実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第287回】三たび『眠れる森の美女』の巻

 


『豹(ジャガー)の眼』といっても、高垣眸とは特に関係ない。唐十郎の戯曲である。ここに掲げたのは唐組・2008年バージョンの上演ポスターだが、私がナマで観たのは劇団状況劇場による初演(1985年春)で、佐野史郎が退団して間もない頃だったと記憶している。私はまだ20代の前半だったし、舞台の上では六平直政や菅田俊が若々しく大暴れしていた。ずっと状況劇場の看板女優だった李礼仙(現:李麗仙)が、初めて姿を見せなかった舞台でもある。そういう意味では、このあたりから状況劇場は解体に向かっていたのだなぁと、今にして思う。

いやそんな感慨はどうでもいいんだ。私がこの作品を思い出したのは、ポプラ社のホームページで、期待の新進作家、齊藤智裕(俳優名:水嶋ヒロ)のデビュー作のあらすじを読んだからである。なんか、自分の命を捨てて臓器を売買しようとする男の話なんだって。それですぐに連想したのは、手塚治虫の漫画『サンダーマスク』と、唐十郎の戯曲『豹の眼』であった。
『サンダーマスク』の主人公は、公害病で余命一年の宣告を受けて自暴自棄になり、「命売ります」という看板を背負って街を彷徨する。それで怪しげな科学者に、何千万だったかで命を買われて、宇宙から来た謎のガス状生命体に身体を貸してサンダーマスクに変身する。そんな話だった。唐十郎の『豹の眼』は、角膜移植の手術を受けたら、見知らぬ美しい女性の面影が見えるようになってしまった男と、死んでしまった恋人の角膜を追い続ける女の話である。作品全体が1983年で亡くなった寺山修司の「臓器交換序説」という演劇論へのオマージュともなっている。

1. 聖地の中の聖地


え〜と、なんかもう、書き出しからテーマが絞れずにグダグダだな。実はね、いま本当はブログどころじゃないんです。年内に仕上げなければならない仕事がいくつかあって「年内に仕上げればいいや」と思っていたら、もう「年内」もあと僅かなんですよおおお。どうしよう。

なので本当はこの話、先週放送された『仮面ライダーOOO』第12話で「新人文学賞」ネタが出てくることに触れて、小林靖子は、今回の水嶋ヒロ君受賞の件を予見して脚本を書いたんじゃないか、とかいうところから、同じエピソードで東映撮影所が「東央撮影所」という名前で出て来るんだけど、小林靖子脚本作品で東映撮影所が出てくるのって、実写版のAct.37、Act.38以来じゃないか、という話題へつないで展開する予定であったが、止めておく。でもまあ、キャプチャした画像はもったいないのでちょっと出しておきます。

まず、東映東京撮影所の見取り図はこんな感じである。これは実写版の撮影台本に挟んであるスタッフルーム案内だね。で、実写版Act.37や、今回の『仮面ライダーOOO』第12話に出てきた門は、背景にNo.2スタジオが見えているところから、正門ではなくて西門であることがわかる。

もうちょっと奥に入ったところが、下のような感じ。美奈子は妙にお色気が過剰ではないかな。その背後にはクウガのみなさん。赤・白・青のそろい踏み。

美奈子とナコナコ姿のレイが話し込むのはNo.8(第8スタジオ)前で、仮面ライダーが戦っているのはNo.7スタジオ前。

どちらも正門を入ってすぐの所にあり、実写版セーラームーンのスタッフルームもこのあたり。言わば聖地の中の聖地である。

それにしてもネフ吉(松本博之)が『仮面ライダーOOO』でやっているガメルはバカっぽ過ぎないか。なぜ小林靖子は松本博之をこんなにぞんざいに扱うのか。ひょっとして松本博之は「いじめて君」か?



 

2. 三年目の「料理番の娘」

 

StreamKatoさん撮影の画像を使わせて戴きました。無断で。

さて前回の本文やらコメント欄でちょこちょこ触れた通り、去る11月27日(土)、群馬県は安中市まで行ってきた。3年ぶりに松下萌子と沢井美優と溝呂木賢の舞台、劇団東少の『眠れる森の美女』を観るためにだ。
この舞台はもともと、2006年と2007年の夏休みに全国をサーキットして上演されたファミリーミュージカルで、初演当時開設したばかりの当名古屋支部でも、2006年5月の【第12回】で考察したのを皮切りに、7月の【第25回】で地方チケット情報を流し、8月の【第31回】で最初の鑑賞レポートをアップし、そして2007年8月の【第103回】で2年目のレポもあげた、ということで、当ブログの歴史と切っては切れないご縁のある舞台です。特に2度目に観た横浜は良かったなあ。まあそれで、ビデオ化される予定なども当然ないし、2度と観ることはないだろうと思っていたのですよ。

