実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第795回】泉里香『ゲキカラドウ』第4話の巻


 しばらく続けていた「2020年に公開された映画の興行収入ランキング」(ここ)ウォッチングもそろそろ潮時かな。『約束のネバーランド』(2020年12月18日公開)は6週を過ぎて17億円を越え、引き続き15位をキープしているけど、『滝沢歌舞伎 ZERO The Movie』(12月4日公開)もちょっとずつ積んでいるので抜けそうで抜けない。一方『映画えんとつ町のプペル』(12月25日公開)が16億円を越えて猛チャージを続けている。で、今週末はもう主要な映画館では上映が終了している『ネバーランド』に対して、『滝沢歌舞伎』も『プペル』もまだまだコアなファンを相手に興行を続けている。ちなみに『美少女戦士セーラームーンEternal 前編』(2021年1月8日公開)は早くも朝1回のみの上映になっているところが多い。



 なんにせよ、2019年までだったら、年間興行収入が20億円を越えてもベスト20にも入っていないところが、15億円を越えれば年間15位あたりには入る、というのが2020年の実情である。『鬼滅の刃』の大ヒットは驚くべきことだけど、さすがにこの1本だけで映画興行界を支えることはできない。それでも日本はまだマシな方で、アメリカなんか、ひょっとしたら「映画館」というものが全滅するかも知れないね。



ナレーション「激辛道。それは激辛の向こう側にあるカタルシスへの道。激辛の世の中で失敗を恐れず、敢えて困難に立ち向かう勇気こそ、何ものにも代えがたい糧になる」



 『ゲキカラドウ』第4話「辛口経理部長と激辛タイ料理」です(2020年1月28日、テレビ東京・The icon、脚本:神田優/照明:宗賢次郎・後関健太/撮影:大塚亮・古橋長良/監督:西川達郎/チーフプロデューサー:山鹿達也)。今回は秋山(前川泰之)が経費の書類を出し遅れる大失態。
 なぜか秋山に代わって猿川(桐山照史)が経理に出向き、「そこをどうにか」と頼み込むが、経理部の前田部長(丸山智巳)は冷たい。





 「申請期限を過ぎた経費の精算はできません」って、まあ当たり前の話だ。さらには「そもそも営業促進室の経費管理はズサン過ぎます」とヤブヘビな結果になってしまう。すごすごと営業促進室に引き返す猿川。



猿 川「ダメでした」
秋 山「そうか」
猿 川「ていうか、何でボクに行かせたんですか?経費管理しているのって、秋山さんですよね。すっごい怒られたんですよ」



秋 山「いい歳して怒られたくないだろ」



猿 川「はぁ? 分かっていて僕に行かせたんですか?」



友 麻「そんなことより、どうしてくれるんですか? 申請期限間違えた秋山さんの責任ですよね」



山 崎「まさか自腹とか言わないでくださいよ」



秋 山「心配するな。責任は俺がとる」



山 崎「全部払ってくれるってことですか?」



秋 山「いや……今度飲みに行こう、奢ってやる」



篠 宮「え、奢りっすか? イェイ、お店どうしましょ」



友 麻「いやいや、納得できるわけないでしょ。全部でいくらだと思ってるんですか?」


 奢りと聞いて喜ぶ能天気な篠宮(中村嶺亜)とは対照的に、友麻(泉里香)も山崎(森田甘路)も冷たい態度。それはまあそうだ。



 と、そこへ入ってきたのは経理部の高宮さん(佐津川愛美)。困っている販売促進室に手を差し伸べてくれようというのだ。可愛いし優しいし、猿川が一目ぼれしちゃうのも仕方ないね。



高 宮「失礼します」



谷 岡「経理部の高宮です」



高 宮「何のご用でしょう?」



高 宮「あ、先ほど部長とのお話を聞いておりました」



高 宮「部長はああ言っておりますが、本日中に事務処理を行えば清算できます。そこ、お借りします」




高 宮「時間がありません。すぐ必要書類を準備してください」



谷 岡「ありがとう……猿川君、猿川君」



猿 川「あ、はい」
谷 岡「今夜、私たちは重要な会食の予定があるんだ。すまないが君と亮介くんで、高宮さんを手伝ってあげて欲しい。悪いな」



篠 宮「え、もう定時っすよ。まさか残業しろってことっすか?」



猿 川「篠宮くん、君は帰っていいよ。あとはボクに任せて」



篠 宮「いいんすか? やっぱパイセンっていいパイセンっすね」



秋 山「惚れたな」



友 麻「……単純……」


 ということで、まあ、これは楽しいよね。私だって、献身的な佐津川愛美さんと夜遅く二人っきりの残業だったら、手当てなしでもやりたい。佐津川さんの公式身長は152cmである。悪いけど泉里香さんだと、ちょっと威圧感を感じてしまうだろうね。




