戦士に対して、これはちょっと失礼すぎないだろうか。
 ちなみに、この二人の戦士、先日は軽井沢で一緒の仕事だったらしい。



 いや寄り道しすぎた、そういうわけで、登場した最初から「自分はベリルの犬ではない」というプライドを見せつけながら名乗りをあげたクンツァイト。窪寺君の剣さばきをご賞味下ください。

 


クンツァイト「ダーク・キングダム四天王の一人、クンツァイト」







セーラームーン「きゃぁ!」





タキシード仮面「待て!」



セーラームーン「うっ!」



ル ナ「これは、さっきの……」


セーラームーン「取れない……」



セーラームーン「きゃあ」


タキシード仮面「セーラムーン!」


クンツァイト「私からの挨拶がわりだ」


タキシード仮面「セーラームーン……」


タキシード仮面「セーラームーン!」






ルナ「大変だわ……、セーラームーンが妖魔になってしまう……!」



 

3. 次回予告

 

 そして次回Act.14の予告。Act.14で水野亜美と大阪なるの確執のドラマが始まる。まだプロローグだけど。
 でもこれなあ、冒頭が振り袖姿なんだ。できれば1月からレビューを始めたかったんだけど、どうしよう。

 


うさぎ「明けまして」



四 人「おめでとうございます」


まこと「あっそういえばうさぎ、あの後どうなったの?」


うさぎ「うっ……ううっ…」


まこと「うさぎ!」
亜 美「うさぎちゃん!」

╳    ╳    ╳


亜 美「いつも、うさぎちゃんが心配してくれて」


亜 美「助けてくれて……」


亜 美「でも、私だってうさぎちゃんを守れる」






クンツァイト「我が分身となり、おおいなる悪に仕えよ」




マーキュリー「うさぎちゃんを、返して!」

 


 乞うご期待。
 てなわけで、最後に恒例の劇伴奏曲目インデックスいきます。
 ご覧いただければお分かりのとおり、今回は音源不明の曲が多い。もともと舞原賢三監督は音楽の使い方がストイックで、1エピソードあたりのBGM数はかなり少ない(逆に最も多いのが高丸監督)。それっぽいBGMで安易にその場の雰囲気をつくったりはしない、という制作姿勢なのだと思う。加えて今回は、シン(クンツァイト)と衛(エンディミオン)の確執という、このあと最終回まで続く男同士の葛藤のドラマの幕開けという意味あいも持っている。でもセーラームーンのBGMには(当然ながら)女子に較べると、男子の心情を表現するようなスコアはあまり含まれていない。
 そこでこだわりの舞原監督は、違う曲を持ってこさせたのではないか(あくまで推定ですよ)。衛とシンの場面で、ちょくちょく聴いたことのないメロディが流れるのだ。ひょっとすると大島ミチルがほかのテレビ番組のために書いた曲かも知れない。どなたかご存じの方がいたらご教示下さい。では。
 

実写版Act.13使用楽曲リスト


【凡例】

  • 「No.」の最初の2桁は話数(Act)、後半3桁は整理番号を示す。たとえば[13001]ならば「Act.13で001番目に流れた曲」という意味です。
  • 「シチュエーション」はビデオ見ながら適当につけました。
  • 「M番号」は、BGM収録時につけられた録音番号。「イメージ」は、作曲の大島ミチルさんがどのようなシチュエーションをイメージしてその曲を作ったかを示しており、必ずしもドラマ内での使われ方と合致するわけではない。なおBGM全曲インデックスは当ブログの【第168回】にあります(ここ)。
  • 「DJM1」はアルバム『DJMoon1』(2004年2月18日発売)[CD12]の略(CD略号、収録曲目の詳細はこちら)。なお『DJMoon』シリーズは、しばしば短いBGMを、何曲かまとめて1曲扱いする。そのような場合の混乱を防ぐために、このリストではトラックタイトルの後に(1)(2)(3)をつけておく。たとえば[13002]の曲は<DJM1-9「私はお姫様(1)」>である。これは「Act.13で002番目に流れた曲は、『DJMoon1』のトラック9「私はお姫様」の1番目に収録されている曲です」という意味。
  • 「RTC」は3枚組メモリアルCDボックス『MOONLIGHT REAL GIRL』(2004年9月22日発売)のDisc 1.『Rare Track Collection』[CD15]を指す。これは『DJMoon』シリーズに未収録のBGMを集成したアルバムである。

 

 Act.13 劇伴リスト アバン・タイトル Aパート Bパート Cパート
No. シチュエーション M番号・イメージ CD番号・トラック名
13001 ヴィーナス登場 不明  
13002 プリンセスに会えた M6「夢」 DJM1-9「私はお姫様(1)」
13003 プリンセスは来ない M27「ルナ」 DJM1-15「おしゃべりルナ(1)」
13004 ダーク・キングダム M30「ダーク・キングダム」 DJM1-30「クイン・ベリル様」
13005 ネフライト M29「クイン・ベリル」 DJM1-31「ダークキングダム四天王(1)」
13006 衛の戻らない記憶 不明  
13007 傷心の元基 不明  
13008 亀吉の失踪 不明  
13009 謎の洋館 不明  
13010 亀吉とシン M8「ボケ」 DJM1-6「のんびりうさぎの一日(1)」
13011 追想のタキシード仮面 M17「いとしのタキシード仮面」 DJM1-23「憧れのタキシード仮面(2)」
13012 シンの記憶 不明  
13013 火川神社でおかんむり M7「コミック」 DJM1-7「お買い物に大忙し(2)」
13014 こいつも俺と同じ M42「希望」 DJM1-34「さて、次回は(3)」
13015 ついてくる衛 M28「アルテミス」 DJM1-15「おしゃべりルナ(2)」
13016 お小遣いが足りない M20「セーラーマーキュリー」 DJM1-9「私はお姫様(2)」
13017 花一輪と絵葉書 M42「希望」 DJM1-34「さて、次回は(3)」
13018 ツーリング   「オーバーレインボー・ツアー」
13019 肉まん半分こ M17A「いとしのタキシード仮面」 DJM1-23「憧れのタキシード仮面(1)」
13020 闇のなかのシン M43「絶望」 DJM1-12「悲劇の主人公(1)」
13021 狙われたJK M38「危機」 DJM1-24「ウワー妖魔だー(1)」
13022 シンと衛 不明  
13023 シンの覚醒 禿山の一夜 音源不明
13024 ベリル「ようやくか」 M39「これから」 DJM1-24「ウワー妖魔だー(3)」
13025 シンの叫び M38「危機」 DJM1-24「ウワー妖魔だー(1)」
13026 白狐妖魔 M49「危機」 DJM1-12「悲劇の主人公(3)」
13026 四天王最後の一人 M29「クイン・ベリル」 DJM1-31「ダークキングダム四天王(1)」
13027 妖魔との戦い M33「妖魔の攻撃」 RTC-6「ズンズン進む悪の行進」
12028 セーラームーンの戦い M3「セーラー戦士の戦い」 DJM1-32「セーラー戦士の戦い(1)」
12029 「髪の毛?」 M46「潜入」 RTC-10「抜き足差し足忍び足、ソロリソロリ」
12030 クンツァイトの攻撃 不明  
13031 セーラームーンが妖魔に? M39「これから」 DJM1-24「ウワー妖魔だー(3)」