実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


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【第782回】DVD第5巻:Act.17の巻(7)


 ネルケ版ミュージカル、幻の3代目水野亜美/セーラーマーキュリー役の黒木ひかり。ただいま『ウルトラマンZ』(2020年6月〜、テレビ東京系)で、怪獣オタクのロボット工学者、オオタユカ隊員を演じている。理系・天才・美少女という、亜美ちゃんと通じる役どころでありながら、中の人は通信制の高校を再度留年して現在20歳の高校5年生だそうである。まあとにかく可愛いので景気づけに載せてみた。第16話『獅子の声』(2020年10月10日、脚本:小林雄次/照明:小笠原篤志/撮影:村川聡/監督:越知靖)は黒木ひかりメイン回だったぞ。現場でタブレット端末でいろいろ分析していると、ウルトラマンと怪獣がどたばたと戦い始め「うるさ〜い集中できない」とか言って怒鳴るところがまた可愛かった(←バカ)。



 それから前回ご紹介しそこねたやつ。『私たちはどうかしている』第1話冒頭にゲスト出演した初代マーキュリー(ネルケ版)松浦雅。浜辺美波が彼女のためだけに作った和菓子に、舌鼓を打つ。


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 さて、2020年10月09日の『リアルライブ』に「夏期、低視聴率ワーストドラマは話が複雑すぎた? 豪華キャストに期待集まるも残念な結果に」という記事が出ていた。


新型コロナウイルス感染拡大防止によるドラマ撮影中止の影響で、スケジュールも混乱した2020年の夏ドラマ。4月に放送開始し、放送休止を経て10月19日に最終回を迎える月9ドラマ『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)を除き、夏ドラマはいったん最終回を迎えたが、今期もっとも視聴率が低かったのは火曜ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ系)だった。



 「玉木宏が主演を務めた本作。養父母を死に追いやった会社社長への双子の復讐が描かれるストーリーで、整形したという設定の竜一(玉木)の双子弟・竜二を演じたのは高橋一生。実力派イケメン俳優の共演に、女性ファンからは喜びの声が聞かれていましたが、全話平均視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)という結果に。復讐モノという暗いストーリーに加え、登場人物が多いこと、話が複雑ということもあり、第1話で自己最高視聴率の9.1%を獲得し、その後は数字が低迷してしまいました」(中略)
 また、ワースト2位となったのは、日曜ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)だった。



 「ムロツヨシ主演で、人気監督の福田雄一が総監督、演出を担当した『親バカ青春白書』。全話平均視聴率は8.8%となっていました」(中略)
 そんな中、ワースト3位となったのは、キャストの豪華さで話題作でもあったドラマ『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)だった。



 「浜辺美波と横浜流星のダブル主演作で、観月ありさが悪役を演じ、反響を集めていた『私たちはどうかしている』ですが、全話平均視聴率は9.0%と低めの結果に。毎回着物や和菓子など、小道具の綺麗さなどにも注目が集まっていましたが、ストーリーは『ほぼ昼ドラ』と呼ばれるほどドロドロしていたのが、熱心な女性視聴者以外を受け入れることができなかった要因の一つとなっていたようです」(後略)
 (「リアルライブ」2020年10月09日


 う〜ん。私は、自分ではけっこうメジャー志向のつもりでいるんだが、この夏シーズンにまともに見た数少ないテレビドラマが、すべて低視聴率ワースト作品と言われると、さすがにへこむなあ。『半沢直樹』なんて一回も観なかったし。



「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それに応える。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。そして──潰す。二度と這い上がれないように」(池井戸潤『オレたちバブル入行組』)


 「そして──潰す」だって。こんなおっかない主人公を『ジェネラル・ルージュの凱旋』(2009年)の堺雅人が、あのテンションで演じると聞いただけで「ちょっとそれは……」と思って、最初のやつは最終回を恐る恐る観ただけだった。香川照之が夜のリビングでひとり小津安二郎の『東京物語』のビデオに見入っていると、妻の相築あきこが遊ぶ金を無心にやって来る、という場面が印象的だった。そんな香川が最後に土下座されられて、ちょっと可哀想だった。




 今シーズンはとうとう完全スルーだったが、視聴率30%超えである。多加賀主水のほうがいいよね、なんて言っている自分が恥ずかしい。いやそれはそれで多加賀主水に失礼か。
 さて、台風も来ているのに仕事で京都へ行ったり大阪へ行ったり。新幹線に乗るのなんて半年ぶり、いやそれ以上か。なのでちょっと遅くなりましたが、引き続きDVD第5巻レビュー、Act.17です。



 あいかわらず、うさぎやまことたちのシーンと、レイと美奈子のシーンが短く交互に切り替わる。前回ではお店でタキシード仮面に似合う色の毛糸を選んでいたうさぎだが、今は公園のベンチに腰掛けている。うさぎは焼き芋をほおばり、まことはポップコーンを潰しては鳩に撒いている。それにしても公園には鳩がいて、よく見れば後ろの方には犬の散歩をしている人がいて、とにかく町の光景に現実感というか生活感が色濃い。佐藤健光監督、セーラームーンへの初登板作品にしてすでにケンコー色が全面に出ている。



