実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第683回】岬マリは何を賭けたか?<その8>(北川景子『探偵はBARにいる3』)



 私けっこう好きだったドラマ『喰いタン』(2006年)の東山紀之と須賀健太と小池里奈。子どもの成長って早いよね。
 武内直子先生いわく、タキシード仮面のモデルは東山紀之である……ということは以前にも書いたが、武内先生がどこで言っていたか気になって、さっきなかよしKCコミックス版を6巻までざっと確認した。けどどこにも書いてなかった(汗)。でも間違いないはずだけどなあ(弱気)。



 ネットには「ハウスバーモントカレーのCMでヒガシがタキシードを着ていた、あれがモデルだ」という説も流れている。東山紀之がバーモントカレーのCMをやっていたのは1986年から1995年までとけっこう長い。かたやセーラームーンの連載は1991年末から始まっている。この「タキシード編」が間違いなくセーラームーン連載より先か、私には確信がもてない。ジャニヲタで少年隊マニアの方がいたらご教示ください。
 という瑣末事にこだわるのも、ほかでもない、タキシード仮面のモデル問題に新説が登場したからだ。昨年、小学館から『青山剛昌30周年本』というのが出た。文字通り、小学館と『少年サンデー』を支える『名探偵コナン』の作者、青山剛昌先生の、漫画家生活30周年を記念して出版された本でだが、そこに載っているインタビューで、青山先生は「武内直子先生に「タキシード仮面様のモデルは怪盗キッド」と言われて嬉しかった、という話をしているんだそうである。



 まあ確かに『まじっく快斗』の連載はセーラームーンよりもずっと早くて1987年から1988年までだから、成り立つ話ではある。でもどうだろう。怪盗キッドがメジャーになったのは『名探偵コナン』(1994年〜)のライバルとなってからで、セーラームーンより遅いんじゃないか。そう考えると、なんか武内先生がリップサーブスで言ったことを青山先生が真に受けてうれしくなっちゃって、ということなのかも知れない。



 ま、そんなわけで、これまでの定説ではタキシード仮面のモデルとされていた東山紀之のドラマに、実写版のタキシード仮面がゲスト出演した『刑事7人』第4シリーズ第9話「模倣犯から挑戦状!? 最後の殺人を止めろ!!」である(2018年9月5日放送、制作:テレビ朝日・東映/脚本:徳永富彦/照明:奧田聖/撮影:宮本亘/監督:及川拓郎)。最近は藤田まことの『必殺仕事人』、加藤剛の『大岡越前』、佐藤浩市の『棟居刑事』と、なにかとリメイク作の多いヒガシだが、これは別に『7人の刑事』のリメイクではないようだ。すでに第4シリーズだし、視聴率はずっと二桁をキープして、この第9話が13.5%だし、たいしたものである。 



 公務中の警察官が拳銃を奪われ、射殺されるという事件が起こった。官憲への挑発か、ガンマニアの暴走か、はたまた個人的怨恨か。
 殺された三好巡査長の日誌には、ときどき和田(渋江譲二)というホストと面談したことが記録されていた。和田への事情聴取のため、歌舞伎町のホストクラブ「ハーレム」に向かった青山巡査(塚本高史)は、嫌悪感を隠そうともしない。



和 田「ああ、あのおまわりさんなんすか、殺されたの」
青 山「三好巡査長の日誌に、たびたびあんたの名前が出てくるんだが」



和 田「ツケ残して飛ぶ客、多いんで、そのたび相談に行ってただけっすよ。見かけたら電話くれって」
青 山「警察を商売の道具に使ってんじゃねえよ」



和 田「俺たちだって必死なんですよ。ほら あれ見てください」



ボーイ「邪魔だよ!」
古 川「あっ すいません」



和 田「他に何もできないからってここ来たんすけど、客に飛ばれて今や借金まみれっすよ。気ぃ張ってないとすぐ ああなっちゃうんで。お兄さんもやってみたらわかりますって」
青 山「やらねえよ。嫌いなんでな」



