実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第191回】河辺千恵子さんお誕生日記念企画<CK's Discography>の巻(中編)


岩崎宏美は益田宏美になって、また岩崎宏美に戻ったが、荒井由美は松任谷由美になってずっとそのままだ。越智千恵子さん、誕生日を機に芸名も変えたようだが、どうかユーミンな人生を歩んでくだされ。

 

というわけで、今回は河辺千恵子ディスコグラフィの後半である。ミュージカルの水野亜美役以降、モデルとして活躍していた河辺さんは、2003年の秋、実写版の大阪なるへと転生してセーラームーンの世界へ還ってきた。そしていよいよソロシンガーとしての活動が始まる。

ついでに、この時期の珍しい仕事(?)として、コミックへのゲスト出演っていうのもあった。小学館の『ちゃお』に2003年から2005年にかけて連載された、今井康絵の『シンデレラコレクション』という作品である。
これは小学6年生の主人公ニーナが、Mezzo Pianoの服を着てファッションの魅力に目ざめ、親の反対や先輩のイジメにもめげず、モデルの道を目指す、という、話の組み立てとしてはスポ根みたいな少女マンガだ。だからかどうかは知らないが、『タイガーマスク』に馬場や猪木、『巨人の星』に川上監督やONが出てきたように、このマンガには、主人公の先輩の「超有名モデル」として河辺千恵子が実名で顔を見せる。
さらに余談になるが、このブログでも前に紹介したとおり(ここ)、同じ作者がその前に『ちゃお』に連載していた『とっても!B.B.』には安座間美優が実名で登場する。こっちは、沖縄アクターズスクールに入り、歌って踊れるアイドルを目指している女の子のお話だ。主人公がリハーサルでダンスを失敗してトボトボ帰る途中、公園で一人こっそり自主レッスンしている安座間美優を偶然見かけ、プロの厳しさを教えられる、などという感動のエピソードも出てくる。

多少は実物の千恵子さんの面影がある『シンデレラコレクション』に較べると、こっちの方は、もう完全に漫画のキャラとなっていて、どこが安座間美優かとも思う。
しかしまあともかく、河辺さんと安座間さんを自分の作品の登場人物にしている漫画家なんて、他にはまずいないだろうと思うので紹介しておきます。この今井康絵先生、最近は『ちゃお』のレギュラーを外れて、別冊でホラー漫画とか書いているようだ。
いきなり脇道にそれたが、そんなふうに、2004年から2006年にかけての河辺千恵子さんは、浅井プロダクションのエースとして、モデルにテレビにマンガに実写版セーラームーンにと、マルチに活躍しておられた。そして念願かなって歌手デビューをはたし、イオンを始め全国各地のショッピングエリアで、精力的にミニライブ&握手会とかをやっていたのでありました。
というわけで本編。ソロキャリア時代にリリースされた、シングル5枚にフルアルバム1枚、それにテレビアニメのサントラ盤3枚の、全9タイトルを順次紹介していきたい。

1. 2004年リリース作品


 

1st シングル「be your girl/☆に願いを」VPCC-82176(2004年04月28日発売)
No.  タイトル 詩・曲・編曲 time
01 be your girl 詞:日向めぐみ/曲・編曲:加藤大祐 4:27
02 ☆に願いを 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲・編曲:加藤大祐 4:18
03 be your girl(Instrumental) 詞:日向めぐみ/曲・編曲:加藤大祐 4:27
04 ☆に願いを(Instrumental) 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲・編曲:加藤大祐 4:18

