実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第713回】持つべきものは良いセンパイの巻(安座間美優『庶務行員 多加賀主水が悪を絶つ』)


 今上天皇はお若いころ柏原芳恵をお気に入りで、コンサートにも行かれて、お出迎えに出てきた芳恵ちゃんにお花をお贈りになったこともある。オックスフォード留学中は、寮の洗面台に柏原芳恵の写真を貼られていたそうだ。特にお好きな曲は「春なのに」で、カラオケで「ハロー・グッバイ」をお歌いになられたこともあらせられるという。敬語、これで合ってますか?



 「ハロー・グッバイ」(1981年)と「春なのに」(1983年)の週間オリコンチャートは最高6位である。天皇陛下のお気に入りがこんなことではいかんです。元号が代わったところで、私たち国民みなの力で柏原芳恵の曲をリバイバルヒットさせ、チャート首位まで押し上げようではありませんか。

 


 さて、しばらく放置していた『庶務行員 多加賀主水が悪を絶つ』をちょっとだけ取り上げますね(テレビ朝日、2019年2月10日放送、原作:江上剛/脚本:深沢正樹/照明:白石雄二/撮影:麻香昌男/演出:今井和久)。
 2017年10月15日に放送された『庶務行員 多加賀主水が許さない』の続編で、キャストはほとんど前作を引き継いでいる。



 主人公の多加賀主水(髙橋克典)は、第七明和銀行の庶務行員。庶務行員とは、銀行に行くとロビーで「どういったご用件で」とか聞いてきてくれて、整理券やATMの案内をしてくれたり、ああいう仕事をされている人である。



 でも彼の場合、そういうふだんの業務に加えて、裏では上層部からの特命を受けたり、独自の判断で銀行の内部調査みたいなこともして、内部の不正や犯罪を告発し、場合によっては自慢の剣道の腕で悪い奴らを木刀でボコボコにする。要するに「特命係長」の銀行員版みたいな話だ。その第2弾である。
 そういう髙橋克典を信頼して情報提供を行っているのが、ヒロインの香織(夏菜)とその友人、鮎子(安座間美優)と美由紀(水沢エレナ)。





 みんな窓口係で、人間関係はじめ行内事情に詳しく、場合によっては独自調査で情報収集をしたり、ICレコーダーで怪しい上司の会話を録音して、多加賀に提供したりもする。



 何度も書いたけど、安座間美優と夏菜は、髙橋克典が元ボクサーの熱血教師を演じたドラマ『ガチバカ!』(2006年 TBS)で担任のクラスの生徒だった仲である。加えて髙橋克典と安座間美優は事務所の先輩後輩にあたる。安座間美優は一時期、ヴァーテックスとパールという二つの事務所に所属していて、そのあたりの事情がよく分からなかったんだけど、ヴァーテックスという事務所はいつの間にか存在しなくなっていて(と思う。間違っていたら御指摘ください。)今はパール所属である。で、パールはケイダッシュの子会社なので、ケイダッシュ所属の髙橋克典の後輩になるのだ。



 私は、系列とはいえ会社自体は違うから「事務所の先輩」とか言えるのかなあ、と思っていたんだけど、本人が2017年11月のブログで「先日、事務所の先輩、高橋克典さん主演の舞台『24番地の桜の園』を観劇してきました!」と書いているので、そう考えていいんだろう。一緒に写っているのは近藤しづかさんですね。




 あと前作で上司(コトブキツカサ)のパワハラというかセクハラに悩まされていたところを多加賀主水に助けられた営業課の杏子(仲村美海)も、事務課に移動になって夏菜やみゅうみゅうの仲間入りだ。




 その多加賀主水が、ある日、銀行の前で小学生くらいの少年(寺田心)から「人殺し!」と糾弾される。「どうしたの?」と尋ねると、少年は「この銀行がお父さんを殺したんだ!」と叫んで走り去る。



 一方、支店長(石橋保)の話によると、先日、銀行に「第七明和銀行は人殺しだ。十三年前のあやまちをただちに公表し謝罪せねば、天誅を下す。 世直しGODS」という脅迫状が送られてきたそうである。



 十三年前というと、いまの頭取(名高達男)がこの高田通り支店長だったころの話である。なにか頭取に絡むような話であろうか。というわけで支店長の命を受け、庶務行員、多加賀主水の極秘捜査が始まる。といっても、まずは馴染みのメンバーへの聞き込みからだ。



主 水「7~8歳の男の子なんですけど、何か心当たりありませんか?」



香 織「う~ん……でも 人殺しなんて、ただごとじゃないわよね」



美由紀「その子のお父さんがうちの銀行のせいで亡くなった、ってことですか?」



主 水「そうだと思うんですけどね」



香 織「お金を扱っている以上、銀行はいろんな方面にいろんな影響を与えるからね」



鮎 子「間接的に誰かを苦しめちゃう事だってあるかもね」



杏 子「お金にはトラブルがつきものですし……」


 そのとき社内食堂に怒鳴り声が響く。香織の同期の営業課、柿沢(内村遥)が課長の藤堂(草野とおる)に罵倒されているのだ。



藤 堂「のんきに飯なんか食ってる場合か? 柿沢、お前自分の成績わかってんのか?  ん? ビリなんだよ! 営業課のお荷物なんだよ!」
柿 沢「はい、すみません」



藤 堂「どうしてお前は、新規の契約を取ってこれないどころか、貸せるはずの顧客まで、お前のほうから手放すような真似ばかりしてるんだ?」



柿 沢「すみません。 それはお客様の資金繰りや返済計画に無理があり、たとえ融資をしても……」



藤 堂「言い訳などするな!経営状態を見極め、回収可能な限度額いっぱいの融資をするのが、お前の仕事だろ。わかってんのか!」



鮎 子「ああいうの見ちゃうと、何かトラブルがあっても不思議じゃないって思えちゃうよね」
美由紀「許されるレベルじゃないよね、あのパワハラは」



鮎 子「柿沢くんって香織と同期だよね、最近、様子おかしくない?」
杏 子「昔は、もっと自信にあふれてたよね?



