実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第21回】改めまして明けましておめでとうございますの巻(Act.14)


 7月5日(水)。すでに猛暑と言ってもいいような状態に突入した名古屋だが、この日は多少、気温が和らいだ。あくまで「多少」だけど。そして雨が降ってジメジメ。そんななかでのAct.14、一昨年の正月に初放送された回の再放送である。前回の日記に書いたように、今回から30分放送時間が早くなった。視聴者へのお年玉ということか。ありがとう CBC。
 それからもうひとつ。再放送が始まり、アヴァン・タイトルで 「とうとう私たちのプリンセス、セーラーVが見つかったの」というルナのナレーションと共にAct.12のヴィーナス初登場シーンが流れたその直後、ピコピコ音がして、画面の上の方に地震情報が入った。深夜の地震って嫌なものだが、震源地は、なんと岩手県。
 でもいちばん揺れの大きかったところでも八戸市の震度3とかで、大事には至らなかったようである。よく分からないがヴィーナス・パワーが岩手県のマグニチュードを抑えたのだと私は信じている。いま身体ボロボロなのに、ありがとう小松彩夏。

1. 美奈子のいない新年会


 ところで、前回Act.13のアヴァン・タイトルも、まったく同じヴィーナス初登場シーンで「とうとう私たちのプリンセスが見つかった」というものだった。つまり2週続けてほとんど同じ内容の「これまでのお話」である。しかしそれを突っ込むのはやめておこう。新年第1回目の放送で、四人の戦士が揃って振り袖姿で「あけましておめでとう」なのに、美奈子は不参加。可哀相。そのへんのことを考えたスタッフの配慮であろう。
 たんなる想像だが、たぶんスタッフも、何とか小松彩夏をここに加えることはできないものかと、それなりに検討したのではないだろうか。できなくはない。四人が クラウンで「おめでとう」って言ってるところに、突然うさぎの大好きなアイドル愛野美奈子が振り袖姿で乱入してカラオケミニコンサート。で、ぜーんぶうさぎの初夢でした、ちゃんちゃん、とか。まあそこまでやっちゃうと、もう少し後に控えている教会での美奈子とレイの出会いに水を差す結果になってしまう。それにうさぎだって、前回の最後でクンツァイトの飛ばした髪の毛がまだ体内に残っているのだから、話としては脳天気すぎるか。でも皆さんだって、小松彩夏の振り袖姿も一緒に見たかったなあって思ってるでしょ。なんかうまい手はなかったかな。ヒマな方は考えてみて下さい。そんな人いないか。

2. こちらが有名な悪の本拠地でございます


 一方のダークキングダムも、クンツァイトの登場によってこれまでになく華やかになった。今まではチマチマしたセットのなかに、杉本彩だけが絢爛と咲き誇っていた感じだったのが、窪寺昭という、ベリル様とタメを張れる役者が投入されたおかげで、その場にものすごくダイナミックな力が生まれ、なんか空間さえ前より広がったような感じさえする。改めて窪寺昭はすごいと想う。
 といってももちろんここは初めからセットではない。ダークキングダムの洞窟のロケ地は、若槻千夏の出身地として知られる(?)埼玉県比企郡吉見町の吉見百穴だ。ここはもう、『ジャイアント・ロボ』のBF団とか、『仮面ライダー』のショッカー基地とか、『人造人間キカイダー』のダークとか、とにかく昔から特撮ドラマのロケによく使われていて、ここにひみつ基地をもたない悪の秘密結社はモグリだ、と言っていいくらいの名所旧跡である。なんて書くと私もトシがばれるな。もうばれてるか。
 そういえば今日の夕方に放送していた『ウルトラマンメビウス』第14話「ひとつの道」も冒頭いきなり吉見百穴ロケだった。百穴をバックに、カプセル怪獣ウィンダムが悪い怪獣を倒していた。ただ今回は、テッペイ隊員の母親役、林寛子の着ている和服のデザインがあまりにも強烈すぎて、もうストーリーはおろか、怪獣がどんなのだったかさえ思い出せない。
 ハヤタ隊員やフジ隊員をレギュラーで出していた『ウルトラマンマックス』に続いて、今回の『メビウス』も、特撮オタクのなれの果てとも言えるお父さん世代を懐かしがらせようと、様々な趣向を出してくる。で、林寛子といえば『変身忍者嵐』の伊賀の美少女忍者カスミだ。時代劇なのになぜかビニール素材のものすごく短いミニスカートに網タイツだ。私は彼女が『メビウス』に出てくるたびに、今回はくの一のコスプレか!?とドキドキしているのだが(色んな意味で)、みなさんはいかがですか?。
 いやそんなことはどうでもいいんだ。ともかく、吉見百穴は東映特撮スタッフにとっては昔からのなじみの店みたいなものなのだろうが、湿気が強いとかいろいろ事情があって、これから夏場にかかるにつれ、だんだんダークキングダムのロケに使われなくなる。

