実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第361回】DVD第3巻:Act.9の巻(3)


前回の日記で、原作漫画の世界では、セーラームーンの活躍がけっこう新聞で報じられていることを紹介したら、意外にコメント欄の反響が大きかったので、もうひとつサンプルを追加しておく。これは実写版ではAct.3にあたる事件の報道である。火川神社の近辺で次々に失踪した少女たちが帰ってきたけれど、どうもセーラームーンの活躍が絡んでいるらしい、という記事ですね。



ご覧の通りカメラ目線のセーラームーンは、セーラーVと同様ゴーグル(マスク)をつけている。これが原作初期バージョンです。

1. 残酷なモキュメンタリーのテーゼ


yamabosiさん、ひろみんみんむしさん、やまださんにお寄せいただいたコメントによると、ここのところテレビドラマでクンツァイトをよく見かけるという話だ。でも私は、肝心の本編を観てもおらず、録画してもいなかったので、ネット世界を探し回って見つけたよ。良い子のみんなはマネしないでね。
まずは高丸雅隆がプロデューサーをつとめるフジテレビ系の火曜9時ドラマ『ストロベリー・ナイト』の第6話(2月14日OA)。平均視聴率15.6%は今シーズンのドラマ中トップを誇るサスペンス推理である。やるなあ高丸さん。



……窪寺、いきなり冒頭で死んでるし。また被害者か(以前の被害者役の記録は、ええと、ウチのブログではこことかにあります)。というわけで、捜査本部での会議でしっかり顔写真がアップになった。



あと、殺害状況の回想シーンでどれだけ出るかだな。真相が複雑で、いろんな人がいろんな推理を披露してくれれば、それだけ再現シーンの回数も増えて被害者の出番も増えるんだが。



これだけか。竹内結子が鋭いカンでスパッと真相を見抜いちゃって、これだけか。


続いて『13歳のハローワーク』第8話(3月2日OA)。このドラマの主演はTOKIOのドラマー松岡昌宏。TOKIOといえば、ジャニーズには珍しく、身長180cmを越えるメンバーを二人も擁している。長瀬智也と松岡昌宏。長瀬智也はラジオのレギュラーで「本当は186cmあるけれど、185cmを越えるとジャニーズ事務所をクビになるので公称184cmです」と言っていたそうだ。松岡君はそれよりちょっと低いくらい。
ところが一部で、本当は長瀬も松岡も公称より低いのではないか、という疑惑の声が上がっている。その根拠として、映画『ヘブンズ・ドア』(2009年)で、主演の長瀬は共演の黄川田将也(公称183cm)よりちょっと低かった、というのである(私は未見なので確認していない)。
黄川田君がきっかけとなった以上、この疑惑は実写版セーラームーンのキャストで解決しなければならない(なぜ?)。今回、窪寺昭(公称177cm)と松岡が並んで、松岡君が見た目あきらかに窪寺君より高ければ、180cmくらいはあるだろうし、そうすると、それより高い長瀬君も、そんなにサバを読んでいるわけではないと見なせるわけで、疑惑は晴れる。
しかし万が一、松岡君と窪寺君がトントンか、あるいはウチの窪寺の方が高く見える、なんてことになったら、これはTOKIOファンの皆さんにとって、メンバーの結婚問題と同じくらいの一大事なのではないか、と私は固唾を呑んで『13歳のハローワーク』第8話に臨んだわけだ。





出演シーンこれだけなんですけど。松岡君の「ま」の字も見あたらない。較べようもなかったですね。ていうか、このワンシーンだけの出演に「窪寺さん、やっぱり一目でわかるくらい際立って美形ですね」と言い切れるやまださんもアッパレである。
沢井さんや窪寺君みたいな優れた俳優には、衆目を集めやすいテレビドラマの世界でぜひとも活躍していただきたいのだが、その才能に十分に見合った使われ方をしていないのが現状であって、実につまんない。でも、そんな例は世間に掃いて捨てるほどあるのかも知れない。


