実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第805回】捨てるとこなし『高嶺のハナさん』第1話の巻


 仮面ライダー50周年を記念して、庵野秀明が『シン・仮面ライダー』を撮るそうだ。プロデュースは東映株式会社取締役の白倉伸一郎がつとめるらしい。仮面ライダーシンといえば、白倉伸一郎が1992年に原点回帰を目指して制作したオリジナルビデオ『真・仮面ライダー序章』の主人公だ。あれは「序章」のみに終わったが、30年ぶりにようやく本編が制作されるって理解でいいのかな? てことは主題歌は、なるママの渡辺典子か?



 まあ何にせよ、あまり感心しない話だ。庵野秀明が等身大ヒーロー作品に向いていないことは『キューティーハニー』で一目瞭然である。あの人は『帰ってきたウルトラマン』以来、巨大ヒーローでないとだめなのだ。『キューティーハニー』でも結局、等身大のキャラに堪えきれず、しまいにゃ京本政樹を巨大化させてしまったではないか。




 今度だってきっと、立花藤兵衛を巨大化させちゃうぞ。だから庵野秀明に撮らせるなら『仮面ライダーJ』以外ありえない。何をやっているんだ白倉伸一郎は?
 まあいいや、もう取締役だもんな。ゴジラとエヴァ完結編の大ヒットにあやかろうってか。経営者の考えることなんてそんなもんだ。(今日の私、ちょっと荒んでいるかな? 疲れているんだ。)



 それにしても、なんか最近ネットで読むこの手の記事って薄いね。「庵野秀明が『シン・仮面ライダー』」ってだけで大騒ぎである。いやそれって、いかにも白倉Pが思いつきそうなアイデアだけどどうなんだ? みたいな視点から掘り下げる考察が出てこない。いやもちろん白倉伸一郎がいなかったら、この実写版セーラームーンファンブログも存在しえなかったので、私も創造主に唾吐く思いで書いているわけだが(大げさ)。



 まあいいや、ちょっと期待しているのだが、むかしガリ版や青コピーやオフセット印刷で同人誌を作っていたようなオタク第一世代が、勤め人としてはそろそろ定年を迎え始める時期である。時間に余裕の出来たそういう先輩方が、ネットでばりばり濃い文章を発表して、若くて知識も浅いわりに意外と権威主義のサブカル系ライターを駆逐してくれないものだろうか。思えば富沢雅彦が亡くなってもう35年が過ぎた。



 なんつって、いやそんなことを言っている場合ではないのだ。『高嶺のハナさん』どうするよ?第1話が始まっちゃったよ(2021年4月10日、BSテレ東・ファインエンターテイメント、原作:ムラタコウジ/脚本:岡庭ななみ/照明:丸山和志/撮影:神田創/監督:内藤瑛亮/プロデューサー:瀧川治水・清家優輝)。




 これまで泉里香の出るドラマをレビューするときは、登場シーンをピックアップすればよかった。前回まで取り上げていた『ゲキカラドウ』では、主人公の同僚ということで画面に映っている時間が長かったが、それなりにセリフがあるシーンとかを拾ってやりすごしてきた。しかし今回の『高嶺のハナさん』は、主役であり、予想以上に泉里香のビジュアルがメインになっている、もう最初から最後まで泉里香祭り。いままでのやり方で、泉里香の出番をすべて紹介していたら、たぶん全話やっているうちに2022年になるね。どうしたらいい?



 物語自体は単純だ。第1話の内容は、まあ実写版セーラームーンAct.2とAct.5をマッシュアップしたようなお話であった。実写版のAct.2では、頭が良すぎてクラスで孤立している十番中学の天才少女亜美ちゃんが、どっちかっていうとクラスでバカな方のうさぎに声をかけられて、本心は嬉しいんだけど素直になれない。



 『高嶺のハナさん』第1話は、めちゃくちゃ仕事が出来すぎて、職場で孤高の存在になってしまったミツバチ製菓商品企画部のスーパーレディ、ハナさんが、どっちかっていうと仕事の出来できない後輩社員の弱木くんが可愛くて、そのダメっぷりにゾッコンなんだけど素直になれない。



 実写版のAct.5で、亜美はうさぎともっと仲良くなりたいばかりに、『本当の友達になれる本』なっていう自己啓発本を買ってきて努力する。



 『高嶺のハナさん』第1話のハナは、弱木くんともっと仲良くなりたいばかりに、『好かれる女の子になる20の法則』という自己啓発本を読んでいる。



 実写版Act.5の亜美は、うさぎに合わせて塾を休んでパジャマパーティーに参加して、化粧までするけど、最後にうさぎから「そういうの、一番友達っぽくないと思う」と言われて玉砕。



 『高嶺のハナさん』第1話のハナは、弱木くんに気に入られたくて、いつものスーツを可愛いピンクの服に替えて出社するが、弱木くんから「その服、高嶺さんらしくないです。高嶺さんにはスーツのほうが似合ってると思います」と言われてしまって玉砕。



 実写版Act.2の亜美は、うさぎと食べようと思ってプリンをふたつ用意するけれども、結局は屋上に行って一人で食べる。




 『高嶺のハナさん』第1話のハナは、弱木くんと一緒に食べようと徹夜でお弁当をふたつ作るけれども、結局は屋上に行って一人で食べる。




 実写版Act.2の亜美は、ダーク・キングダムの陰謀で、ビルの上から落っこちるピンチに陥るけど、追いつめられてセーラーマーキュリーに変身して、ぐるぐるひらひらやっているうちに勝っちゃって、決めポーズ。