 書類は無事、間に合って、厳しい経理部長にも受理されたし、猿川がお礼に食事に誘うと、高宮さんは二つ返事でOKをくれるし、もう良いとこずくめである。



猿 川「無事、申請できました!」



秋 山「助かったぁ」
猿 川「もう大変だったんですよ。かなり遅い時間までがんばったんですから」



篠 宮「あれれ、パイセンなにニヤニヤしてるんですか? いいことでもあったんですか?」



猿 川「あっ、あの」



友 麻「そういうことか」



猿 川「ははは、バレちゃいました?」



猿 川「実は今週末、高宮さんと食事へ行くことになりまして。あ、いやいや誤解しないでくださいよ。これはあの、お礼を兼ねた、ただの食事ですから」



猿 川「……でもまあ、デートと言えばデートなのかなぁ」



秋 山「話したくてたまらないらしい」
友 麻「どうでもいいわ……」



篠 宮「さすがパイセン! どうやって誘ったんすか?」
猿 川「え、聞きたい? 聞きたいならしょうがないねぇ」



谷 岡「ここに行くと良い」
猿 川「タイ料理?」



谷 岡「私の行きつけで、妻と初めて食事をした店なんだ」
猿 川「へぇ」



谷 岡「もし行くなら私のオリジナルコースを予約しておく」
猿 川「え〜激辛じゃないですよねぇ?」
谷 岡「私を信じなさい。きっとうまく行くはずだ」



谷 岡「その代わり、君に頼みがある。経費の上限を増やしてもらえるよう、彼女を説得して欲しい」



谷 岡「うちは激辛道を促進しているからね」



谷 岡「ほかの部署より何かと経費がかかるんだ」



秋 山「なるほど、彼女さえ口説き落とせば……」



猿 川「いえいえいえ、無理ですよ、デートなんですから。それにウチは、ただでさえ経理部に目を付けられて……」



友 麻「だいじょうぶ、あの感じはきっと押しに弱いタイプよ」
猿 川「えぇ〜?」



谷 岡「すべては君にかかっている。頼んだぞ猿川君」



猿 川「あ、いや、ちょっと……もう……」


 で、猿川は谷岡室長(平田満)お勧めのタイ料理店「ソイ六本木」に高宮を連れて行く。六本木じゃタイ料理にワインをあわせるんですね。おっしゃれ〜。





 部長のオリジナルコースはどういうメニューかというと、まずパクチーツリーサラダ、それにトートマンクン(エビのすり身揚げ)とパッポンカレーが出てくる。ここらあたりまではまあ、普通メニュー。






 続いてパッキーマオ(酔っ払い麺)。これが有名な激辛焼そばで、名前の由来は「酔っ払いも酔いが醒めるほどの辛さ」とか「酔っぱらって作ったら偶然できた激辛炒め」とか、諸説あり。



 やっぱり部長のオリジナルコースだけあって、激辛。が、しかし、女の子の手前、頑張って食べる猿川。そんな猿川をちょっと尊敬の眼差しっぽく見つめる高宮さん。これはカン違いするよね。






 その次に出てきたのがヤムウンセン(春雨サラダ)。これもなかなかに辛いが、辛さのなかに甘さ、酸っぱさ、甘さ、いろんな美味しさがある。まさにタイの味。高宮さんも気に入った感じ。




 というわけで、最初のデートはかなりいい感じで、手応えを感じる猿川。だけど、室長から頼まれた「経費の上限を増やしてもらえるよう交渉する」というミッションのほうはすっかり忘れている。その翌朝。



