実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第447回】梢ちゃん畜生道へまっしぐらの巻(『天国の恋』)

1. 宣伝では「大ヒット上映中」なんだが


前々回は『47RONIN』、前回は『ルームメイト』と、映画の話題を立て続けにしたが、どうもその『47RONIN』の日本での興行成績が、たいへんな状況になっているらしいね。全国753スクリーンで公開された初の週末2日間の収入が約1億5千万円で、週間ランキング初登場6位とのことである。なるほど大変だ。比較参考のためにあげておくと、北川景子最大のヒット作である『パラダイス・キス』(2011年)は、その半分以下の300スクリーンでスタートして、最初の週末の収入が2億円である。それで結果的には14億円を稼いでいる。ここから類推するに、『47RONIN』はトータル10億円の大台も厳しそうだ。ちなみに制作費はおよそ176億円。『パラダイス・キス』の制作費は……分らない。あてずっぽうだが、宣伝とかの諸経費こみで5億円くらいではないか。
それにしても、もうちょっと戦略的に売り込めば、もうちょっと客が入ったんじゃないかなぁ。どういう宣伝をしたんだろう。予告編をちらっと観た限り、『忠臣蔵』というより『サムライ・ジャック』の実写版みたいな印象で、年末に恋人や家族と行くイベント・ムービーっていう売りなんだろうが、ともかく753スクリーンでこの数字はちょっとアレである(付記:753スクリーンって、べらぼうな気がしたが、これは3D版、2D版、字幕版、吹き替え版と様々なバージョンがあるせいで、劇場数はそれほどでもないみたいです)。



完成から丸一年かかってようやく封切りまでこぎつけた大作の、世界に先駆けた日本先行公開だっただけに、キアヌ・リーブスもがっかりだろう。わけわかんなくて面白そうな映画なのに可哀想だな。まあ『JM』は面白かったけど『マトリックス』はイマイチ、なんてセンスの私に同情されても、キアヌも迷惑だろうが。

2. 矢口さんの一件が脳裏をよぎります


さて今週の『天国の恋』。今週も、セリフの再録やキャプチャには手間ひまかけたが、頭はほとんど使っていない「考えなしのブログ」である。
だってしょうがないですよ。新郎とも新婦とも直接関係のない若者が披露宴に乱入してウェディングケーキに飛びついて転倒、はずみで落っこちてきたケーキカットのナイフに刺さって即死、なんていうドラマに、批評もボケもいらないし、ツッコミは竹内義和がそのうちやる(推定)。素人のでる幕なんてありません。
特に今週は沢井美優強化週間である。沢井さん暴走しまくり。実は今まで控えめだった「ブログの女王」こと松田賢二が(古いね)今週からいよいよ好い味を出し始めてきたんだが、もうそっちに目配せしている余裕なんてありません。ひたすらプリンセス改めくそガールの動向を追います。



胸毛の青年、志田元春(高田翔)の死で物語にいったん区切りがついたのが先週、6週目の第29話(全9週間45話放送予定)。
第29話といえば、実写版セーラームーンもAct.29が話の折り返し点で、ダーク・マーキュリーの消滅と入れ替わりに黒木ミオが登場した回であった。というわけで第30話。
あの呪われた披露宴から2年の歳月が流れた。潮(内博貴)と梢(沢井美優)のかたちだけの夫婦生活は、表面上はともかく、内実は臨界点に達していた。なにしろ新婚初夜からこっち、潮は梢に指一本触れようとしないのである。斎(床嶋佳子)とのプラトニック・ラブ(?)に一生を捧げようというのだ。明るく強気な妻として振る舞っていた梢も、潮に女として無視され、義父母からは孫の誕生をせっつかれ、次第に心のバランスを失い、男遊びで欲求不満をはらす奔放な嫁にかわりつつあった。そして第31話ではとうとう、新しいボーイフレンドの渡部(五刀剛)と遅くまで飲み歩いたあげく、「夫の友だち」と称して自宅にお持ち帰り、二階の寝室に連れ込むという暴挙に出る。すごいなぁ。ちょうど潮が帰宅して当然ながら寝室で男とご対面。しばらく前に芸能ニュースを賑わせた話題を思い出しますね。でも矢口さんと違って(って私は現場を見たわけではないが)沢井さんは焦りも騒ぎもせず、余裕の態度である。