【解説】どちらも日向めぐみと加藤大祐による作品。日向めぐみはmeg rockという別名でも活躍していて、「キラリ☆セーラードリーム」の小枝こと弓原七海にも「せかいのおわり」「double rainbow」の2曲を提供している(どちらも作詞・作曲)。加藤大祐は元ヴィジュアル系バンドΛucifer(リュシフェル)のギタリストで、最近はしょこたん(中川翔子)のライブでバックバンドのリーダーをやっていらっしゃるそうだ。
さてこの第1弾シングル、なんとどちらの曲も複数のテレビ番組でテーマ曲に採用されている。番組自体はマイナーだったり、マニアックなアニメだったりするけれども、2曲あわせて4つの番組のエンディングで流れた、というのだから大したもんである。浅井プロダクションもがんばった。
「be your girl」は『純愛果実』と『エルフェンリート』のED曲になった。『純愛果実』はテレビ東京で月曜深夜に放送されていた恋愛バラエティ(?)で、調べてみたら、おちまさとの師匠、テリー伊藤の手がけた番組である。でも、あとは永井大が出ていたという以外、どういう番組か分からなかった。『エルフェンリート』はCSのアニメシアターXで放送された、ワンクール13話+特別編のテレビアニメ。海外で評判の高い、知る人ぞ知る作品だそうだが、私は知らない人です。けっこうグロくて、15歳未満視聴禁止のペアレンタルロックがかけられたうえ、地上波で放送されたときは残虐シーンがカットされたと聞く。
一方「☆に願いを」の方はBS日テレ『女神にChu!』『女神のChu!』と『お伽草子』の2番組。……そうかこれ『女神のChu!』のエンディングテーマだったんですか。こんなところで小松彩夏さんや黒木マリナさんと再会していたんですね。でも私は観たことがないんです。この番組については、たぶんStreamKatoさんがよくご存じです。もうひとつのテレビアニメ『お伽草子』については、後でそのアニメサントラ盤を紹介するところで触れたい。
内容だが、「be your girl」はミドルテンポのロックで、テーマは三角関係。けっこうシビアな状況が歌われていた。恋人にフタマタかけられているんだけれど、そのことを「誰かとあなたをシェアしている」と表現しているのにはちょっとびっくり。ワークシェアリングという言葉は知っていたけどね。「☆に願いを」はバラードで、つきあっている彼氏との距離感が微妙、でもずっとずっとこのままでいられるだけでも幸せ、という切ない祈りの歌だ。いつもキラキラ輝いてる河辺千恵子の歌手デビュー曲だから、元気いっぱいの軽快なポップチューンで来るか、と思っていたら、なかなかどうして、2曲ともメロウでほろ苦い味わいである。そしてこれが、ファーストアルバム『brilliance』までの、彼女の歌の基本的なテイストとなっていく。
ところで、発表当時、一部で指摘されたように、この2曲のメロディとアレンジは、どちらも洋楽ヒット曲に元ネタがある。「be your girl」は歌い出しがHilary Duffの「So Yesterday」(2003年)、サビのあたりがAvril Lavigneの「Complicated」(2002年)からのイタダキで、「☆に願いを」は、最初はそれほどではないんだけど、最後の方になると伴奏がStacy Orricoの「I Promise」(2003年)にソックリになる。たぶん「この子はヒラリー・ダフやアブリル・ラヴィーンの日本版みたいな感じで売り出したいので、そういう雰囲気のデビュー曲を」なんて発注を出したら、そのまんまの曲が仕上がっちゃった、というようなことではないかと思う。
まあ、あまり誉められた話ではないが、しかし似たような例はいろいろある。たとえば1980年代には、レベッカがまんま和製マドンナみたいなコンセプトで売り出されて、マドンナそっくりの曲も多かったけど、NOKKOのボーカルには本家とは異なる独自の魅力があって、すごく人気が出た。それはそれでいいと私は考える。河辺さんだって、曲がアブリルやステイシーに似ていようが似ていまいが、彼女のパフォーマンスのうちに、元ネタを越えて独自の音楽世界を切り開くポテンシャルがあれば、それはそれでいいんじゃないですか(判官贔屓)。そして「be your girl」の冒頭でいきなり聴ける、高音部のファルセットボイスや、自ら作詞に参加した「☆に願いを」にただよう不思議な浮遊感には、そういう意味で千恵子オリジナルな魅力が、もう見え隠れしていると思うんですよね。まあ色々書いたが、とにかくフレッシュで、これから花開くつぼみの初々しさに満ちたデビューシングルである。
なおCDのオマケとして「be your girl」のビデオクリップとオフショットの特典映像を収めたDVDがついてくる。ビデオクリップは、千恵子さんが部屋の中で着替えたり、ギターを弾いて歌ったり、ポラロイドで自分を撮ったり、とか、そんな内容だった。ナマ着替えが出てくるあたり、このひと独特の「イヤらしさを感じさせないエッチ路線」はすでに始まっていて、それは2ndシングル「Shining」オープニングのパンツ見せで頂点に達する、って私は何を真剣に論じているのか。


 

2nd シングル「Shining!/cry baby」VPCC-82189(2004年11月25日発売)
No.  タイトル 詩・曲・編曲 time
01 Shining! 詞:渡辺なつみ/曲:Aslak Jonsen, Svein Finneide, Jon Rydningen, Ken Ingwersen, EAR/編曲:Face 2 fAKE 3:30
02 cry baby 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲:日向めぐみ/編曲:長谷川智樹 3:31
03 quiet riot 詞:Kenn Kato/曲・編曲:Face 2 fAKE 4:51
04 Shining!(Instrumental) 詞:渡辺なつみ/曲:Aslak Jonsen, Svein Finneide, Jon Rydningen, Ken Ingwersen, EAR/編曲:Face 2 fAKE 3:30
05 cry baby (Instrumental) 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲:日向めぐみ/編曲:長谷川智樹 3:31