それがどういう具合か、この11月に、確認された限りでは二度、再演(再々演)されることになった。一度目は2010年11月9日(火)から11日(木)までの3日間、青森県弘前市の弘前市民会館で行われた「児童劇観劇教室」で、これは市が、小学校を対象とする教育事業として行ったものなので、さすがの沢井党の方々も潜入するすべはなかったようだ。
弘前城築城400年記念のマスコット、いわゆる「ゆるキャラ」の「たか丸くん」も、遊びに来てくれたらしい。あくまで「たか丸くん」であって「高丸くん」ではないので、くれぐれも注意して欲しい。
それにしても3日間で市内の小学校の児童約6,500人が招待されたというのだからスゴイ。6,500人だよ!毎日午前9時20分開演と午後1時30分開演の2回公演、つまり計6回公演だというから、計算してみると平均してどの回も、弘前市民会館大ホール1,300席のうち1,100席近くが埋まっていたことになる。満席率85%である。これだけのよい子がいれば、将来、沢井美優のファンになる子もいるだろう。こういう努力が明日への礎となるのである。
 そして11月27日。この日のイベントも、『眠れる森の美女』の単独公演ではなくて、正式には安中市の生涯学習課が企画した「安中市青少年健全育成市民のつどい」の目玉である。入場無料だが、事前に整理券が発行されるので、これを手に入れておく必要がある。等々と書いても「よく分かんないよ」という方がいるかも知れないし、遠い将来、誰かが沢井美優の評伝を書くとき資料が必要になるかも知れないので、どういうイベントであったか、正確な情報を書いておく。

 

平成22年度 安中市青少年健全育成市民のつどい

 と き 平成22年11月27日(土)午後2時〜
 ところ 安中市文化センター ホール


次  第

 ◇式 典◇  あいさつ 安中市教育委員会 委員長 中澤四郎

  優良青少年表彰
   【団体】金井子ども会 [磯部地区]
       松井田フットボールクラブ
   【個人】田島 健一 様[東横野地区]

  来賓祝辞 安 中 市 長 岡田 義弘 様
       安中市議会議長 田中 伸一 様

  決意表明 安中市青少年健全育成会議会長 織茂 幸一


 ◇記念公演◇
  ミュージカル「眠れる森の美女」


    主 催 安中市教育委員会・安中市青少年健全育成会議
    共 催 安中市青少年育成推進員連絡協議会・安中市PTA連合会
        安中市子ども会育成会連合会

健全育成会議長さんによる「決意表明」とは何かというと「(前略)私たちは、本日開催の『青少年健全育成市民のつどい』を契機として、次代を担う青少年が夢と希望を持って豊かに育っていくよう、家庭・学校・地域社会が健全育成に取り組み、安中市が心のふれあう活力に満ちた郷土となるよう努力することをここに決意する」という内容のもので、ちょっと後ろめたいというか「私なんかこの場に居てもいいのか?」とためらわずにはいられないイベントである。
でも、松下さんや沢井さんの『眠れる森の美女』を観るのも、たぶんこれが最後だろうし、万丈さんが、整理券の心配はしなくていいよ、とわざわざメールをくれたし、座席数800人の会場に対してStreamKatoさんの整理番号がNo.1016とNo.1017という驚きの情報もあり、仕事がいろいろと迫っていることもあって、現実逃避もかねて安中へ逃げてしまった。
ズムサタをちらっと見てから家を出て、名古屋―東京―上野―高崎と乗り継いで安中駅にたどり着いたのが12時30分頃、会場が1時30分だから、歩いて行ってもまだまだ余裕だよな、と思っていたのは私ぐらいで、駅のホームを降りたところでばったりお会いしたレトルトさんは、夕べから具合が悪くて遅れちゃいました、とか言ってタクシーで会場へ向かわれた。私もそれに便乗させていただいて、ありがとうございました。
会場にはすでに沢井党が結集していた。とんかつさんとか、スターヒーラーさんとか、オーロラさんとか、見覚えのある方々がいるいる。午前中から「入り待ち」をしていた方もいたそうです。相変わらずすごいなあ。私は今回は最初から、健全な青少年たちの背後でこっそり観劇させていただこうと思っていたのだけれど、この方々は当然、列のいちばん最初に並んでいる。
 私は万丈さんから整理券を分けていただいた後、することもなく、親子連れが少しずつ集まってくるロビーの様子を関係者のようなフリをして眺めていたのだけれど、ふと気がつくと、まだ会場時間までけっこう間があるのに、会場待ちの行列がロビーの外にまで連なっている。数えると、会場30分前ですでに200人が並んでいた。やはり整理券が1000枚以上出ているというのは本当だったのだ。沢井美優の舞台に、こんなにも人々が並んでいる!

