実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第789回】これは何の集会だ? の巻(窪寺昭『ハンサムセンキョ』第9話)


 『騎士竜戦隊リュウソウジャー』で吹越満の娘、龍井ういの役をやっていた金城茉奈さんが12月1日に亡くなられたそうです。『リュウソウジャー』第21話より。




マスターピンク「あなたは!」



尚 久「ん?」




マスターピンク「……セトー?」


 リュウソウジャーの前にも休業期間があったり、けっこう長い闘病生活だったらしい。私はあまり事情を知らなかったけど、それでもドラマの終盤、40話前後で出番がだいぶ減ったと思ったら、急に留学が決まってアメリカに旅立つ、という不自然な展開にいろいろ感じるところはあった。ネットでも心配する声がなかったわけじゃない。最終回(2020年3月1日放送)では、一時帰国というかたちで顔を出してくれたけど、椅子に座っていた。




 おそらくこの時も、体調を崩していたけれども無理を押しての出演だったのだろう。スーパー戦隊の最終回、レギュラーメンバーとして、最後にみんなに笑顔を見せてくれたのだ。享年二十五。なんとも。



 本日のお題は窪寺昭出演ドラマ『ハンサムセンキョ』の第9話(テレビ神奈川、2020年12月2日放送、制作:マーベラス/脚本:三田理恵子・米山和仁/照明:上田政晴/撮影:吉沢和晃/監督:米山和仁)。歳をとると訃報にも驚かなくなって、だんだん自分も順番待ちの側に来ているのかな、とも思うが、それにしても自分より若い人がこうも続けて亡くなるとめげるね。めげるけど、まあやります。



 で、私は初めて知ったのだが「選挙に必要な三つのバン」という言葉があるそうだ。三つのバンとは「地盤(後援組織)」と「看板(知名度)」と「カバン(資金力)」。第1話でいきなり新興政党「きらめき新党」の古剛栄進(横山真史)にスカウトされ、新光市長選挙に立候補することになってしまった元小学校教師の天童勇樹(武子直輝)は、その三つとも持っていない。一方、ライバルの二世候補、白峰誠二(一ノ瀬龍)の場合は、少なくとも保守党の支持基盤ははっきりしていて、資金も豊富。かれをバックアップするのが秘書の刈安健司(窪寺昭)だ。以下、第2話より。



花 野「いきなり討論会に出るなんて無理な話なんですよ」



古 剛「選挙はまだ始まっていないんだ。どれだけ失敗しても良い経験になるだろう」



古 剛「それに今後、勇樹のライバルになる連中だ。良い下見になった。見ろ」



古 剛「面白いメンツだ。選挙に必要な三つのバン、地盤、看板、カバン。それらを持つ者、持たない者、個性豊かに揃ってやがる」



古 剛「白峰誠二。元財務大臣、次期内閣総理大臣とも噂されている未来自由党、白峰勇一の息子」



古 剛「協力な地盤とカバンを持つサラブレッドだ」



刈 安「今度行われる討論会の内容です」




白 峰「学生のころ、ディベートにはまっていたことがあってね」



刈 安「ほう、ディベート」



白 峰「討論会、白熱しちゃったらどうしよう」



刈 安「そう白熱はしないかと」



刈 安「ほかの登壇者を見るに、誠二さんの引き立て役にしかならないかと」


 白峰誠二にはほかにも山吹啓介(奥谷知弘)と梔子・ミレー(八巻貴紀)という若い秘書がいて、二人は誠二に心酔している。しかし年長で経験豊富な政策担当秘書の刈安がいるので、当座は給湯室担当だ。



 刈安は、これから政治家になろうとするひよっ子の誠二に対して、ある種教育係的な立ち位置にいる。これから政治のトップを目指す人は、それなりの帝王学を身につけなければならない。そういう意味では、ドブ板選挙で一人一人の市民の声を誠実に聞こうなどといういまの誠二の青臭いスタンスは、どこかで矯正してやらなければならない。これはもう、マスターに対するクンツァイトの立ち位置とほとんど変わらないね。で、今週放送された第9話「鳥かご」は、ついに二人の関係に亀裂が入る。



 動画サイトやSNSを駆使した新しい戦い方で選挙に関心のない浮動層を巻き込み、注目を集めているライバル候補のキース篠宮(武藤賢人)から、ネットの公開討論会への誘いが来たのだ。若手秘書の山吹や梔子はノリノリで誠二をけしかけるが、刈安が待ったをかける。



