1. クンツァイトをさがせ(これでも分かりますか?篇)
前回、窪寺昭が『撮らないで下さい グラビアアイドル裏物語』に出演していたらしい、ひょっとして手島優の回に出ていた元カレの役か、という話をした。そしたら本当に、手島優の回(第9話)のエンドロールに窪寺君の名前があった。それでざっと早送りで確認したのだが、それらしい人が見あたらない。
もっとも、前回の『13歳のハローワーク』だって、コメント欄でひろみんみんむしさんがヒントを出してくれたから見つかったくらいのチョイ役で、ほとんど「ウォーリーをさがせ」状態である。それに私には、やまださんのように、窪寺君の美形ぶりが一目で分かっちゃう識別能力もない(まだ言うか)。で、どこに出演していたかというと、う〜ん、やっぱり「手島優の元カレ」役なのではないだろうか。
グラビアアイドル、テジマユウの一週間を追う密着カメラマンが、彼女の独り暮らしのマンションに入る。ほんとうはテジマさんは、私生活では何かと思い悩んだり、くだらない男に貢いでは逃げられたりするようなタイプの暗くて重い性格で、そういう素顔は隠しておきたい。だから今回も事務所を通じて、仕事の時以外のオフショットはNGという話にしてあった。
ところがそのせいで、番組の狙っている面白いプライベート映像が撮れていないということで、担当のカメラマンは先輩からボロクソに叱られる。先輩に平謝り(だけどカメラは回し続ける)の若手カメラマン。
自分に張り付いている駆け出しのカメラマンが、「私生活はダメ」という自分の出した条件のせいで罵詈雑言を浴びせられている。そんな様子を、偶然目撃してしまうテジマユウ。
情にほだされたテジマさんは、次の週末、NGルールを解いて自宅にカメラマンを招き入れる。ベッドルームやキッチンを公開したり、手料理を作ったりして、撮影素材を提供して、万事順調と思われたところへ、予期せぬ事態が発生。元カレの登場である。ちょっと近くに来たついでに、置きっぱなしにしていた私物を取りに来た、みたいな感じ。
焦り気味のテジマユウは、カメラマンに隠れているように言って、元カレを部屋に入れる。カメラマンは物陰に隠れて、でもビデオはしっかり回して、テジマユウと元カレの痴話ゲンカをまるまる盗撮する。ここがドラマのクライマックスですね。
テジマユウは「売れないグラビアアイドル」の自分とつき合ってくれているこいつのために、仕事を頑張って、ようやく売れっ子グラビアアイドルになった。と思ったら彼に捨てられた。で、その彼は現在、売れてない後輩グラビアアイドルと付き合っている。しかもこの若いグラドルが、礼儀とかがぜんぜんなっていなくて、仲間と「テジマユウって豊胸手術しているに決まってるよね〜」なんて陰口を叩いたりもしているのだ。
元カレと言い合いになるうちに、そういうフンマンやるかたないあれやこれやがあふれ出して、ボロボロに泣いちゃうテジマさん。元カレは、そんな彼女を抱きしめようとして拒まれると「どうせオレは、売れないグラドルにひっかかっちゃうような男なんだよ。じゃな」と言い捨てて出て行く。
隠れていた場所から出てきた若手カメラマンは、うつむいたまま動かないテジマさんに、おそるおそる近づく「大丈夫ですか?」
ドキュメンタリーという設定なので、元カレの顔が映りそうになるとボカシがかかる。音声も元カレだけ甲高い声に換えてある(笑)。なので背丈とか後ろ姿で判断するしかないのだが、これってクンツァイト窪寺であろうか?どうですか、山田さん。ひろみんみんむしさん。
「この番組のレビューは書かない」と言っておきながら、毎回触れるのもどうかと思ったが、窪寺君か否かの判定をしていただきたかったのと、手島優に対する『M14の追憶』の無関心ぶりがあまりにあんまりで、StreamKatoさんも不満を漏らしておられた、という事情もあるので(ここ)、ちょっと詳しく取り上げてみた。でも手島優のビキニ画像がないので、StreamKatoさんはやっぱり不満かも知れない。