定刻に開場した後も、列はどんどん続く。途切れたら中に入ろうと思っていたのに、ぜんぜん途切れない。すばらしい。開場前にStreamKatoさんに「並ばなくていいんですか」と尋ねられたので、「最後に入って立ち見だったらそれはそれで本望です」なんて答えていたのだが、あながち冗談とも言い切れないぐらい沢山の人が入っている。
ようやく、ひとまず並んでいた方々が全員入った後に続いて入場して、後ろの方の席に座って眺めると、やはり8割くらいは埋まっている。盛況である。今までみた公演のなかでも、最も客の入りがよかったんじゃないか。そりゃまあ、タダなんだけどさ。でも嬉しいじゃないですか。
前方を見れば、いつものように中央最前列は、特別なオーラを発しているあの人たち。今回は第1部に優良青少年表彰式があって、その表彰を受ける地元のフットボールクラブの人たちとか、関係者らしき方々が周りを固めているなか、最前列ど真ん中だけは、沢井党が揺るぎなく確保しているという、ちょっと特殊な光景であった。そしてその中央からちょっと距離を置いて、最前列のやや左寄りにレトルトさんがいる、というのもすでにどこかで見たような光景である。
で、このときに、こっちよ!さんが、仕事の都合で舞台はご覧になれないのに、開演前の僅かな時間、わざわざ私に会うために会場までお越し下さったのです。最前列の濃い人たちのところまで捜しに行って、それからStreamKatoさんのご案内で後ろの方の私の席までお見えになった。私は初対面なのに、こっちよ!さんに所長風をふかせて「沢井さんの芝居がこんなに大入りなんて嬉しいなあ。入ったところに<満員>の張り紙もあったし。でも私、カメラを忘れてきたので、研究員はあの満員の張り紙を忘れずに撮っておいて下さいね」なんて指令を飛ばしたら、後日ちゃんと画像を送って下さいました。こっちよ!さん、ありがとうございます。
さて、このあと芝居が始まって、しかも今回は帰路、沢井さんや松下さんと同じ電車に乗ってしまうというハプニングもあったのだが、もうちょっと、これ以上長い文章を書く気力も時間もないや。幸い、StreamKatoさんが某画像掲示板にこの日の模様をレポしているので、悪いけどこれを事前無許可で転載させていただこうっと。
というわけで次節はすべてStreamKatoさんの書かれたもの。文中「セラヲタの人」というのが私であります。

3. 安中市青少年健全育成市民のつどい(Text by StreamKato)


もう2度と見られないと思っていた「眠れる森の美女」ですが、奇跡的に再公演があり、観劇に行ってきました。
今回は「安中市青少年健全育成市民のつどい」の、言わば余興として企画された公演です。

2006年7月の三越劇場でのオリジナルキャストの内、今回の再演で出演したのは、
  王女:松下萌子
  王子:溝呂木賢
  料理番の娘:沢井美優、
のメインキャスト3人のみ。
他のキャストは、劇団東少所属の他の俳優が演じるという構成です。

前日の夜に東京入りしていた私は、当日、ホテルのテレビで「ズムサタ」の安座間美優を見てから群馬県安中市に移動。
開場時刻13:30に対して12:20頃に安中市文化センターホールに到着しました。
が、そこにはすでに沢井党の面々が行列を作り、私は8番目の到着でした(笑)。
早い人では10:00には到着して入り待ちをしていたそうな(爆)。
また、上野から安中まで、出演するキャスト陣と同じ電車で来たという人もいました。
電車の中で美優ちゃんは帽子を被り、萌子さんはマスクをしていたそうです。


開場して、沢井党の面々は最前列の席に陣取り、私はその後ろの2列目に着席しました。
2列目ではありますが、左寄りの席で、沢井美優が糸車の歌をソロで歌う時の真正面の位置です。
舞台の内容はオリジナル三越版と全く同じですが、1回限りの公演のためか、ややレベルダウンの感は否めませんでした。
が、今回は一般的な興行ではありませんので、それは致し方の無い事ではあります。
あいかわらず美優ちゃんは可愛かったし、萌子さんの70年代アイドル歌手風のこぶしを利かせた歌唱は心に響きました♪
が、しかーし、一番の収穫は、
せんだっての三越劇場での「白雪姫」の時に物販をしていた綺麗なおねえさんが、
今回の舞台で料理番の奥さん役:王室の侍女(大臣の相方)役として出演したということです!
いやー、名前は知らないけれど、この綺麗なおねえさんのファンになってしまいました。


