実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第845回】DVD第5巻:Act.18の巻(04)

 

 前回コメント欄によると、2022年2月4日公開の映画『大怪獣のあとしまつ』がスベリまくっているらしい。もともとが三木聡の脚本・監督なので、脱力系ギャグ主体のお話だと思うのだが、それがスベリ笑いにもなっていないということで、ネットではちょっと大変な騒ぎになっているようだ。



 公式サイトに行くと、けっこうな顔ぶれが長文のご祝儀コメントを寄せている(ここ)。それはまあ、松竹と東映が共同配給する特撮怪獣映画という前代未聞の試みである。佛田洋も絡んでいるし、東映サイドとしてムゲにはできない。ただそのなか、正直に感想を言っている人も、いるにはいた。


大災害に立ち向かう素晴らしい人間の叡智に往復ビンタを食らわせる映画である。(小林靖子)


古来から大怪獣には美人女優が良く似合う!凛々しい土屋太鳳ちゃんに見とれて鑑賞。それが怪獣映画の伝統作法。(塚田英明)


 コメントの短さが全てを物語っているように思う(笑)。あと白倉伸一郎も長文だが、きちんと読めば、けっこう辛辣。

ウルト○マンが光線を放つと、怪獣が爆発する。
仮面ライダーがキックすると、怪人が爆発する。
「なぜ爆発するの?」……子供のころから積年の疑問だったが、この映画でやっと解けた。
アイツらの死体が残ったら、こんなタイヘンだったなんて!(白倉伸一郎)


 ほかには高寺成紀が、しかたなくオダギリジョーを褒めちぎったりとか、みんな大人の事情で苦労しているなあ。まあとにかく、これらのコメントで十分。私はこの映画を観ないで死んで行こうと思う。あっ、でも太鳳ちゃんのキスシーンは観たいかも。



 たぶん現代に求められているのは、ファンタジーの舞台設定を茶化すのではなく、真面目にリアルに現実のものとして扱い、取り組む作品ではないだろうか。『シン・ゴジラ』とか『前田建設ファンタジー営業部』とかね。
 


 さて本編。実写版セーラームーン、Act.18の続きです。なぜかビルの屋上で夕陽を浴びる妖魔のカットを挟んでから、まことと元基の会話の場面へ。木野まことは、元基を誘って、地場衛の彼女について情報収集。待ち合わせた場所は神楽坂のボート場をイタリアンカフェ&レストランに改造した「CANAL CAFE」。いろんなドラマのロケ地になっていて、仮面ライダーなんかでもお馴染み。
 前回も書いた通り、実写版セーラームーンの世界観はいちおうファンタジーなので、みんな暗黙のうちにリアルなものが画面に映ることを避ける。ところが佐藤健光監督だけは、前回Act.17でも、マクドナルドとか荒川線とか平気で画面に映すのだ。




 この「CANAL CAFE」という店は飯田橋駅から徒歩1分なので、近くを中央線とか総武線とかが走るようだ。で、佐藤監督は当然、走る電車(中央線?)をパンする。



 台本的には、前回のシーンで美奈子が、捨て犬のために超高級なドッグフードを買ってきたのに続いて、まことはカメ吉のために超高級なカメの餌を用意するという、超高級ペットフード縛りになっている。



