実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第121回】久々の小ネタ集の巻


[異世界通信]分家PART2

名古屋のクリスマス。みんな短冊に願い事を書く。

時節がら「合格祈願」が非常に多い。いずれにせよ根本的な問題がある。

 

さてみなさん、年末はお忙しいですか?私も多忙で、少々の挫折もあったものですから、本日はまとまった記事ではなく、小ネタを並べます。

1.公式パーソナルサイト


ちょっと前のコメント欄で「浜千咲オフィシャル・パーソナルサイト」と称する妙な物件を見つけたことを書いた。海外ファンのいたずらサイトなのだろうが、中を見るためにはメンバー登録しなければならない。私は登録しませんでしたが、Namelessさんは登録したそうです。そしたら折り返し次のような内容のメールが届いたらしい。「よろしかったらネタのひとつにでもお使いください」と転送していただいたので、ご厚意に甘えて紹介させていただきます。

Title:On Rika Izumi: Konnichiwa!
From:"Rika Izumi" <mail@rikaizumi.ning.com>

A message to all members of Rika Izumi
I finnaly create website for American fans with the help in english
language from my house mate Michiko!!-Rika


About Rika Izumi
Hama Chisaki Official Personal Website
Click here to visit Rika Izumi!
http://rikaizumi.ning.com
You have received this email because you are a member of Rika Izumi.
If you no longer wish to receive notification emails from Rika Izumi,
please click here.
http://rikaizumi.ning.com/profiles/profile/emailSettings

訳すとこんな感じか。

件 名:「Rika Izumi」について:こんにちゎ!
送信者:"Rika Izumi" <mail@rikaizumi.ning.com>

「Rika Izumi」のすべてのメンバーの方にお届けするメッセージです。
アメリカのファンの方々のために、とうとうサイトを立ち上げてしまいました。
英語はハウスメイトのミチコに助けてもらいました!! −梨華より


浜千咲オフィシャル・パーソナルサイト「Rika Izumi」
「Rika Izumi」を訪問される方は下記をクリックしてください。
http://rikaizumi.ning.com


このメールは「Rika Izumi」のメンバーになられたあなたに送信されました。
もしあなたが「Rika Izumi」からメールをもらいたくないのであれば、
下記をクリックして設定し直してください。
http://rikaizumi.ning.com/profiles/profile/emailSettings

「ハウスメイトのミチコ」という設定は、いかにも海外である。「ハウスメイト」というのは確か、一緒に家賃を出し合って一軒家を借りるか何かしている関係のことだけど、そんなの日本じゃあまり一般的ではないぞ。
つまりこのサイトは、(1)浜千咲は大学生になって上京し、ミチコという子と共同で家を借りている。(2)ミチコは英語が得意だ。(3)彼女の協力で、アメリカのファンのために英語ページを立ち上げた、と、だいたいそういうコンセプトなのであろう。現在、浜千咲は東京にいるらしい、おそらく大学に進学したんじゃないか、というあたりまでは、日本のファンの調査を踏まえてはいる。「浜千咲オフィシャル・パーソナル・サイト」でありながら「Rika Izumi」である、というのも、「浜千咲」へのこだわりと、しかしその名前を公には使えない現状との葛藤というようなものを感じさせる。それ以上のことは分からん。ひょっとしてホンモノだったりして。
ウソウソ。まあとにかく、普通にジョークというかフェイクなサイトで、悪質なものではないらしい。しかし会員になってまでご覧になった内容はどんなのだったのでしょうかNameless さん。