猿 川「あ、おはようございます」
秋 山「猿川、どうだった?」
友 麻「その顔はまさか」



猿 川「もうバッチリです」
一 同「よおし!」



猿 川「次のデートで告白します。室長ありがとうございました」



谷 岡「告白?」
秋 山「そっちのことか……」
友 麻「あのねえ、君と彼女の関係なんてどうでもいいの」



猿 川「え?」
友 麻「知りたいのは経費の件」



猿 川「あ、あかん。完全に忘れていた」



友 麻「最悪」
猿 川「ああ……でも安心してください。僕が頼めばきっと認めてくれるはずです」



猿 川「……だって、僕と彼女の仲ですから」


 にやけながら、猿川はさっそく経理部を訪ね、高宮を呼び出す。しかしここで意外な真相が明らかになる(笑)。



猿 川「ごめんね急に、ちょっと話あってさ」
高 宮「いえ、私も、ちゃんとお伝えしておきたいことがあったので」



猿 川「えっ?」
高 宮「それで、猿川さんのお話は……」



猿 川「あ、いい、いい、もう俺の話なんてどうでもいいことだから。あの、それより、伝えたいことって……」



高 宮「経費の件ですが……期限を過ぎた申請は、今後は一切受け付けません。次回からきっちり、期限を守っていただきます」



猿 川「え?」



高 宮「私は甘すぎました。これからは厳しく、仕事をしていくつもりですので、覚悟してくださいね」
猿 川「どうしたの急に。あ、部長になんか言われた?」
高 宮「いえ……自分の気持ちに気づいたんです」



高 宮「ヤムウンセンを食べて、なんだか前田部長みたいだなって」



猿 川「へ?」


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高 宮「不思議ですね。辛いのに、甘くって酸っぱくって、いろんな味がする」



高 宮「……美味しい……」


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高 宮「私、好きになっちゃいました」
猿 川「え?」



高 宮「ヤムウンセン」



高 宮「ヤムウンセンは辛いから美味しいんです」



猿 川「ん?」



高 宮「……仕上がりました……」


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高 宮「猿川さん、前田部長のことを冷たい人だって言いましたけど、本当はそんなことないんです」



高 宮「あの残業した翌朝……」


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前 田「疲れた顔してるぞ」
高 宮「あ……すみません」



前 田「もうあんなことは止めろ。ほかの部にも知られ、少しぐらい期日を過ぎても大丈夫だと思われたらどうなる。お前の負担が増えるだけだ」



前 田「身体、壊しちまうぞ」



前 田「でもまあ、あの短時間でよく処理した」



前 田「お疲れ様」



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高 宮「すごく辛口な人ですけど、時々甘くって酸っぱくって」



高 宮「この気持ちに気づけたの、猿川さんのおかげです。また誘ってくださいね」



猿 川「う、うん」



高 宮「それで、猿川さんのお話は?」



猿 川「あ、いい、いい、くだらないことだからさ」



高 宮「あ、そうですか。じゃあ戻りますね。早く戻らないと、また部長に怒られちゃう」



高 宮「あ、じゃあ失礼します」



猿 川「辛い……辛過ぎる」


 ということで、今回はゲストの高宮さんが仕上がって、猿川がものの見事に撃沈するというエピソードでした。



友 麻「はあ? なにそれ」



秋 山「経費の上限アップは不可能だな」
山 崎「ていうかこの先、さらに厳しくなりそう」



猿 川「ヤムウンセンさえ食べなければ……ぜんぶ室長のせいですよ」



谷 岡「激辛から何を学ぶのか。それは人それぞれだ」



谷 岡「そもそも人も激辛と同じで、単純な味に魅力は感じない。時に辛く、時に甘く、時に酸っぱい。そんな複雑な男にこそ、人は魅かれるものだ」



猿 川「……俺が単純すぎるってことですか?」
友 麻「そうでしょ。間違いなく」
猿 川「えー」
篠 宮「そんなパイセンが大好きっすよ」



谷 岡「思えば、恋はヤムウンセンによく似ている。一見、色あざやかで美しいが、一口食べれば甘く酸っぱく、そして辛い。だかこそクセになる」



友 麻「さ、仕事仕事」



篠 宮「深い、深いっすねパイセン」



猿 川「はぁ?」


 以上第4話。前回、第3話が高校時代の彼女にふられちゃった話で、今回は会社で好きな女の子ができたけど振られちゃった話。で、次回第5話はキャバクラに営業をかけるんだけど、そこのナンバーワンが水崎綾女さんなんだって。久しぶり、青のキューティーハニーの綾女さん。楽しみだぁ。