3. さて今回のあらすじは


 一方クラウンでは、楽しい戦士たちの新年会だ。BGMは前回に続いてまた『オーバーレインポー・ツアー』。最初に聴くと「なんだこれは」と仰天するが、聴けば聴くほど耳を離れなくなる曲で、一回聴いただけで「いい曲だなあ」とほれぼれする『桜・吹雪』とは対極にある。そのへんを計算に入れて何度も流しているのだとすればスタッフもたいしたものだ。ちなみに、キャラクターシングルの第一弾はうさぎ・レイ・美奈子で2004年3月31日に同時発売、亜美とまことはその一ヶ月後。さらに書くと、コロちゃんパック第一弾の発売の方が、実はこれより一ヶ月月早くて2004年2月25日。『オーバーレインポー・ツアー』と『桜・吹雪』の音源が初めて世に出たのはこの時である。いや以上は自分用の備忘録として書いた。
 それはともかく、2週続けて同じ曲をかけてもらえるのだからやはり主役は扱いが違う。といってもこのハッピーなパーティー・シーンに『桜・吹雪』を流すわけにもいかないが。
 で、カラオケパーティー。うさぎと亜美は定番の『C’est la vie〜私のなかの恋する部分』、そしてまことはルナと『肩越しに金星』を熱唱。もちろんレイは歌わないけど、それなりに楽しそう。
 美奈子の『肩越しに金星』は、2週前のAct.12ではまだ未発表曲だった。観覧車のなかでこの歌をちょっとだけ聴かされたうさぎの「もっと聞きた〜い。CD出るまで待てな〜い」という反応から考えて、この時点でリリースまではまだ少し間があったと考えるべきだろう。とすると、この曲は発表されて1週間経っているかいないかの、ぴかぴかの新譜だ。熱心な美奈子ファンのまことがもうカラオケで歌えるのはまあいいとして、ルナがデュエットで歌えるとはね。あんたも美奈子のファンだったのか!
 それからナコナコのコスプレ大会とかがあって、最後にマイクを持ってカラオケステージに立ったうさぎが「亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、それからルナ、もうみんなだーい好き。今年も、よろしく!!」と言い終わった瞬間、ぐったりと倒れ、そのまま意識不明となる。
 クンツァイトの髪の毛は、人間の体内に潜り込んで、その人間を妖魔に変える能力をもっている。いままでうさぎの戦士の力がそれを抑えてきたのだが、とにかくなんとかしなくちゃと、まこととレイは、亜美にうさぎを託してクラウンを飛び出す。
 居合わせた地場衛の力を借りて自宅のマンションまでうさぎを連れ帰った亜美は、体温が下がって身体が妖魔化していくうさぎを温めようと片っ端から暖房器具を集め、寝ずの番で様子を見守る。だがその努力もむなしく、未明に窓から一陣の黒い風が吹き込み、うさぎをさらって行く。後を追う亜美はセーラーマーキュリーに変身。
 クンツァイトの見守るなか、洞窟の岩のベッドに横たわって、今まさに妖魔になろうとしているうさぎ。なんとかそれを阻止しようと立ち向かうマーキュリー「うさぎちゃんを、返して」
 前回色々と芝居をした沢井美優は、今回はお疲れさんというか、中盤以降はほぼずっと昏睡状態である。DVDをご覧の方は、撮影中に本当にベッドのなかで寝入ってしまって、浜千咲から「うさぎ、本番よ」と起こされて恥ずかしがる沢井美優の特典映像を憶えておられるに違いない。可愛いなあ。お疲れなのですね。

