実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第468回】悪夢ときゅうりとセーラーゾンビの巻

 

いつも言い訳ばかりで心苦しいですが、今週末から来週末にかけて、またまた色々仕事関係が目白押しでして、軽く雑談して、あとは『セーラーゾンビ』で終わりにします。すんません。

1. がんばれ悪夢ちゃんキャンペーン報告

 


 5月15日付けの国内映画興行成績。『アナと雪の女王』は9週目で170億円を達成。日本でのトータル200億円が見えてきた。前々回のブログで「ジブリ三強には及ばない」なんてことを書いたけど、おみそれいたしました。『千と千尋の神隠し』(304億円)はともかくとして、『ハウルの動く城』(196億円)や『もののけ姫』(193億円)は確実に越えますね。私が甘かった。
 『名探偵コナン』と『テルマエ・ロマエII』は順調に30億円をクリア。『相棒』の3作目は3週目で15.5億円とやや苦戦していて、トータル30億円越えは難しくなってきた。
 いやそんなことはどうでもよかった。我らが『悪夢ちゃん The 夢ovie』である。ひょっとして3億円行かないかも知れない、なんて悪夢を見ていた私だが、全国273スクリーン、2週目を終えて4億円を達成。想像したよりもかなり良い成績である。こういう状況で、子供向け映画で、しかも実写で、これだけの数字を出すって、なかなかの健闘と称えても良いんじゃないですか。何しろコナンとしんちゃんがいるのだ。
 そういう意味では、もうちょっと公開時期を遅らせてもよかったかな、と思ったりもするが、しかしゴールデン・ウィークに封切ったからこれだけの数字を残せた、とも言える。なにより、これ以上公開時期を遅らせたら、舞台挨拶にあらわれた悪夢ちゃんが彩未先生より背が高くなっちゃっているかも知れないしな。



それに、この1月にお亡くなりになった永井一郎さんのオープニング・ナレーションを使うのも、あんまり遅いタイミングではどうかと思う。テレビでは『サザエさん』、スクリーンでは『宇宙戦艦ヤマト』や『うる星やつら』の劇場版で聞きなれた永井さんの声とも、そろそろお別れの時だと思うが(まだテレビの情報番組のコーナータイトルとかで、生前の声が使い回されているのを聞くことがある)あまりそのことに触れた報道がなかったので、この場を借りて追悼しておきたい。
 黙とう。

 


「人間の意識は氷山の一角。その魂には無限の無意識が広がっている」


「そこにはすべての感情、すべての行動、すべての時間さえも眠っている」


 「その少女の無意識は、他人の無意識とつながることができた」


「そして少女が眠るとき、その魂がめざめ、他人の不吉な未来が悪夢となって現われるのである」

 


 たぶん映画のお仕事はこれが最後だろう。永井一郎さん、おつかれさまでした。


 ともかくそんなわけで、名古屋支部的にはそこそこヒットの『悪夢ちゃん The夢ovie』、ペース的にいうと、3月末に公開された櫻井翔と宮崎あおいの『神様のカルテ2』に近い推移で興行収入を積んでいる。てことはトータル7億円ぐらい……という予想で、たぶん合ってるんじゃないかなぁ。
 『神様のカルテ2』は、おそらく8億円は行っていると思う。まあいいんじゃない、という数字だが、なにせ天下の櫻井翔だし、1作目の興行収入がトータル19億円だったので、稼ぎは半減である。こうなると天下の櫻井翔だけにあれこれ言われるだろう。世間はそんなものである。
 しかしあれだね、『神様のカルテ』の原作はいまのところ『3』まで出ているし、映画化もそこまで行くかと思っていたけど、これで雲行きが怪しくなってきた。個人的には頑張って欲しいが、ジャニーズ事務所的にはもうこれで打ち止めって感じなのではなかろうか。一方スターダストも『悪夢ちゃん』の数字に満足しているとは思えないし、そうすると、ジャニーズさんとスターダストさんの関心は、やっぱり興行収入32億円で2013年のベストテンに入った『映画 謎解きはディナーのあとで』の続編という企画に、じわじわ向いてくると思う。考えるとそういう筋みちしかないような気がするが。





 『悪夢ちゃん The 夢ovie』に関してはもうひとつ、パンフレットで個人的に発見があった。もっとも私が知らなかっただけかも。
 『悪夢ちゃん』は恩田陸の小説『夢違』が「原案」とされている。「原作」ではなく「原案」というくらいだから、小説とドラマのお話がだいぶ違っていても当然ではある。でもたいていは、「原案」本を読んで作品を見れば「ふむふむ。原作のここから発想がどんどん膨らんで、気づいたら似ても似つかない世界になっちゃったわけね」という筋みちって、おおよそ想像できる。なのに私は、『悪夢ちゃん』に限っては、小説『夢違』からどうやってこんなお話に行き着いたのか、さっぱり見当がつかなかったのだ。でもパンフレットに載っていた戸田一也プロデューサーと脚本の大森寿美男氏の対談を読んで、やっと自分の勘違いに気づいた。こんなふうに語っている。