2.ラッキィ池田と実写版


第117回】のコメント欄で触れたように、『東映ヒーローMAX』2007年5月号の46〜47頁には、実写版のビジュアルコレオグラファー彩木映利(さいき・えり:現在は「彩木エリ」)さんのインタビューが載っている。いま振り付けを手がけている『ゲキレンジャー』のための取材記事なのだが、セーラームーンの思い出話がけっこう多くて、これがなかなか面白い。やはりセーラームーンは、彩木さんにとっても思い出深い作品のようである。
普通の雑誌の記事だったら、もう新しい号も出ているし、詳しく本文を紹介してしまうところなのだが、この『東映ヒーローMAX』というのはムックで、扱いは「雑誌」ではなく「書籍」なんだと思う。だからバックナンバーを棚に並べている書店もけっこうある。そういう状況であまり大量に記事を引用するのは、営業妨害というか、イマイチ気が進まないので、もうちょっと経ってから、また折りをみて取り上げたいと思う。
さて、彩木映利さんは、1996年から始まったNHK教育テレビ「いないいないばぁ」の仕事を通してラッキィ池田さんと知り合い、翌1997年にはめでたくご結婚されて今日に至っている。そしてお二人の事務所の名称は「有限会社イカキック」という。このことは以前、こっちよ!研究員に教えていただいた。
イカキック。言うまでもないとは思うが、Act.31 で元基がまことをデートに誘う映画が『カメファイター』で、その続編が『カメファイターVSイカキック』だ。Act.37で、失踪したプリンセス・ムーンのことを相談するために、レイが東映スタジオに美奈子を訪ねるが、そのとき美奈子が撮影中だったのが『カメファイターVSイカキック』である。それでレイは、ナコナコの着ぐるみ姿で「くぴぴ!」とか台本の読み合わせをさせられる。北川景子のコメディ演技(初期型)として、こういうシーンを改めて『モップガール』と比較するのも一興ではないかと思うが、それはさておき。
カメファイターの由来が、アルバトロスフィルムの配給した洋画『えびボクサー』であることあることは、この日記の【第62回】の「5. やはり『えびボクサー』の話をちょっと」に書いたとおりである。で、対する(というのも変だが)「イカキック」ですが、これについては私、セーラームーンに出てきたのを気に入った彩木さんが、ご自身(とご主人のラッキィ池田さん)の会社名に取り入れたんじゃないか、と勝手に思っていた。でもそれは全然まちがいであった。反対に「イカキック」というのは、もともとラッキィ池田さんの持ちネタで、それを実写版セーラームーンが、カメファイター映画のタイトルに流用したのである。
ただその「イカキック」というのが何か、私にはよく分からない。これは1989年10月から1992年3月にかけてフジテレビ系列で放送されていた『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』というバラエティ番組から生まれたのだという。ラッキィ池田が池田満寿夫、山田邦子が佐藤陽子に扮するコーナーがあって、そこに関根勤が絡んできて「イカキック」というギャグが生まれたらしい。その後は「さんまのまんま」のパロディ「チバちゃんのまんま」というコーナーのマスコットキャラとして、ラッキィ池田が「まんまちゃん」ならぬ「イカイカちゃん」として登場し、イカキックを得意技としていた、とか、あと「最上段イカキック」というものもあったらしいのだが。しかし私は『やまだかつてないテレビ』という番組を一度も観たことがないので、それがどういうものなのか根本的に理解できないでいる。ご存じの方はぜひご一報下さい。
ともかくそういうわけで、実写版の『カメファイターVSイカキック』の、「イカキック」の元ネタはラッキィ池田さんであるというお話でした。そしてこの名称を提供したところに、彩木さんの実写版に対する愛情が感じられるような気がする。