2. ジェダイト一時休養
さてダーク・キングダムである(いきなりだな)。前回、Act.8のラスト、ゾイサイトの協力を得てセーラームーンを襲撃したものの、あと一歩というところでダウンしてしまったジェダイトだが、結局、今回をもって前線から一時撤退することにある。ベリルによって石に変えられて、静養を命じられるジェダイト。
ベリル「ジェダイト……愚かな失敗ばかり……」
ベリル「だがここまでわらわに尽くそうという、お前の心は買おう」
ベリル「しばらく力をたくわえよ、わらわのために」
なんだかんだと、若いジェダイトの忠誠ぶりを愛でるベリル。それがネフライトには解せない。
ネフライト「ベリル様はなぜあんなジェダイトやゾイサイトまで愛を注がれるのだ。早く幻の銀水晶を見つけなくては……」
ネフライト「確か、タキシード仮面という男が妙なことを始めていたな。見つけさせて奪うのも手だな」
最後は、鈴村監督お得意の口元アップで、にんまりとほほえむネフライト。しかし、そんなの誰でも考えることだ。この程度の思いつきで、さも名案が思いついたようなドヤ顔をされてもなぁ。
こうして見ると、「ベリル様ひとすじのジェダイト」「ベリルに尽くすことが第一義ではなくて、誰にでもいいから自分が認められたいだけのネフライト」「基本的にはバカのネフライト」「ジェダイトの一途さを買うがネフライトにはとことん冷笑的なベリル」などなど、各キャラクターの基本的スタンスと相関関係は、この段階で十分描かれていることが分かる。Act.36におけるネフライトへの残酷な処遇をベリルがはっきりと口にするのは「愚かな…いずれふさわしい死に場所でも探してやらねばなるまい!」というAct.27だそうだが(いつだったか、こっちよ!研究員がコメント欄で指摘していた)、このAct.9でも、よくよく観ればそういう将来の運命はすでにうっすらと暗示されていた、とも言える。
だいたいAct.13、Act.14で窪寺昭が登場するまでのダーク・キングダム四天王のみなさまは、どうしてもベリル様のインパクトに圧倒されて、いまいち印象が薄い。正直なところ私も第1クールにおけるダーク・キングダムの動向なんて、ベリルの菱形以外は注意していなかったのであるが、改めて丁寧に観直してみると、けっこうちゃんと描かれていますね(笑)。
3. ニセタキシード仮面大図鑑
さて、地場衛のしかけた「幻の銀水晶」騒動はあちこちに波及して、ワイドショーをみた人々はもちろん、マスコミや報道機関も、それぞれのツテをたよりに銀水晶を探し始めた。何年も前に再放送レビューのとき取り上げたけど、原作漫画のこの場面を読んでいると、皇居の中まで調査したやつがいるらしい。畏れ多いことです。
実写版の場合はまあ、大人の事情でそんなにスケールの大きな表現はできない。でも宝石店かどこかに押し寄せて、「すみません。これが幻の銀水晶かどうか確認してください。おねがいします」「うちのがそうなんじゃないかと思うんですがね」と、口々に鑑定を依頼する々の描写がある。
このあと原作ではゾイサイトが、幻の銀水晶研究家の「異園(いぞの)教授」に扮してワイドショーに登場、カメラに語りかけながら催眠電波を送って視聴者をみんな昏睡状態に陥らせる。タキシード仮面の計画を利用して人々からエナジーを吸い取る作戦である。原作とアニメのゾイサイトは、ご存じの通りオカマキャラなので、異園教授も性別がイマイチ不明ですね。
