実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第977回】恋人になれるかなの巻(泉里香『正直不動産2』第7話 その1)


 ワンピースのお腹まわりのふわっと具合が、そこはかとなくマタニティな小松彩夏。岩手朝日テレビで土曜朝にやっている情報バラエティ番組『Go!Go!いわて』より。独立してからの小松彩夏は、自然体に楽しく仕事をしているみたいで、ほんとうは個人マネジメントだから、事務仕事などが多くなったはずなのに、すごくゆとりを感じる。



 さて今回も(私事ですが)法事のため実家に移動しながらのブログ更新。お題はNHK総合ドラマ10『正直不動産2』第7話「禁断の真実」2024年2月20日放送、原作:大谷アキラ・夏原武・水野光博/脚本:木滝りま/照明:長谷川誠/撮影:山﨑一央/演出:下向英輝/プロデューサー:樋渡典英・室谷拡/制作:NHKエンタープライズ/制作・著作:NHK・テレパック)です。



咲 良「永瀬先輩」



咲 良「ここにいたんですね。大河部長が捜していましたよ」
永 瀬「ちょっと私用で一本、電話を」



咲 良「……もしかして、榎本さんへのラブコールですか?」



永 瀬「はぁ?」



咲 良「だってこの前……」



美 波「私と、恋人になってもらえませんか」



咲 良「榎本さんから熱い告白されてたじゃないですか。当然、あれからお付き合いされたんですよね」



永 瀬「それがさ」



美 波「秋田の祖母から見合いを奨められるんです」



美 波「あんまりうるさく言われるので、つい『結婚を考えている人がいるんです』って、嘘ついちゃったんです」



永 瀬「なるほど」



美 波「相手はどんな人かって聞かれて、とっさに思いついた永瀬さんの特徴をいろいろ言っちゃったんです」



永 瀬「え?」



美 波「お願い」(かわいい



咲 良「恋人のふり?」
永 瀬「土曜日の午後一時、秋田から上京してくるお祖母ちゃんを榎本さんが東京駅へ迎えに行って、そのあと三人で食事を、って……でもよく考えたら、ウソがつけない俺に恋人のふりとか無理じゃね?」



永 瀬「やっぱ断ろ」



咲 良「いや、ダメです」



咲 良「だって、どんな相手かって聞かれて、すぐに思いつくってことは、やっぱり永瀬先輩のことが大好きなんですよ」



咲 良「大丈夫です。私も一緒に行って、永瀬先輩がいつもみたいにボロを出さないようにフォローします!」


 「私も一緒に行ってフォローします」って、何だそれ。がしかしそれ以前の問題として、土曜日に来るはずの美波のお祖母ちゃんは、実は孫に内緒の目的もあって、すでに東京に潜入しているのだった。



 広告に出ていた格安のタワマン。興味をもった客が登坂不動産に電話をかけてきたのだが、例によって永瀬は正直の風に吹かれ、実はこのタワマンに欠陥住宅の疑いがあることをぺらぺらしゃべってしまう。



 相手は怒って電話を切る。順調に顧客を一人取り逃がした永瀬。そこへ受付嬢の大野さん(牧野利佳)が声をかける。



大 野「永瀬さん」
永 瀬「はい」
大 野「受け付けに御高齢の女性のお客さまが……」



永 瀬「御高齢? 御用件は?」



大 野「それが、現金一括でタワーマンションを購入御希望だそうで」



永 瀬(すくっと立ち上がり)「タワマ〜ン!?」



大 野「はいっ」



咲 良「現金一括?」



永 瀬「すぐお通しして」
大 野「はいっ」


╳    ╳    ╳



早 苗「はい。東京さ住んでる孫にようやっと結婚相手が見つかったもんで、プレゼントを」



永 瀬「ああ、それはそれは」
咲 良「おめでとうございます」



早 苗「はは。だども、おいは歳なんで、ローンは組めねぇから、これ、孫のためと積み立ててきた貯金、おいの全財産です」



永 瀬「拝見します」
咲 良「失礼します……二億!」



永 瀬「いやいやいや、落ち着いて、二千万」



咲 良「あ、二千万」
永 瀬「どうも」



早 苗「どうだべか?これだば、タワマンは無理だすか?」



永 瀬「……都内のタワマンはですね、まあ五千万から二億、高いものですと五十五億円くらいしちゃうんですよね」



早 苗「……」



永 瀬「まあお気持ちに添いたいのは、やまやまなんですけど……」



(風が吹く)



