ミュージカル新作ビジュアル解禁とか英国国民投票でEU離脱派が勝利とか仮面ライダーアマゾンズとか触れたいニュースはあるが、本日は昼から兵庫県方面に向かって明日の晩まで帰ってこない予定。もうそろそろ出かけなきゃ。とりあえず、ちょっとでも良いから、できるところまで『黒い樹海』レビューを進めておきます。
管理人のおばさん（室井滋）まで殺されちゃった。いや事故死か。実は殺されたってことに気づいているのは、祥子（北川景子）と吉井（向井理）と、そして犯人だけだ。姉の事故死をきっかけに、いったい何が起こっているのか。祥子は近くのファミレスで混乱した頭を整理しようとする。
祥 子（そのことを調べようとすると、その道が閉ざされる。しかもそれは人の命と引き換えに）
祥 子（人が殺されなくてはならないほどの秘密に関与していたということなのか）
祥 子「……お姉ちゃん……いったい何なの？」
ふと、近くにいた、なにか体育会系らしい学生たちの、他愛のない雑談が耳に飛び込んでくる。「マネージャー可愛すぎでしょ」「マネージャーだれ推し？」
そのとき学生のひとりが「おいちょっと窓窓窓」と仲間に注意を促す。「近藤先輩、来ちゃった！」
「近藤先輩」は女子マネージャーを連れて店に入ってくる様子。するとグループの一人が、部活をサボったのばれたらヤバイから、とその場を立ち上がり、離れた席に身を隠す。
仲間をかばい「お疲れ様でーす」と先輩を誘導する後輩たち。
その様子を見て祥子はハッとする。姉の事故にまつわる謎の一つが解けた！
……って言っても、こんなにだらだらレビューをやっていると、もうみなさん、何が起こってどういう謎があったんだか忘れちゃったでしょ。ここで一連の事件の発端となった祥子の姉、笠原信子（小池栄子）の事故死にまつわる主な謎を整理してみましょう。
（1）なぜ信子は偽って長野に行ったのか？
（2）なぜ信子は最後列の席に座っていたのか？
（3）なぜ手荷物の中からハンドバッグだけが抜かれていたのか？
（4）ハンドバッグを持ち去った人間は、なぜそれを処分せず、わざわざ近所の「丸藤食堂」に届けたのか？
（5）「お姉さんの死に責任を取るべき人がいる」という町田知枝の言葉の意味は？
このうち、いまのところ明らかなのは（1）「なぜは東北旅行に行くと偽って長野に行ったのか？」という疑問に対する答えで、まあこれはおそらくゲス不倫旅行だろうということで、祥子自身も内心ひそかに認めているところである。
で、次は（2）「なぜ手荷物はバスの前方にあったのに、信子は最後列の座席で息絶えていたのか？」という謎だ。その疑問が、いま「先輩が来たのでとっさに一人だけ席を移動する学生」を見ていて解けたのである。
祥 子（そういうことだったんだ）
祥 子（姉はあのバスの前の方の席に座っていた。誰かと一緒に）
祥 子（それでそのバスが途中の停留所に停まったとき、もう一人、別の人物が乗って来ようとするのが見えた）
祥 子（姉はその人物に見られたくなかった。だから……）
とその時、さっきの先輩が、身を隠した後輩の持ち物を見つけてしまう「おい、これミツヒロのカバンじゃねえか！」
そうなのだ。姉もきっと、慌てて移動したので、手荷物は元に座っていた前の席に置き去りにしてしまったのである。
祥 子（つまりそれは、あの姉が他人から知られたくない、後ろめたい行動をしていたということになる）
祥 子（ただやっぱり分からない）
祥 子（誰がどうして姉のハンドバッグだけを抜き取って身許の確認を遅らせようとしたのか……）
そのとき祥子の携帯が振動する。吉井からである。
だが応答しようとした祥子の胸に、再び疑惑がよぎる。
祥 子（考えてみれば私はこれまでこの男に誘導されてきた）
吉 井「あのバスの乗客たちに話を聞きに行こうと思っている」
吉 井「斎藤常子が山梨の実家に戻っているらしい」
祥 子（……そして今回のことも）
吉 井「オトリになってもらおうか」
祥 子（姉は、あの男とバスに乗っていた？）
祥 子（……まさか……）
実は吉井その人が姉の恋人だったのではないか。血を分けた二人きりの姉妹で、お互い相手のことはぜんぶ知ってるつもりだったのに、だんだん姉のことが分からなくなってきた祥子は、次第に疑心暗鬼に陥ってしまう。
と、このへんでタイムアップ。また次回。