4.第一節終了


 私個人の印象なのかも知れないが、今回の話は、よくまとまっているが、ドラマとしては小粒な感じがする。それにはいくつかの理由が考えられる。(1)うさぎが妖魔になるかならないかというサスペンスだけで話を引っ張っていて、妖魔が街の人々に襲いかかる、あるいはセーラー戦士と対決するシーンがないこと、(2)主要登場人物同士の心理的な距離に変化がおこらず、うさぎと亜美を中心に、戦士たちの絆の強さを再確認するだけで終わっていること、(3)伏線が、あくまでも次回以降への伏線として語られており、今回の物語には直接の波紋を投げかけないこと。たとえばうさぎはここで地場衛に背負って運ばれたために、さらに衛を意識するようになってしまうのだが、意識不明だった今回はその事実を自覚していない。また、亜美がなるを閉め出す場面でも、それが二人の確執の原因となるのは次回以降であり、とにかく今の亜美には、大阪さんとの関係よりも、うさぎちゃんを何とかすることしか頭にない。
 そういうやや地味なプロットのなかで、舞原監督は、まるで再確認するかのように、各戦士のキャラクターを基本設定に忠実に描いている。それは、ひとまず1クール目までは、みんなこういうキャラクターでしたよね、でもこれからこの戦士たちもそれぞれに変化し、成長してゆきますよ、と視聴者に語りかけているようでもある。
 たとえばうさぎ。新年カラオケパーティーのうさぎのはしゃぎようは、Act.1のカラオケやAct.5のパジャマパーティーの再現だ。けれどもこんなふうに天真爛漫なうさぎちゃんを見ることができるのは今回までだ。次回Act.15の宝石泥棒事件を通して、ますます衛に気持ちが傾いてしまううさぎは、続くAct.16の最後で、マンションから陽菜と仲むつまじく出てくる衛を目撃して立ちつくし、それからはもう「いつでも明るいうさぎちゃん」ではいられなくなるだろう。だからこその今回のはしゃぎっぷりとも言える。
 あるいは、そのうさぎが倒れたときの三人の反応。

まこと「ルナ、そのクンツァイトとかいうヤツはどこにいたんだ。そいつを倒せば、もしかして」
ル ナ「コンチェルトホールだけど、今は、もう…」
まこと「とにかく探すよ。ただじっと見てるだけなんてあたしはできない」
レ イ「私も、どれだけ自分の力が通じるか分からないけど、やってみるわ。亜美ちゃん、うさぎをお願いね」
亜 美(黙ってうなずく)

 ごちゃごちゃ考えるよりも、とりあえず事件の出発点となった現場に向かって飛び出すまこと。「自分の力」で何とかしようと神社に戻り、護摩を焚いて方策を占うレイ、うさぎをあずかって守りに回る後衛の亜美。いまはこんなふうに、作戦も打ち合わせもなく、それぞれのキャラクターから自然に導かれたフォーメーションで動き出し、それを理解し合えている三人だが、しかし美奈子とレイの確執なども絡んで、次第に互いの意思が通じ合わなくなってくる。そしてその隙を突かれるかたちで、亜美はダーキュリーとして連れ去られる。
 そんな新たな展開と試練が訪れる前の小休止というか、戦士たちの小気味よいチームワークを描いたのが、この愛すべき小品Act.14だと思う。まあ、まことがどこをどう走り回ってどうなったのか、レイが護摩を焚いてどうなったのか、細かいことを尋ねられると困るんだが、とにかく亜美ちゃんがピンチというところに、二人ともそれぞれのやり方できっちり辿り着くのだから勘弁して欲しい。
 そういうわけで四人の心はいまこの段階では、戦士となってから経験した幾つかの闘いを通して、揺るぎない絆で結ばれている。強力な敵クンツァイトがうさぎに仕掛けた罠も、だからあっさりと打ち破られる。そういう話だ。