うさぎ「冬はやっぱり焼きイモだよね~」



うさぎ(ノドに詰まる)「う、うっ」
まこと「だいじょうぶ?」
うさぎ「まこちゃん、あとで編み方とか教えてね。授業で聞いてただけじゃ分かんなくて」



まこと「いいけど、タキシード仮面のためじゃないからね。学校の課題だから」
うさぎ「分かってるって」



まこと「けどさうさぎ、本当にタキシード仮面のことを?」
うさぎ「そうだよ、どうして?」



まこと「いや、前はそんなふうにハッキリ言わなかったからさ」



うさぎ「そうかなぁ……」


 といいながら、食べ物つながりで、鴨川で肉まんを半分こした時のことを思い出すうさぎ。「ちょっとは、ありがとっていうか……」あのときからだんだん、衛に心が傾いていったのだ。



 という具合で、うさぎの悩みは恋愛問題なので、亜美に相手は無理だし、レイは相手にしない。これまでは大阪なるがうさぎの話し相手だった。でもAct.16の亜美との葛藤を花道に、以降のなるは、物語の表舞台から降りる(降ろされる、というべきか)。代わりにうさぎの恋愛問題を担当するのがまことである。



 ほんの少し前は、こんなことで悩むなんて思いもしなかったのに、どうしてこんなことになっちゃうかな、と沈んだ表情になってしまいそうなうさぎ。そんな鬱屈した思いを振り払うかのように、無理やりテンションを上げていく。



うさぎ「よし。クラウン行って一曲歌おう」



まこと「えっ?」
まこと「何なんだいったい」



まこと「毛糸忘れてんじゃん! うさぎやる気あんの?」


 一方、聖十番教会。拾った犬を懐抱する前回紹介したシーンのラストカットでは、何かしら怪訝な表情で美奈子の顔を覗き込んでいたレイだが、マガジンラックの雑誌に気付いてにっこり。この雑誌は、冒頭で美奈子がホテルで開いていたのと同じ『週刊スター』である。



レ イ「ああ」



レ イ「やっと分かった」



レ イ「会ったことあるような気がするはずよね」



 たぶん霊感少女のレイは、本当はもっと違う意味で「会ったことあるような気がするはず」と感じたのだろうが、雑誌を見て解決してしまった。一方、セーラーヴィーナスの正体がバレたのか、と一瞬うろたえた美奈子はホッとする。レイは、目の前にいるのがあの「愛野美奈子」であることに気づいただけであった。けれども次の瞬間、ちょっと自嘲気味に笑う。ふつうのJCやJKは私を見たとたん「美奈子ちゃん!」って言うはずじゃん。なにこの子、今ごろ気づいたの? 私もまだまだね。



美奈子「ふっ」



レ イ「え?」



美奈子「あたしのこと知らない女の子、初めて会った」


 にこにこしているけど、ここ、美奈子は若干傷ついたな。「あたしのこと知らない女の子、初めて会った」と言うと、レイはわりとストレートに「私、テレビとかあんまり見ないから」と返す。これには美奈子も、ちょっとムッとしたかもな。だからレイから「友達にすっごいファンの子がいるの」とうさぎの話題を振られたとき、すぐに憶えているとは返事せず、ちょっと考えるようなしぐさをしてから「うん、憶えている」と答える。もちろん十番病院でのセーラームーンとの初対面のことを忘れるわけがない。「すっごいファンの子」なんで掃いて捨てるほどいるから、そう言われてもすぐには出てこないわよ、というゼスチャーだ。



レ イ「私、テレビとかあんまり見ないから」



レ イ「でも、友達にすっごいファンの子がいるの」



レ イ「前に病院でサインもらったみたいなんだけど」



美奈子「うん、憶えてる」


 このあと、その「すっごいファンの子」がクラウンのカラオケで「セラヴィ」を歌いまくるシーンが挿入される。編み物をしながら冷ややかに見守る亜美とまこと。






 前に、亜美はこのときすでに課題のマフラーを終えて、レイの手袋を編んでいたんじゃないか、と書いたことがあるけど、こうしてみるとやっぱりママのマフラーっぽくもある。ママに似合うかも知れない。



 さて教会に戻って、レイと美奈子の会話は続く。和やかななかにも虚々実々の駆け引きというか。いかにもこの二人らしい台詞のやりとりである。



レ イ「芸能人でも、一人で教会に来たりするのね」



美奈子「好きなの。なんか色々考えられるから」



レ イ「色々?」



美奈子「うん。色々」



(空腹なのか、犬のお腹が鳴る)



レ イ「お腹が鳴るならもう大丈夫」



美奈子(ポケットを探りながら)「のど飴しかない」
レ イ「この子にはちょっと無理ね」



レ イ(のど飴を差し出され)「ありがとう」


 とそのとき外では、準備が整ったのか、なにか書類のようなものを整えた神父がようやく出かけようとしている。




 しかそこに妖魔が現われ、神父に襲いかかったのである。すばやく気配を察知するレイ、ついでに犬。



レ イ(妖魔!)




レ イ「あ、ちょっと」



美奈子「まさか」


 教会の中庭かどこかを走って妖魔を発見したレイは迅速に対応。お得意の「待ちなさい!」からの変身。




 そして「妖魔退散」で先制攻撃をきめる。



 素直に退散してしまう妖魔をさらに追うレイ。美奈子はその様子を遠くからひそかに見守る。




 というところでBパート終了、CMだ。なので今回も、このへんでね。