実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第176回】DVD第2巻:Act.5の巻(その3)


今週はテレビをつければ、北川景子か小池里奈が必ず映っていたような気がするなあ。いちばん驚いたのは11月8日放送の『ダウンタウンDX』だった。ゲストの一人、小池里奈が自らの失敗談を語り終えると、松本人志がすかさず「月に代わってお仕置きよ!」と突っ込んだのだ。その後なんのフォローもなかったので、大部分の人が事情を知らない(であろう)その場は、これをややシュールなギャグとして受け流したように思うが、一部の視聴者は喜んだことでしょう。私もです。


さて今週は、我が家が(StreamKatoさんいわく)感染列島と化してしまう騒ぎで、妻も子どもたちも、家族全員がバタバタと寝込んだ。私も寝込みたかったが、あいにく仕事を休めず、たいへんな強行軍でしたよ。
今回初めて知ったのだが、インフルエンザの薬って、感染後48時間以内でないと効果が期待できないんだそうだ。だから疑わしいと思ったら早く検査しなくちゃいけないんだけど、感染後すぐは、まだ菌の数が少なくて陽性反応が出ない場合もけっこうあるんですって。じゃどうすりゃいいんだ。かかりつけの先生いわく「そこがジレンマです」困ったもんだね。
今回のウチの場合、私がまず検査したときは陰性だったので、ただの風邪薬をもらって来て、そのあと倒れた息子が検査で陽性と分かったときには、一家全員もう遅すぎたというパターン。インフルエンザの予防接種は毎年やっているのだが、今年は敵に先んじられてしまった。ようやく今日あたりで家族全員熱が引いてきたので、来週は何とかなると思うが、みなさんも、予防接種はしておいてくださいね。

1. 浜千咲誕生日問題について


ところで、浜千咲の誕生日問題について、色々な方からコメント欄に情報をご提供いただいた。いちいち全員のお名前は挙げませんが、みなさんありがとうございました。せっかくなのでまとめておきます。
いちばんの決め手は安座間さんの証言だ。昨年(2007年)11月9日の「みゅうみゅう」(ここ)で、「りか」が沢井と同じ10月生まれであることを書いている。

先月誕生日を迎えたりかと沢井、そして遅くなってしまったけど8月生まれのけいこ、3人の誕生日をまとめてお祝いしました♪

そして今年、11月3日付けのブログでも、ほぼ同趣旨の文章を繰り返している(ここ)。

10月生まれの里香と沢井、遅くなっちゃったけど8月生まれの景子、3人のBIRTHDAY祝いをしました♪♪

ちなみに北川さんのKeiko's Blogと小松さんのコマブロにもバースデーパーティーのことは書いてあったけど、特に里香さんが何月生まれかは明記してありませんでした。しかし、そのほか、現在の所属事務所のプロフィールや、さらに万丈さんの地の利を活かした情報(謎)を含めて、「泉里香」に関しては10月11日生まれで確定のようである。
だがその一方で、実写版CBC公式ページの「美少女日記」11月19日(ここ)には次のように書かれている。懐かしいですね。

11月10日は私の誕生日でした(^O^)その日はマーキュリー撮影日で、別の部屋でメイクを直してる間にドッキリな企画が!!メイク室から現場に行ってみると『パッッ(*o*)』って急に電気が消えて、びっくりして明かりのある方に走っていったら、うさぎちゃんがバースデーケーキを持って立ってて……そこで私にスポットライトが!

だからやっぱり、かつての「浜千咲」さんの誕生日としては、11月10日で正しいのである。なぜ最初のデビュー時に誕生日を1ヶ月変えるなんて妙なことをやったのかは分からない。あるいは、前の所属事務所の社長が彼女を見いだしてスカウトして、「あなたは今日からウチの事務所のエース<浜千咲>よ」ということになった記念日が、たまたま11月10日だったのかもね。いや、ただの想像です。

2. 美少女対決前夜


さて今回はAct.5のAパートだ。

前回の日記にも出した冒頭の俯瞰。このあとカメラは、ぽつんと座る亜美の視線まで降りて来て、クラウンの壁、鏡の脇にぺたぺたと画鋲で留められた写真を亜美と一緒に見つめる。そのなかの一枚が今回のエピソードのテーマ、亜美の部屋のベッドサイドにもあった3人の写真だ。この写真を担当した、実写版のフォトグラファー植松純さんのお仕事についても、ちょっと調べてみましたが、あまり詳しくは分かりませんでした。
たぶんうさぎが無造作に貼ったせいなんだろう、斜めに傾いてしまっているその写真を直しているところへ、うさぎとレイがようやく入って来る。うさぎはピンク、レイは紫、服にそれぞれのイメージカラーがちゃんと入っている。このへん、赤を基調としたワンピースに白いカーディガンの亜美とはちょっと違います。
やっと姿を見せた二人に嬉しそうな亜美だけど、うさぎもレイも、亜美にはお構いなしに言い争いを続けている。どうやらうさぎは、Act.2で亜美に貸したのと同じ、愛野美奈子の曲の入ったMDをぜひレイに聴かせたいようなのだ。