5. カウントの結果「うさぎちゃん」は27回でした


 とはいえAct.5で、亜美が「月野さん」を「うさぎちゃん」と呼ぶようになるまでのいきさつを思い入れたっぷりに描いた舞原監督だけに、やはり今回も亜美、というか浜千咲への感情移入はひとしおである。たぶん亜美が「うさぎちゃん」と口に出すのは、この回が最も多いのではないか。と思ったので改めてビデオをかけて、このAct.14で亜美が何回「うさぎちゃん」と言ったか、メモ用紙に「正」の字を書いて数えてみた。家族に見られてはバカにされるので、気づかれないようにこそこそと、一時停止しながらそんなことをしていたので日記の更新が遅れてしまいました。すみません。で結果だが、クライマックスの「うさぎちゃん」×3という心の叫びも含めてぜんぶで27回。コマーシャル時間も含めてほぼ1分に1回に「うさぎちゃん」であることが判明した。
 それから、亜美にかんする描写で忘れちゃいけないのがプリン。Act.2のプリン2個は、想い出しても切なくなるが、今回、亜美ちゃんは新年会のためにプリン4個を買っ来て、クラウンで4人で食べる。Act.2のことを知らないうさぎの「おいしーい。亜美ちゃんありがとう」ににっこりする亜美。Act.2のプリン問題に、まさか決着がつけられようとは思っていなかった。これは脚本家が指定したのではなく、亜美をこよなく愛する舞原監督が作ってあげた場面なのではないだろうか。
 さらに最後の、泥んこ顔の涙目で「うさぎちゃんを返して」と訴える名場面。舞原監督が、いかに浜千咲に傾倒しているか、もう説明は不要だ。
 ところで、このクライマックスで、クンツァイトの目の前で妖魔にならずに目ざめるうさぎの姿は、おだんごを解いた髪型といい、衣装といい、Act.25の最後で目ざめたプリンセスを連想せずにはおれない。この回で、そうやって目ざめたうさぎを、最も強い思いをいだいて見守っているのがマーキュリーだという設定は、なかなか面白いですね。なぜならAct.25のプリンセス覚醒のシーン、そして続くAct.26の冒頭で、ヴィーナス以下護衛の戦士たちがプリンセスの前にひざまずくという、前世の関係をそのまま再現するシーンに、ダーキュリーと化した亜美はいないである。レイやまことですら、なんかちょっと変な感じがしながらも、ぼんやり前世のことを想い出してうさぎの前にひざまずくのに、亜美だけは、そういう前世のことは一切スルーしている。彼女にとってうさぎは最後まで「うさぎちゃん」であって「プリンセス」ではない。だから、他の4人のようにプリンセスの前にひざまづくことはせず、代わりにこのAct.14で、プリンセスに非常によく似た姿で目ざめるうさぎにむかって「うさぎちゃん、うさぎちゃん、うさぎちゃん」と心の中で呼びかけるのだ。
 ただ、今回見て新たに気づいたのだが、Act.6、ジュピター誕生回を担当した舞原監督だけに、まことに対しても親心というか、格別な関心を寄せておられるのが伝わってきますね。それは髪型だ。そういえば、実写版の戦士たちの髪型について、いままできちんと語っておく機会がなかった。そこで今日の日記の最後の話題は、この「髪型」のことにしておきたい。

6. ヘア解禁は田崎監督から


 東映公式のHPに、実写版のメイクを担当した谷本忍さんという方のインタビューが出ている。Act.6の撮影時に行われたもので、それまで関わった三人の監督が次のように語られている。たぶんみなさんもお読みになっておられるとは思いますが、いちおう引用しておきます。