3.BGMリスト作成、中断の顛末


さて、前回、前々回と、2回連続でサントラ研究にいそしんできたこの日記だが、今回は小休止である。というのはほかでもない、私は前回の日記で「名場面BGMリスト」を作ってみたいと書きました。手に汗握ったあのシーン、涙を流したこのシーン、そんな名場面あれこれのバックに流れた曲は、CDのどこに入っているのか、ぱっと見てさっとわかる一覧表が欲しかったですからね。ところがその作業に取りかかるなり、いきなり挫折を味わってしまった。早くもBGMがみつからないのである。
Act.33、セーラーマーズとバラ妖魔、深夜の戦い。ほんの1分にも満たない秒殺戦だが、実写版の全バトルシーンのなかでも屈指の名場面だ。ここでのマーズは強く美しく華麗で、妖魔に反撃の隙すら与えない。ただ以前も書いたが、その完璧さは、後半の戦闘シーンとの対比を狙った、演出上の残酷な意図でもある。後半のマーズは、父親と口論した動揺を隠せないまま、同じ妖魔を相手に、前半のクールさからは予想もできないぶざまな戦いぶりを見せてしまう。
という話の内容はともかく、そのマーズの格好いいミッドナイトバウトのシーンについては、最近『M14の追憶』(2007年12月2日)でも取り上げられていて、そのコメント欄でMC-K3さんが「途中のBGMがジャズだったり」と書かれているのを見て思い出した。そうだそうだ、あれは深夜の上にジャズで、ますますアダルトな雰囲気だったんだ。
というわけであの場面のBGM探しだ。というか、探すまでもなく『DJMoon』のなかでジャズの曲なんて、そんなにない。というか1曲だけ。前回の私のリストで言えばNo.076、つまり『DJMoon2』トラック14「クイーンメタリア(3)」(SM11「セーラー戦士の出動」)だ。この曲の途中でジャズビートに転調する場面がある。これ以外にはない、これだこれだ、と思って確認のために聴いてみたら、なんとAct.33 のマーズバトルとは違う曲なのである。まいったなあ。
で、それ以来、今週は通勤電車の中で実写版BGMを聴き続けていたのだが、うーん、別バージョンというか、アレンジ違いらしいものも見あたらない、というか、聞きあたらないですね。こりゃ困った。
ひょっとするとあの場面だけ、舞原監督の要望にピッタリの曲がみつからなくて、選曲の金成謙二さんが、どこかから曲を借りてきたのかも知れない。ただ有名な曲を拝借したとすると、版権の問題が生じるから、DVD化の際には差し替えられるはずだ。たとえばAct.29 のテレビオンエア版では、うさぎVS黒木ミオのバレーボール対決に流れたBGMはクイーンの『ボーン・トゥ・ラブ・ユー』だったけど、DVDでは大島ミチルのBGMに替えられていた。でもこのAct.33のジャズっぽい曲は、放送時もDVDバージョンも同じだ。だからTBSが持っている版権フリーの音源素材か。あるいは大島ミチルが別の番組のために作った曲かなあ。このあたりの事情はシロウトにはさっぱりわからない。
で、結局どういうことかというと、要するに分かりませ〜ん、ということだ。こういう例が他にも色々あるとすると、BGMリスト作成も、なんだかむなしいような気がして、今回は新しいリスト作成に取りかかる気持ちが、ちょっと折れてしまいました。まあ気を取り直して再開する予定ですが、このAct.33 のマーズのバトルの音楽について、何かご存じの方がいらっしゃいましたら、これまたご一報いただけますよう。

4. クリソベリル・ノストラダムス・浜千咲


さっき言及した『DJMoon2』の、ジャズっぽい展開のある曲は、CDのタイトルでは「クイーンメタリア」となっているが、これはいけませんね。「クイーンメタリア」ではなく「クインメタリア」でなくては。公式のCDにこういう表記上のケアレスミスがあるのはいかがなものか。
もっとも私は「クインメタリア」の正確な意味を知らない。「クインベリル」の元ネタは、別名「アレキサンドライト」とも呼ばれる「クリソベリル」(chrysoberyl)という宝石(金緑石)である。角度を変えると赤に見えたり青に見えたりする、めったに見つからない、最高級の石なんですと。そのもじりだから、あくまで「クイーンベリル」ではなく「クインベリル」でなくてはならない。でもメタリアに関しては、「クリソメタリア」なんていう宝石は、おそらく存在しない。「metalia」で検索をかけても「ブンブク」とかいう、ヒトデかナマコの親戚みたいな生き物の学名としか出てこないしさ。たぶん金属(metal)系の鉱物という意味なんだろうけど。