 潮 「何やってんだよおい」



 梢 「見たらわかるじゃない。いい身体してるのよ。あなたなんか彼の足元にも寄れないくらい。ほら、この筋肉」
 潮 「帰れよ。つけあがるんじゃないよ」
渡 部「だってオレ奥さんに誘われたんだから。どうしても抱いて欲しいって」
 潮 「困るんだよ。下に両親もいるんだから。今夜のところはおとなしく帰ってくれませんか」



 梢 「いいのよ。三人で寝ましょう」
 潮 「こんな男と寝たけりゃホテルに行けよ!」



 梢 「そういうわけにはいかないわよ。私はね、このベッドで彼と寝たいの。あんたがいつも寝ているこのベッドを汚してやりたいのよ」



 梢 「ね、抱いて。私をめちゃくちゃにして」



 潮 「あいにくですが持ち合わせがこれだけなので」



渡 部「二度と女房にこんなマネさせんじゃねえよ」


適当に財布から抜いた現金がけっこうありますよね。うらやましい。
と、この部分だけ観たら、梢ってただのビッチみたいなんだが、この後がちょっとホロリとさせられる。いやホント。ビッチになっても沢井美優には純情が宿っているのである。


 梢 「こんなことされたくなかったら私を抱きなさいよ。ねえ抱いて。おねがい。抱いて」



 梢 「このままじゃ私、女として自信もてなくなる。生きていけなくなる。ねえお願い抱いて。あなたお願い。私を救って」



 梢 「愛してる。本当に愛してるから。良い妻になるから……お願い。抱いて。お願い。ねえ、あなたの愛で私を救って……助けて……」
 潮 「……梢……」



 梢 「好きよ。好き。して。して」



 潮 「あっちへ行け!」



 潮 「お前とは寝ない。いくら言ったら分かるんだ!」



 梢 「そうなの……私が女のプライドも何もかも振り捨てて、こんなにまで頼んでいるのに、あなたって人は、あの女とのひからびた愛の亡霊をいつまでも抱きしめて……」



 梢 「もう何が起こっても知らないわよ。こんなことで済むと思ったら大間違いよ。あなたの家族も何もかも巻き込んで、血を吐くような思いをさせてやるわ。生き地獄にさらしてやる」


ついに貞子と化した梢は、この日から自分が嫁いだ薦田家を「生き地獄にさらしてやる」ための捨て身の計略にかかる。ターゲットとして目を付けたのは舅の時夫(神保悟志)。この義父はかねてより、ピチピチの嫁に色目を使っていて、ちょこっとお尻を触っちゃったりしている。で梢も梢で、潮へのあてつけもあるんだろうが「まあお義父さまったらエッチ」なんてライトに受け流している。そういえば、梢が潮の家を訪問して「くそガール」呼ばわりされた時から、初対面の沢井美優のフトモモに目が釘付けになっていたもんなぁ。
神保悟志はテレビ東京の昼ドラ『Cafe吉祥寺で』(2008年)で、中山エミリ姉さんが経営する店のチーフとしてレギュラー出演していた。なので沢井美優がゲスト出演する第16話、第17話、第20話をざっとチェックしてみましたが、二人が同じ画面に収まっているシーンは見あたらなかった。



まあ神保悟志は基本は厨房に入っていてフロアには出なかったもんな。

3. そしていきなりB級ホラー


で梢はついに義理の父と寝ちゃうんだけれど、初めて結ばれるシチュエーションがまたすごい。病院の病室のベッドなのである。
どうして梢が入院したかというと、彼女はある夜、ダンナの潮に睡眠薬入りウィスキーを飲ませて、眠り込んでいる隙にダンナのペンダントを奪おうとしたわけ。



それは斎とおそろいの、誓いのペンダントだ。たとえ離れても二人の気持ちはひとつということで、潮は結婚から2年経った今もこれを肌身離さず身につけて、梢には指一本も触れようとしない。梢にとっては憎っくきカタキみたいなものである。



ハサミを取り出してペンダントのチェーンを断ち切ろうとする梢。睡眠薬で昏睡状態なのだから、普通に外せばいいと思うのだが。



そしてついにハサミが鎖を断ち切る。がその瞬間、轟音がとどろき、あたりにイナズマのようなフラッシュがスパークし、梢はその場に倒れる!