永 瀬「タワマン舐めちゃいけません。東京のタワマンに住めるのは勝ち組だけです。東京の地価はものすごく高いんです」



永 瀬「お祖母ちゃんがタワマンをプレゼントするというのは現実的に無理と考えたほうが懸命です」



咲 良「な、永瀬先輩、言いすぎですって」



永 瀬「お孫さんがこの先、新居を買われるときに、そのお金で資金援助をなさってはいかがでしょうか?」



咲 良「中古マンションでしたら2千万円台で買える物件もあるんです」



十 影「たとえばこれなんか」
咲 良「タワマンじゃないと……ダメですかね」



早 苗「いろいろ御面倒おかけして、申し訳ねがった」



早 苗「へば」



永 瀬「へば?」


 永瀬(山下智久)も咲良(福原遥)も、まして十影(板垣瑞生)も、まだお客さんの名前を聞いていなかったのか、何も気付いていない。この人は榎本早苗(三谷侑未)。もちろん美波の祖母である。「へば」と「榎本」姓のふたつがそろっていれば、永瀬や咲良もピンと来たかも知れないのにね。
 一方、当の美波(泉里香)は、光友銀行八起支店にて、いつもの亜衣(五島百花)とコーヒーブレイク中。



亜 衣「美波さん、いよいよ明日ですよね。お祖母ちゃんに永瀬さん引き合わせる日」
美 波「引き合わせるって……恋人のフリしてもらうだけだから」



亜 衣「いっそのこと本当の恋人になっちゃえばいいんじゃないですか」



美 波「それは、絶対にないから」



美 波「絶対にない」



美 波「絶対にない。絶対にない」



美 波「絶対に……」



美 波「絶対?」



亜 衣「絶対は絶対です」



美 波「絶対……」


 このへんのノリは、『海月姫』の稲荷、『高嶺のハナさん』の華、そしてこの『正直不動産』と磨き上げてきたキャラクター造形である。泉里香の表情ボケにセリフ無しの表情ツッコミを入れる五島百花の芝居も笑える。前回も書いたが、スターダストのサイトから五島百花のプロフィルが消えているのはどういうことなのか?



 夕方。仕事帰りの咲良は、公園を通りがかりに、お祖母ちゃんにばったり再会する。お祖母ちゃんは弁当を広げていた。いったいお祖母ちゃんはいつから上京していたのか。



 そこへ偶然、ミネルヴァ不動産の花澤さん(倉科カナ)が通りすがる。保育園に息子の北斗(尾込泰徠)を迎えに行って、帰る途中だった。公園でしばらく北斗を遊ばせる花澤さん。



北 斗「ママ〜」



花澤「はぁい」
咲 良「花澤さんと私は宿命のライバルなんです」
早 苗「ほう」
咲 良「ね、花澤さん」
花 澤「ただ同業者ってだけしょ」



咲 良「へば、あんだも不動産屋さんなんだしね」
花 澤「はい、あの私、花澤と申します」



早 苗(名刺を受け取り)「ああどうも」
咲 良「口は悪いし素直じゃないし営業方法も強引です」
花 澤「あのねえ」



咲 良「でも、すごくお客さま想いなんです」



咲 良「花澤さんは信用できます」



花 澤「なによ突然、気味が悪い」



早 苗「ええ世の中になったな。おなごが当たり前のように外さ出て、ばーりばり仕事して、ほんど、ええもんだぁ」


 そして翌日。決戦の日だ、いや決戦ってなんだ。できれば約束を忘れてしまいたい永瀬を追いつめる咲良。



咲 良「永瀬先輩、いよいよ今日ですね」
永 瀬「え?」



咲 良「やだなあ、決戦の日じゃないですか。榎本さんのお祖母ちゃんとの待ち合わせ、一時ですよね」



永 瀬「そうだったぁ、気が重いぃ」



咲 良「しっかりしてくださいよ」


 しかしそのお祖母ちゃんは、まだ孫へタワマンをプレゼントする夢を捨てきれず、花澤の名刺を頼りに、ミネルヴァ不動産に来てしまっていた。




幸い(というか)花澤さんは外回り中で、東野(財津優太郎)に門前払いされそうになったところだったのだが、そこへ悪魔がひたひたと近寄っていた。



早 苗「あのぉ、花澤さんいらっしゃるっすか?」
東 野「ああ、花澤でしたら営業に出ておりますが」



早 苗「あ、じゃあ、まだ来るさ。へば」



神 木「よかったら私が御相談に乗りますよ」



早 苗「あ、いや、でも……」


 東京の不動産価格ももろくに知らない田舎のお祖母ちゃん。全財産を持参しているうえに、帰れば相当な土地ももっているんだろう。こんなカモネギを見過ごすはずもなく、神木(ディーン・フジオカ)登場。はたしてお祖母ちゃんの運命やいかに。
 ……ってところで、今回はここまで。来週末は広島に出張です。このエピソードだけで、3回分載くらいになりそうな気がしてきた。すみませんがお付き合いいただけると嬉しいです。へば