窪寺君に関しては最近、例の『撮らないで下さい グラビアアイドル裏物語』にご出演という話もあるんだが、テレビの前にいたのに疲れて寝てしまって、ここ2回ほど観ていない。なのですみませんパスです。どんな役をやっていたのでしょうか。手島優の回は観たよ。ひょっとして手島優の回に出ていたとか。顔をモザイク処理された手島優の元カレの役、あれだったりして。
「レビューしない」という自らの誓約を破ってしまうが、このドラマって、尾崎ナナよりは小松彩夏、小松彩夏よりは手島優という感じで、メジャーであればあるほど有利だ。バラエティやドラマなどで多少は見たことのある子だと、プライベートの場面で、ネガティブな性格描写や生々しい心情吐露が出てきても「これはあくまでフィクションだもんな」という脳内補正がはたらくし、そういう前提に立つと「こんな微妙な涙目が出来るなんて、こまっちゃんも芝居うまくなったな」というプラス評価さえ可能である。しかし知らない子の場合、こちらの情報不足のためにそういう修正が効かなくて、なんかリアルにマイナーアイドルの私生活のごたごたを目撃してしまったような印象が残る。結果的に、元からマイナーだったグラビアアイドルにはさらにマイナスイメージが上書きされる、というかなり残酷な構造になっている。



2. 早くも今シーズンドラマ総括


今シーズンはほかにも黄川田くんに渋江くんと、男性陣がそれぞれがんばっているようだが、私は今年に入ってからテレビのドラマをあまりきちんと観る機会になかなか恵まれなかった。なので、まだ多くのドラマが最終回に至っていない段階ではあるが、数字的な部分だけで、ざっくり総括してしまいたい。
昨年末が『家政婦のミタ』平均25%とか、『南極大陸』が20%割れとか大騒ぎだっただけに、今シーズンのドラマの視聴率は全体的に地味な印象がある。ともあれトップは『ストロベリーナイト』(現時点での平均視聴率15.59%)だ。さっきも書いたとおりプロデューサーに高丸雅隆の名前がクレジットされており、実写版ファンとしてはやはり嬉しい。その次が『ラッキーセブン』で、現時点で平均15.37%。主演は松本潤だが、クレジットの最後に出る、いわゆる「トメ」は松嶋菜々子。すごいな。
前シーズンに『家政婦のミタ』で最高視聴率30%越えという大記録を叩き出しちゃた以上「松嶋菜々子の次作」はとても注目されるだろうと誰もが思ったはずだ。でもすかさずこのドラマに出て、まずまずの成績を出し、かつ「三田さん」のイメージを払拭することで、松嶋菜々子はそういうプレッシャーから、あっさり自分を解放したのである。おみごと。
 
平均15%越えを果たしているのはこの2作品くらいで、あとはどれも10%前後をうろうろしている感じであるが、ひとつ気になるのは、テレビ朝日系で木曜9時にやっているという『聖なる怪物たち』である。
これはどういう作品かというと、原作は外科医を主人公にした医学サスペンスだそうだ。私は読んでいない。作者は河原れん。元スターダスト所属のモデルだったのが、25歳以上離れているという「年の差婚」で細野義朗スターダスト社長の後妻の座におさまり、ダンナの薦めもあって小説を書き始める(なんか私の書き方ってトゲがあるかな)。そうやって書いた処女作『瞬(またたき)』は、(この小説を映像化するために社長が立ち上げた映画会社)スターダスト・ピクチャーズの制作で映画化され、主演カップルには北川景子・岡田将生というスターダストのエースが投入されたが、興行収入は2億円に届かないという、かなり厳しい結果。
にもかかわらず2作目の小説『聖なる怪物たち』がこのたび、ゴールデンの時間帯でテレビドラマ化されたわけだ(やっぱり私の書き方ってトゲがあるかな)。脚本は『モップガール』『LADY〜最後の犯罪プロファイル〜』の荒川修子。メインキャストは岡田将生、中谷美紀、大政絢と、またしてもスターダストの精鋭で押さえられている。で、結果的にどうだったかというと、初回が10.8%でなんとか二ケタをクリアしたものの、その後は7%〜6%台をうろうろ、最低視聴率は5.6%で平均視聴率7.66%。岡田将生くんも『瞬』に続き2作もつき合うハメになって災難である。
というわけで、この河原れんという人、将来的にスターダストの疫病神になる要素大で、北川ファンとしては不安要素のひとつである。しかし社長の奥さんじゃしょうがないしなぁ。
ま、本編に行こう。