山 吹「キース篠宮さんから討論の申し出が」



梔 子「『キースちゃんねる』市民からのじかの質問に答えるって、いま盛り上がってますよねえ」
山 吹「討論会をしろとでもいう声でも出たんでしょうか」



白 峰「出ます!」



刈 安「お断りしてください」



刈 安「選挙期間中での討論会は原則的には禁止されています」



白 峰「でも……」



刈 安「少し二人にさせていただけませんか?」





刈 安「昨日、最強住設機工の氷室様がお越しでした」



白 峰「すいません、街頭演説をしていたので」



刈 安「困ります」



白 峰「街のひとに会いに行くのはダメなんですか⁈」



刈 安「どちらに転ぶか分からない浮動票を追ううちに、今後の選挙にも繋がる大事な票を逃していることになります



刈 安「今後?」



刈 安「今後の市議会議員選挙、延いては国政選挙……」



白 峰「僕はいま新光市の市長選をしているんだ」



刈 安「これはあなただけの選挙ではありません!未来自由党の未来をつくる選挙なんです」



刈 安「あなたは未来自由党公認候補です。あなたは党の代表なんです」



刈 安「あなたは党のために仕事をしなくてはいけません!」



白 峰「党のため? 僕たちの仕事は市民のためにあるものでしょ!」



刈 安「……青いですね……」



白 峰「青い。良いじゃないですか、僕のパーソナルカラーだ」



刈 安「そういう意味ではありません」



白 峰「天童勇樹の追い上げがすごいんだ!」



刈 安「大丈夫です」



白 峰「でもこの……」



刈 安「お父さまにも迷惑がかかりますよ」
白 峰「……父は関係ない……」



刈 安「とにかく、すべて私にお任せください。ライバルは存在しません」



刈 安「キースさんには、私が丁重にお断りしておきますので、今日は1日ここで来客の対応をお願いします」




╳    ╳    ╳



刈 安「ですので、討論会の出席はお断りします」
キース「そうですか……」



刈 安「では」
キース「私のこと、憶えてますか?刈安さん」



刈 安「憶えていますよ。確か衆議院選挙で、未来自由党のデジタル選挙プランナーをされていましたね。まさか選挙に出るなんて」



キース「あのとき思っていた違和感をぶつけてみようと思いまして」
刈 安「若くて志のある人が選挙に出ることは、この国にとって望ましい良いことです」



キース「本当にそう思ってます?」
刈 安「ええ」
キース「若い力を見くびらない方がいいですよ」



刈 安(一礼して去る)



 マスターたるもの、もっと大人になって大儀につくべし、なんて、なんかもう言っていることもほぼ前世でマスターに使えていたクンツァイト。でジェダイトとネフライト、ではなくて若手秘書の山吹と梔子は給湯室で愚痴をもらす。



梔 子「結局、今日一日、外出ませんでしたねえ」
山 吹「将来は未来自由党の顔になって欲しいが、にしても、新人に市長選を任せるのは、党内に反対の声はあるはずだ」



山 吹「刈安さんもいろいろ調整している中で、好き勝手やられたくないんだろう。今回は鳥カゴの中の鳥で我慢して、自分を出すのはもう少し経験を積んでから」



梔 子「鳥カゴか……外回ってたの、けっこう楽しかったんだけどな」



山 吹「お茶でも淹れてあげましょうか」


 一方、白峰誠二は、自分が「カゴの鳥」であることを思い知って部屋でうなだれているんだけど、音楽が流れて歌い出す。このあたりが2.5次元ミュージカル俳優を結集したドラマってことなんだろうな。



白 峰「♪物心〜ついた時に〜知らないひとが名詞をくれたぁ〜♪」



白 峰「♪シールを買ってくれなくて名詞を勝手にコレクション〜♪」



白 峰「♪出会う人の数だけ〜♪」



白 峰「♪肩にのしかかる期待が重い〜♪」



白 峰「♪ランドセルなんて生ぬるい♪」



白 峰「♪肩凝りだけが友だちだった〜♪」


 以下だんだん歌と踊りが盛り上がっていくが、とにかくそういうことで、ここの事務所ではもう一波乱ありそうだ。次回へ続く。ウチとしては珍しく、しばらく女っ気がなくなるがすまん。



 でもホント「これは何の集会だ?」と言いたくなるくらい、今回の男たちのドラマは、マスターと四天王が揃った実写版後期のダーク・キングダム感満載で、思わず涙してしまった。しかしその一方で、主演の武子直輝を完全スルーしてしまったな。すまん進悟。お詫びにちょっとだけ出しておく。



 あ、そういれば『週刊プレイボーイ』が小松彩夏に続いて小池里奈を起用してくれたそうですね。コメント欄で教えていただきました。ありがとう集英社。これからもよろしくお願いします。では。