うさぎ「だから、取りあえず聴いてみてってば」
レ イ「要らないって言ってるでしょ。私カラオケ嫌いなの」
うさぎ「カラオケじゃないの。愛野美奈子の歌が入ってるの。聴けば絶対好きになるから、お願い、一回だけ」
レ イ「うさぎしつこい」
うさぎ「だから、一回だけでいいから」
レ イ「し・つ・こ・い」

レイは亜美のように、うさぎと同じ十番中学の生徒でもなければ、愛野美奈子が好きなわけでもない。セーラーマーズになってからも、すんなり戦士の仲間に加わらなかったし、いまだにカラオケ嫌いを公言してはばからない。だからひょっとしたら亜美は「こんな正反対の二人だから、私が間に立たないと、ケンカを始めちゃうかも知れない」ぐらいのことまで考えて、ひとあし早めにクラウンに来ていたのかも知れませんね。
ところが実際には、むしろうさぎとレイの二人の方が、もう古くからの友達みたいにぽんぽん語り合いながら入って来て、自分は、まるでみそっかすみたいに、会話に加われなかったりしている。どうしてなんだろう。私には何か、友達として足りない点があるのだろうか。今朝ここへ来るまでの一連の出来事が胸の内によみがえり、亜美の心は漠然とした不安と焦りに包まれる。
Act.5のみに限って言えば、ここはそういう趣旨のシーンだ。しかし、シリーズ全体の流れからすれば、さらにもうひとつの意味が絡んでくる。あえて説明するまでもないとは思うけど、しつこく書きます。レイに「しつこい」と言われるだろうが。
この会話ではまず、レイの、人気アイドル愛野美奈子に対する無関心ぶりが示される。これはAct.17への布石だ。うさぎが貸すというMDすら聴こうとしないくらいだから、レイが美奈子の顔をきちんと憶えているはずはない。だからAct.17で、母の墓参りに行った教会で美奈子にバッタリ出会っても、すぐに誰だか分からなかったのだ。
神父さんの部屋で、美奈子と一緒に捨て犬の面倒をみていたレイは、マガジンラックに差してあった雑誌の表紙を見て、ようやくそこにいるのが超人気トップアイドルだと気づく。美奈子はそのとき「私のこと知らない女の子、初めて会った」と余裕のかまえを見せるが、しかし内心ではけっこうプライドが傷ついているはずだ。(マーズってば、私が誰なのか、ホントに今までぜんぜん気づいてなかったのぉ!信じらんな〜い)なんてね。
美奈子の曲を聴こうともせず「私カラオケ嫌いなの」とそっけないレイの態度には「私は、芸能界なんてチャラチャラした世界のチャラチャラしたアイドルに憧れる子と違うのよ」みたいな、あえて言えばちょっと見くだしたようなニュアンスが感じられる。美奈子もそういうレイの内心に気づいたんだろうね。だからAct.23で「新人のマーズれい子のミニライブ」なんてイタズラを思いついたのだろう。つまり、私のやってることがホントにチャラチャラしているかどうか、自分で確かめたらどう?という感じの、反撥と挑発があったはずだ。そしてそのおかげでレイは、カラオケ嫌いを返上して、クラウンでうさぎの特訓を受けるハメになった。このAct.5で、うさぎの勧めに耳を貸さなかったツケが、Act.23で還って来るというか。
つまり小林靖子は、Act.5のこの会話で、これから始まるレイVS美奈子の物語の伏線を張っているのだと思う。

3. うさぎちゃんを責めないで


しかしまあ、それはもう少し後の話だ。Act.5に戻ろう。なかなか話に入りこめない亜美は、勇気を出して「月野さん!」と声をかけるが、これに対して放ったうさぎの言葉は、じわじわと不安が広がりつつあった亜美の心を正面から直撃してしまう。