【解説】デビューシングルのおよそ半年後にリリースされた第2弾シングル。メインの「Shining!」はちょっと謎の曲だ。作曲者として外人の名前が並んでいるんだけど、これがどうも、全部ノルウェーのスタジオミュージシャンの名前らしいんだよね。Aslak Jonsenはボーカリスト、Svein Finneideはギタリスト、Jon Willy Rydningenはキーボード奏者、Ken Ingwersenはベーシスト、EARはドラマーとか、そんな感じ。だからこの人たちがバックを努めたノルウェーのアイドルの曲のカバーかな、とも思うんだが、その先がさっぱり分からん。どなたかご存じないでしょうか。
アレンジはSMAP、V6、嵐といったジャニーズ勢を手がけ、EXILEのデビューシングルをプロデュースしたことで知られるFace 2 fAKEで、軽快なダンスナンバーに仕上がっている。でも歌詞の方は、今夜は友だち同士でパーティーナイト、ガールズトークで盛り上がろう、みたいな軽いノリで始まりながら、ずっと聴いていくと、ほんとは別れた彼氏のことを忘れるために、ちょっと無理して自分を元気づけているんだ、っていう事情が見えてくる仕掛けになっている。

この曲のビデオクリップはアルバム『brilliance』のオマケDVDに収められているが、河辺千恵子のPVのなかでもベストだと思う。決してパンツが見えるから(だけ)ではなくて、何よりもダンスが素晴らしいのと、ショッピングカートから伸びるナマ足がキレイだからである(結局そういうところしか見ていない)。
2曲目の「cry baby」は、河辺千恵子自身が参加した歌詞も良いが、曲がまた、なつかしい感じだね。ダンサブルな1曲目とうって変わって、1960年代終わりころの、いわゆるアートロックとかサイケデリックロックの味わい。私ども年輩者でも、こういうのだったらまったく抵抗なく聴けます。
3曲目「quiet liot」は曲名からギンギンのハードロックを連想してしまうが(1980年代にそういう名前のヘビメタバンドがいたのだ。いや、今もいるのかな)ぜんぜんそんなことはございません。作曲・編曲ともにFace 2 fAKEで、打ち込みリズムが心地よいエレポップ風のナンバーだが、メロディはわりと重ためで暗い。でも、もともと歌詞が、十代の鬱屈する心象風景をストレートに描いたものなので、わりと合っている。思春期って悩みも多い。おじさんは「若いっていいなあ」なんて思っちゃいますけどね。
このセカンドシングルの2曲も、テレビのテーマ曲になった。「Shining!」は『さとこいめぐさん』のエンディングテーマ。日本テレビ系で土曜の深夜に放送されたバラエティトーク番組だそうだが、この番組も観たことがないなあ。『さとこいめぐさん』というタイトルは、レギュラーの三人(佐藤江梨子・小池栄子・MEGUMI)の名前をつなげたんだそうだ。三人ともイエローキャブ。ただこの番組が始まった2004年の末に、イエローキャブでは内輪もめがあって、結局MEGUMIは出ていった野田社長について移籍することになった。そのせいか知らないが、この番組は翌春には終了したという。ふうん……って、歌とぜんぜん関係ない話ですみませんね。
「cry baby」はデビューシングルの「☆に願いを」と同様、アニメ「お伽草子」のEDテーマ。これについては次の項目で述べます。


 

