実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第236回】DVD第2巻:Act. 6の巻(新春特別篇)


賀春

昨夜、がんばって新記事をアップしたばかりだが、やはり元日なので更新したくなっちゃった。

昨夜はアニメ版の方をわりと詳しく取り上げました。
では、原作漫画の第5話「まこと ―Jupiter―」(『なかよし』1992年6月号)のお話がどうなっているかというと、十番商店街にブライダルショップができて、ウエディングドレスの無料試着サービスを始めて評判を呼ぶ、という話だ。実はこれが、結婚願望をいだく乙女たちからエナジーを集めるための、ダーク・キングダムの罠なのである。と、一見すると設定は実写版と大幅に変わっているように見える。でも細部は意外と対応している。たとえば原作では、なるたちが学校で、ウエディングドレスのカタログ写真を見て「はぁあ」と憧れのため息をつく場面がある。実写版では、これがタケルの写真を見てため息をつくシーンに置き換えられているわけだ。
また実写版では、タケル(実は妖魔)が乙女心をもてあそんだことにまことが激しい怒りをぶつけるシーンがあるが、原作でもやはり、まことはそのことに最も憤りを感じている。怒りにまかせて、花嫁衣装を着た妖魔(幽霊花嫁)をリフトして放り投げちゃうのである。
ただ原作では、その怒りが、直接まことをセーラー戦士として目覚めさせることになる。そこんところの流れは、ものすごく屈折している実写版よりも、むしろアニメに近いですね。
で、そのジュピター誕生の場面に出てくる名セリフが、例のマーズの「ハイヒールでおしおきよ!」なんですね。ちなみに原作のレイちゃんは、めちゃモテ委員長のような「ですわ」口調なんですわ。



これ、アニメには出てこない決めゼリフとして有名なので、みなさんもごぞんじでしょう。北川さんにぜひやってほしかったですね。
このシーンをネタに、私がハイヒールフェチであることをカミングアウトしますと予告したものの、なかなかそこまで話が進まなくて、いったいいつカミングアウトするのですか?とコメント欄で責められたような記憶もありますが、去年のことだ、お互い忘れましょう。さてこのマーズのセリフ、単に「ハイヒールでおしおきよ」だけではなく、正確には「火星パワーでいかりの炎見せてさしあげる!ハイヒールでおしおきよ!」の全文が、ここでのおしおきの決めゼリフということになるのではないか。そうすれば、この前のページ(後出)でマーキュリーが「おしおきよ!水星パワーでアタマを冷やしてあげる」と言っているのと対をなすと思うのだ。どうでもいいことだが。
ところで、はたしてこの時点で、原作者の武内直子は、アニメ版のマーキュリーとマーズの決めゼリフ「水でもかぶって反省しなさい」「火星にかわってせっかんよ」を知っていたのであろうか。それは定かではない。雑誌『アニメージュ』が、「第1回セーラー大賞」という企画で、マーキュリーとマーズの決めゼリフを読者から公募したのが1992年4月号で(実際の発売日は3月10日ごろで、アニメの放送開始とほぼ同時)、結果発表は2ヶ月後の6月号(5月10日ごろ発売)だった。一方、この原作第5話「まこと ―Jupiter―」の初出は『なかよし』1992年6月号だから、発売日は5月3日ごろ。微妙だなあ。
でも原作者だし、たぶん選考結果は4月のうちに、武内先生に知らされていたのではないかな。そういう前提に立つと、ここでの二人のセリフ「おしおきよ!水星パワーでアタマを冷やしてあげる」「火星パワーでいかりの炎見せてさせしあげる!ハイヒールでおしおきよ!」は、読者公募から選ばれたアニメ版の決めゼリフが気に入らなかった武内先生が「私だったらこうするのに」と示された代案ではないか、という仮説もなりたつ。でもアニメ版のスタッフには無視されちゃった、とかね。いやまあただの想像です。いずれにせよ、原作では「水でもかぶって反省しなさい」「火星にかわってせっかんよ」という決めゼリフは一度も出てこなかった。
アニメで三人がそろい踏みして、初めて「月にかわっておしおきよ!」「水でもかぶって反省しなさい!」「火星にかわってせっかんよ!」と決めゼリフ三連発が出るのは、無印第24話「なるちゃん号泣! ネフライト愛の死」(1992年8月29日放送)で、その翌週が、まこと初登場回の「恋する怪力少女、ジュピターちゃん」(1992年9月5日放送)となるわけです。
ついでに、マーキュリーの「おしおきよ!水星パワーでアタマを冷やしてあげる」が出てくる、さっきの前のページも出しておきます。新春大放出だ。



これも、ファンのみなさまならよっくご存知だろうけど、連載初期のセーラームーンは、先行作品のセーラー Vとデザイン上の統一感を保つために、変身するとセーラー V のようなゴーグルをつけてました。だけど戦いの途中ではずしちゃうんですね。この原作第5話のセーラームーンの場合、いちおう変身した時はつけていたんだけど、最初の「おしおきよ!」で早くもゴーグルを投げ捨てててしまいます。そしてこのあたりをしおに、セーラームーンはゴーグルをつけなくなるんじゃなかったかな。
一方のマーキュリーは、マーキュリーゴーグルはまだここではつけていませんが、インカムというか、マイクのヘッドセットはすでに装着していますね。ゴーグル&マイク装備の浜千咲さんも見たかったですね。私はゴーグルフェチでもあるのかな。


ということで、そろそろ初詣に行ってきます。
みなさま旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。


おまけ】劇場版 『セーラームーン R』より、マーキュリーのゴーグル装着シーン。