亜 美「月野さん……」
うさぎ「あ、亜美ちゃんまだ月野さんなんて言ってる」
亜 美「え?」
うさぎ「レイちゃんなんてね、いきなり呼び捨てなんだよ。亜美ちゃんもさ、月野さん、なんて止めようよ。なんか友達じゃないみたい」
レ イ「いいじゃない、呼び方なんてどうでも」
うさぎ「えーっ、けっこう重要だと思うけどな。とにかく、レイちゃんはこれを聴いて、ねっ。亜美ちゃんもすすめてよ」
レ イ「いいってば」
うさぎ「ぜったい好きになるから」
レ イ「うるさい」
うさぎ「人気ナンバーワンなんだよ」
レ イ「要らない」

後半、またまた話は「MDを貸す」「要らない」といううさぎとレイの応酬に戻ってしまったが、亜美はもう、そんなの聞いているどころではない。頭の中では「なんか友達じゃないみたい」というフレーズが、がんがんぐるぐる渦巻いているはずだ。
このシーン、実写版のファンのなかにも「なんか友達じゃないみたい」なんて無造作に言ってのけるうさぎの無神経さに非難を寄せる方がいないでもない。まあ確かにそうだ。このひとことが致命的な一撃となって、亜美ちゃんは妄想モードに入ってしまうのだから。
それでも私は(再放送レビューのときにもそんなことを書いたが)うさぎを擁護したい。だいたい、もしここでうさぎが亜美の呼びかけにまともに応えたら、その後どう会話がつながるというのだ。

亜 美「月野さん……」
うさぎ「あ、亜美ちゃん、なに?」
亜 美「え、えーと……」

問い返されたって、何も言うことはないのである。
というか、唐突ですが私、この会話は、Act.3の月野家の夜の場面とセットで考えればいいんじゃないかと思うのだ。Act.3で、うさぎの部屋で妖魔対策を練っている二人のもとへ、うさぎのママが「特製カフェオレ」をもってきてくれる。でもうさぎはすかさず「味はたいしたことないけどね」とチャチャを入れる。そうするとママはプロレスごっこみたいな技をうさぎにかける。当惑する亜美。
高丸演出はここを思い切ってコミカルなタッチで描いており、亜美の表情なんか魚眼レンズのアップで撮られている。つまりテンションが高くて親子でプロレスをやってしまううさぎとママが「変な親子」で、亜美はその変な親子にとまどう「普通の子」という図式だ。しかし(台本を見ていないので何とも言えないが)ここはむしろ逆なんじゃないかと思う。多少オーバーではあるが、ベッドでじゃれ合っている育子ママとうさぎの方が、親子の関係としては健全であり、それを「仲良し親子ですね」と笑って受け流すことができず、困惑して表情が凍り付いてしまう亜美の方が、むしろ変な子だ。
ではなぜ亜美は困ってしまったのか。その理由が示されるのがこのAct.5のアバンである。亜美のママは病院勤務のドクターで、亜美が小さい頃から、会える時間はほんのわずかしかなかった。月野家みたいに、ケンカしたり、悩みを打ち明けたり、ああだこうだとやり合いながら、じかに親子の絆を深めていけるような時間を、水野冴子・亜美の母娘はもてなくて、長いこと、ホワイトボードが貴重なコミュニケーションの手段となっていた。そこで交わされることばは、親子の情愛こそ感じられるが、ほとんど先生と生徒のような他人行儀のものである。それはそうだ。ひとたび誤解が生じても、じっくり話し合ってそれを解く余裕もないのだから、どうしても傷つけ合わないように気を遣った、無難な会話のやりとりにならざるをえない。ママが電子レンジでチンすればいいように作っておいてくれたご飯の感想を「味はたいしたことないけどね」なんてホワイトボードに書くわけにはいかない。
最も近い肉親とそういうかたちでしかコミュニケーションを交わしてこなかった亜美だから、うさぎの「亜美ちゃんもさ、月野さん、なんて止めようよ。なんか友達じゃないみたい」とざっくばらんな言葉が、深く突き刺さってしまった、これはそういうささやかな悲劇なんだろう。

4. カバンの問題(おまけ)


いちおう病み上がりなもんで、なんだか最後のへん、だんだんぼーっとしてきて自分でも言いたいことが言えてないような気がしてきました。このあたりで今回は終わりにします。あとファッションの件でひとつ、私にはよく分からないので教えていただきたいことがひとつ。よろしかったらコメント欄にお願いします。
下はAct.2で亜美が手にしているバッグ。

亜美はAct.4の冒頭、池袋西口公園のシーンでも、このバッグでルナを運んでいる。でも舞原監督はこういう持ち物にもけっこううるさい(推定)。で、今回のAct.5ではバッグが変更になった。

センス的にはどっちの方がいいんでしょうね。