原作者の武内直子先生が宝石というか鉱石マニアで、ジェダイト(硬玉)もネフライト(軟玉)もクンツァイト(チリア輝石)もゾイサイト(灰簾石)も、ちゃんと出典のある由緒正しい名前であるという話はわりと有名だ。そういうのはアニメ版のブームのころ、豆知識として研究本なんかに書かれていた。メタリアのことも何か書いてあったかな、と思って、むかし買ったセーラームーン本を探していたら、十番街イレギュラーズR著『セーラームーンの秘密もっとR』(データハウス 、1993年12月刊)なんて、懐かしい本がひょっこり出てきました。これは十番街イレギュラーズ『セーラームーンの秘密』(データハウス 、1993年7月刊)の続編だが、1作目の方は、今回は見つからなかった。
1992年に飛鳥新社から出版された東京サザエさん学会『磯野家の謎』が200万部を超える大ベストセラーになって、それにあやかろうと、当時この手の漫画やアニメの「謎本」「秘密本」のたぐいが、掃いて捨てるほど出版された。それらのなかには、本当に柳の下のドジョウを狙っただけの、どうしようもないやっつけ仕事もあったようだが、この『セーラームーンの秘密』シリーズに関して言えば、きちんと調べてあって、読み物としての工夫もされていたし、何よりも原作とアニメに対する愛情と敬意が感じられて、好感のもてる良著だった。
で「なつかしいなあ」なんて思いながらぱらぱら見ていたら、ノストラダムスの大予言の話が紹介されていたんですよ。何でも西谷有人・頭脳組合『超絶解釈ノストラダまス』(メロン出版、1993年4月)という『大予言』のパロディ本が出ていて、それによれば、例の1999年の「恐怖の大王」というのは、他ならぬ月野うさぎ、セーラームーンのことを指しているのだそうだ。
私はこれを読んであっと思ったよ。だって「恐怖の大王」をセーラームーンと解釈するなら、それがいちばんピッタリ当てはまるのは、原作でもアニメ版でもなく、実写版ではないか。実写版オリジナルのキャラクターであるプリンセス・ムーンこそ「恐怖の大王」と呼ばれるに最もふさわしい。そう思いませんか?一世を風靡したあの有名な予言は、実写版セーラームーンのFinal Actのことだったのだ。
それから次の詩。これはノストラダムスの予言詩集『百詩篇』9章の第65番目に収められているという。

Dedans le coing de Luna viendra rendre
Où sera prins & mis en terre estrange
Les fruicts immeurs seront à grand esclandre
Grand vitupere à l'un grande loüange

彼はルナ(月)の片隅に身を運ぶ
とらわれ置かれるのは未知の大地
熟れぬ果実がごうごうたる物議をかもし
はげしく非難され、またおおいに賞賛される

ノストラダムス信者の間では、これはアメリカのアポロ計画と月面着陸を予言したことになっている。4行目に「はげしく非難され、またおおいに賞賛される」とあるが、当時アメリカの世論は、アポロ計画を賞賛する人々と、「そんなことに莫大な開発費を費やすくらいなら、国内の貧困対策をなんとかしろ」という非難する人々とで、意見が真っ二つに割れたそうだ。でも『超絶解釈ノストラダまス』は、これはアニメ版セーラームーンのブームを指していると言う。
しかし私の理解では、これもまた実写版セーラームーンだ。「熟れぬ果実」は、戦士たちのなかで最年少の浜千咲を指している。そして実写版の水野亜美は、「あんな陰気なメガネっ子は亜美ちゃんじゃない」という、一部のアニメ版原理主義者のはげしい非難と、浜千咲にやられてしまった実写版ファンのおおいなる賞賛をまねき、ネット上でごうごうたる物議をかもしたのである。う〜ん。1999年はとっくに過ぎちゃったが、私は見直したぞ、ノストラダムス!
よろしかったらみなさんの解釈もお聞かせ下さい。


なんて、ホント、脈絡のないヨタ話だったらいくらでも続けられるんだが、いい加減にしておこう。今週はこのくらいで。