 『高嶺のハナさん』第1話のハナは、ブリっ子女子社員イチゴちゃんの陰謀で、プレゼン資料のデータを直前に失うピンチに陥るけれども、追いつめられて覚醒して、15分ほどで資料をもう一度作成し、「こうなって こうなってこうなって こうなって こうなって こうなって こうなります」とかプレゼンしているうちに成功しちゃって、決めポーズ。



 というふうに、話の流れだけ見ると、両者は区別がつかないくらいだが(笑)、『高嶺のハナさん』の方は全体にコメディタッチで、低音のセリフと亜美ちゃん以来の艶のある高音のモノローグ(心の声)の極端な使い分け、多彩な変顔を思いきりぶちこんでぜんぜん違う作品に。



 中味は軽いが(土曜深夜なんだからそれでいい)泉里香のファンは瞬きもできないような作品に仕上がっている。繰り返すが、この調子で続けられると、こちらは泉里香の魅力をいちいちひろっているだけで、完全にブログがパンク状態になってしまうわけだが、どうするどうする?



 泉里香の相手役、弱木くんに小越勇輝。『仮面ライダーキバ』のセーラー服の子だ。その後テニミュで主役をやって『弱虫ペダル』で主役をやった。『刀剣乱舞』にも出ているらしい。どえらいキャリアですね。



 職場でなにかと泉里香にちょっかいをだすチャラ男に猪塚健太。長谷川恵美も出ていた『レスキューフォース』のR1である。



 ハナさんを敵視する総務のブリっ子イチゴちゃんに、野々村真と坂上とし恵の娘でPopteenモデルの香音。



 あとミツバチ製菓の同じフロアの社員が、背景みたいにいっぱい出てくるが、誰がだれやらわからない。ざっとあげておくけれど、カッコ内の役名が間違っていたらご指摘ください。古賀勇希(遠山)、西村誠治(竹永)、佐々木陽平(長内)、佐々木徹(加賀)、大人のカフェから加賀成一(新谷)・伊達さん(櫻井)・飯野智司(河野)、それから南山あずさ(冬月)と結城さなえ(秋本)。そんなところかな。



 莓 「おはようございまぁす」
竹 永「イチゴちゃん、おはよう」



遠 山「今日も可愛いね」
 莓 「え~そんなことないですよぉ」
竹 永「この資料、僕がチェックしとく」



 莓 「え? 大丈夫ですよ」
竹 永「いいからいいから」
 莓 「ありがとうございまぁす」



遠 山「イチゴちゃん、トイレの蛍光灯、バッチリ替えといたよ」
 莓 「いつもすみませ~ん」



 華 (あ〜。イチゴちゃんは可愛いなぁ。弱木くんもきっと、あんな子が好きなんだ)



 莓 (めんどくさい仕事は男が ぜ~んぶやってくれる。かわいいは正義! 人生イージーモード)



春 宮「高嶺さん、こちらの企画書を確認していただきたいのですが」
 華 「もちろん」




 莓 (さえない先輩だけど、声かけといてやっか)



 莓 「弱木先輩。あの、私こんどの打ち上げの幹事を任されちゃったんですけど、なんだか難しくて、もうどうしたらいいか……」



 莓 (ここまで言ったら、どんなバカな男だって分かるでしょ? 正解は『俺がやってあげようか?』)



弱 木「でも、それって総務の仕事でしょ?」



 莓 (はぁ?)



弱 木「それにそういうのは自分でどんどんやって、やり方を身につけていくもんだよ。失敗してもいいから、まずは自分でやってみなよ」



 莓 (はぁ~!? なんだコイツ)



弱 木「っていっても 僕が昔、高嶺さんに言われたことの受け売りなんだけどね」



弱 木「かっこいいよね、高嶺さんって」



 莓 (私より、あんな売れ残りババアの言うことを優先すんの!?)



╳    ╳    ╳



 華 (よし。この服を着て弱木くんに振り向いてもらうんだ!)



╳    ╳    ╳



冬 月「高嶺さんおはようございまぁす」



遠 山「あっ おはようございます」
新 谷「おはようございます」



冬 月「えっ!?」



遠 山「ピンク!?」
遠 山「しかも スカート? 透けてるし」



河 野「えっ!?」
長 内「高嶺さんがスーツじゃない」



河 野「あれはあれでまた違った美しさだ」



更 田「ありゃ 絶対に男だな」
弱 木「えっ!?」





 華 (あっ、弱木くんが見てる……)




 華 (えっ!?)



 華 (あ~ちょっと待って、弱木くんが近づいてくる)



 華 (何なに何なに何なに?どうしたのどうしたの?)



 華 (どうしたの!? あ~目の前まで来た~!)



 華 (何か言いたげな顔~)



 華 (え~ 何? 何か言って)



 華 (えっ 服似合ってない? えっ それとも 可愛い?)



 華 (あ~ ヤバいヤバいヤバいヤバい!)



 華 (心臓の音が聞こえちゃう~)



弱 木「その服、高嶺さんらしくないです」



弱 木「高嶺さんにはスーツのほうが似合ってると思います!」



 華 「……」



 華 「アンタ、私にそんなこと指図する暇があるんなら、役に立つ仕事のひとつでもしたら」



弱 木「はい 失礼しました!」



更 田「お前どうかしたのかよ」



弱 木「いえ、なんでもありません」



弱 木「高嶺さんって、いつもスーツなんですね」



 華 「スーツは会社員の戦闘服」



 華 「着こなしひとつで仕事の出来が決まるのよ」




╳    ╳    ╳



 華 (やっぱり私には可愛い服なんて似合わない)



 華 (あ~ん、弱木くんに嫌われた~)



 こんな感じで、ぜんぶ見どころ。採録していたらキリがないわけよ。どうする? ってことで、解決策は見あたらないまま、このブログも続く。『高嶺のハナさん』次回も楽しみだなあ。