香 織「うん……」



杏 子「成績も急に落ちてるみたいですしね」


 で、調べて行くと、この柿沢が近所の商店街の魚屋に、資金援助するから2号店を出すよう自分から話を持ちかけたくせに、話が進んだところで突然、返済の見込みがないという理由で融資を打ち切りしていたことが判明する。



 どうしようもなくなった魚屋の若旦那(須田邦裕)は自殺未遂を起こしたあげく失踪して、その息子が寺田心くんだったのである。真面目な同期の柿沢君が一体どうしてそんなことをしたのか。そして少年の父親はどこに消えたのか。こうして多加賀主水の本格的な調査が始まる。
 で、主水が調査を始めると、ロビーでお客さまの対応をする担当がいなくなってしまう。それで庶務課長の大門(コトブキツカサ)は怒っている。



大 門「うちのアレ見かけなかった?」



美由紀「なんですか、アレって」
大 門「庶務課長の私がアレと言ったら、部下の多加賀主水とやらに決まっているでしょうが」



大 門「ロビーでお困りのお客様への対応だとか、ATMの案内だとか」



大 門「庶務行員のアレがやらなかったら、誰がやるんだよ!」



鮎 子「なんであれが庶務課長なんて、名ばかりのポストまで作ってもらってるの?」



美由紀「本当だよね」



杏 子「セクハラ常習犯なのに」
難 波「まあ、奴は大スポンサー様の御曹司様だから」



大 門「君、知らないの?」



香 織「銀行員としての大切な仕事って聞いてますけど」


 この大門は前回、主水たちの活躍で、立場を利用して杏子をホテルに誘うセクハラ営業課長であることが、行内の公然の事実となってしまった。でも父親が取引先の「ウェーブ自動車」の副社長ということもあってか、大恥をかいただけで済んだらしく、庶務課長に異動してまだ威張っている。そこで香織たちは、大門課長がいまも懲りずにハラスメント行為を続けている証拠を固める。



大 門「うちの主水は、上司の私に報告もなく、何を調べてるのかねえ」



大 門「頭取秘書の新田まで来てるっていうし……何か聞いてる?」
鮎 子「ご自分で確かめたらいいじゃないですか」



大 門「ちょっと探ってくれるかな、盗聴器とか仕掛けてさ。うまくいったら、おれが頭取になった曉に、三人を秘書にしてやるから」



美由紀「盗聴? そんなことできません」



大 門「な、何だよ、頭取になったら三人ともクビにするからな!」



大 門「速攻でクビにする! 直ちにお前たちを!」



美由紀「録れた?」



鮎 子「うん。パワハラ、セクハラの証拠、ばっちり」



 この録音データによる告発が功を奏したのか、ラストで大門課長は、冒頭、社食で柿沢君を怒鳴りつけていた藤堂課長ともども係長に降格処分となる。




藤 堂「なぜ 私が降格なんだ?」



香 織「当然だよね〜。あれだけのパワハラ、したんだからね」



大 門「見苦しいぞ、観念しろよ……」



大 門「あれ?」



大 門「俺も降格?」



美由紀「パワハラと」



鮎 子「セクハラのせいだね、多分」



難 波「自業自得です」



 というわけで、最後のアップはカメラがパンしているので静止画ではちょっとブレたけど、安座間美優の出番は以上で終わり。物語の本筋にまったく係わらないので、寺田心くんの父親とか「十三年前のあやまち」の話とかは省略。興味がある方は原作を読むか、また再放送でもあったら観てください。一応ミステリ仕立ての話なのだが、結局、安座間美優の全出演シーンを拾いながら、まったくネタバレにならなかった(笑)。



 この『多加賀主水』シリーズ第2作、前作オンエアから1年4ヵ月も経っているのに、かなり忠実に第1作の設定その他を引き継いでいる。前作は「一円を笑う者は一円に泣く」というテーマで、今回は「五円玉が結んだ御縁」である。てことは次回作は十円玉か。



 いや、もう今回の話で、次作への伏線が貼られている。今回起こる事件の実行犯は捕まるのだが、もうひとつ奥に黒幕の存在が暗示されていて、それが頭取の名高達男の地位を狙う常務取締役(井上肇)であることもだいたい分かるようになっている。まあこの勢いで年内に第3作も作って欲しい。髙橋克典はきっとまた安座間美優を使ってくれるだろう。ありがたいセンパイである。



 と、このあたりでタイムアップだ。AVソムリエの話はまた次回(やるのか?)。明日は映画『賭ケグルイ』に行く予定です。5月3日は浜辺美波と森川葵(愛知県出身)が名古屋で舞台挨拶をして、ミッドランドも満員売り切れの大盛況だったようだ。当然とはいえ良かった良かった。この状態が続くように私はとりあえず明日行ってくる。恥ずかしくない数字が残せますように。では。