大 森:北川景子さんを主役に、日テレ土曜9時らしい子供にも楽しんでもらえるようなものを考えていこうということになったんですよね。
戸 田:「ドラマで強いスーパーヒーローが世界を救うのは当たり前なので、女性や子供といったかよわい存在が世界を救えたらいいと思いませんか?」と、僕がすごくアバウトなことを大森さんに投げかけたんですよ。
大 森:学園もので小学校を舞台にするという設定を考えて、それなら北川さんは先生、しかも悪い先生になってもらおうと。悪い先生と特殊能力を持つ転校生が出会って、その特殊能力に振り回されていくうちに、その先生が良い先生になっていくというおおざっぱな設定にして。ただ、特殊能力を何にするかは、かなり悩みましたよ。
戸 田:すごく時間かかりましたよね。
大 森:そんなところに、友人の恩田陸さんが新作の小説を送ってきてくれた。それが「夢違」。「夢違」は大人の物語だけど、予知夢を見る主人公というモチーフをぼくらの企画にも使わせてもらえたら、これはいけるんじゃないかと思ったんですよね。そこから、予知夢を見る転校生という発想が生まれて、恩田さんの「夢違」の世界を組み込ませてもらおうと。本来なら出版社を通さないといけない話なんだけど、幸い恩田さんとは飲み友達だったので(笑)。


 なるほど。『夢違』から発展して『悪夢ちゃん』ができたわけではなく、もともとオリジナルな設定ができていて、そこに後から『夢違』のアイデアをはめ込んだわけだ。それなら納得できます。あと、実際にはたいして腹黒でもない彩未先生が、宣伝などで「腹黒先生」というキャラクターをやたらと強調されるのが、ちょっと納得いかなかったんだけど、こういうふうに成り立ちを説明されると、それなりに理解できるようにも思えます。

 

 

2. よい子はこの項、読まずに(見ずに)とばしてね

 


ついでに北川さん関係でもう一件。『みをつくし料理帖』の続編の話だ。公式ホームページでメインキャストの方々が意気込みを語っているのだが、小松原を演じる松岡昌宏さんのコメントに笑ってしまった。小松原というのは、主人公の澪の店『つる家』の常連客の侍。なりは浪人風だが、実は将軍づきの御膳奉行で、ヒロインの澪に密かな思いを寄せつつ、料理人としての成長を見守っているわけね。

 


松岡昌宏コメント「料理中の小松原が澪にきゅうりを食べさせてあげる場面があるんですけど、そこの澪は本当にカワイイ! 僕、ちょっと前まで壇蜜さんに心奪われていたんですけど、一気に北川さん寄りに戻ってまいりました(笑)」


 これだけなんですけど、イメージが膨らみますよね。キュウリを食べさせる。みなさんは松岡さんのように、北川さんのお口にキュウリを食べさせてみたいと思いますか? でも、何しろ北川さんのことだから、キュウリを丸ごと一本飲み込んじゃうんじゃないですかね。
 ともかく、松岡さんはキュウリを食べさせてみて、壇蜜以上だと感じたらしいです。いろいろと想像力をかきたてる味わい深い話だと思ってしまいました。

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参考資料:『モップガール』第1話

比較用に、壇蜜さんがキュウリを食べる画像を探したけど、なかった。でもイメージビデオでは、ソーセージとかアイスキャンディーとかいろいろ食べているようです。ここでは比較的カタチが似ているものとして、バナナの画像を資料として貼っておきますね。似ているって、キュウリと似ているという意味ですからね。



とにかく、澪が小松原のキュウリを、いや小松原にキュウリを食べさせてもらう場面を楽しみに待ちましょう。

3. お待たせセーラーゾンビ(待っている人いるのか?)


 さて『セーラーゾンビ』第4話「恋心」(2014年5月9日放送、監督:渡部亮平)なんだけど、今回は(私にとって)イマイチだったのでサクサク紹介して終わりにする。なにしろ小池里奈はゾンビ化してしまって、冒頭に校庭をうろつきながら、すれ違うゾンビの顔を片っ端から写メしていただけで、あとは出番なし。



 前回のラストで、ゾンビを人間に戻せるワクチンがある、みたいな展開になったので、今回すぐにアリナ先輩(小池里奈)が戻ってきてくれるかと期待したんだが、どうも長丁場になりそうな雰囲気。



 そしてドラマ的にも、やはり小池里奈の存在は大きかった。この人がいないと、女子高生たちの芝居が、ちゃんと芝居として成立しきれないというか、見ていて頼りないのだ。早く人間に戻ってくれアリナ先輩。
 というわけで、前回、舞子を救って、身代わりにゾンビになっちゃったアリナ先輩。そんな先輩のために、ゾンビを人間に戻せる抗ウィルス剤があるという未確認情報を頼りに、藤美病院に向かう舞子(大和田南那)。例によって睦美(高橋朱里)と後輩のマオ(前田聖来)とイオリ(飯田祐真)が一緒だ。