アニメサントラ「お伽草子 音楽樂集 壱 オリジナル・サウンドトラック」VPCG-84812(2004年8月25日発売)
No.  タイトル 詩・曲・編曲 time
01 源光のテーマ1 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:17
02 源光のテーマ2 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:28
03 源光のテーマ (ピアノ) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:35
04 源光のテーマ3 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:58
05 宮廷1 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:44
06 宮廷2 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:45
07 渡辺綱(わたなべのつな) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:02
08 碓井貞光(うすいのさだみつ) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:58
09 鬼1 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:58
10 鬼2 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:31
11 選択 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:41
12 阿倍晴明1(あべのせいめい) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:16
13 阿倍晴明2 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:07
14 阿倍晴明3 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:46
15 万歳楽(まんさいらく) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:00
16 兆し 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:03
17 闘い1 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:36
18 闘い2 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:38
19 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:12
20 別れ 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:39
21 やさしさ 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:52
22 裏切り 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:15
23 決戦 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:29
24 平穏 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:01
25 飛来 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:18
26 漸-ZEN〔TVサイズ〕 作詞:MASASHI/作曲:MASASHI/編曲・歌:ATTACK HAUS 1:19
27 ☆に願いを〔TVサイズ〕 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲・編曲:加藤大祐/歌:河辺千恵子 1:10
アニメサントラ「お伽草子 音樂集 弐」VPCG-84813(2004年11月25日発売)
No.  タイトル 詩・曲・編曲 time
01 THE CIRCLE(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:41
02 TURNING POINT(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:9
03 MIND TRIP(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:16
04 MEMORIES(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:25
05 NIGHTMARE(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:35
06 NO ESCAPE [UNDER THE GOD](Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:56
07 LONELINESS(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:16
08 TOKYO NIGHT(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:15
09 SOUL MATES(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:34
10 WEEKEND(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:39
11 INTO THE LIGHTS(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:05
12 12 DISTANCE(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:01
13 SORROW(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:20
14 SHINE AND SIGN(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:17
15 SHINE AND SIGN [Gtr.version](Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:30
16 DEEP MAZE(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:37
17 THE CORE(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:46
18 SLEEPLESS MOON(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:31
19 NAKED BRAIN(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:21
20 TIME DREAMER [DON'T CRY](Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:35
21 HEAVEN OR HELL(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 3:09
22 NERVE CELL(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:47
23 AWAKENING(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 1:46
24 BEAT GOES ON(Kawai side) 作曲・編曲:川井憲次 2:43
25 源光のテーマ3 ver.2 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:24
26 不信 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:38
27 究明 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:07
28 美人 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:33
29 闘い1 ver.2 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:39
30 状況 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:32
31 金太郎 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:13
32 道中いろいろ (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:54
33 事件 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 1:44
34 飢饉 (Taniuchi side) 作曲・編曲:タニウチヒデキ 2:14
35 明日は今日と同じ未来〔TVサイズ〕 詞:山田稔明/曲:山田稔明/編曲・歌:GOMES THE HITMAN 1:24
36 cry baby〔TVサイズ〕 詞:河辺千恵子・日向めぐみ/曲:日向めぐみ/編曲:長谷川智樹 1:09

【解説】Production I.Gの『お伽草子』、実はこれも私は見ていないんだけど、押井守組の才能が集まっているので、きっと良い作品なんだとは思います。すみません。
この作品は2004年7月から2005年3月までの火曜深夜に日本テレビで放送された全26話のテレビアニメで、前半13話が時代劇というか、武士と陰陽師が覇権を争う平安時代の京都を舞台にした物語、後半13話はいきなり現代の京都、ではなくて東京に話が飛ぶんだって。なんか前世と現世が交錯するセーラームーンみたいな話なんだろうね(推定)。そういうわけで音楽は、前半(平安篇)はShocking Lemonのタニウチヒデキ、後半(東京篇)は押井守作品でお馴染みの川井憲次というように、担当が代わっている。オープニング主題歌も同様で、前半クールはATTACK HAUSの「漸 - ZEN」、後半クールはGOMES THE HITMANの「明日は今日と同じ未来」である。しかしエンディングテーマは、前半は「☆に願いを」、後半は「cry baby」と、曲は違うがどちらも河辺千恵子がのナンバー(作詞も)。また前半(平安篇)の最終回となる第13話では、後にアルバム『brilliance』に収録される「little wing」が挿入歌として使われている。さらに、河辺千恵子はこのアニメにファッションアドバイザーとして参加していて、登場人物の服やアクセサリーなどのデザインに関わっているらしい。書いているうちに何だか、河辺さんのファンでもあり、押井守とProduction I.Gのアニメのファンでもあるのに、この作品を見ていない自分が恥ずかしくなってきた。
サントラは2部作になっていて、だいたい『音樂集 壱』は平安篇、『音樂集 弐』は東京篇に分かれている(厳密には「弐」の方に平安篇を担当したタニウチヒデキの曲も入っているから、完全に区別されているわけではないようだ)。そういうわけで『音樂集 壱』のラストには前半(平安篇)のエンディングだった「☆に願いを」、『音樂集 弐』のラストには「cry baby」が収録されている。どちらもテレビで流れたのと同じ1分10秒ほどのショートバージョン(TVサイズ)で、このバージョンは他では聴けない。


というわけで、当初はこのディスコグラフィも前編・後編の二回に分ける予定だったのですが、何を血迷ったかいろいろ書きすぎて、デビューした2004年の作品分だけで大変な分量になってしまいました。なので今回はここで打ち切り。
次回はいよいよ最終回。ファースト・アルバム『brilliance』が登場する2005年と、現段階でのラスト・シングル『桜キッス』が出る2006年のCDリストです。いや来週は必ず完結しますって。