実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第284回】変身シーン徹底比較:アニメ版と実写版(中編)

 

『ナサケの女 〜国税局査察官〜』第4話(テレビ朝日系2010年11月11日OA/脚本:中園ミホ/撮影:五木田智/演出:田村直巳)より泉里香。美貌と芝居勘の良さは相変わらずだが、それにしてもダーク・マーキュリーである。

1. 読書の秋三部作、完結

 

少女マンガジェンダー表象論―“男装の少女”の造形とアイデンティティ

少女マンガジェンダー表象論―“男装の少女”の造形とアイデンティティ

 

前回同様、これも刊行されて間もなく読んだ本で、今となっては詳しい内容を忘れちゃった……って、そんな状況なら、もう「読書の秋おすすめ本」シリーズを続けなくてもいいのになあ、と自分でも思う。惰性です。著者に申し訳ない。もう今回限りにしておこう。
で、今回の本の内容は、えーと、確かタイトル通りである。つまり『リボンの騎士』『ベルサイユのばら』から『少女革命ウテナ』まで、少女漫画における「男装の麗人」の系譜を素材に、ジェンダーの越境というテーマで、けっこうまじめに議論を展開しています。博士論文がベースになっているんじゃなかったかな。
漫画は純文学などとは違い、一種のマスメディアなので、世代によって、作家や作品に対する思い入れに顕著な温度差が出たりする。『リボンの騎士』や『ベルばら』の分析に熱心なこの本を見て、私は、著者はたぶん、テレビアニメ『リボンの騎士』(1967年)が、視聴率は低迷しながらも一部の少女たちに熱狂的に支持された時代や、『ベルばら』が宝塚の舞台にかかって(1974年初演)社会的なブームになった時代の空気を知っている人なんだろうな、と思ったんですね。
ところがこの本の著者、押山美知子さんは「1998年東京女子大卒、2006年専修大学大学院博士課程修了」だそうですから、普通に考えれば現在30代半ばで、つまり『リボンの騎士』や『ベルばら』のリアルタイム世代からはざっくり10年おくれている。そう考えると、若い身空で(すごい言い方)あのころの作品を、古典として扱うのではなく、愛情をもって切り込んでくれるその熱意に、基本的に好感をいだいてしまいます。私のポリシーは「批評は愛がなくちゃ」ですからね(誰も聞いてないよ)。でも実は著者が「子育てが終わってから大学に入り直した40代後半」とかだったりしたら、評価はちょっと異なってきます。って、なんかオバサンを差別しているようにとられちゃうかな。
好著ですが、ただ個人的な所感としては、サブタイトルの「男装の麗人」というところにテーマを絞り込みすぎたような気もする。一篇の論文であれば「男装の麗人」だけにテーマを限定するのもいいだろうけど、単行本一冊かけて考察しているのだから、もう少し話題の裾野を「少女漫画におけるジェンダー論」全般に拡げて、重要な諸作品にも目配せしていただいて、そのうえで「男装」を論じて欲しかった気がする。
具体的に申し上げますと、萩尾望都「11人いる!」は「男装」ものではないけれど、「少女漫画とトランスジェンダー」というテーマを考えるにあたって欠かせない作品のひとつだと思います。でもこの本の中ではまったく言及されない。あと大島弓子「7月7日に」は、これはまあ、この本の文脈から言えば必ずしも取り上げる必要はないか。でも少しは触れて欲しかったよね。
以上、記憶に残っている限りの、初読後の感想でした。注文はつけましたが、少女漫画批評に興味のある方はぜひご一読ください。ただセーラームーンについてはほとんど触れられていないから間違えないでね。さすがに天王はるか/セーラーウラヌスは外せなかったようだが、結局、アニメ版の監督、幾原邦彦さんが、原作もののセーラームーンでは自分の表現欲求を十分に満たせなくて、それで次に取り組んだオリジナル作品が『少女革命ウテナ』だった、というふうに、話をすぐ『ウテナ』の方にふって、こちらの分析にかなり力を注いでいる。
ついでだが、こういう本もある。


少女たちの戦歴―『リボンの騎士』から『少女革命ウテナ』まで (ポップ・カルチャー・クリティーク)

少女たちの戦歴―『リボンの騎士』から『少女革命ウテナ』まで (ポップ・カルチャー・クリティーク)

 

何人かの共著だね。斎藤環って人は『戦闘美少女の精神分析』の著者だ。でもこっちは未入手です。


じゃ本題だ。今回も、前回に続いてセーラー戦士の変身シーン比較。ここから後は文字は少なめの進行となります。

2. セーラーヴィーナス


ご存じのように、ほかのセーラー戦士たちの変身バンクの制作が「Motor/lieZ」(モーターライズ)なのに、このヴィーナスの変身場面だけは「特撮研究所」が手がけている。そもそも佛田洋(特技監督)が最初から、ヴィーナスの変身バンクだけ特別にする心づもりだったという裏話もある。沢井美優が小松彩夏の撮影現場まで見学に行ってうらやましがったというこぼれ話もある。結局、フルバージョンでオンエアされたのは、最初に変身したAct.17だけであったという逸話もある。まあ話題には事欠かないだけあって、ちょっと他の戦士とはちがう変身シーンだ。一方アニメ版の方はごくノーマルなので、どういうレイアウトにしようと思ったが、考えた末「モデル歩き」のシーンは左右対照形式にせず、くくり出すことにした。「毛染め」は無理やり、アニメと対照形式にした。


今回は特別プロローグつきである。

  
美奈子「待ちなさい!」
  
マーズ「ダメ、逃げて」
  
美奈子「みーなす・ぱわー」



  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  


  

 

3. タキシード仮面


そしていよいよプリンセスの登場だ!
といいたいところだが、また疲れちゃったし、今週はこれだけ。次の週末はニセの出張で群馬方面に出向くダンドリなので、プリンセスの変身シーン比較一発だけでカンベンしてもらう予定です。それじゃ。


あ、それと、ついでに、といっちゃあ失礼だが、以前紹介したマスターの変身(変装)シーンもここに再録。アニメは無印第19話「うさぎ感激!タキシード仮面の恋文」で、実写版はDVD『ACT ZERO』に特典として入っていた、理科の加藤先生(加藤弘之)の脚本・監督によるミニドラマ「タキシード仮面誕生の秘密」である。


  
  
  
  
  
  
  
  
  
  




おまけ:今週の女豹