 でも途中で、その、もよおしてしまい、どうしても我慢できなくなる。近くにあった公衆トイレには、ゾンビより苦手なゴキブリがいた。仕方なく、みんなに待ってもらって、そのへんの雑木林に入って用を足す舞子。



 が、そこへゾンビが! 慌てて逃げ出す舞子は、仲間が待っているところとは反対方向の道に飛び出し、独りになってしまう。





 こうしてひとりぼっちになってしまって、とぼとぼと歩き出す舞子。というわけで今回のエピソード、ここから後は、ほとんど大和田南那の出ずっぱりで、藤美女子高の子たちはほぼ出てこない。こういうふうにヒロインだけを強調するエピソードがひとつは必要かも知れないが、やっぱり淋しい。



 ちょっと不安な気持ちを抱えつつ、道を歩いていく舞子は、見覚えのある喫茶店に出くわした。



 好きだったタクミ君と一緒に入ったことのある店だ。思わず歩み寄る舞子。



 でもそこで舞子が見たのは、変わり果てたタクミ君(中山龍也)の姿だった!



 可哀想なタクミ君。熱々のドリアに粉チーズいっぱいかけるのが好きだったタクミ君。



 

 あのころと同じように粉チーズを振りまいているあなたはもうゾンビ。




 ゾンビのタクミ君と目が合ってしまい、「タクミ君になら食べられてもいっか……でも痛そう」とか、アホなことを言いながら店を離れる舞子。



ところが、なぜかタクミ君ゾンビが舞子の後を追って店の外に出てきた。「え?」と言いながら逃げ出す舞子。



走って逃げても、なぜか同じように走ってついてくるゾンビ。いったいなに?

 


 

タクミ「舞子、生きてたのか!」


舞 子「えっ?」

 


 実はタクミ君、ゾンビのメイクをしていただけで、ゾンビにはなっていなかった。
 本当にゾンビになっちゃった同級生たちと、いつも遊んでいた喫茶店で、ゾンビのふりをして過ごし、独りぼっちの淋しさをまぎらせていたのだ。ゾンビのふりがうまければ、ゾンビの中にいても人間とは気づかれない、という驚愕の事実!



 ゾンビがうろうろしているので、そのへんの温室に入り、どうやって生き延びたかを語り合う二人。もともとお互い意識しあっていただけに、なんか微妙なムードに。




 ついに舞子ファースト・キス。アイドル志願なのに、こんな簡単に許しちゃっていいのか?
 と、大方の予想どおり、あとちょっとというところで回避。

 


舞 子「ごめん。ゾンビメイク落としてからがいいな」


タクミ「そうか。ファーストキスだもんな。よし、じゃ早くここを出よう」

 


 と言ってはみたものの、温室の外はすでにゾンビがいっぱい。二人ともしっかりマークされている。そこで、無事に脱出するために、タクミ君の指導で「ゾンビになり切る」レッスンを始める。



 まずは実演。タクミ君がゾンビのフリをすると、ゾンビたちはみんな「あ、こいつゾンビ」と思い、タクミ君を無視して、わらわらと舞子の方に寄ってくる。






 ゾンビになり切るための厳しい指導が始まる。「ぜんぜんダメ!」「どこが?ちゃんと絶望感出したと思うけど」「ゾンビは絶望感なんて出そうとしてない。ただそこにいるんだ。何も考えず、何も見ず」




 特訓の甲斐あって、ようやくゾンビたちも舞子をゾンビと勘違いするようになる。







 「ゾンビにゾンビと認められた!」さっそく温室からの脱出を企てる二人。



 うまく行く……と思えたが、ひとりのゾンビがなぜか舞子に異様な関心を示す。



 そしてついに人間であることがばれてしまう「きゃあ!」悲鳴をあげる舞子。
 


 「舞子!」ゾンビのフリをかなぐり捨てて舞子を救おうとするタクミ君。



 だがその時、近くにいた元タクミ君の同級生ゾンビが、タクミ君におそいかかり、腕に食らいつく。



 タクミ君を救うために、その辺の角材を拾って戦う舞子。だがタクミ君は腕を食いちぎられる。



 ゾンビたちがちぎれた腕にわらわらと食らいつく間に、なんとか脱出するタクミ君と舞子。でも……

 


 

タクミ「頼む、殺して、殺してくれ」


舞 子「ダメ、そんなことできないよ」

 


 だが無情にもタクミ君はゾンビ化してしまうのでありました。もはや人間の感情を失って舞子に襲いかかろうとするタクミ君ゾンビ。




 どうしようもなく、舞子はそのへんにあったゴミ不法投棄禁止の立て札を引っこ抜いて、タクミ君が襲って来ないよう、地面に串刺しにする。




 さすがに脳を潰してとどめを刺すことはできず、記念の写メを撮って、そのまま立ち去る舞子。

 


舞 子「も〜う。キスしとけば良かった!」



舞 子「忘れないからね……」

 


以上でした。舞子に関わる人はどんどんゾンビになっていくな。
次回は土曜・日曜に更新が間に合わないかも知れませんがあしからず。
じゃまた。




おまけ】第1話の豪快なスカートめくり(コメント欄参照)