和 田「うわっ 傷つくなあ!俺は 警察 嫌いじゃないっすよ別に」


 そうこうしているうちに、ホストの和田は逮捕されてしまう。現場に遺された足跡にピッタリの靴をもっているという容疑だ。それに和田には少年院に入っていた過去もある。警察嫌いでも仕方がない。さっそくしょっぴかれて厳しい取り調べを受けるマスター。



宮 川「現場にあったゲソ痕と同じ型の靴だ。見覚えあるだろ?」



和 田「客からもらったもんは全部ネットでさばいちゃうんで、そこで買った誰かじゃないっすか? この靴底ボロボロだし、俺がこんなの履くわけないっしょ」



若い刑事「さっきから 適当にこなしてんじゃねえぞ コラァお前!」



宮 川「お前、ガキの頃に年少ぶちこまれてから、ずっと警察を恨んでたそうじゃないか」



 がしかし、結局この靴はネット転売ではなく、ホストクラブで直接、盗まれたものであることが判明する。盗んだのは和田の同僚、ぞうきんがけをしていたホストの古川(渋谷謙人)だ。『探偵の探偵』では取調室で北川景子を尋問したりしていた。





 今回は警官を殺して拳銃を奪った犯人として追いつめられる側である。もう渋江君の出張は終わってしまったけど、最後の東山紀之と渋谷君の対話シーンに、回想で及川奈央さんが登場するので、ちょっと拾っておきたい。
 



天 樹「残された最後の一発。誰かを殺すために使うか、自分のために使うか、どちらかだと思った」



天 樹「そして後者なら、必ずここへやって来るはずだと思った」



天 樹「あそこは君のお母さんが住んでた部屋だね?夏休みと冬休み、10日間だけ君が子供に戻れた場所」



天 樹「待て!」



天 樹「一生に一度ぐらい、誰かに自分の事を話したらどうだ?僕は 君の話が聞きたい」




古 川「……お母さん……」



古 川「施設に入ってすぐの頃は、毎週会いに来てくれた」



古 川「それが2週間に一度になって、1カ月、3ヶ月、最後は半年に一度になった」



古 川「それでも 半年に一度はお母さんと一緒に暮らせる。毎年その時だけを楽しみに生きてきました」



古 川「でも10歳の冬休み、クリスマスを過ごしてお正月がきた時……」
月 子「あのさ、明日、施設に戻れないかな?」
古 川「なんで?まだ1月2日だよ。休み5日までだよ」



月 子「ちょっと 用事があって……」



古 川「本当は施設に戻りたくなかった。でも わがまま言ったら、もう来てくれなくなるんじゃないかって」



古 川「いいよ。ちょうど 友達の年賀状、届いてるか見たかったし」



月 子「泰」



月 子「こんなお母さんなのに、いっぱい好きでいてくれてありがとうね」



古 川「それが最後でした」




古 川「2年後、裁判所から連絡が来ました。監護権放棄と見なすって」



古 川「さすがにわかってましたけど、捨てられたんです。それからは、ずっとろくでもない人生でした」



海老沢「古川だな?」
青 山「銃刀法違反、および三件の殺人容疑で逮捕します」


 自分を捨てた、憎みたいけど憎みきれないお母さん。及川奈央といえば、もうすぐスーパー戦隊同窓会Vシネ『炎神戦隊ゴーオンジャー 10YEARS GRANDPRIX』がリリースされるね。完成披露試写会の様子とかネットで見たけれど、G3プリンセスが揃い踏みで、美女がいっぱいということに関しては戦隊シリーズでもピカイチだったとつくづく思う。




 及川奈央、逢沢りな、杉本有美。セーラー戦士もそうだが、この方々も10年経ってさらに美しさに磨きがかかっています。
 話を『刑事7人』に戻せば、ラスト近くでもうワンカット、渋江君のホストが出てきてオチを担当する。



 自分自身が「客に飛ばれて借金まみれ」に転落してしまったらしく、店のぞうきん掛けにいそしんでいる。ちょっと可哀想ですね。



 さて『探偵はBARにいる3』レビューの続きだ。先週の台風では関西方面であちこち停電があったということだが、その直後に北海道は大地震に見舞われ、札幌は停電だ。



 すでにススキノのネオンは復旧しつつあるようだが、死者は20名を越えた。気分も萎えるが、ワンシーンだけレビューを続けます。北城のもとを逃げ出してきた三人は、閉店したバー「ケラー・オオハタ」にかくまってもらう。