3. あまりやりたくはないが前世問題

タキシード仮面はなぜ<幻の銀水晶>の存在を世に知らしめたのか。そもそも彼はなぜ銀水晶を狙っているのか。ここで、地場衛が何度も見ているらしい夢の内容が明らかにされる。



プリンセス「幻の銀水晶を……お願い」



地場衛「幻の銀水晶……どんな手を使っても……」



アニメ版の地場衛がタキシード仮面に「変身」することは以前紹介したとおりだが(ここ)、実写版が「変装」であることは、Act.7で古幡元基のお母さんがタキシードのお直し(およびマスクの新調)をしているところからも明らかである。ここではその変装セットが部屋に無造作に置かれているんだけど、このビジュアルは原作漫画のイメージに近い。
もっとも原作のこの場面で、衛は、全力で戦って倒れてしまったうさぎを、自分のマンションで介抱していて、目覚めたうさぎは、この衣裳を見て地場衛の正体に気づいてしまうわけだが。



シチュエーションとかは大幅に変わっていても、ここぞという名場面のビジュアルやセリフはちゃんと再現する。実写版が「原作原理主義」を標榜するゆえんですね。



ところで、この「幻の銀水晶を……お願い」というセリフは、まあ普通に考えれば「地場衛の深層心理に眠る、前世の記憶の残滓」ということになる。「現世のうさぎの意識に潜在するプリンセスからのテレパシー的呼びかけ」と理解できなくもないが、こっちよ!研究員が前回コメント欄で指摘されたように、それだと解釈が複雑なことになるので、今回は採らないでおきます。
でも前世の記憶の再現だとしても、それはそれで、エンディミオンは前世のどういうシチュエーションで、プリンセスから「幻の銀水晶を……お願い」と訴えられたのか、という疑問は残るわけだ。「お願い」って、何を「お願い」しているのかってことですね。
それで、何かヒントはないかと原作とアニメを改めて確認してみた。そうしたら、アニメ版の第22話だと、セリフが「銀水晶を探して」になっているんだよね。



プリンセス「銀水晶を……銀水晶を探して……」


これはつまり「自分が何者であるかを知るためには銀水晶を探し出さなければ」という焦りの気持ちと、前世のプリンセスの記憶が、衛の意識下でごっちゃになって生まれたイメージと考えればいいんじゃないかと思う。アニメ版では、第35話と第44話で、前世の月の出来事がまとめて語られているんだけど、前世でエンディミオンが死ぬまでのあいだに、プリンセスが「銀水晶を探して」なんてお願いしなくちゃならないシチュエーションは出てこないからね。
一方、原作はこうなっている。



六歳の誕生日に事故で孤児となり、記憶喪失になって、自分が「地場衛」なのかどうなのか分からなくなったという。つまり事故で頭を打った拍子に、現世の「地場衛」の記憶を一部押しやるかたちで「エンディミオン」の記憶がよみがえってしまい、でもそれが前世の記憶だと理解できるはずもなく、結局、自分が誰だか分からなくなってしまった、というふうに読めるね。だとすると「幻の銀水晶をおねがい……」というのも前世の記憶の断片と考えた方が素直だが、しかしでは「おねがい」って、セレニティはエンディミオンに何をどう「おねがい」したのか、さっぱり見当がつかないや。ということは、基本的にはこの原作漫画に準拠している(と思われる)実写版の「お願い」の内容も、いまいち見当つかないってことです。


ほらね、前世が絡むと、労多くしてなんとやら、でしょ。あれこれ考えるうちに日曜日になって、結局分かりませんでしたよ今回も。というわけで、次のダーク・キングダムのシーンまでレビューを進めておきたかったのだが、このへんで終わりにしておく。
私だって、何もあれから一年目のこの日にあわせて、こんなオタクなブログを更新するつもりなんてなかったですよ。でも原作漫画を読み返したり、アニメ版のエピソードを2、3本チェックするのに時間をとって、一年目の3.11にアップする結果になってしまいました。ご容赦ください。