元 基「え? 衛? 衛の彼女?」
まこと「いるんだよね」
元 基「うん、陽菜ちゃんね?」



まこと「ひな……ちゃん」
元 基「かなりいいトコのお嬢さんなんだよね」
まこと「へぇぇ」



元 基「なに、おれ誘ったのって、その話?」
まこと「うふっ」
元 基「はぁ~。なぁんだ」



まこと「あ、これ、ぜんぶ食べちゃっていいから。食べて食べて!」



まこと「あ、ええと、これ、カメ吉くんにもあげちゃう! 超高級なやつ」
元 基「えっ! あ、ありがとうっ! かぁ~っ!」
まこと「へへ(笑)」



元 基「あ……まこちゃん、もしかして衛のこと……」



まこと「あっ、違う違う! ちょっと頼まれたって言うか」
元 基「誰に?」
まこと「うん、ちょっと……」



元 基「だったら諦めるように伝えた方がいいよ、もう婚約してるようなもんだから」



まこと「婚約⁈」


 で、場面は夜になって、衛と陽菜。陽菜の松下萌子はここのところ、船越英一郎さんとの熱愛報道でマスコミの話題になったと思ったら、その余波でチョークアート作品に対する疑惑で炎上した。素材とした有名人写真などの肖像権をめぐる問題であったが、その直後に、それどころではないくらいの大炎上が、話題のアーティスト古塔つみさんのところで起こってしまい、松下萌子は相対的に話題にならなくなった感がある。やれやれ。何にせよ、この人は当時と今と、あんまり見た目が変わんない。



 衛 「明日?」
陽 菜「うん、教会で、ミサがあるから一緒に行って欲しいんだけど、その教会ね、何年か通ってると、そこで……」



陽 菜「その……結婚式、できるらしくて」



陽 菜「えへっ……ほら、ちっちゃい頃とかよくさぁ、結婚式ごっことかしたでしょ?……あの時から、教会にするって決めてたんだよね」



陽 菜「バカみたいだけど」



 衛 (陽菜……)



 衛 (小さい頃から、おれだけを見てきた)



陽 菜「マモルちゃん、待って!」



 衛 (おれは……陽菜を裏切れない)



 このAct.18のタイトルバックに出てくる俳優さんたちの名前のなかで、最後の方に出てくる「齋藤祐磨」「渡辺利音」の二人だけが、スタントやスーツアクターでもないし、何の役を演じているのか分からないのだが、この場面で子供時代の衛と陽菜を演じたお二人ではないだろうか。少し検索をかけてみたが、特に情報は出てこなかった。



 そしてうさぎの家。学校で菊池先生(松井涼子)から「これじゃマフラーじゃなくてハンカチよ」と言われた編み物をやり直している。



 よけいなことは考えないように、と思えば思うほど、地場衛との出逢いから今までのあれこれが、頭のなかに甦ってくる。



 衛 「誰もそう思わないから安心しろよ」
(Act.1)



 衛 「モデルもどき、よそ見して歩くな」
(Act.2)




 衛 「……つきのこぶた……」



うさぎ「うさぎです! うさぎうさぎうさぎっ!」
(Act.5)



 衛 「うさぎっ! 乗れっ!」
(Act.15)



うさぎ「なんであんなやつ、好きになっちゃったんだろう」



うさぎ「……もうやだ……」


 ちなみに、前回Act.17ラストの次回予告では、この場面、最後にもうひとつセリフがありました。台本にはあったものと思われます。



うさぎ「……もうやだ……」



うさぎ「こんな気持ちなくなっちゃえば、前みたいに楽しいのに……」


 そしてホテル住まいの美奈子。かなりでかいポスターを自作している。次のミサで飼い主になってくれる人を探したいというカサレ神父に、レイが「私、ポスター作って貼っておきます」と言ったとき、美奈子はただ黙っていたが、やっぱり対抗心を燃やしていたのである。



美奈子「あの犬は、私だって介抱したんだからね」



アルテミス「美奈子……けっこうセーラーマーズと関わってしまってるんじゃないか?」
美奈子「仲良くなるわけじゃないし、むしろその反対」
アルテミス「ん……君もムキになるところがあるからなぁ」



美奈子「そう言えば、妖魔はなんで神父さんを襲ったんだろう」



アルテミス「たまたまってこともあるが……」



美奈子「でも、そうじゃなかったら……」





 アルテミスって何のためにいるんだろうね。基本的に美奈子をコントロールできていない。ただツッコミを入れているだけ。と、ここでAパート終了、CMです。ではまた次回。