舞台が終わってカーテンコールは1回のみ、キャスト陣によるロビーでの観客のお見送りもありませんでした。
なにしろ帰りの電車は1時間に1本しかありませんから(泣)。
沢井党の面々は文化センターの外でキャストの出待ちをしていましたが、セラヲタのひとりがまず安中駅に向かい、私はしばし沢井党と談笑したのち遅れて安中駅に向かいました。
安中市文化センターは小さな山の上にあるのですが、坂道を下って国道に出た所でタクシーとすれ違いました。
そのタクシーは坂道を上って文化センターの方に向かって行きました。
そう、そのタクシーはキャスト陣がチャーターしたタクシーです。


安中駅に辿り着いて一服しようとしたら、そのタクシーも同時に到着しました。
中からは眠れる森の蝶々役の女性ふたりと、若者役(成長した沢井美優の相手役)の男性が降りてきました。
その若者と私はしばし、安中駅の外の喫煙コーナーで一緒に一服しました(笑)。
また、蝶々のひとりは「32分よ〜〜〜〜っ!」と叫んでました。
17時32分の次の電車は17時57分ですから必死です。
しばらくするともう1台のタクシーが到着。
中からは美優ちゃん、萌子さん、物販の綺麗なおねえさんが降りてきました♪


私はキャスト陣より先に駅に入場し、ホームで先に入場していたセラヲタの方と合流しました。
ややあってキャスト陣も駅に入場、電車では同じ車両に乗り合わせました。
美優ちゃん・萌子さん・物販の綺麗なおねえさんが3人並んでシートに座って、高崎まで話がはずんでました。
3人とも帽子もマスクもしていませんでした。
私は時々、その3人をチラ見するという(笑)。


終点:高崎駅で全員下車、私とセラヲタの方とで話をしているとキャスト陣が目前を通過して行きました。
セラヲタの方は別の電車で別の所に向かい、蝶々のひとりは高崎を出場、他のキャスト陣は在来線で上野に向かい、私は長野新幹線で東京に向かったのでありました。


めでたしめでたし。


(^Q^)v

4. 涙の五十肩


以上、StreamKatoさんのレポートでした。いかがでしたか。補足しておくと、料理番の奥さん役=王室の侍女役=「物販の綺麗なおねえさん」の名前は、岩間香織さんと言うらしい(万丈さん情報)。私は今回、白の妖精の人が印象に残りました。もと宝塚歌劇団月組の彩橋みゆさんだそうです。ぐっと若返った黒の妖精(由井香穂里)もなかなかでしたね。そして松下さんの高ビー(死語)お姫さま演技とアイドル唱法は、さらに拍車がかかって天井知らずであった。
しかし何と言っても沢井美優です。なかばマイナー落ちみたいな現状で、その魅力もくすんでしまったのではないか、という私の懸念など吹き飛ばすかのように、沢井さんのたぐいまれなオーラと演技力は健在でした。隠していた糸車が見つかって燃やされそうになる場面の「料理番の娘」の芝居なんか、やっぱりちょっと、こう言っては不穏当なんだがその、北川景子さんや小松彩夏さんあたりとはタマが違うな、と唸ってしまいましたよ。


ところで、StreamKatoさんは予告どおり、会場で、チラシとかフリーペーパーなどのいろんなものの詰め合わせをズシリとお土産にくださいました。私は、ノートパソコンと一緒にその紙の束を鞄に突っ込んで、その日は実家に一泊したんですが、翌朝起きたら、鞄をかけていた方の腕が上がらない。肘の高さより上にあげようとすると、肩に激痛が走るんです。
それで、いただいたお土産は(どうせ正月に来るから)そのまま実家に置き去りに名古屋へ戻って、前に腱鞘炎になったときにお世話になったお医者に行ったら「肩関節の組織が炎症を起こしていますね。重い荷物を持ちましたか」と言われました。私、StreamKatoさんのお土産で、いわゆる五十肩になってしまいました。まあ四捨五入すれば五十だけど。
というわけで、今週はいつものようにキーボードを打つと、肩に異和感を覚えるような状態が続いて、ようやく昨日あたりから、普通に近いところまで回復しましたけど、まあそのぶん、StreamKatoさんの書いた文章を無断転載しても、文句は言われないだろうなと思って使っちゃいました。というわけで今回はこれまで。


演技力養成ギプスを装着して女優修業に励む若き日の北川さん



不必要なオマケ

映画『女王陛下の007』より、人間を吸い込んだラッセル車ロータリー車から吹き出す雪(1969年イギリス、監督:ピーター・ハント/撮影:マイケル・リード)。
何でこんなものを出したか、詳細は大家さんち(ここ)をご参照下さい。