田崎監督は、細かいこだわりが多い。「ここをもっと濃くして。モデル風に!」とか。髪の毛一本にもこだわる。逆に、おおざっぱなことはおっしゃらない。
高丸監督は、私たちを尊重してくださろうとする。「可愛くなればいいから。任すから」という感じ。
舞原監督は、全体の雰囲気を大事にされる方で。たとえば、「まことは活発なイメージで」と。イメージ先行。「ポニーテール、もうちょっと高いほうが活発に見えるんじゃないか」「髪を下ろしても、活発そうに見える手はないだろうか」とか。

 三者三様、それがあまりにも作品から受けるイメージにぴったりで、面白すぎるインタビューであるが、それはさておき戦士たちの髪型だ。うさぎのおだんごとレイのストレート、これはトレードマークみたいなものだから原則として変えられない。美奈子もあまり変わっていません。アイドルだから、あまりくるくるイメチェンしてはファンがついて来られなくなるということかな。亜美はどうか。変身前の亜美のセミロングは、ヴィジュアル的には原作漫画およびアニメと最も異なるポイントで、初回放送時には実写版の是非をめぐる議論の論争点のひとつとなった。スタッフも、アニメと違うということでただでさえファンをとまどわせているのだから、それ以上はいじらないようにしておこう、と判断して、なのかどうかは分からないが、これまで大きな変更はなかった。ただ今回の、何と呼ぶのかちょっと分からないけれど、細い三つ編みみたいなの、これは可愛いですね。服装も含めて、今回の亜美はだんだん優等生タイプからあか抜けて、実に可愛いルックスである。やはり舞原監督は誰よりも亜美の変化に細心の注意を払っているのが分かる。
 そうではなかった。まことの話だ。上に引用したインタビューはAct.6制作中のものであり、舞原監督の発言はすべてまことに関してであると考えて良いだろう。繰り返すと「まことは活発なイメージで」というのが監督の基本プランで、ポニーテールは高めに括る。でも「髪を下ろしても、活発そうに見える手はないだろうか」という発言がすでにこの段階で出ていることに注意。つまり舞原監督はAct.6でまことに違う髪型をさせる計画も立てていたのだ。
 実写版では、制服姿もしくは通学時の、まことの基本となる髪型はポニーテールである。だから舞原監督が考えたのは、チンピラ少年たちのニセの手紙に騙されて、バスケ少年のカケル君とのデートに向かう、あのあたりのまことの髪型のことではないだろうか。ただAct.6はまこと初登場、ジュピター誕生の回である。まだイメージが定着していない初回から色々髪型が変わるというのもいかがなものか。おそらくそういう判断でこの計画は先送りされた。
 まことが初めて髪を下ろすのは田崎監督のAct.7。遊園地のトリプル・デートのシーンである。次のAct.8ではポニーテールの通学スタイル。これは、まことが放課後に火川神社を訪ねて、そこで父親からの迎えの自動車にムリヤリ乗せられるレイを見て、誘拐と間違え制服姿のままで後を追う、という展開から考えて当然だし、次に出てくる、父親との面会のためにいつもと違って髪をアップに結っているレイとの対比、ということもある。
 つまりこのAct.7とAct.8でもって、田崎メイン監督は、原則は守らなければならないが、演出上の必要があれば基本の髪型を解いても一向にかまわない、というルールを示したのであろう。そしてこれに意を強くした舞原監督は、前回Act.13でもこのAct.14でも、まことの髪型には工夫を凝らしている。Act.13はAct.7の遊園地のデートに近い感じで、帽子をかぶせてストレートに下ろす。Act.14は括ってはいるのでポニーテールということになるのかな。でももっとふわっとしていて、無粋な私はこういうヘアスタイルを的確に指摘する専門用語を知らないが、とてもまことに似合っている。振り袖姿の時も、安座間美優だけが前髪を下ろしていない。なーんか彼女だけ特別あつかいなように思えるのは、気のせいか?


(放送データ「Act.14」2004年1月10日初放送 脚本:小林靖子/監督:舞原賢三/撮影:上赤寿一)