一方、実写版では、この計画の責任者はネフライトだ。彼は青井輝明という名前の宝石鑑定士を催眠状態にしてあやつり、テレビに出演させ、この人を利用して幻の銀水晶を回収しようとしている。
アナウンサー「話題騒然の<幻の銀水晶>ですが、今日はなんと、その<幻の銀水晶>に詳しいという鑑定士の先生に来ていただきました。こちらが青井先生です。先生どうも。ところで、その<幻の銀水晶>らしきものは出ましたか?」
青井「まだです。ですが、時価数十億円の秘宝、ぜひみなさんのご協力を。意外なところにあるかも知れません。もし何かあれば、ぜひお知らせを。連絡先はこちらです」
育 子「たいへーん!メモ、メモ」
青井鑑定士を演じている俳優は木村靖司。昨年(2011年)夏にNHKで放送された「NHKスペシャル 未解決事件ファイル01. グリコ・森永事件」のドラマパートでは、犯人の「キツネ目の男」を演じたそうだが、似ているかな。
あと『太陽と海の教室』第8話(2008年9月放送)では、自殺願望をかかえた美少女モデル、次原雪乃(大政絢)の父親役で出演していた。まあ、お母さんの秋本奈緒美と較べると、いまいち影が薄かったが。
『太陽と海の教室』第8話といえば、ハチ(濱田岳)が死んじゃう回だけど、そういう緊迫した状況で、なぜか北川景子がモデルのように腰に手をあてながら携帯をかけていて「あのおかしなポーズには役作り上の意味があるのか?」と話題になったりもした(ウソだが)。
箸使い同様、携帯の持ち方もどこか不自然な北川景子。「何なんだろうこの先生」という疑惑の目でみつめる吉高由里子。どちらもエスティマ日記のぽんた師匠から厳しいNGを出されています。
と、寄り道はこれくらいにして本題に戻ろう。ええと、ここからあれだ、ドラマは唐突に、ニセタキシード仮面祭りに入る。アナウンサーからタキシード仮面続出の報道を聞いて、うさぎの頭に漫画みたいなフキダシが浮かび上がって、そこに6人のニセタキシード仮面が登場するんだけど、便宜上ここでそれぞれに名前をつけておく。
私の想像だけど、小林靖子先生は、もう少しイケメン揃いの「ニセタキシード仮面祭り」を想定して台本を書いたのではなかろうか。たとえば、同時期に放送されていた『仮面ライダー555』の半田健人と溝呂木賢と泉政行と唐橋充にタキシードを着せてずらっと並べるとか。しかしイケメン軍団の都合がつかなかったのか、あるいは台本を受け取ったスズヤンの頭の中に浮かんだイメージがそもそもこういうもんだったのか、ともかく実際のビジュアルはこういうもんになってしまった。違うかな。
アナウンサー「ところで、タキシード仮面なんですが、ここ数日で被害は数十件に及び、最近何人もいるとの情報があります」
うさぎ「えっ」
(1)のみすぎ
(2)乗馬用ヘルメットみたいなやつ
(3)風呂敷
(4)清掃ブラシ
(5)赤影
(6)デカ蝶ネクタイ(ラメ入り)
アナウンサー「みなさま、宝石の管理には十分お気をつけください」
育 子「やだ。隠さなくっちゃ」
アナウンサー「いや〜まさに大騒ぎ。いま世間は<幻の銀水晶>一色です!」
このニセタキシード仮面たちは、たぶんスタッフとかの出演、いわゆる「ウチトラ」(内輪のエキストラ出演)なんだろう。でも詳しいことはわからない。おっさんのタキシード仮面というと、『ACT ZERO』の特典映像ドラマで、玉寄兼一郎(実写版セーラームーンのアクションコーディネーター)がやっていた、地場衛にタキシード仮面のヒントを与えた幻の初代というのがいた。あれはオヤジなりに渋かったが、あれに較べると、このニセ者たちはどれもパッとしない。当然か。
なんかダラダラとあらすじを紹介するだけの流れになってきたので、今回はここまで。
次回は、待っていた人にはお待ちかね、意外と多くない実写版の火野レイの制服シーンが久々に登場だ。ちょっと予告。