 最悪な女マリ(北川景子)は、最悪な計画を打ち明け、探偵に助けを求める。苛立ちながらも結局は引き受ける探偵(大泉洋)。口数少ない高田(松田龍平)。ドラマ的にはいちばんクライマックスのシーンと言える。ただカット割りもカメラワークもそんなにないので、キャプチャ画像では面白味に欠けるかも。まあしかたがない。



お れ「何考えてんだ。人を共犯にしやがって、どうしてくれるんだ」
マ リ「引き受けてくれて感謝している」



お れ「引き受けてない。金も返す。おれとお前は無関係だ。何もなかった。いいな。何もなかった!」



高 田「何かあったんだな」
お れ「うるせえ!」



マ リ「あなたは北城に何も言わなかった。引き受けてくれたのよ。そうでしょ」
お れ「あんな芝居で北城を騙せると思ったら、お前は絶望的なバカだよ」




マ リ「計画の途中だったの。それを彼がぶち壊しちゃった。ま、面白かったからいいけど」
お れ「計画だと?」
マ リ「ええ。シャブをお金に替えるのよ」
お れ「あのシャブは売れない。買い取る奴なんてどこにもいねえ」
マ リ「そう。一人だけいるわ」



マ リ「あなたに協力してもらって、北城と取引するつもりだったの」



高 田「もともと北城のブツだろ」
マ リ「だから一億で返す。末端価格四億。仕入れ値を差し引いてもまだいくらか儲けが出る。向こうにとっても悪い話じゃないわ」



お れ「北城のメンツは丸潰れだ」



マ リ「北城は商売人よ。最後はメンツより実利を取るわ」



お れ「だとしても、シャブを渡した瞬間おまえはハチの巣だ。生きては帰れない」



マ リ「そうならないように、手助けが欲しいのよ。それがあなたたちへの依頼」



高 田「あんた、何でそんなに金が欲しいんだ? 不自由しているようには見えないけど」



マ リ「お金ってね、あればあるほど足りなくなるの。それに北城がどれだけケチか知らないでしょ? わたしの自由になるお金なんてないんだから。南の方の温かい土地でね、のんびり暮らしたいの」



高 田「それで二人も殺したのか?」



マ リ「あいつらが殺した数よりはずっと少ない」



お れ「お前はバカで最悪の女だよ。他をあたれ」



マ リ「やるしかないのよ!」



マ リ「わたしがしくじれば、あなたたちも北城に消される。麗子もね。私たちは一蓮托生なのよ」



マ リ「引き受けないならここで終わらせる」





お れ「なんでそうなんだよ!」



お れ「なんでそういうやり方しかできないんだよ」



お れ「素直に頼んだらどうなんだ」




お れ「あ……」



お れ「や、やっぱり、何も言うな」



マ リ「……助けて……」



マ リ「……助けてください……」




お れ「くそおっ!」



高 田「……引き受けるってさ……」



お れ「絶対生きて帰るぞ」


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お れ(一か八か、北城と取引をする。マリの計画は計画とも呼べないほど御粗末なものだったが、それでもおれはあいつを守らなければならない。その義務がおれにはある。なぜだか無性にそう思った)



マ リ「命を、燃やすもの」



 俺 「それは、本人にしか分からないからな。他人にとっては、すげえくだらないもんだったりするしな」
モンロー「ふふ、またテキトー言って」



 俺 「適当じゃねえって。だいたいなあ、お前みたいなのに限って、私出会っちゃった、とか言ってあっさり手に入れたりするんだよ馬鹿野郎。へへっ」



 俺 「とにかく、それまでとっとけ」


 北川景子の可愛さ全開な感じが伝わったかどうか。じゃ最後に、視聴率鋭意V字回復中の『建康で文化的な最低限度の生活』第8話(2018年9月4日)より、安座間美優さんのお姿をお届けして終わりにします。今回はこれまで。