「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ」


異様な悲鳴に、階下にいた両親が何ごとかと驚いて駆けつける。そこにはすやすやと寝入る潮と、白目をむいて悶絶する梢の姿が。



ケーキナイフで死んじゃう高田翔もすごかったが、これも相当な名場面だと思う。よくやった沢井さん!
そんな梢の姿に誰よりも心配そうなのが義父の時夫で、すぐに救急車を手配する。



海老原総合病院の院長の娘なのだから、海老原に連絡して看させればよさそうなものだが(というか、そうすべきだと思うが)なぜか関係ない救急病院みたいなところにかつぎ込まれてしまう。まあしかし、まる一日も経つと、容態は自然に良くなっていったようである。だが梢は無表情で天井を睨んでいる。



超常現象すら引き起こす潮の純愛に、畏怖するどころか、いよいよ闘争心を露わにしたようである。そこへ、葬儀社の仕事を終えた時夫が見舞いにやってきた。梢はここぞとばかりに時夫を誘惑にかかるのでありました。



 梢 「私お義父さまと結婚すればよかったわ」
時 夫「嬉しいこと言ってくれるね」
 梢 「お義父さま、私ね、お義父さまがいてくれなければ、とっくの昔に薦田家から飛び出していたわ」
時 夫「そうかね。しかし、潮と仲良くしてくれなくちゃ。夫婦なんだから」



 梢 「お義父さまがいてくださらなきゃだめ。これまで辛いこと、悔しいことがあっても、薦田家の嫁としてなんとか耐えてこられたのは、お義父さまが一緒にいて私を心配してくださったからよ……この気持ち、分かってらっしゃるわね……」



時 夫「わかるよ。よくわかる」



 梢 「じゃあ、こうしてお義父さまの手を抱きしめたまま眠るわ」



これはねぇ。必死で理性と闘うも、ついに沢井美優のぷるぷるの誘惑に負けてしまう時夫。



時 夫「俺も男だ!梢さん、愛しているよ。かわいがってやる!」



というわけで神保悟志、陥落。潮ばかりではない、薦田家の全員を「生き地獄にさらしてやる」ためのプリンセス・ムーンの計画は、いま発動した。

3. 処女懐胎


といっても、何ごともてきぱきと進むこのドラマ、「タメ」とか「伏線」みたいな概念はあまりなくて、薦田家は間髪いれず生き地獄にまっしぐら。
ある日、梢はわざとコモタセレモニーの斎場に潮を連れてくる。そこにはいそいそと何やら準備している父、時夫の姿が。



 梢 「あれを見て」
 潮 「えっ?」



 梢 「私たち、今日はここが密会の場所なのよ」
 潮 「えっ、密会?」



 梢 「分かってるでしょ。あなたと違って、お義父さまは、あらん限りのテクニックで私を愉しませてくれるわ」
 潮 「……なんだって……」



 梢 「薦田家をめちゃくちゃにしてやるって言ったじゃない。見てなさいよ」



時 夫「遅いな梢ちゃん。年寄りをあんまり待たせるもんじゃないぜ」



 梢 「ごめんなさいね。お義母さまの手前、家をすぐには出られなかったのよ」



 梢 「お義父さま、早く梢を女にして、早く、早く」



そして12月。潮と梢の間に肉体交渉のないことが、もはや薦田家の公然の秘密となったある日、梢が食事中に急に気分が悪くなり、キッチンシンクでえずき出す。




 梢 「ああ苦しい。私最近どうしてか、酸っぱいものばかり食べたくなっちゃって」
範 子「あんたまさか!」



 梢 「妊娠したのかしら?」



時 夫「妊娠?」
 梢 「ここんとこメンスも来ないし、どうも変だと思ったら、私やっぱり妊娠しちゃったんだわ!」



範 子「だって……あんたが妊娠なんて……」
 梢 「ああまた吐き気が……気持ち悪い…」
範 子「どうして、どうしてあんたが妊娠するのよ」



 梢 「どうしてかしらね。みんなでよぉく考えていただきたいわ」
時 夫「そんなバカな……そんな……まさか……」



範 子「……どういうことよこれは……いったいこれは何なのよ」


男たちはそれが誰の子か、たちどころに察しがつく。当たり前だね。でも息子が嫁を結婚以来一度も抱いていないことは知っていても、嫁と夫が通じていることをまだ知らない範子(山下容莉枝)は、ただただ驚くばかり。時あたかもクリスマス・シーズン。梢も聖母マリアよろしく処女懐胎した……わけもないし、いったいどうなっているのかと呆然の表情。
さあ薦田家はいったいどうなるのでありましょうか。次週を刮目して待て!